トリガーポイントの見つけ方を部位別に紹介!ほぐし方やポイントも解説

マッサージや整体の施術を受けても、すっきりしないと悩んでいませんか?身体のコリや痛みが長引く原因は、トリガーポイントにあるかもしれません。今回はトリガーポイントができる原因を解説しながら、セルフケアでの見つけ方やほぐし方を紹介します。


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トリガーポイントとは

トリガーポイントとは、筋肉や腱などに生じるしこりをいいます。指で肌に触れるとわかる、ごりっとした塊がトリガーポイントです。

トリガーポイントが生じると周囲の組織を圧迫して血液が流れにくくなり、身体の痛みを引き起こします。しかも、トリガーポイントはまったく別の部位に痛みを引き起こすこともあるため注意が必要です。

例えば、慢性的な頭痛の原因が首にできたしこりだったり、腰のトリガーポイントが足の痛みを引き起こしたりするケースもあります。

トリガーポイントができる原因

トリガーポイントが発生する主な原因は、下記の通りです。

・長時間の同じ姿勢や冷え
・加齢や不摂生な生活
・激しい運動
・損傷や外傷
・精神的なストレス

それぞれを詳しくみていきましょう。

長時間の同じ姿勢や冷え

トリガーポイントは、長時間同じ姿勢を取り続けた後や身体が冷えたときにできやすい傾向があります。どちらも、血行不良が原因です。

デスクワークで座ったまま動かずにいると、筋肉が緊張して硬くなります。硬くなった筋肉が周囲の血管を圧迫し、血流が滞ってトリガーポイントが形成されるのです。

血流が滞ると酸素や栄養素が末端の細胞まで行き届かなくなり、さらに筋肉が硬くなる悪循環が生まれます。

冷え性や夏の冷房で身体が冷えた際も血行が悪くなり、トリガーポイントができやすい傾向があります。

加齢や不摂生な生活

年齢を重ねると筋肉には徐々に負担が積み重なり、硬くなってトリガーポイントが発生しやすくなります。また、加齢によって身体の水分量が低下すると血行が悪くなるのも問題です。

そのほか、糖質の摂りすぎによる栄養過多も、筋膜同士を癒着させることがあるため、トリガーポイントが生じやすくなります。不摂生な生活は糖質の摂りすぎにつながりやすいため、気を付けてください。

激しい運動

激しい運動は筋肉に負担をかけます。筋肉を酷使すると筋膜の癒着やねじれが生じ、血行不良からトリガーポイントが発生しやすくなります。

筋肉を酷使する力仕事に従事している方、普段から激しいスポーツに取り組んでいる方は注意しましょう。

損傷や外傷

怪我によって内出血や腫れが生じるとまわりの血管を圧迫し、血液の流れを滞らせて、トリガーポイントが発生します。

また、怪我すると無意識のうちに患部をかばうようになり、筋肉に負担をかけがちです。放置するとトリガーポイントができやすいため、怪我は早めに治療しましょう。

精神的なストレス

精神的なストレスによってトリガーポイントができることもあります。人間の身体は、強いストレスにさらされると交感神経が優位になり、身体が緊張状態になります。ストレスから筋肉が緊張して血行が滞り、トリガーポイントの形成につながりやすいのです。

【部位別】トリガーポイントの見つけ方

トリガーポイントは、家庭でもケアできます。気になる部分に指を滑らせて、皮膚の下にしこりやハリがないか探しましょう。

手が届かない部位は、テニスボールやゴルフボールを使います。指やボールがあたって鈍い痛みがあるところが、トリガーポイントです。

ここからは、首・肩・腰・膝に分けて、トリガーポイントの探し方を解説します。

首のトリガーポイントの見つけ方

手が届きにくい首の後ろは、テニスボールやゴルフボールを活用すると簡単です。浴槽や椅子の背もたれに寄りかかる際に首の後ろにボールを挟み、筋肉に押しあてましょう。ゆっくりボールがあたる位置を変えながら、しこりや痛みを探してください。

肩のトリガーポイントの見つけ方

肩の場合は、トリガーポイントができやすい部位を集中的に探す必要があります。下記の部位を指で押して、しこりや痛気持ち良い部分を見つけましょう。

・鎖骨の先端と肩の骨の間にできるくぼみ
・肩や肘などの関節まわり
・背中にある肩甲骨のまわり
・そのほか、骨と筋肉が接するくぼみ

肩甲骨に手が届かない場合は、横になってボールを転がしましょう。布団の上で仰向けになるときに背中にボールを挟み、ゆっくり動かして痛い部分を探してください。

腰のトリガーポイントの見つけ方

腰まわりのトリガーポイントは、下記の部位を狙って探しましょう。

・背中側の骨盤の上
・お尻の中心のくぼみ
・お尻の一番盛り上がった部分からやや外側

指で押しにくい背中やお尻は、横に寝転んでボールを使うとトリガーポイントを見つけやすくなります。

膝のトリガーポイントの見つけ方

膝の場合は、下記の部位にトリガーポイントができやすい傾向があります。指で押して、しこりや鈍い痛みがある部分を見つけましょう。

・脚の付け根
・膝関節から指3~4本分程度離れた場所の内側と外側
・膝の裏の外側
・膝の裏から手のひら1つ分下のふくらはぎまわり

トリガーポイントのほぐし方

トリガーポイントは慢性的なコリや痛みに発展しやすいため、早めに対処する必要があります。ここからは、指と道具を使う方法に分けて、トリガーポイントのほぐし方をみていきましょう。リラックスした状態で始めてください。

指でほぐす

指でトリガーポイントをほぐす際は、しこりにゆっくりと圧をかけるのがポイントです。強く押しすぎないように注意しながら、じっくり力を入れて押し続けましょう。

道具でほぐす

手が届かない背中や腰まわりは、ストッキング・ハイソックスにボールを入れて使うと便利です。ボールを入れてストッキングを背負うように持ち、壁と背中で挟んで転がして、ちょうど良い場所に当たるようコントロールしましょう。

股関節やお尻まわりのトリガーポイントは、自分の体重を使ってほぐすと簡単です。ボールを床に置き、その上に座ってゆっくり体重を乗せて刺激しましょう。椅子に座って行うのもおすすめです。

トリガーポイントをほぐす際のポイント

トリガーポイントをほぐす際は、下記の点に注意が必要です。

・刺激のしすぎに気を付ける
・トリガーポイント周辺もほぐす
・トリガーポイントの対側も刺激する

ほぐし方のポイントをみていきましょう。

刺激のしすぎに気を付ける

強い刺激は筋肉や腱にダメージを与えるリスクがあるため、強く押したり長時間ほぐし続けたりするのは控えましょう。指でトリガーポイントをほぐす際は、1か所につき1回20秒程度、1日6~12回程度の刺激が適切です。

テニスボールやゴルフボールなどの道具を使用する場合は、痛気持ち良いと感じる程度の刺激が目安です。1か所につき20~30秒を目安にして、1日2~3回程度ほぐしましょう。

トリガーポイント周辺もほぐす

トリガーポイントは点ではなく、広く面でほぐす必要があります。しこりが気になる部分から、周辺10cmを目安に広く刺激しましょう。

ピンポイントに筋肉を押すと、筋膜の水分がつぶれて不均一になり、なめらかな動きを妨げる可能性があります。部分的に偏らないよう、指やボールを当てる部位を少しずつずらしながらほぐしてください。

トリガーポイントの反対側も刺激する

トリガーポイントをほぐす際は、反対側にある筋肉もあわせて刺激するのが正しいやり方です。背中のトリガーポイントをほぐす際は胸も、腰は反対側のお腹まわり、太ももの内側を刺激するなら足の外側をセットで押しましょう。

筋肉は伸びる側と縮む側がセットになり、シーソーのように働きます。片方だけほぐしても対側が放置されたままだとすぐに効果が失われるので、両方を刺激して効率良くトリガーポイントを取り除いてください。

まとめ

トリガーポイントとは、長時間同じ姿勢でいたために生じる血行不良や冷え、激しい運動などによって作られます。放置すると血流を妨げ、さまざまな痛みを引き起こすので、無理のない範囲で指や道具を使ってほぐしましょう。

筋肉のコリや痛みは、軽いものなら家庭でのセルフケアでも和らげられます。下記の記事では、自分で肩こりの状況をチェックする方法を紹介しています。肩こりの予防対策も解説しているので、トリガーポイントの見つけ方とともにぜひ参考にしてください。

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