理学療法士の健康相談室

整体を受けた後の好転反応とは?揉み返しとの違いや体に起こるお困りごと

整体を受けた後の好転反応とは?揉み返しとの違いや体に起こるお困りごと

好転反応とは、整体で施術を受けた後に、痛み、だるさ、かゆみ、頭痛などのさまざまな身体のお悩みごとが一時的に誘発されることを指します。 今回は、整体を受けた後に生じる可能性がある好転反応に関して疑問を抱いている方に向けて、好転反応でのお困りごとや考えられる原因、揉み返しとの違い、おすすめの対処法について解説します。

最終更新日: 2025.12.08

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整体を受けた後の好転反応とは

好転反応とは、整体を受けた後に生じる痛み、違和感、重だるさ、倦怠感などのお困りごとを指し、普段の調子とは違う状態となります。整体後に必ず好転反応が出現するということはなく、自覚する症状がない事がほとんどです。

好転反応は、整体によるメンテナンス後の身体が改善を促す力を高めながら正常な機能に戻る過程に生じ、通常2~3日でおさまることが多いです。1週間程度経ってもお困りごとが改善しない場合は、整体院の施術者や、医療機関を受診して医師に相談するようにしてください。

好転反応が起こる原因

好転反応が起こる原因としては、整体の施術後に血流やリンパの流れ、身体の柔軟性、骨格の歪み、自律神経系の機能が改善される過程で、身体の変化を脳が知覚することが考えられます。

正常な好転反応であれば、身体が良好な状態へと変化している過程であるため、考えられる原因や対処法をしっかりと理解しておくことが大切です。また、身体は隣接した各部位が繋がっているため、お悩み箇所とは別の部位に好転反応が出現するケースもあります。

好転反応と揉み返しとの違い

次に、よく混同されがちな好転反応と揉み返しとの違いについて解説します。

揉み返しは、施術の際に強く押されたり揉まれたりすることで組織が傷つき、痛みなどの炎症反応が出現した状態を指します。好転反応は身体機能が向上している反応であるのに対して、揉み返しは炎症反応となります。

また、好転反応の場合は離れた箇所にもお困りごとが出現するケースがありますが、揉み返しの場合は施術部位のみに痛み、熱感、発赤などの炎症が出現することも特徴の一つです。

施術後に揉み返しが出現した場合の対処法としては、患部に対してアイシングを15分程度行うことや、消炎鎮痛作用のある湿布を貼るようにしましょう。お困りごとが改善せずに長期的に継続している場合は、早期に医療機関を受診して医師に相談するようにしてください。

整体を受けた後の好転反応

股関節の施術をしている整体師と患者

整体を受けた後の好転反応には、弛緩反応、過敏反応、排泄反応、回復反応の4種類があります。それぞれについて詳細をご紹介しますので、お困りごとを確認してみましょう。

弛緩反応

弛緩反応とは、施術後に筋肉の張りや血流不良が改善されることで、急激な眠気やだるさなどを感じる好転反応を指します。これは施術によって、リラックス効果を高める副交感神経の活動が向上し、身体がリラックスして脱力した状態となります。

弛緩反応の対策としては、施術後にしっかりと睡眠をとることや、ウォーキングなどの軽めの有酸素運動を行うことをおすすめします。

過敏反応

過敏反応とは、施術を受けた箇所の血流が改善されたことや、神経系が敏感になることで痛み、違和感、かゆみ、頭痛、腰痛、発汗などのお困りごとが出現します。首や肩こりの施術後には頭痛が起きることもあります。

過敏反応の対策としては、痛みや違和感のある部位に消炎鎮痛作用を含有した湿布を貼ることで、お困りごとの緩和が期待できます。

排泄反応

排泄反応とは、施術後に便や尿の臭いや色の変化がある場合や、下痢を生じるなどのお困りごとを指します。これは、施術によって血行やリンパの流れが良くなることで、老廃物や毒素、疲労物質が排出されることが原因と考えられます。また、吹き出物や湿疹が出現する場合もあります。

排泄反応の対策としては、水や麦茶などの水分を多めに補給し、老廃物や毒素を排出するように心掛けましょう。

回復反応

回復反応とは、施術後に身体の血流が改善されることでだるさ、倦怠感、発熱、吐き気などのお困りごとが出現します。例としては、入浴後の湯あたりに似たお困りごとが現れます。

回復反応の対策としては、意識的に水分を補給し、睡眠時間を確保するようにしましょう。

整体を受けた後に好転反応が出たときの対処法

肩の可動域を確認する整体師

整体後に好転反応が出た場合の対処法について解説します。整体後に上記のような好転反応が出現して悩んでいる方や、これから整体に行く予定で好転反応に関する不安を抱いている方は、ご紹介する対処法を確認してぜひ試してみてください。

安静にする

好転反応が出現した場合は、先ずは無理をせずに横になって休むようにしてください。好転反応が出た状態で無理に日常生活や仕事を行っていると、お困りごとが改善せずに悪化する可能性があるため注意が必要です。

また、水分をしっかりと摂取することで老廃物を体内から排出するように心掛けましょう。

体を温める

体を温めて血流を改善する方法も好転反応には効果的な場合があります。効果的な方法としては、温めたタオルを痛みが現れている部分に当てることや、お風呂の入浴で身体を温めることを試してみてください。

痛みが強い場合は、適温に設定したシャワーを浴びるだけでも大丈夫です。

入浴方法としては、38〜40度のお湯に10分程度入浴するようにしましょう。42度以上の熱めのお湯や長時間の入浴の場合は、交感神経が優位となりリラックス効果が得られない可能性が高まるため、設定温度と入浴時間には十分に注意してください。

整体を受けた後の好転反応に関して疑問を抱いている方へ

今回は、整体を受けた後に生じる好転反応に関して疑問を抱いている方に向けて、好転反応のお困りごとや考えられる原因、揉み返しとの違い、おすすめの対処法について解説しました。

好転反応は、通常2~3日でおさまることが多いですが、1週間程度経っても改善しない場合は、整体院や医療機関に早期に相談するようにしましょう。

監修

髙見 友

M&メディカルリハ
株式会社
執行役員

髙見 友
(たかみ ゆう)

保有資格

  • 理学療法士
  • 日本理学療法士協会会員
  • 医科学修士(埼玉医科大学)
  • Certified Fascial Manipulation® Specialist (CFMS)
  • ドイツ徒手医学認定セラピスト 2016年取得
  • 認定理学療法士 運動器領域 2019年取得

経歴

2008年
千葉・柏リハビリテーション学院卒業
2008年
いちはら病院勤務
2018年
あかおぎ整形外科クリニック勤務
2019年
M&メディカルリハ株式会社 執行役員就任
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