その症状「秋バテ」かも!季節の変わり目に起こりやすい秋バテの原因や対策を解説

夏の暑さがようやく落ち着き、過ごしやすい季節がやってきたはずなのに、「なんだか身体がだるい」「やる気が出ない」「すぐに疲れてしまう」……そんな不調を感じていませんか?その症状、もしかすると「秋バテ」かもしれません。 季節の変わり目は、気温や気圧の変動が激しく、身体にも大きな負担がかかる時期です。特に夏の疲れを引きずったまま迎える秋は、体調を崩しやすくなります。 今回は、秋バテの原因や代表的な症状、そして日常生活でできる対策まで、わかりやすく解説します。


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夏から秋への変わり目に起こりやすい「秋バテ」

季節が夏から秋へと移るこの時期は、日中と夜間の寒暖差が大きく、私たちの身体には知らず知らずのうちにストレスがかかっています。

このような気温や気圧の変化による体調不良は「秋バテ」と呼ばれ、年齢や性別を問わず多くの人に起こりうるものです。

また、秋バテのように、気候や天気の変化が影響する不調全般を「気象病」と総称することもあります。

実際、リンナイ株式会社が行った意識調査では、全国の20代~60代の男女1,000名のうち、約7割が夏から秋にかけて身体の不調を感じているという結果が出ています。さらに、「秋バテ予備軍」に該当する人は全体の約8割にも上るとのことです。

出典:PR TIMES「夏から秋にかけて7割が身体の不調を経験 秋バテ予備軍は8割

秋バテの主な症状

では、秋バテになると、どのような症状が現れるのでしょうか。

秋バテの症状は人それぞれですが、下記のような身体や心の不調が代表的です。

・身体がだるい
・疲れがなかなか取れない
・やる気が出ない
・頭痛がする
・めまいや立ちくらみがする
・胃の不快感やもたれ
・食欲がない
・肩こりがする
・関節が痛む など

特に「最近ずっと疲れている気がする」「食欲がない日が続いている」といった状態が続いている方は、秋バテのサインかもしれません。

早めに自分の体調の変化に気づき、適切な対策をとることが大切です。

秋バテの原因

秋バテの主な原因は、自律神経の乱れです。

自律神経とは、私たちの身体のさまざまな機能を24時間自動で調整してくれている神経系です。

自律神経は、活動時に働く「交感神経」とリラックス時に働く「副交感神経」の2つで成り立っています。そして、この2つがバランスよく切り替わることで、体温や血流、内臓の働き、睡眠などがうまく保たれているのです。

しかし、夏から秋への変わり目の時期は、環境の変化が大きく、交感神経と副交感神経のバランスが崩れやすい時期でもあります。自律神経が乱れるため、秋バテになりやすいのです。

では、なぜこの時期に自律神経が乱れやすいのか、主な原因を2つの観点から詳しくみていきましょう。

気温・気圧が変化するため

秋口は、朝晩は涼しいのに日中は汗ばむほど気温が上がる日があり、一日の中での寒暖差が非常に大きいのが特徴です。また、台風の影響や季節の変わり目特有の気圧の変動も、自律神経に負担をかけます。

このような環境に適応しようと、身体は頻繁に体温を調整し、血流や発汗をコントロールします。その際、交感神経が優位な状態が続いてしまうと、身体が緊張モードから抜け出せず、疲れやだるさのような不調が起こりやすくなるのです。

夏の間の生活習慣が乱れていたため

実は、夏の過ごし方が秋バテの引き金になることもあります。猛暑が続く夏は、無意識のうちに生活リズムが崩れがちになり、自律神経に大きな負担をかけてしまうのです。

例えば、下記のような生活習慣があてはまる方は、自律神経の乱れを引き起こしやすくなります。

・暑さで夜なかなか寝つけず、睡眠不足が続いていた
・エアコンの効いた部屋で長時間過ごし、身体が冷えた状態が続いていた
・暑さで食欲が落ち、冷たい飲み物に頼ったりあっさりした麺類ばかりを食べたりしていた

このような生活習慣の積み重ねによって、夏の終わりから秋にかけて体調を崩しやすくなり、疲れやだるさなどの秋バテの症状が現れることがあります。

秋バテの対策

秋バテの主な原因は、自律神経の乱れによるものです。そのため、秋バテを予防・改善するには、日常生活の中で自律神経のバランスを整えることが大切です。

交感神経と副交感神経がスムーズに切り替わるよう、下記のポイントを意識してみましょう。

質の高い睡眠をとる

秋バテ対策として大切なのが、睡眠の質を重視することです。ただ長時間眠るだけでなく、深く、しっかり休める睡眠がとれているかどうかが重要です。

睡眠の質が低いと、自律神経が十分に回復せず、疲労感や集中力の低下につながります。

質の高い睡眠をとるためのポイントは下記の通りです。

・毎日なるべく同じ時間に寝起きする
・朝はカーテンを開け、太陽の光を浴びて体内時計をリセットする
・就寝前はスマートフォンやPCの使用を控える

なお、必要な睡眠時間は人によって異なりますが、6時間以上を目安にすると良いとされています。

適度に身体を動かす

自律神経を整えるには、軽い運動の習慣化も効果的です。身体を動かすことで血流が改善され、コリの緩和のほか、ストレス解消にもつながります。

おすすめは、1日20分程度のウォーキングやストレッチなど、軽く汗をかく程度の運動です。

あまり頑張り過ぎてハードなトレーニングをすると続かないため、無理のない範囲で行える運動を継続することが大切です。

入浴で身体を温める

秋の訪れで気温が下がると、身体が冷えやすくなります。冷えは自律神経を乱す要因のひとつであるため、シャワーだけで済ませず、湯船につかるのがおすすめです。

ぬるめのお湯にゆっくりつかると、副交感神経が優位になり、リラックス効果や疲労回復効果が期待できます。また、入浴になる温作用や水圧、浮力により、血行が促進され、筋肉の緊張もほぐれやすくなるのもメリットです。

入浴の際は、入浴剤を使用するのも良い方法です。入浴剤には保温・保湿効果のほか、冷え症、疲労回復、神経痛などに効果が期待できるものもあるため、体調に合わせて選ぶと良いでしょう。

食事のバランスを考慮する

秋バテ対策には、毎日の食事からしっかり栄養を摂ることが基本です。栄養が偏ると身体の回復力も落ちてしまいます。

栄養バランスの整った献立を意識しましょう。下記を意識すると、自然と栄養バランスが整いやすくなります。

・主菜1品+副菜1~2品
・主菜1品+副菜1品+汁物1品

また、下記は積極的に摂取したい栄養素・食材です。

栄養素 はたらき 含まれている食材
タンパク質 疲労回復、エネルギー源 豚肉、豆類、玄米 など
ビタミンB1 糖質をエネルギーに変えることによる疲労回復 肉、レバー、紅サケ、豆腐、さつまいも、そば、玄米、ほうれん草、グリーンピース など
食物繊維 腸内環境を整える 野菜、海藻、豆類、きのこ など

また、冷たい食べ物や飲み物の摂りすぎは胃腸を冷やし、消化機能や免疫力を低下させます。温かいスープや煮物、ネギ・生姜・ニラなど身体を温める食材を意識的に取り入れましょう。

水分を十分に摂る

秋に入ると、「夏ほど汗をかかないから」と油断しがちな水分補給ですが、実は脱水になりやすい時期は続いています。空気の乾燥や体温調節のため、気づかぬうちに水分を失いがちなのです。

通常の生活でも、1日あたり約2.5リットルの水分が失われるといわれています。食事から摂れる分を差し引いても、1.2リットル程度は飲み物から補う必要があります。

1日の水分補給の目安は、体重1kgあたり約30mlです。例えば、体重50kgの人であれば、1.5リットルの水分が必要ということです。

ただし、カフェインやアルコール、糖分が含まれているものは避けましょう。常温の水やノンカフェインのハーブティーなどを飲むのがおすすめです。

まとめ

秋口は気温や気圧の変化が大きく、夏の疲れも重なって体調を崩しやすい季節です。だるい、疲れが取れないなどの不調が続いているなら、それは秋バテの可能性があります。

秋バテの対策には、自律神経のバランスを整える生活習慣がポイントです。質の良い睡眠、適度な運動、バランスの良い食事、入浴、こまめな水分補給など、日々のちょっとした意識が予防につながります。

季節の変わり目を元気に過ごすためにも、無理のない範囲で生活を見直してみましょう。

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