40代女性の疲れが取れない原因は?
40代になると、これまでと同じ生活を送っていても、疲れやすさを感じるようになります。その理由には、年齢とともに起こる身体の変化や日々の習慣が深く関係しているのです。ここからは、疲れが取れにくくなる具体的な原因について紹介します。
ホルモンの変化
40代に入ると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が徐々に不安定になり、やがて減少していきます。これは、更年期のはじまりとされる45歳~55歳ごろにかけて多くの女性が経験する自然な変化です。
エストロゲンの低下によりホルモンバランスが乱れると、自律神経の働きにも影響を与え、慢性的な疲労感を引き起こしやすくなります。
また、ホルモンバランスを調整する脳の視床下部の機能も低下しやすくなり、体温調節がうまくいかなくなったり、睡眠の質が悪化したりして疲労が蓄積しやすくなる傾向です。
筋肉の衰え
年齢を重ねると自然と筋肉量が減少し、それにともなって基礎代謝も低下します。基礎代謝が下がると、エネルギーの消費効率が悪くなり、少しの動きでも疲れを感じやすくなるのです。
さらに、日常生活で使われる筋肉が衰えていけば、体力や持久力も落ち、以前よりも疲れやすくなってしまいます。筋力の低下は血流の悪化にもつながり、全身の巡りが滞ると慢性的な疲労感を引き起こすきっかけになるでしょう。
特に運動習慣がない方は、このような状態に陥りやすいため、意識的な対策が必要です。
貧血
40代の女性は、月経や偏りがちな食生活の影響で鉄分が不足しやすく、貧血のリスクが高まります。貧血になると、体内に十分な酸素を運ぶことができず、疲れやすさや息切れ、めまいなどの症状が現れるのです。
慢性的な疲れやだるさが続く場合は、単なる疲労ではなく貧血が隠れている可能性が否定できません。放置すると生活に支障をきたすこともあるため、自覚症状があるときは、一度血液検査を受け、貧血があるかどうかを調べてみると良いでしょう。
脳疲労
脳疲労とは、膨大な情報を処理し続けた結果、脳の神経細胞が疲れてしまう状態を指します。スマートフォンやPCの使用時間が長くなると、脳は常に情報を受け取り続けることになり、休む暇がありません。
特に40代の女性は、仕事に加えて家事や育児といった複数の役割を担っていること が多く、日々マルチタスクをこなす必要があります。
そのため、意識しないうちに脳へ大きな負荷がかかり、慢性的な疲労感や集中力の低下を引き起こすのです。
睡眠不足
睡眠は、1日の疲れをリセットするために欠かせない回復の時間です。しかし、睡眠の質が下がると十分な休息がとれず、疲れを翌日に持ち越します。
特に40代では、ホルモンバランスが乱れやすくなり、それが自律神経に影響を与え、入眠しづらくなったり途中で目が覚めたりといった不調が起こりやすくなるのです。
睡眠の質が悪い状態が続くと、例え睡眠時間を確保していても疲労が蓄積し、慢性的なだるさや集中力の低下につながります。
40代女性の疲れを改善する方法
疲れが取れにくくなったと感じたときは、原因を知るだけでなく、日々の生活を見直すことも大切です。ここからは、無理なく取り入れられる疲労改善の方法を紹介します。
更年期障害について病院で相談する
40代は更年期に差し掛かる年代であり、ホルモンバランスの乱れによって、疲労感だけでなく、頭痛や不眠、気分の落ち込みといった症状が現れることがあります。不調が続くときは、自己判断せずに医療機関へ相談することが大切です。
専門の診断を受けることで、身体の状態に合った治療が受けられ、症状の改善が期待できます。治療法には、漢方薬やホルモン補充療法などがあり、医師と相談しながら適切な方法を選ぶことが可能です。
適度に運動を行う
身体を動かすと血流が促進され、全身に酸素や栄養が行き渡りやすくなります。また、筋力の維持や基礎代謝の向上にもつながり、疲れにくい身体づくりが期待できます。ハードな運動である必要はなく、ウォーキングやヨガ、ストレッチなどの軽い運動を無理なく続けることが大切です。下記に、おすすめのストレッチを紹介します。
<胸のストレッチ>
デスクワークや猫背気味の姿勢によって縮こまりやすい胸まわりをゆるめ、呼吸を深めやすくするストレッチです。
1.姿勢を正して立ち、息を吸いながら両腕を斜め後方に伸ばす
2.息を吐きつつ、腕を前方に持ってきて軽く交差させる
3.この動きをゆっくりとしたペースで4回ほど繰り返す
4.最後は大きく息を吐きながら、両手を身体の横に戻す
<股関節のストレッチ>
下半身の血流改善や腰まわりの可動域アップに効果的なストレッチです。
1.床に座り、両足の裏を合わせて足を引き寄せる
2.背中をまっすぐ伸ばし、骨盤を立てる
3.両手でつま先を持ち、息を吐きながら股関節から折りたたむように上体を前へ倒す
4.前に倒れた状態でゆっくりと呼吸を続け、10秒ほどキープする
5.上体を戻し、3と4の動作を3セット繰り返す
6.終わったら脚をゆっくりほどき、仰向けになって身体を休める
<肩甲骨のストレッチ>
肩こり予防や上半身の血行促進に役立つ、簡単な肩甲骨ストレッチです。
1.両ひじを後方へ引き、肩甲骨同士をしっかりと寄せる
2.両ひじを前へ出し、肩甲骨の間をゆるめて広げる
3.肩甲骨を寄せる動きに合わせて、肩を上下にゆっくり動かす
4.両肩を大きく円を描くように回す
5.両腕で大きな木を抱えるような形をつくりながら、深く息を吐いて身体の力を抜く
バランスの良い食事をとる
疲れにくい身体をつくるためには、栄養バランスの取れた食事が欠かせません。筋肉の維持には、肉や魚、卵などに含まれるタンパク質が役立ちます。鉄分は、貧血予防に重要な栄養素です。レバーやあさり、小松菜などから補えます。
また、エネルギー代謝を助けるビタミンB1・B2も意識したい栄養素です。ビタミンB1は豚肉やうなぎ、ビタミンB2は納豆やアーモンドなどに豊富に含まれます。栄養バランスや食事のリズムが乱れている方は、日々の食生活を見直しましょう。
リラックスできる方法を見つける
心身の疲れを和らげるためには、自分に合ったリラックス方法をみつけて楽しむことが効果的です。瞑想やカラオケ、甘いものを楽しむ時間、友人との食事など、好きなことに没頭する時間はストレス軽減につながります。
また、入浴によって血行が促進されると筋肉の緊張がほぐれ、副交感神経が優位になります。日常の中で、意識的にリラックスする時間をつくることが、疲労回復につながるでしょう。
睡眠の質を向上させる
疲れをしっかりと回復させるためには、睡眠の質を高めましょう。質の高い睡眠をとるためには、就寝前にリラックスできる時間を確保し、室温は18~22度に保つなど快適な環境を整えることが大切です。遮光カーテンの使用も、外光による覚醒を防ぎやすくなります。
また、規則正しい生活リズムを維持し、自分に合った睡眠時間をみつけるのもポイントです。睡眠時間は、7~8時間程度が推奨されています。
就寝前のカフェイン摂取やスマートフォンの使用は、脳を刺激して眠りを妨げる要因になるため、なるべく控えましょう。
関連記事:【40代】寝ても疲れが取れなくなった原因は?快眠のコツ、睡眠以外で疲労回復するポイント
まとめ
40代になると疲れが取れにくくなるのは、自然な変化です。しかし、原因を知り、生活習慣を少し見直すだけでも、身体は変わり疲労感が軽減します。無理のない範囲で、できることから始めて、心と身体のバランスを整えることが大切です。