アキレス腱炎の痛みにはストレッチがおすすめ!手順やポイントを解説

足を動かしたときにふくらはぎからかかとにかけて痛みがあり、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。繰り返す痛みは、アキレス腱炎の疑いがあります。痛みで動けなくなる前に、ストレッチで改善を目指しましょう。今回はアキレス腱炎の症状や原因を解説しながら、痛みが出たときの対処法や改善に役立つストレッチ法を紹介します。


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アキレス腱炎とは?

アキレス腱炎とは、かかとの骨である踵骨(しょうこつ)からふくらはぎの筋肉に伸びるアキレス腱の組織が損傷し、炎症が生じた状態のことです。アキレス腱は歩行や走行、蹴り出しに必要な腱で、着地の衝撃を和らげる役割も担っています。

アキレス腱炎の発症はアスリートや中高年に多く、運動習慣がない方でも症状が出ることがあるため注意が必要です。まずは、アキレス腱炎の症状や病院へ行くタイミングをしっかり理解しておきましょう。

アキレス腱炎の症状

アキレス腱炎は、主にかかとからふくらはぎにかけて痛みが生じます。特に、アキレス腱が踵骨に付着する部分から中腹部にかけて、かかとの2~6cm上に痛みが出やすい傾向があります。

歩き出したときや運動中、つま先立ちになるとかかとが痛むのは、アキレス腱炎の代表的な症状です。そのほか、アキレス腱まわりを押したりつまんだりすると痛みがある、かかとが赤く腫れているときもアキレス腱炎を疑いましょう。

アキレス腱炎の痛みは、動き始めに出やすいのが特徴です。起床した際、かかとにこわばりを感じる方もいますが、動き出してしばらくすると痛みが気にならなくなります。しかし、そのまま動き続けると悪化し、痛みから動作に支障が出ることもあるため注意してください。

同様の痛みに、アキレス腱周囲炎もあります。アキレス腱周囲炎とは、踵骨からアキレス腱が付く位置から約2cmの範囲内で炎症や変性が起きる病気のことです。

アキレス腱炎とアキレス腱周囲炎は症状が似ているため、自己判断が難しいことがあります。気になる症状が続く場合は、専門医に相談することをおすすめします。

病院には行くべき?タイミングは?

多くの場合、アキレス腱炎の痛みは3週間~2か月程度で自然に和らぎます。軽度なら家庭でのセルフケアでも対処できますが、重症の場合は病院での治療が必要です。

特に下記に該当する場合は、早めに受診を検討してください。

・かかとの痛みが長引いている
・痛みが徐々に強くなった
・痛みで日常の動作に支障が出ている
・かかとに腫れや熱感がある

軽い痛みでも、念のため整形外科を受診しておくと安心です。

アキレス腱炎を引き起こす原因

アキレス腱炎になる主な原因は、下記の3つです。

1.足を酷使した
2.筋肉の柔軟性が低下している
3.靴が足に合っていない

それぞれを詳しくみていきましょう。

原因1.足を酷使した

アキレス腱炎の原因でまずあげられるのが、足の酷使です。繰り返しアキレス腱に負荷がかかると損傷が増え、修復が追いつかなくなると炎症に発展して痛みが出ます。

特に、ダッシュやジャンプする機会が多い激しいスポーツは注意が必要です。

原因2.筋肉の柔軟性が低下している

加齢や運動不足による筋肉の柔軟性の低下も、アキレス腱炎を引き起こす原因のひとつです。筋肉が固くなっているときに急に動きだすとアキレス腱に負担がかかり、炎症に発展する危険性があります。

特に40代以降は発症リスクが高まります。

原因3.靴が足に合っていない

足に合わない靴も、アキレス腱炎を引き起こす原因です。サイズ違いや足の形状にフィットしない靴、クッション性の低い靴はアキレス腱に負担をかけ、発症リスクを高めます。

靴の形状やサイズは商品ごとに異なるため、購入前に試し履きが必要です。専門店で足の正確なサイズを測定してもらうと、靴を選びやすくなります。

アキレス腱炎になったときの対処法

アキレス腱炎の痛みを悪化させないためには、初期症状のケアが大切です。軽い痛みだからと放置すると炎症が広がり、慢性的な痛みに発展して生活に支障が出ます。

アキレス腱炎になったときの正しい対処法は、下記の通りです。

1.痛みが生じたら安静を保つ
2.痛みが強い場合はアイシングで冷やす
3.痛みが落ち着いたらストレッチに取り組む
4.軽めの筋トレでアキレス腱まわりを強化する
5.テーピングでアキレス腱を保護する

それぞれを詳しく解説します。

対処法1.痛みが生じたら安静を保つ

アキレス腱の痛みに気が付いたら、すぐに運動を中止しましょう。痛みがある段階ですでに炎症が生じているため、2~6週間程度は安静に過ごす必要があります。

良くなったと感じても運動を再開する際は、医師の判断にしたがってください。

対処法2.痛みが強い場合はアイシングで冷やす

アキレス腱まわりの急性期の痛みや腫れは、アイシングで冷やすことで痛みの軽減が期待できます。氷水をかかとまわりに15~20分程度あてて冷やしましょう。アイシングを継続する場合は冷やし過ぎに注意して、45分程度の間隔をあけて氷水をあてるのがポイントです。

病院で処方された消炎鎮痛剤や湿布については、医師や薬剤師の指示にしたがって使用しましょう。

対処法3.痛みが落ち着いたらストレッチに取り組む

ストレッチに取り組むことで、アキレス腱炎の柔軟性を高め、痛みの軽減ができます。急性期の痛みが落ち着いたら次のストレッチに取り組んでみましょう。

腓腹筋を伸ばすストレッチ

アキレス腱につながる、腓腹筋(ひふくきん)を引き伸ばすストレッチです。ふくらはぎ表層の血流を改善して、アキレス腱にかかる負荷を軽減します。

1.身体の右側を壁に向けて立ち、右手を壁につく
2.右足を大きく前に出し、体重を乗せる
3.左足のかかとを床から離さないようにし、ふくらはぎをしっかり伸ばす
4.ゆっくり体重を後ろに戻し、再び前にかけるのを数回繰り返す
5.足を入れ替え、右足のふくらはぎも同様にストレッチする

ヒラメ筋を伸ばすストレッチ

ふくらはぎにあるヒラメ筋を引き伸ばすストレッチです。腓腹筋のストレッチと同様に、アキレス腱にかかる負荷を軽減する効果が期待できます。

1.膝の高さくらいの台に右足を乗せる
2.右膝を曲げて体重をかけ、左足のふくらはぎを伸ばす
3.ゆっくり体重を後ろに戻し、再び前にかけるのを数回繰り返す
4.足を入れ替え、右足のふくらはぎも同様にストレッチする

対処法4.軽めの筋トレでアキレス腱まわりを強化する

ストレッチと並行してふくらはぎを強化する筋トレに取り組み、さらにアキレス腱への負担を減らしましょう。最初は控えめにし、様子を見ながら運動強度を徐々に上げていくのが効率良く筋力を上げるポイントです。

アキレス腱まわりを強化するなら、カーフレイズがおすすめです。カーフレイズの手順は、下記の通りです。

1.壁などの前に立ち、両足を拳1つ分ほど広げる
2.つま先で立ち、ゆっくりかかとを10回上げ下げする
3.1日2セットを目安に取り組む

対処法5.テーピングでアキレス腱を保護する

アキレス腱が痛むときは、テーピングするのもおすすめです。テーピングすると動きが制限され、アキレス腱にかかる負担を減らす効果が期待できます。また、アキレス腱炎の予防にも有効です。

かかとからスタートして、アキレス腱からふくらはぎの真ん中を通り、膝裏に向けて流れるようにテープを貼りましょう。テープは引っ張って貼る必要はありません。

アキレス腱炎の予防法

アキレス腱炎は再発しやすいため、予防が第一です。痛みが改善した後も継続してケアに取り組み、繰り返す痛みを防ぎましょう。

アキレス腱炎の予防に効果的なのは、下記の3つです。

1.運動前にウォーミングアップする
2.ストレッチを毎日の習慣にする
3.靴の買い替えを検討する

それぞれを詳しく解説します。

予防法1.運動前にウォーミングアップする

筋肉が硬い状態で急に運動を始めると、アキレス腱に負担がかかる可能性があるため、運動前にしっかりウォーミングアップしましょう。筋肉をほぐし、柔軟性を高めることで、アキレス腱への負担を減らせます。

ウォーミングアップには、軽めのジョギングやストレッチ、体操などがおすすめです。あわせて運動後のクールダウンにも取り組み、筋肉疲労の蓄積を防ぐようにしましょう。

予防法2.ストレッチを毎日の習慣にする

痛みが落ち着いた後も、再発予防としてストレッチを継続すると良いでしょう。日頃からアキレス腱まわりの筋肉をほぐすことで、アキレス腱炎にかかるリスクを軽減できます。

ストレッチをする際は、お風呂後の身体が温まったタイミングで取り入れるのがおすすめです。

予防法3.靴の買い替えを検討する

普段履いている靴やトレーニングシューズの買い替えも検討してください。特に、底が薄い靴を履いているとアキレス腱に衝撃が伝わりやすい傾向があります。クッション性があり、足のサイズに合う靴を選びましょう。インソールを入れて調整するのもおすすめです。

まとめ

ふくらはぎとかかとを結ぶアキレス腱は、歩いたり跳躍したりするときに重要な役割を果たす部位です。足を使うアスリートや中高年は、特にアキレス腱炎になりやすい傾向があります。悪化すると日常生活にも支障がでるため、アキレス腱まわりの痛みに気が付いたらストレッチで改善を目指しましょう。予防にも役立つので、ぜひ毎日の習慣にしてください。