反り腰のセルフチェック方法
本来、背骨は首から背中、腰にかけて緩やかなS字カーブを描いています。しかし、反り腰になると腰のカーブが極端になり、腰痛や肩こり、ぽっこりお腹などさまざまな症状を引き起こします。反り腰は自分で気づかない方も多いのですが、放置すると腰に過度な負担がかかるため、早めの対処が重要です。
まずは、自分が反り腰かどうか簡単にチェックできる方法を2つ紹介します。
立った状態で確認する方法
立った状態で壁に頭・背中・お尻をつけ、壁と腰の間に手を入れてみましょう。手のひら程度の隙間しかない場合は問題ありませんが、握りこぶしが入るくらい隙間が大きい場合は、反り腰の可能性があります。
仰向けで確認する方法
仰向けになり、腰と床の間に手を入れてみましょう。手のひら程度の隙間しかない場合は背骨の自然なS字カーブが保たれていますが、隙間が大きいほど反り腰の可能性が高いと考えられます。
また、仰向けで膝を立てた状態に比べ、足を伸ばしたときのほうが腰の痛みが強くなる場合は、反り腰が進行している可能性があります。
反り腰とインナーマッスルの関係は?
反り腰の原因は骨盤の歪みや筋肉の緊張、体重増加、ヒールの高い靴の使用など多岐に渡りますが、インナーマッスルの衰えも要因のひとつです。
アウターマッスルが身体の表面に位置する筋肉(表層筋)を指すのに対し、インナーマッスルは身体の深いところに位置する筋肉(深層筋)を指します。
インナーマッスルには、背骨や骨盤を支えることで正しい姿勢を維持する役割があります。お腹まわりのインナーマッスルが弱いと相対的に腰の反りが強くなり、反り腰につながるのです。
また、インナーマッスルには内臓を正しい位置で支えるコルセットのような働きもあります。インナーマッスルが弱まると内臓の位置も下がり、ぽっこりお腹の原因にもなります。
反り腰に関係している筋肉
インナーマッスルだけでなく、アウターマッスルも姿勢の維持に役立っています。ここでは、反り腰に関係しているインナーマッスル・アウターマッスルを紹介します。
腸腰筋
腸腰筋(ちょうようきん)は、小腰筋(しょうようきん)・大腰筋(だいようきん)・腸骨筋(ちょうこつきん)の3つの筋肉で構成されるインナーマッスルです。腸腰筋は腰から太ももの付け根にかけて広がり、上半身と下半身をつなぐ役割があります。腸腰筋が過度に緊張・収縮すると骨盤が前傾し、反り腰につながる可能性があります。
大腿直筋
大腿直筋(だいたいちょっきん)は、骨盤から太ももの前側にあるアウターマッスルです。股関節を曲げたり膝関節を伸ばしたりする役割があります。大腿直筋が硬く短くなると骨盤が前傾しやすく、腰が反る原因になります。
腹筋群
腹筋群は、腹直筋(ふくちょくきん)・内腹斜筋(ないふくしゃきん)・外腹斜筋(がいふくしゃきん)・腹横筋(ふくおうきん)で構成される筋肉です。腹直筋と外腹斜筋はアウターマッスル、内腹斜筋と腹横筋はインナーマッスルに該当します。腹筋群が弱いと骨盤を正しい位置に保つのが難しくなり、腰が過剰に反ってしまうことがあります。
大殿筋
大殿筋(だいでんきん)はお尻にあるアウターマッスルで、股関節の動きや体幹の安定性に関与しています。大殿筋が弱くなると骨盤が前傾し、反り腰を引き起こす原因になります。
反り腰改善に効果的な筋トレ
ここでは、腸腰筋・腹筋群・大殿筋のトレーニング方法を紹介します。腸腰筋・腹筋群・大殿筋を強化することで骨盤が正しい位置に保たれ、反り腰の改善が期待できます。なお、違和感や痛みがある場合は無理をせず、トレーニング中に身体の異変を感じた場合はすぐに中止しましょう。
腸腰筋を鍛えるトレーニング
椅子に座ったままできる大腰筋・小腰筋・腸骨筋のトレーニングを紹介します。テレビやスマートフォンを見ながらでもできるので、ぜひ取り入れてみてください。
1.背中が背もたれにつかないよう、椅子に浅く座る(手は椅子の座面を持って身体を安定させる)
2.骨盤を立てた状態で片方の太ももを上げ下げする
3.1~2を交互に20~30回×3セット行う
太ももを上げるときは、お腹に近づけるイメージで行うのがポイントです。
腹筋を鍛える体幹トレーニング
続いて、お腹まわりを鍛える体幹トレーニングのやり方を紹介します。
1.仰向けになり、膝を持ち上げて90度にする
2.手は頭の後ろで組み、首を伸ばす
3.頭を持ち上げ、上半身を左にねじり、右の肘で左の膝にタッチ(右脚は真っすぐ伸ばす)
4.上半身を右にねじり、左の肘で右の膝にタッチ(左脚は真っすぐ伸ばす)
5.3~4を交互に繰り返す
上半身をねじるときに息を吐き、もとの姿勢に戻るときに息を吸うのがポイントです。まずは10回を目安に行い、慣れてきたら20回を目指しましょう。
大殿筋を鍛えるトレーニング
次に、大殿筋やハムストリングを鍛えるトレーニング「ヒップリフト」のやり方を紹介します。大殿筋を強化することで、姿勢改善はもちろん下半身の引き締めや基礎代謝の向上にも役立ちます。
1.マットの上で仰向けになり、両膝を立てて足裏をマットにつける
2.足裏で床を押してお尻を持ち上げ、最も高い位置にきたら3秒キープ
3.息を吸いながら、お尻をゆっくり床に戻す
4.1~3を10回×3セット行う
反り腰改善に効果的なストレッチ
反り腰の方は腸腰筋や大腿直筋が硬くなりやすいため、これらの筋肉をほぐすストレッチがおすすめです。いずれのストレッチも無理のない範囲で行い、痛みが出た場合はすぐに中止しましょう。
腸腰筋のストレッチ
続いて、腰から太ももの付け根にかけて伸びる腸腰筋のストレッチを2つ紹介します。腸腰筋のストレッチを行うことで股関節の可動域が大きくなり、反り腰の改善につながります。
立ちながら行うストレッチ
1.立った状態で椅子や机につかまり、前後に開脚する
2.前側の膝を立て、後ろ側の足はつま先で立つ
3.この状態で前側の膝を曲げ、姿勢を低くする
4.腰から太ももにかけて伸びていることを意識しながら10~15秒キープ
5.反対側も同様に行う
ストレッチでは、倒れにくく安定した椅子や机を使用しましょう。
座りながら行うストレッチ
1.床で四つん這いになる
2.手を肩幅に広げ、右脚は大きく後方へ出し、左脚は膝を曲げた状態で前方につける
3.この姿勢のまま上半身だけ左にひねり、視線は右足のかかとに向ける
4.右側の腸腰筋が伸びていることを意識しながら10~15秒キープ
5.反対側も同様に行う
左右2~3セットずつ繰り返すと効果的です。
大腿直筋のストレッチ
反り腰の方は大腿直筋が硬くなりやすいため、しっかりほぐすことが大切です。ここでは、大腿直筋を含む、太ももの前側にある4つの筋肉(大腿四頭筋:だいたいしとうきん)をほぐすストレッチを紹介します。
1.横向きに寝転び、片手で頭を支える
2.下側の脚を直角に曲げ、上側の脚を後方から掴み後ろへ引っ張る(約10秒)
3.脚を元の位置に戻す
4.太ももの前面が伸びていることを意識しながら2~3を繰り返す
5.反対側の脚も同様にストレッチする
脚を後方に引っ張る際、腰が反らないように注意しましょう。
まとめ
反り腰の原因は人によってさまざまですが、インナーマッスルの衰えも原因のひとつです。インナーマッスルが衰えると骨盤が前傾しやすくなり、腰が過剰に反ってしまうことがあります。また、内臓の位置が下がるとお腹が出やすく、見た目の美しさにも影響を与えます。今回紹介した筋トレでインナーマッスルを強化するとともに、固くなった筋肉をストレッチでほぐしましょう。
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