ぎっくり腰の原因は?なりやすいシーンと予防策も解説

些細なきっかけから、何度でも繰り返すぎっくり腰。重い物を持ち上げたときだけでなく、くしゃみをしただけ、あるいは立ち上がっただけでも強烈な痛みで動けなくなることもあります。今回は、ぎっくり腰の原因を解説しながら、注意すべき日常の動作や注意点、予防策を紹介します。


この記事は約7分で読み終わります。

ぎっくり腰の原因とは?

ぎっくり腰は激しい痛みをともなうのが特徴で、欧米では「魔女の一撃」とも呼ばれます。まずは、痛みの原因や発症のメカニズムを理解しておきましょう。

ぎっくり腰の原因ははっきり特定されていない

ぎっくり腰とは正式な病名や診断名ではなく、原因がはっきりしない腰の痛みの総称です。正式には「急性腰痛症」と呼ばれ、痛みの出方によって次の2つのタイプがあります。

・筋・筋膜性腰痛症(MPS):筋肉の急激な収縮や筋膜の癒着によって痛みが生じる
・椎間関節性腰痛:背骨の関節や椎間板に炎症が起きたり動きが悪くなったりして痛みが生じる

ぎっくり腰の強い痛みは、腰まわりの筋肉や腱、靱帯、椎間板などの損傷によって引き起こされます。

しかし、軟部組織の損傷はレントゲンには写らず、骨折のように明確な画像で原因を特定するのは困難です。そのため、医師は主に患者の説明や患部の状態をもとに、ぎっくり腰を診断します。

重大な病気が隠れているケースもある

ぎっくり腰はなんらかの原因で腰まわりに過剰な負荷がかかり、ケガをした状態をいいます。腰を支える筋肉や腱、靱帯などの軟部組織の損傷が多く、数日から10日前後安静にすれば自然に回復するケースがほとんどです。

しかし、なかには次の病気が隠れている場合もあるため、油断できません。

・椎間板ヘルニア
・腰部脊柱管狭窄症
・背骨の圧迫骨折や病的骨折
・感染による椎間板の化膿
・急性膵炎や腹部大動脈瘤などの内臓の病気

腰の痛みだけでなく、下肢のしびれや麻痺などの別症状がある場合は、整形外科を受診して医師に原因を特定してもらいましょう。思い込みや自己判断は禁物です。通常ではない強い痛みや症状、痛みが長期間続く場合も、早めの受診を検討してください。

ぎっくり腰になりやすいのはこんなとき!

いつ起きるか予測はできないものの、ぎっくり腰にはなりやすいパターンがあります。特に、次の状況に注意してください。

・瞬間的に腰に負荷がかかったとき
・慢性的な疲労が蓄積している
・運動をほとんどしていない
・精神的なストレスにさらされている

それぞれで注意すべきポイントをみていきましょう。

瞬間的に腰に負荷がかかったとき

ぎっくり腰は、瞬間的に腰に強い負荷がかかったときになりやすい傾向があります。日常的な些細な動作でもぎっくり腰になるので、特に次のような動作に気を付けましょう。

・重い荷物を持ち上げる
・咳やくしゃみをする
・洗顔をしようと前かがみになる
・長時間デスクワークしてから席を立とうとする
・朝、目が覚めて布団から起き上がる
・クラブやラケットを振ろうと腰をねじる

腰を動かしたときの軽い痛みや違和感は、ぎっくり腰になる前兆です。普段との違いに気が付いたら、なるべく腰への負担を減らしましょう。

慢性的な疲労が蓄積している

腰に負荷が加わらなくても、慢性的な疲労が蓄積してぎっくり腰になることもあります。腰に疲れが溜まっているときに衝撃が加わるとぎっくり腰になりやすいため、次の特徴にあてはまる方は特に気を付けてください。

・接客や誘導で立ちっぱなしの仕事をしている
・長時間、座って事務作業をしている
・重い荷物を運ぶトラック運転手や引っ越し作業をしている
・清掃業や介護など、中腰の前屈み姿勢で作業する時間が長い

腰の疲労は、自覚のないまま蓄積します。睡眠不足で疲労を溜め込んでいる方も、腰に負担をかけないよう注意が必要です。

運動をほとんどしていない

運動習慣がないと腰を支える腹筋や背筋の筋力が低下し、凝り固まってぎっくり腰になりやすい傾向があります。また、筋肉の柔軟性が低下して腰を動かしにくくなったり、全身の血行が悪くなったりしがちです。

冷え性や筋肉のこわばりなどの不調も腰に負担をかけるため、適度な運動を心がけてください。

精神的なストレスにさらされている

精神的なストレスも、ぎっくり腰を引き起こす要因のひとつです。ストレスにさらされた状態で重い荷物を持ち上げると、姿勢が崩れて腰に負担をかけやすいとされています。

また、ストレスから慢性的な身体の痛みに発展するケースもあるので注意してください。強いストレスにさらされると自律神経の働きが乱れ、筋肉の緊張を高める交感神経が優位になります。筋肉が緊張して血液が流れにくくなると、腰の痛みにつながりやすいのです。

ぎっくり腰になりそうなときにすべきこと

ぎっくり腰は激しい痛みをともなうため、症状が出る前に原因を取り除いて予防するのが第一です。腰の痛みに不安を抱えている方は、普段から次の点を意識して生活を見直しましょう。

・腰に負担がかかる姿勢を避ける
・痛みを感じたら冷やす
・適度な運動習慣を心がける
・ストレスを溜め込まない

ここからは、ぎっくり腰を防ぐポイントを解説します。

腰に負担がかかる姿勢を避ける

生活のなかで腰に急激な負荷をかけなければ、ぎっくり腰は予防できます。普段の姿勢を見直して、腰や背骨を支える組織へのダメージを減らしましょう。

特に注意が必要なのは、腰に負担がかかる次の動作です。

荷物を持つ場合

床から重い荷物を持ち上げるときに、立ったまま腰を曲げるのは危険です。前かがみになると腰への負荷が大きいため、片膝をつき腰を下ろした状態で荷物を持ちましょう。

また、荷物は勢いよく持つのではなく、ゆっくりと持ち上げるのがポイントです。荷物をいったん膝の上に乗せて抱え、腰を入れて足の力を使って立ち上がれば、無理なく荷物を持てます。

起き上がる場合

朝、目が覚めたときは、長時間の寝姿勢によって身体が硬くなっています。すぐに身体を起こすと腰に負荷がかかるため、布団の中で軽く動いて筋肉をほぐしましょう。

身体がほぐれたら横向きになり、手や腕で上半身を支えながらゆっくり起き上がると腰に負担をかけずに済みます。

くしゃみをする場合

くしゃみをした反動で上半身が勢いよく前かがみになると、腰に負荷がかかってぎっくり腰になることがあります。くしゃみや咳が出そうなときは、意識して背筋を伸ばしましょう。

胸を張って心持ち腰を反らす姿勢を取ると、くしゃみの衝撃を上手に逃がせます。近くに壁がある場合は片手を着くと、反動で前かがみになるのを防げるので試してみてください。

痛みを感じたら冷やす

腰に軽い痛みがあるときは、負荷がかかってぎっくり腰になりかけている可能性があります。痛みは我慢せずに、湿布や氷枕などで冷やして対処してください。筋肉の炎症は、冷やすと和らぎます。

しかし、冷やし過ぎると皮膚を刺激して、痛みが悪化するリスクもあります。氷枕は肌に当てたままにせず、様子を見ながら時間をあけて冷やしましょう。

適度な運動習慣を心がける

腰に不安があるときは、適度な運動を心がけることも大切です。腰を支える筋肉量が低下したり柔軟性が失われたりするとぎっくり腰になりやすいため、軽めのストレッチに取り組みましょう。

ストレッチは身体を温めて血行を促し、関節の可動域を広げる効果も期待できます。ぎっくり腰になったときも無理のない範囲で動いたほうが回復は早いため、毎日の運動を習慣にしてください。

ストレスを溜め込まない

過剰なストレスは筋肉を緊張させたり、血行を滞らせたりして腰に負担をかける原因です。普段から自分なりのリフレッシュ法に取り組んで、ストレスを溜め込まないよう工夫しましょう。

十分な睡眠や休息を取るのもリフレッシュに有効です。疲れたときはゆっくり休んで、腰回りのダメージ回復を目指してください。

まとめ

ぎっくり腰になる原因は詳しく解明されていませんが、瞬間的に過剰な負荷が腰にかかったときだけでなく、慢性的な疲労や運動不足、ストレスが影響を与えているケースもあります。繰り返す場合はぎっくり腰になりやすい動作を避けて、痛みを防ぎましょう。あわせて生活習慣も見直して、ぎっくり腰になりにくい身体づくりも心がけてください。

なお、ぎっくり腰になったときの対処法は、下記の記事で詳しく解説しています。あわせてチェックしておきましょう。

ぎっくり腰になったときの対処法!注意事項と予防策も解説
ぎっくり腰でも小さな痛みで起き上がる方法とは?腰痛対策も解説