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スクワットで腰が痛いのはなぜ?原因やおすすめの筋トレ法を解説
自分の体重を使って、効率良く下半身を鍛えられるスクワット。道具不要で誰でも取り組めるトレーニングメニューですが、腰を上げ下げするたびに痛みを抱えている方は多いのではないでしょうか。今回は、スクワットする際に腰が痛い原因や正しいトレーニング法を紹介します。腰が痛いときの筋トレ法も解説しているため、ぜひ参考にしてください。
最終更新日: 2025.12.23
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スクワットすると腰が痛いのはなぜ?

スクワットしたときに腰が痛いのは、フォームが安定していないか、間違ったやり方をしているからです。スクワットは下半身の筋肉を養い、身体のバランスを整えるためのエクササイズです。本来、腰にダメージを与えるようなものではありません。
しかし、バランスが崩れた姿勢や間違ったフォームでトレーニングをすると、関節・筋肉に過剰な負荷がかかり、腰の痛みを引き起こします。スクワットはトレーニング法のなかでも負荷が高いため、より注意を払って正しい手順とフォームで取り組みましょう。
スクワットで腰の痛みを引き起こす原因
フォームを崩し、スクワットで腰痛を引き起こす原因は次の5つです。
- 腰を反らし過ぎている
- 腰を曲げ過ぎている
- 胸が丸まっている
- 腹圧が低下している
- 全身に力が入り過ぎている
それぞれを詳しくみていきましょう。スクワット以外のトレーニングでも気を付けてください。
腰を反らし過ぎている
腰が反っていると脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん:背中の筋肉)に過剰に力が入り、筋肉の疲労から腰の痛みを引き起こします。トレーニング中に腰から背中にかけて張っている感じがある場合は、特に注意が必要です。背骨をまっすぐ伸ばすことを意識して、スクワットに取り組みましょう。
腰を曲げ過ぎている
腰を曲げて猫背の姿勢になっていると、腰に負荷がかかります。反り腰姿勢よりも猫背のほうが腰にかかる負荷が大きく、ぎっくり腰にもつながりやすいのです。猫背気味の方はあごを引いて、頭の先から尾骨までまっすぐ伸ばすことを意識しましょう。
胸が丸まっている
スクワット中に胸が張れていないと腰椎が曲がり、腰に過剰な負荷がかかります。胸椎や肋骨の可動域が低下していると胸が丸まりやすいので、意識して胸を張りましょう。胸椎や肋骨の可動域は、深呼吸で広がります。ゆっくり、大きく呼吸しながらスクワットしてください。
腹圧が低下している
スクワット中に腹圧が低下すると腰椎が不安定になり、正しいフォームでも腰の痛みを引き起こします。腰への負荷を軽減するためにも、お腹まわりにある腹斜筋や腹横筋をしっかり使い、腰の安定感を高めることが大切です。腹圧ベルトを活用して外側からお腹まわりを引き締めるのもひとつの手です。
全身に力が入り過ぎている
身体に過剰に力を入れながらスクワットすると、腰の筋肉が緊張して凝り固まります。筋肉の緊張も、身体の痛みを引き起こす要因です。無駄な力を抜き、筋肉の動きを意識しながらトレーニングしてください。
正しいスクワットの手順と注意事項

それでは、正しいスクワットのやり方をみていきましょう。
<正しいスクワットの手順>

- 両足は肩幅よりも広く開き、つま先をやや外側に向けてまっすぐ立つ
- 膝を内側に入れないように注意し、呼吸しながらゆっくりと腰を落とす
- 膝は太ももが床と平行になる程度で止める
- ゆっくり呼吸しながら腰を上げて、元の姿勢に戻る
- 2~4の動作を繰り返す
腰を落としたときに、膝のお皿がつま先よりに前に出すぎないのが正しいフォームです。ただ漫然と膝を曲げ伸ばしするだけでは、筋肉に効きません。お尻を後ろに引くように曲げると太ももにじわじわ負荷がかかります。膝を曲げるのではなく、股関節から先に曲げることを意識してください。
トレーニング中はゆっくり呼吸を繰り返し、息を止めないのが原則です。息を止めると酸欠になり、血圧が上がって心臓に負荷をかけるため注意しましょう。
スクワットで期待できる効果
スクワットは、下半身全体を効率的に鍛えられるトレーニング法です。立ち姿勢から膝を曲げ伸ばしするだけの単純な動作でも、膝につながる下記の筋肉をまんべんなく鍛えられます。
- 大腿四頭筋(だいたいしとうきん:太もも前面の筋肉)
- ハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)
- 大殿筋(だいでんきん:お尻の筋肉)
膝の曲げ伸ばしに関与するこれらの筋肉は立つ・歩く動作だけでなく、姿勢を正しく保つのにも欠かせない筋肉です。また、正しいフォームで行えば腹筋群や背筋群にもある程度の負荷がかけられ、強化が見込めます。
スクワットは自分の体重を使って負荷をかけるトレーニングで、特別な道具が必要ないのも魅力です。単純な動作で誰でも取り組めて、いつでもどこでも運動できるため、運動習慣にぜひ取り入れてください。
スクワットを習慣にすれば身体の動きが良くなり、筋肉量が増えて代謝の向上が期待できます。負荷のかけ過ぎで腰に痛みが出やすいとはいえ、正しいフォームで行えば問題ありません。
スクワットは、身体を良い状態に保つのに有効とされるトレーニング法です。運動不足が気になるとき、筋力アップを目指す方は、正しいフォームで毎日の習慣にしましょう。
スクワットで腰が痛いときにおすすめの筋トレ法

ここからは、腰が痛いときにも無理なくできるトレーニング法を紹介します。筋肉を強化して腰を支える働きも期待でき、腰の痛みを防ぐのにも効果的です。筋肉を鍛えるには時間がかかるため、毎日少しずつでも根気良く取り組みましょう。
しかし、トレーニング中に腰に痛みを感じた場合は、無理は禁物です。運動を中止して、身体を休めましょう。痛みが長引く場合は、整形外科の受診を検討してください。
腰が痛いときでもできるスクワット

腰まわりが不安なときは、背もたれのある椅子につかまってスクワットしましょう。姿勢の崩れを防ぎ、足腰が弱い方でも無理なく筋トレできるため、次の手順で取り組んでください。
- 椅子の背もたれに両手でつかまる
- つま先をやや外側に向け、両足を肩幅より広げて背筋を伸ばす
- 上半身の姿勢を維持しながら、5秒カウントしてゆっくり腰を落とす
- 太ももと床が平行になる程度で止め、2秒キープする
- 5秒カウントしてゆっくり元の姿勢に戻る
- 3~5を1セットとし、週2回1日3セット取り組む。
腹横筋を鍛える筋トレ

お腹まわりをコルセットのように覆う、腹横筋を鍛えるトレーニング法です。腹圧を強化して姿勢を支え、フォームの崩れを防ぐのに役立ちます。
- 布団の上に寝て両膝を立て、指1本ぶんの隙間ができる位に腰を上げる
- 骨盤を動かさずに、ゆっくり右足をあげて膝が90度になるようキープする
- 右足をあげたまま、同様に左足を上げて両膝とも90度をキープする
- 左足は曲げたまま、右足をゆっくり遠くに伸ばして姿勢をキープする
- 右足を伸ばしたまま、同様に左足も遠くに伸ばして姿勢をキープする
- ゆっくり両足を降ろす
脊柱起立筋を鍛える筋トレ

体幹を安定させる役割を担う、背骨まわりの脊柱起立筋を鍛えるトレーニング法です。猫背を予防して、腰痛を防ぐ効果が期待できます。次の手順で習慣にしましょう。
- 椅子に浅く腰掛け、背筋を伸ばす
- 背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと腰を右にひねる
- 無理のない範囲で止め、呼吸をしながら20秒キープする
- 息を吐き出しながらゆっくり腰を戻す。
- 次にゆっくり腰を左にひねり、同様に引き伸ばす
上半身を鍛えるプッシュアップ

プッシュアップは、良い姿勢を保持する筋力を養うトレーニングです。腕立て伏せとも呼ばれます。腰が痛いときには足を伸ばさずに、次の手順で取り組みましょう。
- 布団の上で両手・両膝をつき、四つん這いになる。
- 両手のひらは肩幅よりやや開いてつき、顔は前に向ける
- 3.腰の位置は変えずに、5秒カウントしながらゆっくり両肘を外側に曲げて上半身を下げる
- 胸が床につく直前で止め、2秒キープしてから5秒かけてゆっくり上半身を戻す
- 3~4を1セットとし、週2回1日3セット取り組む。
まとめ
腰を上げ下げするスクワットは簡単なようでも、負荷のかけ方が難しいトレーニング法です。フォームが崩れていたり身体に力が入り過ぎていたりすると腰に負荷がかかり、痛みを引き起こします。スクワットは、正しい手順とフォームで取り組んでください。腰が痛いときには負荷を減らすか、別のトレーニングも検討して無理なく身体を鍛えましょう。
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監修
M&メディカルリハ
株式会社
執行役員
髙見 友
(たかみ ゆう)
保有資格
- 理学療法士
- 日本理学療法士協会会員
- Certified Fascial Manipulation® Specialist (CFMS)
- ドイツ徒手医学認定セラピスト 2016年取得
- 認定理学療法士 運動器領域 2019年取得
経歴
- 2008年
- 千葉・柏リハビリテーション学院卒業
- 2008年
- いちはら病院勤務
- 2018年
- あかおぎ整形外科クリニック勤務
- 2019年
- M&メディカルリハ株式会社 執行役員就任