正しい姿勢のはずなのに疲れるのはなぜ?美しい姿勢をキープする方法とは

正しい姿勢で過ごすと身体に良いだけでなく、見た目も美しく見えるため、「できるだけ良い姿勢で過ごしたい」と思う方は多いでしょう。しかし、いざ正しい姿勢を取ってみると、想像以上に疲れてしまい、すぐに挫折してしまうことがあるのではないでしょうか。 本来、正しい姿勢でいると身体が楽なはずなのですが、疲れてしまってキープできないのには理由があります。今回は、正しい姿勢で過ごすと疲れる理由や、正しい姿勢をキープする方法を紹介します。


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正しい姿勢が疲れるのはなぜ?

正しい姿勢をキープしようとすると疲れてしまうのは、普段の姿勢と筋力が影響しているためです。正しい姿勢で過ごせるようになるためにも、原因を把握しておきましょう。

間違った姿勢がクセになっているから

正しい姿勢をキープしようとすると疲れるのは、普段の間違った姿勢を身体が覚えてしまっていることが原因のひとつです。

長年間違った姿勢を続けていると、その姿勢を保つための筋肉がついたり身体が歪んだりしてしまいます。

その状態で正しい姿勢を取ろうとすると、普段使っていない筋肉を使ったり、歪んで硬くなった身体を矯正したりしながら過ごさなくてはならないので、すぐに疲れてしまうのです。

正しい姿勢を長時間キープできる筋力がないから

単純に筋力不足が原因で疲れてしまっているケースも多々あります。正しい姿勢をキープするには、インナーマッスルを使って上半身を支えなくてはなりません。

しかし、普段間違った姿勢で過ごしているとインナーマッスルが衰え、上半身を支えるだけの筋力が失われてしまいます。

すると正しい姿勢を取ろうとしたときに筋トレしている状態になるため、短時間でも疲れてしまいます。

そもそも正しい姿勢とは?

そもそも正しい姿勢とは、どのような状態なのかがわかっていない方もいるでしょう。正しい姿勢とは、「立っていても座っていても背骨のS字カーブが保たれている状態」です。

人間は2本脚で歩く際に上半身のバランスを取れるよう、背骨が緩やかな「S字」の曲線を描いています。いつでもこのS字カーブが崩れないようにするのが、正しい姿勢を保つということです。

ついつい猫背になってしまったり、無理に背筋を伸ばそうとして反り腰になってしまったりしている場合は、姿勢が崩れている可能性があります。そうした場合には、無理のない範囲で正しい姿勢を意識してみることが大切です。

正しい姿勢と間違った姿勢の座り方とは

特に普段の座り方は、正しい姿勢が崩れる原因になりがちです。姿勢が崩れると、肩コリや腰痛などのトラブルも起こりやすくなります。

S字カーブを崩さずに座れるようになるために、正しい姿勢で座る方法を把握しておきましょう。

正しい姿勢で座る方法とは

正しい姿勢で座るには、下記の6つのポイントを意識することが大切です。

椅子には深く腰掛ける

正しい姿勢で座りたい場合は、椅子に深く腰掛けましょう。座面全体を使って座ると背もたれに背中が当たるので、腰を支えやすくなります。

骨盤に上半身が乗るようにする

正しい姿勢で座るには、骨盤の上に上半身を乗せることも重要です。しっかりと坐骨を座面に立てて座り、背筋を伸ばして、上半身の重さを骨盤で支えることを意識しましょう。

肘・膝・腰は90度に保つ

肘・膝・腰を90度に保つことも、正しい姿勢を意識する上で重要なポイントです。すべてが90度になるように、椅子や机の高さを調節しましょう。

足の裏は床につける

かかとが浮いた状態だと体重を支えにくいので、姿勢が崩れやすくなります。足の裏全体が床につくようにして、体重を分散させましょう。

あごを引く

背筋を伸ばして座ったら、あごは少しだけ引きましょう。すると首にしっかりと頭が乗って、重さを支えやすくなります。

背もたれに軽く寄りかかる

正しい姿勢で座るときに「背もたれに寄りかかってはいけない」と考えている方がいますが、背もたれを適度に活用するのは問題ありません。背中が支えられることで、背骨のS字カーブが保たれやすくなり、姿勢の安定につながります。

背もたれがS字カーブをサポートする形状ではない場合は、背骨が前方向にカーブしている位置に、丸めたタオルや専用のクッションを挟むと良いでしょう。

間違った姿勢とは

座っているときの間違った姿勢として、一生懸命に背筋をピーンと伸ばすことがあげられます。一見すると良い姿勢のように見えますが、背筋を意識しすぎて、首や肩、背中などに力が入り、かえって疲れやすくなることがあります。

無理に背筋を伸ばすのではなく、首に頭を、骨盤に上半身を自然に乗せるイメージで姿勢を整えることが大切です。

また、椅子に浅く腰掛けると、背もたれのサポートが得られず、自力で姿勢を保つ必要があるため、長時間のキープが難しくなることがあります。できるだけ椅子には深く腰掛けて、背もたれを活用するようにしましょう。

さらに、前かがみになったり、背もたれに深く沈み込むように寄りかかったりすると、姿勢が崩れやすくなり、ストレートネックや腰痛になることもあるため、注意が必要です。

正しい姿勢をキープする方法

正しい姿勢で座る方法は把握できたものの、キープし続けるにはどうすれば良いのかと疑問に思う方もいるでしょう。そこで、正しい姿勢を長くキープする方法を解説します。

自分に合った椅子と机を使う

正しい姿勢を長くキープするには、自分の身体に合った椅子と机を使うことが重要です。椅子や机の高さが合わないと、肘・膝・腰を90度に保てず、姿勢が崩れてしまいます。

職場の椅子や机を変えるのは難しいため、椅子の高さ調整機能を活用したり、足元に踏み台を置いて足裏がつくようにしたりしましょう。

また、短時間なら背もたれなしでも正しい姿勢をキープできるものの、長時間座る場合は背もたれありの椅子を選ぶのがおすすめです。

姿勢維持を楽にするグッズを使う

長時間座って作業するときは、自分の筋力だけで正しい姿勢を保ち続けるのは難しいものです。背中にクッションを当てる、ディスプレイスタンドを使って前かがみになるのを防止するなど、グッズを活用して正しい姿勢を維持しましょう。

すぐに猫背になってしまう方は、姿勢矯正ベルトで姿勢を整えるのもおすすめです。

筋トレをする

正しい姿勢を保つためのグッズはいろいろありますが、やはり自分の筋力も重要です。筋トレをしてインナーマッスルを鍛え、正しい姿勢をキープする筋力を手に入れましょう。筋力をつけることは、猫背の改善にも役立ちます。

猫背を改善できるプランク

猫背改善の筋トレとしておすすめなのが「プランク」です。インナーマッスルを鍛えられるので、正しい姿勢を保ちやすくなります。プランクの手順は下記の通りです。

1.床に四つん這いになる
2.両肘を肩の真下につき、肘が90度になるよう調整する
3.両膝を持ち上げ、頭からかかとまでが1枚の板のように真っ直ぐになるよう調整する
4.姿勢が調整できたら30秒キープする

上記の流れを1回2~3セット行うのが目安です。どうしても30秒キープできない場合は10秒など短い時間でスタートし、少しずつ時間を伸ばしていきましょう。10秒保つのも難しい場合は、膝をついた状態のプランクから始めます。

また、プランク中はついつい息を止めてしまいがちですが、自然な呼吸を続けるよう意識しましょう。

疲れたら歩く

正しい姿勢をキープして座っていても、ずっと同じ姿勢が続くと身体が疲れてくることがあります。また、長時間座りっぱなしの状態が続くと、血流が滞りやすくなることも考えられます。

30分に一度を目安に立ち上がり、少し歩いたり軽く身体を動かしたりすることで、疲労の軽減やリフレッシュにつながるでしょう。

まとめ

正しい姿勢を取ると疲れるのは、間違った姿勢でクセがついてしまっていることや単純に筋力が足りないことが主な原因です。

姿勢を良くしようとして背筋を伸ばし過ぎたり、身体に力を入れ過ぎたりして疲れてしまう場合もあるので、自然に良い姿勢をキープするポイントを覚えておきましょう。

また、椅子と机を自分の身体に合うものに変えたり、筋トレをしてインナーマッスルを鍛えたりするのも効果的です。今回紹介した内容を参考に、正しい姿勢を保つ環境を整えましょう。

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