ストレートネックの原因1:生まれつきの場合
ストレートネックの原因として、以下の2つのパターンが考えられます。
・先天的要因によって、生まれつき首の骨がまっすぐになっている
・生活習慣などの後天的要因によって、後から首の骨がまっすぐになってしまう
先天的要因とは、遺伝や胎児期の骨格形成異常などのことです。また、生まれ持った骨格や筋肉の影響で、ストレートネックになりやすい方もいます。
いずれも身体の特性によるものであり、セルフケアでの対処が困難です。そのため、適切な診断・治療を受けるために医療機関を受診することをおすすめします。
ストレートネックの原因2:後天的な場合
先述の通り、生まれつきストレートネックの方もいますが、ストレートネックの多くは後天的要因によるものです。具体的には何がストレートネックの原因になるのか、詳しく解説します。
スマートフォンの使用
ストレートネックを招く大きな要因のひとつが、スマートフォンの使用です。スマートフォンを使っているときの、自分の姿勢をチェックしてみましょう。下を向いていたり、頭を突き出して前のめりになっていたりするのではないでしょうか。
このような姿勢になると、頭を支えている首に大きな負担がかかります。さらにスマートフォンはついつい長時間使ってしまうことも多いため、徐々に首の骨の自然なカーブが失われていってしまうのです。
長時間のデスクワーク
長時間のデスクワークも、ストレートネックの原因のひとつです。PCで作業していると、気づかない間に画面に近づいて、頭が前に出ていることがあります。
また、時間を忘れて仕事に集中することも多く、不自然な姿勢を長時間続けてしまうため、首まわりの筋肉がこわばってストレートネックになってしまいます。
猫背などの不良姿勢
猫背などの姿勢の悪さによって、ストレートネックになっている場合もあります。猫背とは、首から腰までの骨のバランスが崩れて、背中が丸まっている状態です。
背中が丸まると頭が前に突き出るので、首まわりに悪影響を及ぼしてストレートネックになる場合があります。猫背になる原因は、長時間のスマートフォンの使用やデスクワーク、運動不足による筋力低下などさまざまです。
以下の手順を試してみて、かかとや後頭部が壁につかない場合は猫背によるストレートネックになっている可能性が高いので、一度チェックしてみましょう。
1.壁に背を向けて立つ
2.背筋を伸ばす
3.良い姿勢を保ったまま後ろに下がり、身体の後ろ側を壁につける
4.どの部位が壁に付いているかを確認する
枕の高さ
一見ストレートネックとは関わりがなさそうな、枕が原因になっている場合もあります。枕が高すぎると頭が押され、強制的にうつむいているような状態になるためです。
首のカーブが崩れた不自然な姿勢が長時間続き、首まわりの筋肉にも負担がかかるため、ストレートネックを招いてしまいます。
また、枕の高さに問題はなくても、枕が柔らかすぎると頭が沈み込んで首に負担がかかるので注意しましょう。
ストレートネックで現れる症状
ストレートネックになると、以下のような症状が生じることがあります。
首・肩の痛みやコリ
首の骨のカーブは、頭の重さを効率的に支えるためにあるものです。
ストレートネックになると、首や肩の筋肉を駆使して頭の重さを支えるようになるため、首・肩まわりに痛みを感じたり、コリに悩まされたりしやすくなります。
頭痛・めまい・吐き気
ストレートネックになって首や肩に負担がかかると、周辺の筋肉が緊張して血行が悪くなります。
すると頭に酸素や血液が届きにくくなるため、吐き気や緊張性頭痛、めまいなどの症状が生じることがあります。
腕のしびれ
ストレートネックの症状が悪化すると、腕がしびれる場合もあります。緊張した筋肉が神経や血管を圧迫するためです。
そのまま放置すると手先までしびれたり、痛みを感じたりすることもあります。
浅い呼吸
ストレートネックになっている方は、頭が前に突き出て前かがみになっています。すると肺が圧迫されるため、呼吸が浅くなったり息苦しさを感じたりする場合があります。
自律神経の乱れ
ストレートネックが自律神経の働きに影響を及ぼす可能性があります。
頭の重みによって凝り固まった筋肉が血行を悪くして、自律神経の働きを阻害したりするためです。肩こりなどの不快感によってストレスが溜まり、自律神経が乱れることもあります。
ストレートネックの改善策
一度ストレートネックになってしまうと、もとに戻すのに時間がかかります。ストレートネックにつながる生活習慣を見直し、日常生活の中で改善・予防に努めましょう。
ここでは、ストレートネックを改善・予防するのに役立つ方法を5つ紹介します。
スマートフォンの長時間利用を避ける
長時間のスマートフォンの使用は、下を向く時間が長くなりストレートネックのリスクを高めます。30分に1回は休憩を取り、長時間使い続けないようにしましょう。
また、スマートフォンを使用する姿勢も重要です。できるだけ背筋を伸ばし、スマートフォンを目の高さに上げるようにして、姿勢が崩れないようにしましょう。
デスクワーク時の姿勢を改善する
デスクワークをするときも、頭が下がったり猫背になったりしやすいため注意が必要です。特にPCを使ったり書類をチェックしたりするときは、作業に集中して姿勢が崩れがちになります。
スマートフォン使用時と同じく、30分に1回を目安に意識的に休憩を取るようにして、背筋を伸ばすストレッチなどを行いましょう。
また、デスクと椅子の高さが身体に合っていなかったり、座り方が良くなかったりすると、姿勢が崩れてストレートネックにつながる場合があります。
身体に合った高さのデスクや椅子を使うこと、椅子に座るときは背筋を伸ばして、できるだけ深く腰かけることを意識しましょう。
適度な運動をする
首・肩まわりの筋力が落ちると、身体を支える力が弱まり姿勢が悪くなることがあります。ウォーキングやストレッチなど、適度に運動する習慣を身につけ、筋力アップを目指しましょう。
特に、頭を支えている首・肩まわりや背中の筋トレやストレッチを、こまめに行うことが推奨されます。
自分に合った枕を選ぶ
枕が高すぎるとうつむき加減になるので、ストレートネックになるリスクが高まります。自分の身体に合った高さの、首に負担がかかりにくい枕を選びましょう。
また、枕の硬さもチェックする必要があります。枕が柔らかすぎると頭が埋もれて、うつむいた状態になることがあるためです。
柔らかすぎず適度な硬さのある枕を使うのがおすすめですが、すぐに買い替えられない場合はタオルを入れるなどして調整しましょう。
専門家へ相談する
症状が重く、いろいろ試してもストレートネックが改善せず、頭痛やめまいが続く場合は、整形外科などの専門機関に相談しましょう。セルフケアだけでは原因に十分アプローチできないことが多く、そのため症状の改善が進みにくいこともあります。
こうした場合は、医療機関などで専門的な対応を受けることで、症状の緩和が期待できます。
まとめ
先天性のストレートネックの方もいますが、ストレートネックのほとんどは、スマートフォンの使用や姿勢の悪さといった後天的要因によって発症しています。
ストレートネックの疑いがある場合、肩こりなどの症状が出ている場合は、日頃の生活習慣を見直してみましょう。
なかなか症状が改善しない、頭痛やめまいなどの症状が出ているなど症状が重い場合は、セルフケアでの対処が困難です。整形外科などを受診し、専門的な治療を受けることを検討しましょう。