理学療法士の健康相談室
腰に負担のかからない座り方とは?腰を痛めないために心がけるべきことも解説
腰が痛くて悩んでいる方は、座り方に原因があるかもしれません。腰に負担をかけやすい座り方はたくさんあり、無意識に行っている場合があります。今回は、腰に負担のかからない座り方や良くない座り方、心がけたい習慣などを解説します。
最終更新日: 2025.12.23
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腰に負担がかかりにくい座り方

ここでは、腰に負担がかかりにくい座り方を3つ紹介します。
椅子に座るとき
椅子に座るときは深く腰かけ、背筋を伸ばしましょう。
骨盤を前傾させて肩とあごを後ろに引くと胸が開いた良い姿勢になります。足は床につけ、背筋と太もも、太ももと膝の角度を90度にすると良いでしょう。
しかし、この姿勢を続けるのは簡単ではありません。始めは意識的に行えますが、気がつくと普段の楽な姿勢に戻りがちです。
姿勢の崩れを防ぐためにも、伸ばした背筋に合わせるように、背もたれの角度を調整しましょう。クッションを間に挟むのもおすすめです。
また、PC作業をする方は「乗馬姿勢」を意識してください。これは上記よりも膝を低く下げて足を引いた姿勢で、腰への負担を軽減しやすくなります。
乗馬姿勢になったら、腕を90度に曲げたときの肘と机が同じ高さになるように、椅子の高さを調整しましょう。
床に座るとき
床に座ると骨盤が後傾し、腰や背中が丸くなりがちなため、床でも骨盤を垂直に保つことを意識しつつ、自然な姿勢で座りましょう。お尻にクッションを当てると良い姿勢をとりやすくなるため、試してみてください。
また、床に座ってPC作業をする方は、座卓の高さにも気を配りましょう。PCの下に台を置いて高くしておくと、目線が上がり背筋が伸びやすくなります。
運転しているとき
運転中は、背中とお尻がシートにしっかりとつくように座ります。ハンドルが遠いと腕が疲れるため、上部を持ったときに肘が軽く曲がる位置にシートを調整しましょう。
これにより自然に背筋が伸び、膝が股関節よりも高くなります。結果的に骨盤が後傾しにくくなり、腰への負担も軽くなります。
正しい姿勢で運転すると、万一の事故の際に衝撃を緩和し、けがのリスクを抑えることもできるでしょう。
腰に良くない座り方

普段何気なく座っている姿勢のなかに、腰痛の原因が潜んでいることもあります。下記では腰に良くない3つの座り方を解説します。
猫背
猫背は、背中が丸くなった姿勢のことです。クセになると腹筋や背筋が衰えて身体を支える力が弱くなり、腰に負担がかかります。
さらに首の自然なカーブが失われたストレートネックを引き起こし、肩こりや首こり、頭痛の原因となることがあります。
スマートフォンを長時間うつむきながら見ることも、猫背につながります。猫背による身体への悪影響を防ぐため、スマートフォンを見るときは背筋を伸ばし、目線の高さで見ることが大切です。
ずっこけ座り
お尻が前に滑り、背中だけで寄りかかっている座り方をずっこけ座りといいます。
背筋を伸ばさず、楽な姿勢を取っているように感じますが、長時間続けるのは避けましょう。身体は寝そべっている状態で、首だけが前に起きているため、背もたれと腰の間の空間ができ、腰にかかる負担が大きくなるためです。
ずっこけ座りを続けていると、重力の影響で腰椎(腰の骨)が徐々に曲がり、椎間板ヘルニアを引き起こす可能性があります。
ヘルニアが進行すると、神経に触れて痛みやしびれが生じることがあります。しかし、重症化するまで自覚症状がないことが多いため、痛みやしびれを感じていなくても、正しい姿勢を意識することが大切です。
足組み
足を組むと、骨格にズレが生じることがあります。これは、骨盤への圧力が均等にかからず、身体の重心が偏ってしまうためです。
特に避けたいのが、いつも同じ足を上にして足を組むことです。続けていると姿勢が非対称になり、腰痛が悪化する可能性があります。足を組むことは避け、両足を均等に床につけて座るようにしましょう。
腰を痛めないために心がけるべきこと

腰痛を予防するために必要な心がけについて解説します。
長時間座らない
長時間座っていると疲れによって姿勢が徐々に悪くなり、腰の正常なS字カーブが崩れてしまいます。
姿勢が悪化すると腰の筋肉や関節に負担がかかり、痛みが引き起こされる可能性があります。そのため、15分に1回程度は大きく身体を動かしましょう。
もし難しい場合でも、少なくとも1時間に1回は背筋を伸ばしたり、身体を左右に倒したり、またはトイレに立ったりするだけでも腰への負担の軽減が見込めます。
正しい姿勢を意識していても、長時間同じ姿勢を続けることは避け、適度に身体を動かしましょう。
クッションを活用する
「今使っている椅子が身体に合わないが、簡単に買い替えられない」という方には、クッションの活用をおすすめします。
柔らかいクッションを一枚挟むだけで、お尻や腰への負担が軽減されることが期待できます。ただし、クッションを使用する際は、下記2つのポイントを押さえておくことが重要です。
- 座り心地が良いと感じられること
- 現在使用している椅子にフィットするサイズや形状であること
これらのポイントを考慮しないと、クッションの効果が十分に感じられず、腰への負担が改善されないことがあります。
エクササイズをする
適度にエクササイズをすることも大切です。自宅で簡単にできる4つのエクササイズを下記で紹介します。ぜひ実践してください。
腰の痛みを軽減するエクササイズ

腰の痛みを軽減するために、膝倒しエクササイズを行いましょう。
【手順】
- 膝を90度くらいに曲げてあおむけに寝る
- 両手を横に大きく広げ、上半身を安定させる
- 両膝をゆっくりと横に倒す
- 両膝をもとの位置に戻す
- 3と反対側に倒す
- 左右で2回ずつ実施する
【ポイント】
- 膝を倒すときはゆっくりと息を吐き、戻すときは息を吸う
- 強い痛みが出ないように、痛気持ち良いくらいの強さで行う
固定した上半身に対して下半身をねじることで、背中や腰、お尻の筋肉のストレッチ効果が期待できます。
背骨の動きを柔軟にするエクササイズ

背骨の動きを柔軟にするエクササイズです。
【手順】
- 両手、両膝を床につけて四つん這いの姿勢をとる
- 両手をまっすぐ前に伸ばし、床に胸をつけながら背中を反らせる
- この姿勢を20秒間キープする
- 手の力で四つん這い姿勢に戻る
【ポイント】
- お尻の位置を動かさないようにする
- 3セット程度行い、少しずつ大きく動かす
このエクササイズにより、胸の前や脇の下の筋肉が伸び、背骨の動きが滑らかになります。
「S字カーブ」を保つエクササイズ

背骨の自然なS字カーブには、上半身の重さによる衝撃を和らげて腰にかかる負担を軽減させる役割があります。フェイスタオルを使って、このS字カーブを保つエクササイズを行いましょう。
【手順】
- 椅子に骨盤を立てて座る
- タオルを首の後ろに当て、胸を大きく開く
- 胸を開いたまま、タオルをまっすぐ持ち上げる
- タオルをもとの位置まで下ろす
- 上げ下げを10回行う
【ポイント】
- 胸を開く際は両側の肩甲骨を寄せ、背骨に近づけるイメージで行う
- 肩、背中、腰などに痛みが出ない範囲で行う
このエクササイズでは、肩甲骨の内側にある菱形筋(りょうけいきん)という筋肉が働きます。菱形筋には、肩甲骨を背骨に近づけて胸を開く働きがあるため、猫背予防の効果が期待できます。
頭の位置を正すエクササイズ

頭の位置を正すエクササイズです。
【手順】
- 椅子に骨盤を立てて座り、正面を向く
- あごを引いて頭を背骨の真上にのせる
- この姿勢を5~10秒キープする
【ポイント】
- あごが下を向かないようにする
- 動きがイメージできない場合は、人差し指であごを真後ろに押してみる
頭の位置を正すと、背中や腰にかかる負担が軽減されます。気が付いたときに行ってみましょう。
まとめ
腰に負担のかからない座り方は、骨盤を起こして背筋を伸ばすことです。猫背やずっこけ座り、足組みなどは腰痛を引き起こしたり悪化させたりする原因となります。
腰を痛めないためには適度な動きを取り入れつつ、クッションの活用やエクササイズなども行いましょう。
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監修
M&メディカルリハ
株式会社
執行役員
髙見 友
(たかみ ゆう)
保有資格
- 理学療法士
- 日本理学療法士協会会員
- Certified Fascial Manipulation® Specialist (CFMS)
- ドイツ徒手医学認定セラピスト 2016年取得
- 認定理学療法士 運動器領域 2019年取得
経歴
- 2008年
- 千葉・柏リハビリテーション学院卒業
- 2008年
- いちはら病院勤務
- 2018年
- あかおぎ整形外科クリニック勤務
- 2019年
- M&メディカルリハ株式会社 執行役員就任