ボキボキと鳴らす整体で見込める効果とは?
まずは、ボキボキと鳴らす整体で見込める効果について解説します。
ボキボキ音の正体は気泡が弾ける音
整体の施術中に鳴るボキボキ音は、関節の中で生じた気体が弾けたときに出る音です。
正式には「クラッキング」と呼ばれており、関節を曲げたり引っ張ったりした際に、関節が可動域を超えた瞬間にボキッという音が鳴ります。
骨と骨のわずかな隙間には、スムーズな動きをサポートする「関節液」があり、その液体のまわりを関節包が覆っています。
関節包の内部が外部よりも圧力が低くなった際に、関節液の中で気泡が生じ、それが弾けることで「ポキポキ」「ボキボキ」と音が鳴る仕組みです。
音を鳴らさない施術と効果はあまり変わらない
ボキボキと音を鳴らす整体は、音を鳴らさない「ソフト整体」と効果はあまり変わりません。
音を鳴らすこと自体に効果があるのではなく、施術を行っている過程で音が鳴っているに過ぎないからです。
ボキボキと音が鳴る施術は、「アジャスメント」とも呼ばれ、カイロプラクティックをベースに生み出されたとも考えられています。関節部分をすばやく動かしたり、強く引っ張ったりするのが特徴です。
音を鳴らす施術には、関節の可動域を広げる、筋肉を緩める、体液の循環を良くするなどの目的があります。
つまり、筋肉や関節をやさしく揉んだり揺らしたりして施術するソフト整体と目的は同じであり、音が鳴るか鳴らないかという点だけが異なるのです。
ボキボキと鳴らす整体のメリット
ここからは、ボキボキ鳴らす整体のメリットについて解説します。
スッキリとした感覚を感じられる
ボキボキと音を鳴らす整体でスッキリとした感覚を感じられるのは、「ゲートコントロール理論」によるものだと考えられています。
ゲートコントロール理論とは、痛みの信号が脊髄に伝わる際に、他の強い痛みが加わることによって元の痛みが脳に伝わるのを防ぐことがある、という理論です。
つまり、ボキボキと音を鳴らす強い刺激が、元からある痛みが脳に到達するのを抑制し、痛さを感じにくくしていると考えられています。
とはいえ、音を鳴らす整体にまったく効果がないというわけではありません。関節の位置を調整することで緊張がほぐれ、血流やリンパの流れの改善が期待できます。
ただし、その効果は音を鳴らさないソフト整体でも同じであり、ボキボキと音を鳴らす整体よりも効果の持続性は高いといえます。
関節の可動域が一時的に広がる
ボキボキと音をともなう施術を受けた後、一時的に関節がスムーズに動くようになることがあります。
これは、関節に刺激を加えることで正しい位置に調整され、硬くなっていた周囲の筋肉が緩んで各部位の動きがスムーズになるためです。
ただし筋肉や関節を急激な刺激で緩めたとしても、根本的な筋肉の強化や姿勢の改善には効果が期待できないため、すぐに元の可動域に戻ってしまいます。
ボキボキ整体では、その場で可動域を広げることはできますが、長く維持できないことがほとんどであることを認識しておきましょう。
ボキボキと鳴らす整体のデメリット
ここからは、ボキボキ鳴らす整体のデメリットを解説します。
健康被害を引き起こすおそれがある
特に首や背中に対してボキボキと鳴らす整体は、健康被害を引き起こすおそれがあるため十分な注意が必要です。
首や背中には、重要な神経や血管が集中しています。これらが不適切な施術によって損傷を受けると、麻痺やしびれ、感覚障害など重大な障害が生じるリスクが高まるのです。
また高齢者やリウマチ、ヘルニア、骨粗鬆症などの持病を持つ方が施術を受ける際は、関節や骨に負担がかかりやすいため慎重に判断することが大切です。
出典:独立行政法人国民生活センター「手技による医業類似行為の危害-整体、カイロプラクティック、マッサージ等で重症事例も-」
施術による身体への負担が大きい
ボキボキと音を鳴らす整体は身体への負担が大きいため、虚弱体質の方や基礎疾患のある方にはおすすめできません。
音を鳴らす整体では、可動域の拡大や歪みの調整のために、通常よりも強めの圧力が身体に加えられることがあります。
骨が弱っている方や身体が弱い方はその強さに耐えられず、施術を受けることで逆に痛みや不快感が生じるおそれがあるのです。
また、捻挫(ねんざ)や圧迫骨折、椎骨動脈解離(ついこつどうみゃくかいり)などを引き起こす可能性もあります。
体質に不安がある方は、ボキボキと音を鳴らす整体は避け、身体に負荷をかけない施術を選びましょう。
ボキボキと鳴らす整体の危険性と注意点
ここからは、ボキボキと鳴らす整体の危険性と注意点を解説します。
むやみにボキボキと鳴らす整体では怪我をするおそれがある
ボキボキとむやみに身体を鳴らす施術では、関節に過度な圧力が加わるため、下記のようなリスクが高まります。
・神経が圧迫されて損傷する
・関節の正しい位置が崩れて変形する
また、自分で首をボキボキと鳴らしたり、背中や腰を無理に捻ったりすることにも注意が必要です。何度も繰り返していると、捻挫や変形などの痛みや事故につながる危険性があります。
怪我のリスクを抑えて施術を受けたい場合は、正しい知識や経験のある整体師を選ぶことが大切です。
音を鳴らす整体は厚生労働省で注意が促されている
ボキボキと音を鳴らす整体について、厚生労働省は「リスクのともなう施術」として下記のように警鐘を鳴らしています。
厚生労働省で注意が促されている「スラスト法」とは、頚椎や背骨に高速低振幅で物理的刺激を与える施術のことです。
スラスト法は、ボキボキと音を鳴らす整体と同義語として扱われるケースが多く、危険の高い行為として禁止する必要があると通告されています。
音を鳴らす施術を受ける場合は、怪我をするリスクがあると理解した上で施術を受けることが重要です。
引用:厚生労働省「医業類似行為に対する取扱いについて」
整体院を選ぶときのポイント
ここからは、整体院を選ぶときのポイントを解説します。
資格や豊富な経験を持つ施術者を選ぶ
整体院を選ぶ際は、施術者の資格や経験を確認することが重要です。公式ホームページなどで院長やスタッフの資格、経歴をチェックし、信頼できる整体院を選びましょう。
具体的には、理学療法士や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師などの国家資格を持つ施術者や、専門的な研修を受けた施術者が在籍しているかを確認すると良いでしょう。
カウンセリングやアフターケアの有無を確認する
カウンセリングやアフターケアが丁寧な整体院を選ぶのもポイントです。
自分の身体に合った適切な施術を受けるためには、カウンセリングでの綿密なコミュニケーションを通じて、施術の方針をしっかりと確認することが重要です。
適切なカウンセリングを受けずに施術を受けると、身体に思わぬ負担がかかる可能性があります。
整体院を探す際には、施術の中にカウンセリングやアフターケアが含まれているかどうかを事前に確認しましょう。
整体の選び方については、下記の記事でも詳しく解説しております。
「【整体の選び方ガイド】期待できる効果や整体が向いている人の特徴」
まとめ
整体の施術中にボキボキと鳴る音の正体は、骨と骨の間にある関節液の中で気泡が生じ、それが弾けるときの音です。
ボキボキと鳴る音自体に効果があるわけではなく、施術を行う過程で音が鳴っているに過ぎません。また、首や肩をボキボキと鳴らす整体では、健康被害を引き起こすおそれがあるため注意が必要です。
整体院で施術を受ける際は、安全性やリスクをしっかりと理解し、豊富な経験や資格を持つ施術者のもとで施術を受けるようにしましょう。