ゴルフで肩甲骨に痛みが出る原因は?対処法とストレッチ方法を紹介

趣味やお付き合いでゴルフをする方のなかには、肩甲骨付近に痛みが出て気になっている方もいるのではないでしょうか。ゴルフをしていて痛みが出る原因はさまざまです。原因を知り、適切な対処法とセルフケアを身につけておきましょう。 今回は、ゴルフで肩甲骨が痛む原因と対処法、おすすめのストレッチを解説します。


この記事は約7分で読み終わります。

ゴルフで肩甲骨が痛む原因

ゴルフをしているうちに肩甲骨が痛くなるケースは珍しくなく、「スイングショルダー(ゴルフ肩)」と呼ばれているほどポピュラーな症状です。

ゴルフはクラブをスイングする動きがメインですが、肩の動かし方がほかのスポーツとは大きく違います。右肩と左肩の筋肉がまったく違う動きをするため、肩甲骨の痛みが出やすいとされているのです。

肩甲骨が痛むときは、筋肉の柔軟性が低下して固くなった筋肉を無理やり引っ張るようにスイングすることが原因とされています。ここでは、ゴルフで肩甲骨に痛みが生じる原因を具体的に解説します。

間違ったフォームでスイングする

そもそも、スイングのフォームが間違っているケースも多く見られます。

ゴルフ独特の動きに加え、それなりの重さがあるゴルフクラブを振る際地面に当たって肩に衝撃が加わることもあります。適切なフォームでスイングしないと、余計な負担がかかって肩や首がしびれたり、腕がだるくなったりといった症状が現れるのです。

特にゴルフ初心者の場合は、左肩が前に巻き込んでいる、首が右に傾いて左肩が下がっているなど、より負担がかかりやすい姿勢になっている可能性があります。

疲労がたまったままでプレイする

日頃の疲れが取れないままで長時間ゴルフをすることも原因です。疲労がたまっていると筋肉が固くなり、肩甲骨やそのほかの筋肉も疲れやすくなります。

ゴルフは、首や肩の関節や筋肉に負担がかかりやすい動きを繰り返します。プレイに集中しすぎず、適度に休息を取り入れながらラウンドしましょう。

疲労をためないためには、バランスの良い食事による栄養補給や良質な睡眠を心がけるなどの対策も有効です。プレイの数日前からコンディションを万全に整えておきましょう。

肋骨の動きが悪い

身体の前面にある肋骨が動きにくいと、身体により大きな負荷がかかりやすくなります。肋骨がうまく動かないと、呼吸をするときに肩甲骨や背中に痛みが生じることがあるのです。

肋骨の動きが鈍くなると、呼吸をコントロールする働きをもつ胸郭(きょうかく)の動きにも悪影響が出てきます。胸郭が適切に動かないと呼吸が浅くなり、筋肉に十分な酸素が行き届かないおそれもあります。

結果として肩甲骨付近の筋肉にも負担がかかり、スイングによって痛みが出やすくなることもあるのです。

肩甲骨に負担がかかる

間違ったフォームでスイングし続けていると、肩甲骨やそのほかの筋肉に大きな負荷がかかります。負荷がかかった筋肉は固くなりやすく、肩関節の可動域が狭くなります。

可動域が狭い状態でスイングすると、余計に筋肉や関節を傷めるリスクが増すので注意が必要です。

肩甲骨周辺の筋肉が弱い・柔軟性不足

肩甲骨付近の筋力や柔軟性が低下していたり、間違ったフォームで背中の筋肉を過剰に動かしたりすると、背中を中心とした筋肉痛が起きやすくなります。

日常生活ではあまり動かさない筋肉を急に酷使したり、同じ筋肉を長時間使い続けることで、筋肉を構成する筋線維が損傷しやすくなります。傷ついた筋肉を修復する過程で血中に放出される刺激物質が、筋膜を刺激して筋肉痛を引き起こすのです。

ゴルフで肩甲骨に痛みを感じたときの対処法

ここでは、ゴルフをした後に肩甲骨の痛みが出たときの対処法を解説します。

患部の冷却と温めをする

肩甲骨の痛みが出始めたら、できるだけ早めに対処することが重要です。症状が現れたら、時期に合わせて冷却と温めの両方を適切なタイミングで切り替えましょう。

痛みを感じ始めてから24~48時間以内は、氷のうや冷湿布などで患部を冷やします。1回の冷却時間を15分程度にして、適宜休憩を挟みながら冷却するのがポイントです。

痛みが治まった後は、血行を良くするために患部を温めることが効果的です。ただし、痛みが強い場合は患部を温めるかどうかの判断を病院で医師に相談しましょう。

マッサージやストレッチをする

患部をストレッチで伸ばし、固まった筋肉をゆっくりほぐすのも効果的です。ゴルフを始める前にストレッチしておくと、肩の可動域が広がって痛みの予防につながります。

一方で、運動後のストレッチやマッサージは、緊張した筋肉をゆるめて血行を促し、疲労を回復させる効果も期待できます。

ただし、痛みを取ろうと無理に動かしたり、力を入れて引っ張ったりすると筋線維をさらに傷つけてしまうので避けましょう。

痛みを予防するためのストレッチは、後ほど解説します。

整形外科や整体院を受診する

適切にケアしたにもかかわらず、肩甲骨の痛みが強くなったり、数日以上痛みが引かなかったりする場合は、整形外科や整体院で専門家に相談しましょう。

あまりに痛みが長引く場合は、ゴルフによる痛みではなく、他の疾患など重大な原因が隠れている可能性も考えられます。治療やリハビリテーションが必要なケースもあるため、専門医やスポーツ医学の知見がある医療機関を受診することをおすすめします。

ゴルフでおこる肩甲骨の痛みを予防するストレッチ

ゴルフ後に出る痛みを予防するためには、日ごろからストレッチをして筋肉の柔軟性を高めておくことが重要です。また、プレイ前にはストレッチでウォーミングアップする習慣をつけておくと、身体の柔軟性を向上させ、筋肉や関節の温度を上げることでケガの予防もできます。

ここでは、ゴルフプレイヤーにおすすめのストレッチを紹介します。

両腕を回すストレッチ

肩甲骨の緊張を和らげ、肩の可動域を広げるストレッチです。

1.両手を横に広げ、手のひらは身体の外方向に向ける
2.肩甲骨が動いているのを感じながら、ゆっくり両腕を回す
3.前後10回ずつを1セットとし、腕を回す幅を変えながら数回繰り返す

回し方をセットごとに変えることで、さまざまな筋肉をまんべんなくストレッチできます。ラウンドの前後に取り入れるのもおすすめです。

肩甲骨を寄せるストレッチ

肩甲骨の柔軟性を高めるほか、背中の筋力アップも期待できるストレッチです。

1.背筋を伸ばした状態でバンザイする
2.片腕の肘を曲げ、肩甲骨が閉じていくのを感じながら下ろしていく
3.両腕を交互に下ろすのを1分間繰り返す

肘をやや後ろ方向に引くようにイメージしながら下ろすと、より肩甲骨の動きが感じやすくなります。ゆっくりとした動きなので、筋肉が温まるお風呂上りや、寝る前のリラックスタイムにもぴったりです。

肩甲骨まわりのストレッチ

肩甲骨付近の筋肉を大きく動かすストレッチです。肩甲骨の可動域を広げ、飛距離アップにもつながります。

1.床に座り、左手で右足小指付近の足裏をつかむ
2.右膝をゆっくり伸ばし、肩甲骨を開く
3.右膝を伸ばしたまま、足を左右に5回振る
4.反対側も同様に行う

足を振るとき、外側に大きく開くと肩甲骨がよりしっかり伸ばせます。足をつかんでいないほうの手は、床についても構いません。

胸・肩甲骨のストレッチ

肩甲骨だけでなく、胸も一緒に動かすストレッチです。

1.ゴルフクラブの端を両手で持った状態でバンザイをして、身体を後ろ方向に反らす
2.両肘を曲げ、背中の後ろに下ろす
3.再度バンザイをした後、両肘を伸ばしたまま身体を前に倒す

両膝は伸ばしたままで、過剰に反らしたり倒しすぎたりしないようにしましょう。ゴルフクラブの代わりに、タオルを使ってもストレッチできます。

まとめ

ゴルフをした後に肩甲骨付近が痛むのは、スイングフォームが間違っていたり、筋肉が緊張したままプレイを続けていたりすることが原因です。痛みを予防するには、日ごろから疲れがたまらないように生活習慣を見直す、ストレッチを取り入れるなどの対策をしましょう。

痛みがあまりに長引く場合は、筋肉疲労以外の原因も否定できません。気になる方は、整形外科や整体院で専門家に相談するのもおすすめです。

【関連記事】
肩甲骨からゴリゴリ音がなる!原因や解消法を紹介