浮き指とは
浮き指とは、力を抜いて立ったときに足の指が地面についていない状態のことです。
通常、足の指を地面につけて踏ん張ることで、姿勢を保ったりまっすぐ歩いたりできます。しかし、浮き指になると足にうまく力が入らず、姿勢や歩行が崩れてしまいます。
特定の指だけが床に接地しないケースもあれば、すべての指が浮き上がるケースもあり、浮き指の症状は人によってさまざまです。一般的には親指の浮き指が多く、その次に小指の浮き指が多くみられます。
足の親指が90度以上反る方、足指の表にタコができている方、足裏の指の付け根の部分が分厚くなっている方は、浮き指の可能性が考えられます。
浮き指の原因
多くの場合、浮き指は生まれつきではなく生活習慣が原因で起こります。ここでは、浮き指の主な原因を紹介します。
足に合わない靴を履く
大きすぎる靴や滑りやすい靴下を履いたり、靴紐をしっかり締めていなかったりすると、靴のなかで足が滑ります。この状態で歩くと、靴が脱げないよう無意識に指を浮かせるようになり、浮き指を引き起こすのです。また、スリッパやサンダル、パンプス、長靴など、足が固定されない履物を履くことでも、足指を反らして歩くクセがつきやすくなります。
逆に、小さすぎる靴や靴下、ヒールの高い靴は足指が曲がったまま定着してしまうため、注意が必要です。ハイヒールを履くことで前足部に過度な荷重がかかると、足の指の付け根にタコができる中足骨骨頭痛(ちゅうそくこつこっとうつう)や、足の親指がくの字に曲がる外反母趾(がいはんぼし)を併発することもあります。
足の指の筋力低下
運動不足や加齢によって足の指の筋力が低下すると、靴が脱げないように足指を靴の上部につけて歩くクセがつきます。デスクワークで一日の大半を座って過ごす方や、車移動が多い方は、足の指の筋力が低下しやすい傾向があります。
病気
病気の症状のひとつとして、浮き指がみられることもあります。例えば、外反母趾が進行すると足の指の関節が変形するハンマートゥ(屈趾症:くっししょう)を引き起こします。ハンマートゥを放置すると足の指の関節が曲がった状態で固定され、隣の指が引っ張られ浮いたままになってしまうのです。
そのほか、足指の付け根の関節が浮き上がるクロウトゥ(かぎ爪)や、全身の関節に炎症を引き起こす関節リウマチによって浮き指の症状がみられるケースもあります。
病気が原因で浮き指になっている場合はセルフケアでの改善が難しいため、医療機関で適切な治療を受けましょう。
浮き指を放置するとどうなる?
ここでは、浮き指を放置したときのリスクを詳しく解説します。
足の指の力が弱くなる
足の指が浮いていると、歩行時に地面をしっかり掴めなくなります。その結果、うまく重心を移動できず、歩幅が小さくなったり、歩くスピードが遅くなったりすることがあります。足指の筋肉を使わないと、さらに筋力が低下し、浮き指が進行してしまう可能性もあるでしょう。
転倒しやすくなる
足の指は、歩行時の安定性を保つために重要な役割を果たしています。前方へ倒れそうになると足の指が曲がり、地面を掴むことで身体のバランスを保ちます。逆に、後ろへ倒れそうになると足の指が上に反り、身体の重心を維持しようと働くのです。
しかし、浮き指になると足の指がうまく機能せずに安定性が損なわれ、転倒のリスクが上がってしまいます。
姿勢が悪くなる
浮き指になると足の指に力が入らず、かかとに重心が偏ります。後方に重心がずれると、無意識に背中を反らせたり背中を丸めたりすることでバランスを保とうとします。この状態が続くと、反り腰や猫背といった不良姿勢を招いてしまうのです。
肩こりや首こり、腰痛を引き起こす
浮き指になると姿勢が悪化し、背中や腰の筋肉が過度に緊張します。筋肉が過緊張すると血流も悪化し、首こりや肩こり、腰痛などが起こりやすくなります。コリを放置すると痛みや不快感が慢性化し、日常生活に支障をきたすおそれもあるでしょう。
巻き爪・陥入爪になる
浮き指を放置すると、巻き爪や陥入爪(かんにゅうそう)といった爪の変形を引き起こすリスクもあります。
巻き爪とは、爪の端が内側に曲がり、爪の下の皮膚を挟んでしまう状態のことです。本来、爪のなだらかなアーチ型は、足の指でしっかり地面を踏み込む動作によって保たれています。しかし、浮き指になると指や爪に正常な圧力がかからなくなり、巻き爪を引き起こすのです。
一方、陥入爪は、爪が変形して皮膚に食い込み、痛みや炎症をともないます。巻き爪と同様に、陥入爪も足の爪に正常な力が加わらないことで発症のリスクが高まります。陥入爪になると、痛みをかばおうと指に力を入れずに歩くようになり、症状が悪化しやすくなります。
浮き指を改善する方法
生活習慣が原因で浮き指になっている場合は、セルフケアで症状が改善する可能性があります。ここでは、自分で浮き指を改善する方法を紹介します。
足に合った靴・靴下を履く
靴を選ぶ際は、つま先に余裕があるか・足指の上部分に余裕があるか・足の甲(足首)がしっかり固定できるかを確認しましょう。
足のサイズを測る際は、かかとから一番長い足指までの「足長」と、足の両端の出っ張った部分の距離「足幅」を採寸します。スニーカーは厚みのある中敷きが使用されているため、足の実寸よりも0.5cm~1cmほど大きいサイズがおすすめです。一方、革靴の中敷きには厚みがないため、実寸に近いサイズを試着してみましょう。
また、かかとの接地面積が大きいほど安定感が高まります。ピンヒールのように重心が不安定になる靴は控え、かかとが太い靴を選びましょう。靴下も、滑りにくくサイズが合うものを履くことで、浮き指の改善につながります。
正しい姿勢・歩き方を身に付ける
浮き指を改善するためには、正しい姿勢や歩き方を身に付けることも大切です。
歩くときは真上から引っ張られているようなイメージで背筋を伸ばし、あごを引いて視線を少し遠くに置きます。重心は、かかとの真ん中から足の裏の外側、拇指球(ぼしきゅう:親指の付け根のふくらんだ部分)へ移動するように意識しましょう。
インソールを使う
インソールを入れることで靴のなかで足の指が浮かず、歩行時に足裏のバランスを保ちやすくなります。その結果、足裏全体に力が入るようになり、自然に浮き指が改善されていくでしょう。
浮き指を改善するためには、足裏のアーチをサポートするインソールや、足指からかかとまで包み込むインソールがおすすめです。
筋肉をほぐすストレッチ・エクササイズを行う
浮き指を改善するためには、足の筋肉をほぐすストレッチやエクササイズも効果的です。ここでは、簡単にできるストレッチ・エクササイズを紹介しますので、ぜひ実践してみてください。
足と指の筋肉をほぐすストレッチ
1.椅子または床に座り、片方の足を反対側の太ももに乗せる
2.足首は太ももより外側に置き、膝はできるだけ倒す
3.足指の間に手の指を入れる(足指の付け根まで入れず、少しすき間を残しておく)
4.もう片方の手を足首に添える
5.足指の間に入れた手をやさしく握る
6.手の親指で足の親指を軽く押さえる
7.足首をまっすぐ伸ばしたまま、足指を甲のほうへゆっくり反らす(手首は曲げずに肘を動かす)
8.足の親指が甲に対して90度になるまで曲げ、5秒キープ(固い場合は曲がるところまででOK)
9.足首を足裏のほうへゆっくり曲げ、5秒キープ
10.7~8を繰り返し、反対側の足も同じように行う
両足で合計5分程度ストレッチすると効果的です。
足指の動きを改善するエクササイズ
1.床にフェイスタオルを縦に敷き、その上に足の前半分を乗せる
2.足の裏を床に押し付けながら足指を曲げて、タオルを少しずつたぐり寄せる
3.タオルをすべてたぐり寄せたら、再びタオルを広げる
4.1~3を3~5セット行う
タオルをたぐり寄せる際は、両足同時でも、片足ずつ交互でも構いません。
まとめ
浮き指は、合わない靴を履くことや足の指の筋力低下など、生活習慣が原因のケースが多くみられます。浮き指を放置すると転倒や姿勢の悪化、肩こり、腰痛などのさまざまな不調につながるため、早めのケアが重要です。
足に合った靴と靴下を履き正しい姿勢を心がけるとともに、足指のストレッチやエクササイズも取り入れ、浮き指の改善を目指しましょう。