血行不良の原因とは?
血行不良を改善するには、なぜ血行不良が起こるのかを把握することが大切です。まずは、血行不良の主な原因から解説します。
長時間同じ体勢でいる
血行不良になる大きな原因のひとつが、長時間同じ体勢を取り続けることです。身体を動かさないため、筋肉の収縮によって血流を促すポンプ機能が働かず血流が悪くなります。
特に食事や水分を十分に摂らずにいると、血液中の水分が減って粘度が高まり、血行不良が生じやすくなるため注意が必要です。
なお、長時間筋肉を動かさずに血流が悪くなると、血管内に血栓が生じ肺塞栓症(エコノミークラス症候群)が起きるリスクが高まります。
運動不足
少し手足が冷える、脚がむくみやすいなど軽度の症状の場合は、運動不足が原因である場合が多いでしょう。
運動不足が続くと筋肉量が減り、筋肉のポンプ機能が低下してしまうためです。全身の血液の循環が悪くなるので、血液を効率良く心臓に戻せなくなって、むくんだり冷えたりしやすくなります。
不規則な食生活
乱れた食生活も血行不良の原因になり得ます。例えば、1日3食摂取せず1回の食事で多量のカロリーを摂取したり、糖分や脂質が多い食生活を続けたりしていると肥満になりやすくなります。
すると血液中の脂質や糖質が増加してドロドロになるため、血流が悪くなってしまうのです。また、動脈硬化を起こして血管が狭くなり、血液が流れにくくなる場合もあります。
こうした状態を放置すると、高血圧症や糖尿病、脂質異常症などの重大な病気を発症するおそれがあります。
身体の冷え
血行不良の原因として、冷房の効きすぎなどによる身体の冷えもあげられます。身体が冷えると血管が収縮してしまうためです。末端まで温かな血液が届きにくくなるので、むくみや冷え性なども起こりやすくなります。
血行不良を放っておくとどうなる?
血行不良を放置すると、身体が不調をきたす可能性があります。具体的にはどのような症状が現れるのか、代表的なものを4つ紹介します。
肩こり
血行不良によって引き起こされる主な症状のひとつが肩こりです。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用などでうつむき気味の姿勢が続くと、頭の重さによって肩や首に過剰な負荷がかかります。
すると筋肉がこり固まり、硬くなった筋肉によって血管が圧迫されて血流が悪くなります。その結果、通常であれば血液の循環によって排出されていた老廃物が筋肉に溜まり、痛みが出ることがあるのです。
冷え性
血行不良を放置することによって冷え性になる場合もあります。人間の身体は血管を収縮・拡張させて血流を増減させ、体温を調節しています。
しかし、血流が悪いと、身体の末端まで血液がしっかりと送られなくなってしまうのです。特に手足の末端は血管が細く、もともと血流が悪くなりやすい場所なので、血行不良の状態だとなかなか温度が上がりません。
さらに、全身が冷えてしまうと酸素や栄養が十分に行き渡らなくなるため、めまいや頭痛、腹痛などが起きたり、免疫力が低下して風邪をひきやすくなったりすることもあります。
足のむくみ
足のむくみも血行不良のよくある症状です。血行不良によって身体が冷えると、生命維持に欠かせない脳や内臓部分に優先して血液が送られ、手足への血流が減少します。
さらにリンパの流れも悪くなるので、余分な水分などが溜まってむくみやすくなります。ここに運動不足が加わると、足の血管に血栓ができやすくなってしまいます。
眼精疲労
血行不良によって眼精疲労が起こる場合もあります。目の酷使によって周囲の筋肉がこり固まり、血管が圧迫されて血行不良になった結果、下記のような不調が現れます。
・目のかすみ
・目の奥の痛み
・目のしょぼしょぼ感
また、通常よりも光が眩しいと感じる方もいるようです。特にスマートフォンやPC、本などを長く見ていると眼精疲労が起こりやすくなるため注意が必要です。
また、スマートフォンやPCなどを使うときに長時間同じ姿勢を続けると、肩首の筋肉に負担がかかって肩こりや頭痛などの症状が現れることもあります。
血行改善におすすめの方法
血行不良を放置すると、身体にさまざまな不調が現れるため、早めに対処することが大切です。ここでは、血行改善におすすめの方法を4つ紹介します。
湯船につかる
血行を改善したいなら、しっかりと湯船につかりましょう。温かなお湯による温熱作用で、血管が広がって血流が促進されます。
ちなみに血行改善が目的なら、全身浴よりも半身浴がおすすめです。半身浴を行うとみぞおちから下に水圧がかかり、足から心臓に血液が送り出されます。
すると自然に心臓から送り出される血液量も増加するため、全身の血行が良くなる効果が期待できます。
水分をこまめに摂る
水分をこまめに摂ることも血行改善に役立ちます。人間の身体は体重の60%以上が水分です。水分によって、体温調節や酸素・栄養の運搬といった生命維持に欠かせない機能が保たれています。
水分が不足すると血液の粘度が高まり血行不良になるだけでなく、重要な機能の働きが低下するため、しっかりと水分を摂る必要があるのです。
水分の摂取量の目安は1日あたり約1.5リットルですが、1回で大量に飲んでも身体に吸収しきれず体外に排出されてしまいます。1時間あたり120mlを目安に、小分けして飲むようにしましょう。
ついつい水分補給を忘れることもあるので、起床時・運動後・就寝前など、タイミングを決めて飲むのがおすすめです。
食事内容に気を付ける
日々の食事内容にも注意しましょう。日頃どのようなものを食べているかによって、血液の状態が変わります。
糖質や脂質が多いものばかり食べていると、血液がドロドロになって血行が悪くなるので、ビタミンやミネラル、タンパク質などもバランス良く摂取することが大切です。
また、DHAやEPAなどは血液をサラサラにする効果があるといわれているため、これらの成分を多く含む青魚を食べるのもおすすめです。
運動習慣を身につける
運動不足も血行不良の原因になるので、定期的に運動する習慣を身に付けましょう。ただし、これまで運動していなかった方が、いきなり強度の高い運動をすると身体を傷める場合があります。
まずは長時間同じ姿勢を続けるのを止める、ストレッチやウォーキングを始めるなど、簡単なことから始めましょう。筋肉の70%は下半身に集中しているので、特に下半身を動かすことを意識してみてください。
整体で施術を受けるメリット
血行不良を改善したいなら、整体で施術を受けるのもおすすめです。ここでは、血行不良の方が整体で施術を受けるメリットを紹介します。
痛みやコリを緩和できる
整体で施術を受けるメリットのひとつが、身体の痛みやこりの緩和を目指せる点です。血行不良になると老廃物がうまく排出されず、身体に痛みやこりが生じることがあります。
整体では下記のような施術が行われるため、筋肉の緊張がほぐれて血行が良くなり、痛みやこりが緩和されやすくなるのです。
・もみほぐし:硬くなった筋肉やこりをほぐす
・リラクゼーション:肉体的・精神的にリラックスさせる
・トレーニング指導:筋肉を適度に動かし、活性化させる方法を指導する
また、ストレスなどが原因で自律神経の働きが乱れると、血管が収縮して血行不良になる場合があります。整体で施術を受けてリラックスすることは、自律神経のバランスを整え血行を促進する効果も期待できます。
内臓機能の活性化につながる
整体の施術は内臓機能の活性化にもつながります。筋肉が硬くなっていたり身体が歪んでいたりすると、内臓が圧迫されて血行が悪くなります。
すると、内臓に酸素や栄養が届きにくくなったり、老廃物が排出されにくくなったりして内臓の働きが低下してしまうのです。
整体の施術によって筋肉のこわばりや身体の歪みが改善されると、内臓への血流が促進されるため、内臓機能の活性化が期待できます。
疲労が取れやすくなる
疲れが取れやすくなるのも、整体の施術を受けるメリットです。筋肉のこわばりや身体の歪みなどが原因で血液やリンパの流れが悪くなると、老廃物が蓄積しやすくなります。
また、姿勢の悪さを補おうとして余計なエネルギーを使うため、疲れを感じやすくなってしまいます。そのため、整体の施術によって筋肉のこわばりや歪みを調整すると、疲労回復しやすくなるのです。
まとめ
血行不良は運動不足や乱れた食生活などが原因で起こります。そのまま放置すると、身体の不調を感じやすくなるので、早めに対処しましょう。
なかなか運動が続かない、リラックス効果も得たいなどの場合は、整体の施術を受けるのもおすすめです。