眼精疲労とは
眼精疲労とは、目を使い続けることで起こる、休息をとっても十分に状態が回復しない状態のことです。
目は、使いすぎによりさまざまな症状を引き起こします。目のかすみ、ドライアイ、目の充血、目の痛みなどが代表的な例です。頭痛や肩こり、吐き気など、目以外に症状が現れることもあります。
眼精疲労の原因
目は、レンズの役割を果たす水晶体を、毛様体筋(もうようたいきん)という筋肉が支えています。毛様体筋が収縮することで、ピントが調整される仕組みです。眼精疲労は、毛様体筋を使いすぎることなどが原因で発生します。
なぜ毛様体筋の使いすぎが起きるのか、眼精疲労を引き起こす主な要因を5つ紹介します。
ピントの合わない矯正グッズの使用
度数が適切でないコンタクトレンズやメガネの使用は、眼精疲労の原因になります。視力矯正から時間が経っているなどで現状に合わない矯正器具を使用していると、毛様体筋が緊張した状態が続き、目が疲れやすくなるためです。
目の違和感だけでなく、首や肩が凝っている場合は、矯正器具が原因の可能性があります。
長時間のVDTの使用
VDTとは、Visual Display Terminalのことです。PCやスマートフォン、ハンディターミナルなど、ディスプレイのある機器のことをいいます。
また、PCなどの画面を長時間見ることにより起こるさまざまな症状を、VDT症候群といいます。
VDTの長時間の使用も眼精疲労の原因です。長時間画面を見続けることで毛様体筋の緊張状態が続き、まばたきが少なくなってしまいます。特に、スマートフォンやタブレットは至近距離で画面を見ることから、目が疲れやすいのです。
ドライアイ
ドライアイは、涙の量が少なくなることなどが原因で目が乾燥した状態のことです。ドライアイにより、目の表面が傷つきやすくなります。
加齢など、さまざまな要因がドライアイを引き起こします。紫外線によるダメージやエアコンの風、先に紹介したVDT作業も要因のひとつです。コンタクトレンズの長時間の利用もドライアイの原因になります。
ストレス
精神的なストレスも眼精疲労の要因のひとつです。
ストレスは、自律神経の乱れを引き起こし、交感神経を優位にします。交感神経が優位になることで起こるのが緊張や涙の分泌量の低下です。ドライアイや筋肉の緊張が起こりやすくなり、眼精疲労の原因になります。
病気
眼精疲労は、目の病気や目以外の病気が影響して起こることもあります。例えば、下記のような病気が眼精疲労の要因になり得ます。
・緑内障
・白内障
・虫歯
・歯周病
・アレルギー性鼻炎
・糖尿病網膜症
など
眼精疲労を軽減する方法
目に何らかの違和感がある場合は、眼科などの医療機関を受診することをおすすめします。眼精疲労の要因でも紹介したように、緑内障や白内障などの病気により目に症状が現れているケースもあるためです。
ここでは、病気を原因としない場合の眼精疲労について、自分でできる対策を5つ紹介します。
自分に合った矯正器具を使用する
視力の矯正器具には、さまざまなものがあります。代表的なのは、メガネやコンタクトレンズです。
メガネは、すぐに装着できて、長時間の着用にも優れています。しかし、慣れないと、鼻の付け根が痛くなったり、激しい動きではズレやすかったりする注意点もあります。
コンタクトレンズは、メガネのようなズレが生じにくく、左右で視力差がある場合にも矯正しやすいのが特長です。ただし、常時目に装着する状態になるため、ドライアイになりやすいので注意が必要です。
矯正器具を使用するときは、状況に合わせて使い分けることも考えましょう。長時間のPC作業が多い場合は、ドライアイになりやすいコンタクトレンズではなく、メガネの利用が適しているでしょう。
また、矯正器具を使って視力を矯正していても、視力が落ちていくこともあります。見えにくいと感じたときは、眼科などで自分に合った矯正器具を作成するようにしましょう。
しばらく医療機関に通院していない場合も、現在の目の状態に合った視力矯正ができているか確認することをおすすめします。自分に合った矯正器具を使用することで、ピント調整がしやすくなり、目が疲れにくくなるでしょう。
適度に休憩をはさむ
長時間目を使うと、毛様体筋などの筋肉が疲労します。目の疲れを軽減するには、作業中も適度に休憩をはさむことが重要です。目安として、20~30分連続で作業をしたときは数分休憩するなど、目を適度にリフレッシュさせましょう。
作業環境を見直す
PCを使用する作業が多い方は、作業環境の見直しも行いましょう。目が疲れにくい環境にすることも大切です。
目とPCの距離は50cm以上離すようにします。画面との距離が近すぎると、ピント調整のために筋肉が疲労してしまうためです。距離をとると見えにくくなる場合は、視力矯正で調整します。
PC使用時の照明は、明るすぎず暗すぎないように調整しましょう。PCの画面は、照明よりも明るくなりすぎないようにするのがポイントです。部屋で作業をする際は、太陽光が画面に映って目に負担をかけないように、ブラインドなどをうまく活用しましょう。
栄養のある食事を取り入れる
眼精疲労軽減のためにも、栄養バランスの整った食事を心がけましょう。なかでもビタミン類は、目の機能を正常に保つために重要です。ただし、サプリメントなどでの過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、摂取量には注意しましょう。
下記の表は、厚生労働省が公表している主なビタミン類の日本人の食事摂取基準の推奨量です。(※推奨量は18~64歳の男女別)
種類 | 男性 | 女性 |
ビタミンA | 850~900µgRAE/日 | 650~700µgRAE/日 |
ビタミンB1 | 1.1~1.2mg/日 | 0.8~0.9mg/日 |
ビタミンB2 | 1.6~1.7mg/日 | 1.2mg/日 |
ビタミンB6 | 1.5mg/日 | 1.2mg/日 |
ビタミンB12 | 4.0µg/日 | 4.0µg/日 |
ビタミンC | 100mg/日 | 100mg/日 |
ビタミンD(目安量) | 9.0µg/日 | 9.0µg/日 |
ビタミンE(目安量) | 6.5mg/日 | 5.0~6.0mg/日 |
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書」
目の周りを温める
目を酷使したときは、蒸しタオルやホットアイマスクで周辺を温めるのもおすすめです。目の周りを温めることで、血液の流れが良くなり、筋肉の緊張をほぐせるでしょう。
眼精疲労を整体で軽減できるのか?
眼精疲労は、目の症状以外にも全身の症状を引き起こすことがあります。
眼精疲労による肩こりや筋肉の緊張などがある場合は、整体で症状を軽減できる可能性があります。整体では、首や肩の筋肉をほぐすことで血流を促し、眼精疲労の症状を軽減する施術が行われる場合があります。ただし、施術内容は整体院によって異なるため、信頼できる専門家に相談することが重要です。
眼精疲労の症状が続く場合、目の疲れ以外の原因が関与している可能性があります。特に、眼科疾患の初期症状が似た症状を引き起こすこともあるため、症状が改善しないときは眼科で診察を受けるのが適切です。
例えば、白内障では目のかすみ、緑内障では視界が狭まることが症状として現れることがあります。このような場合、専門医の診断を受けることで、適切な対処が可能になります。
まとめ
眼精疲労は、ドライアイや長時間のPC作業など、さまざまなことが原因で起こります。眼精疲労を感じたときは、作業中に適度に休憩をはさむなどして、過度に目に負担がかからないようにしましょう。
しかし、眼精疲労の原因は、筋肉の使いすぎだけではありません。病気が原因で眼精疲労が起きている場合もあります。違和感がある場合や症状が改善されない場合は、眼科の受診なども検討しましょう。