理学療法士の健康相談室
腰痛で寝返りができないときの対処法と腰に負担をかけない寝方
腰痛で寝返りができずに困っているという方も多いのではないでしょうか?寝返りができないほどの腰痛が出現している場合は、ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、圧迫骨折などの整形外科疾患を患っている可能性があるため注意が必要です。 今回は、腰痛を発症して寝返りができずに困っている方に向けて、腰痛で寝返りができないときの対処方法と、腰に負担をかけないおすすめの寝方についてポイントを解説します。
最終更新日: 2025.12.12
この記事は約3分で読み終わります。
寝返りができないほどの腰痛の原因は?
寝返りができないほどの腰痛の原因で、整形外科疾患を発症している場合は動いたときに痛みを生じることが多く、安静時に痛みが出現する症例は内臓疾患を患っている危険性があるため注意が必要です。
それぞれの痛みの特徴について解説しますので、ご自身の症状と照らし合わせながらチェックしてみましょう。
動いたときに痛みがある場合
動いたときに痛みがある場合は、ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、背骨の圧迫骨折などの整形外科疾患を患っている可能性があります。
特に、腰回りの筋肉の過緊張、関節由来の症状、神経由来のしびれが関連している場合が多いです。力を入れる動作や瞬発的な動作時に発症する場合や、不良姿勢や生活習慣などの影響によって慢性的に発症するケースもあります。
安静時にも痛みがある場合
安静時に痛みがある場合は、腎臓や尿管の尿路結石、急性膵炎、腹部大動脈瘤、悪性腫瘍などの内臓疾患を患っている可能性があるため注意が必要です。
動作に関係なく生じる安静時痛がある方は、早期に医療機関を受診し医師の診察を受けるようにしてください。
寝返りができないほどの腰痛の対処法

寝返りができないほどの腰痛の対処法について解説します。今回は、整形外科に相談する、自宅で腰回りのストレッチを行う、寝方や寝姿勢を改善することについてご紹介します。対処法が分からずに困っている方は、今回ご紹介する方法をぜひ試してみてください。
整形外科や整体に相談する
症状が出現した場合は、まずは整形外科に相談し、痛みの原因を特定することをおすすめします。レントゲン検査で異常がない場合や、さまざまな対処法を試しても腰痛が改善しないケースでは、整体の施術を受けることで筋肉の過緊張状態を解消するとともにご自身にあったセルフケアについてのアドバイスを受けることが期待できます。
自己流で行うストレッチやマッサージなどのセルフケアは、強度や方法が間違っていると逆に症状が悪化する危険性があるため、専門家の指導を受けてから行うようにしましょう。
自宅で腰回りのストレッチを行う
寝返りができないほどの腰痛のおすすめの対処法は、腰回りのストレッチを行うことで腰部から股関節の柔軟性を高めることです。以下にストレッチの方法について解説するので、腰痛で困っている方は無理のない範囲で試してみてください。
【腰をねじる】
- 両膝を曲げた仰向け姿勢で寝る
- この姿勢から立てた両膝を右側に倒し、左腰を伸張しながら20秒ほどストレッチを行う
- 左右交互に20秒×3セットずつ行う
※両肘が床から離れないように腕から上半身をしっかりと固定しましょう。

【肘立て】
- うつ伏せ姿勢の状態となる
- 両肘から腕を胸の下に置く
- この状態から肘をゆっくりと伸ばしながら上体を起こし、体前面の胸部~腹部にある筋肉を20秒×3セットほどストレッチする

【膝曲げ】
- 両足を伸ばし、両手を後方について床に座る
- この状態から片足の膝を曲げ、図のようにお尻の下に足部を入れた状態で腿前面をストレッチする
- 左右交互に20秒×3セットほどストレッチする

【膝抱え】
- 仰向けで寝る
- 両方の股関節と膝関節を曲げながら床から足を持ち上げ、腹部前面に位置した両膝を両手で抱える
- 両手で両膝を頭側に引き上げながら、腰部後面にある筋肉を20秒×3セットほどストレッチする

寝具の交換を検討する
睡眠に支障をきたすほどの腰痛は、前述した身体的な要因だけでなく、寝具などの環境的要因の関与も考えられます。寝具の影響としては、マットレスや敷布団などの寝具が硬い場合や柔らかすぎるケースです。
これらの寝具を使用していると、布団に接地している肩甲骨、背中、腰部、骨盤、太ももなどの部位に負担がかかり、腰痛や肩こり、寝起き時の疲れ、睡眠不足による心理的ストレスなどを生じる可能性があります。ご自身の寝具の硬さをチェックし、経年劣化のある場合は高反発の寝具に変更することを検討し、睡眠の質を高めることで健康的な身体をキープしましょう。
寝方や寝姿勢を改善する
寝方や寝姿勢を改善することで腰の負担を軽減し、腰痛の緩和が期待できる可能性があります。腰痛の時に腰に負担をかけない寝方を次の章でご紹介しますので、寝返りができないほどの腰痛で悩んでいる方はぜひ試してみてください。
腰痛の時に腰に負担をかけない寝方

腰痛の時に腰に負担をかけない寝方について解説します。就寝時に腰痛を生じて眠れない方は、腰に負担のかかる寝方となっている可能性があります。腰痛の時に負担とならない寝方をご紹介しますので、夜間痛で困っている方はぜひ試してみてください。
仰向けで寝る
仰向けで寝る際には、膝下に枕やタオルを挿入して膝を曲げた姿勢で寝ると、腰の負担を軽減させることが期待できます。仰向け姿勢で膝を伸ばした状態で寝ると、反り腰傾向となることで腰への負担が増す危険性があるため注意が必要です。

横向きで寝る
横向きで寝る際には、抱き枕やクッションを手と足で抱えるような姿勢で寝ることをおすすめします。この姿勢は、反り腰や腰椎から股関節を中心とした体の捻じれから生じる腰の負胆を抑制でき、背骨を正しい位置に修正し、体幹が安定したリラックス姿勢をキープできます。

腰痛を発症して寝返りができずに困っている方へ

今回は、腰痛を発症して寝返りができずに困っている方に向けて、腰痛で寝返りができないときの対処方法と、腰に負担をかけないおすすめの寝方について解説しました。
寝返りができないほどの強い腰痛が出現しているケースでは、ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、圧迫骨折などを生じている可能性があるため注意が必要です。強い腰痛や長引く症状がある方は、早期に整形外科を受診して医師の診察を受けるようにしてください。 さまざまな対処法を試しても悩みが改善しないケースでは、筋膜調整や骨盤矯正などを得意とする整体院で施術を受け、過緊張状態の筋肉をほぐし、身体のバランスを整えることで悩みにアプローチできる可能性があります。
また、ご自身にあったセルフケアについてのアドバイスを受けることができます。 寝返りができずに困っている方や、寝方などの対処法がわからない方は、ぜひ一度整体院にご相談ください。
関連記事
RELATED POSTS
注目キーワード
KEYWORD
監修
M&メディカルリハ
株式会社
執行役員
髙見 友
(たかみ ゆう)
保有資格
- 理学療法士
- 日本理学療法士協会会員
- 医科学修士(埼玉医科大学)
- Certified Fascial Manipulation® Specialist (CFMS)
- ドイツ徒手医学認定セラピスト 2016年取得
- 認定理学療法士 運動器領域 2019年取得
経歴
- 2008年
- 千葉・柏リハビリテーション学院卒業
- 2008年
- いちはら病院勤務
- 2018年
- あかおぎ整形外科クリニック勤務
- 2019年
- M&メディカルリハ株式会社 執行役員就任