座り方が悪いと腰痛になる原因
一見、楽な姿勢で椅子に座っているように思っていても、人間の身体は無意識に腰まわりの筋肉を使っています。
身体にとって良くない姿勢のままで長時間座り続けていると、骨が周辺の筋肉や神経を長時間刺激し続けることにつながるのです。
過剰な刺激を受け続けた腰回りの筋肉は、必要以上にエネルギーを消費して疲労が蓄積します。その繰り返しが筋肉そのものを弱らせ、腰への負担を増加させて腰痛の原因になるので注意が必要です。
正しい座り方を意識すれば、無駄なエネルギー消費を抑えて、腰回りの筋肉を休ませることができます。腰痛を悪化させないためにも、座り方のくせを見直してみましょう。
腰痛予防におすすめの座り方
腰痛を予防するためには、いくつかのポイントを意識して座ることが大切です。ここでは、良い姿勢をキープするための正しい座り方について解説します。
骨盤を立てる
「骨盤が立った状態」とは、腰骨の出っ張りと恥骨のラインが真っすぐになっている状態です。
しっかりと骨盤を立てた状態で座ると、腹筋や背筋などの筋肉を使って座れるようになります。適切な筋肉を使うことで筋力の低下を防ぎ、腰回りへの負担が軽減できます。
骨盤を立てた座り方では、足を組むことも少なくなるので、骨盤や身体のバランスが崩れにくくなるのも大きなメリットです。
正しい姿勢で背もたれに寄りかかる
本来、背もたれには身体の上体を支えて姿勢を安定させる役割があります。背もたれによりかかること自体は悪いことではないものの、意識せずに身体を預けてしまうと腰痛の原因になるので注意しましょう。
椅子を選ぶなら、身長と背中、腰回りのサイズに合わせて調節できる背もたれがベストです。長時間座って仕事をする場合は、背中から頭まで広い範囲を支えられるように調節することが望ましいとされています。
背もたれのリクライニング機能を使うときは、前傾・後傾ともに角度を90度から10度前後で調節するのがおすすめです。大きく傾けた方がリラックスできるように思われがちですが、骨盤を立てて座るのが難しくなり、かえって腰痛が悪化しやすいので避けましょう。
クッションを活用する
骨盤や腰回りへの負担を和らげる目的で、腰サポートやクッションを使うのもおすすめです。
腰痛の予防には、いかに腰への負担を分散させるかが重要とされています。ほど良い硬さのクッションを挟むことで姿勢が安定し、圧力が一点に集中しないように調節できるのがメリットです。
ただし、クッションは自分の体型などに合わせて選ばないと、姿勢の維持が難しくなり、腰への負担が増すおそれもあります。正しい姿勢のサポートになっているかも確認しながら、ぴったりのクッションを選びましょう。
腰痛の悪化につながる?NGな座り方
正しい座り方がある一方で、腰痛の原因となる悪い座り方もあります。ここでは、腰痛を予防するために避けたい座り方の代表例を5つ紹介します。
猫背・前かがみ
猫背や前かがみの姿勢は、腰痛が悪化しやすい姿勢のひとつです。身体全体が前に傾いている状態では、腰の筋肉や靱帯に負担がかかりやすく、腰痛を引き起こしやすくなります。
背骨周辺の筋肉が常に引っ張られている状態でもあるため、筋肉への負担が増して摩耗し、腰痛が生じることもあるので注意しましょう。
足を組む
つい足を組んでしまう方も多いかもしれませんが、足を組んだ姿勢も腰痛の原因のひとつです。
足を組むと骨盤の左右に均等に力がかからないため、背骨が左右のどちらかに曲がってしまいます。足を組むことで重心がずれたり、片方の方向に骨盤周りの筋肉が引っ張られたりして緊張してしまうこともあります。
結果として、骨盤周りに余計な負担がかかり、腰痛に発展します。
スマホ首
スマートフォンをのぞき込むときのような姿勢(スマホ首)は、首に大きな負担がかかり、肩こりの原因にもなる座り方です。
一見、腰痛とは関係ないように思えますが、スマートフォンを見ているうちに前かがみになりやすく、二次的に腰痛が起こる可能性もあります。
モデル座り
モデル座りとは、椅子に浅く座って背筋が伸びている座り方です。一見良い姿勢のようにみえますが、実は上半身が安定せず、無理な力が腰から背中にかけてかかりやすいので腰痛の原因になります。
上半身が不安定なままで浅く座るため、身体の重心が前方向に倒れやすく、反り腰になりやすいのもデメリットです。
ずっこけ座り
ずっこけ座りとは、お尻が背もたれよりもかなり前に出た状態を指します。腰と背もたれの間に大きな空間ができた状態で、腰に大きな負担がかかる座り方です。
ずっこけ座りは腰椎のカーブを変えてしまうおそれがあり、くせになったまま放置すると椎間板ヘルニアの原因になることもあるとされています。疲れていると、つい体勢が崩れてしまいますが、腰痛の悪化につながるので気を付けましょう。
【シーン別】腰痛対策になる座り方
何かに座ることは、日常生活のあらゆる場面で出てきます。ここでは、シーン別に腰痛にならない座り方について紹介します。
デスクワーク
デスクワークは長時間になりやすいため、いかに正しい姿勢をキープし続けられるかがポイントです。
デスクワークをするときは、両方の足裏を地面にしっかりつけ、椅子の奥に腰を深く座りましょう。背もたれにも正しい姿勢でよりかかり、身体を支えるように意識することが重要です。
骨盤を立てて座るには、尾てい骨の上部が背もたれに当たる位置に座ると良いでしょう。また、座骨を椅子の座面にしっかりフィットさせることで、背筋が自然と伸びるようになります。
食事
食事中の座り方を見直すと、食べ物の消化吸収もサポートできて一石二鳥です。
食事テーブルの高さは、座面と天板の距離(差尺)を30cm程度に合わせると良いとされています。正しい姿勢で身体のバランスが整っていれば、食べ物を嚙む歯の力も左右均等に加わり、しっかり噛めるのもメリットです。
前かがみになるとおなかや腸に圧力がかかってしまうため、背筋を伸ばして負担を和らげながら食べましょう。
車の運転
車を運転するときは、運転前にシートの位置を調節しておくのがおすすめです。
シートはやや高めにして前方の死角を最小限に抑えつつ、ヘッドレストと頭を同じ高さに合わせると良いでしょう。
運転中は腰への衝撃や圧力がかかりやすいので、シートの奥に深く座っておきます。そのとき、右足でアクセルとブレーキペダルを踏み込んだ状態で、膝に余裕ができる程度の位置にシートを動かしておくと、腰への負担も軽減できます。
床や畳に座るとき
床や畳に直接座るときは、姿勢をより正しく意識することが必要です。ついやりがちな横座りやあぐら、体育座りは骨盤が丸まってしまうため、腰痛になりやすいとされています。
床に座るのであれば、正座するのがおすすめです。正座の姿勢は骨盤が床面に対して垂直に立ちやすく、腰を真っすぐキープしやすいとされています。
ただし、正座は足に全体重が乗ってしまうので、膝や足首に負担がかかりやすい体勢です。長時間同じ姿勢が続くのは避けたほうが望ましいため、適度に座り直して負担を軽くしましょう。
床に座る際は、クッションや座布団をお尻の下に敷くのもコツです。ほど良い弾力性のあるクッションなどを活用すれば、膝や足首への負担を軽減しながら座れます。
まとめ
腰痛を予防したり、今以上に悪化しないようにしたりするには、正しい座り方を意識することが大切です。骨盤を立てることや、椅子の背もたれを正しく使うことなど、日常生活のなかで取り組めるポイントが多くあります。
さまざまなシーンに適した座り方があるので、自分のくせを見直しつつ、腰にやさしい座り方を実践しましょう。