ストレッチで股関節を柔らかくするメリットとは?得られる効果を解説

最近身体の動きが悪くなった、太ってきたと感じたら、股関節のストレッチを始めましょう。股関節を柔らかくすると、さまざまなうれしい効果が期待できます。今回は、股関節の柔軟性を保つメリットを解説しながら、家庭で簡単に取り組めるストレッチ法を紹介します。トレーニングの注意事項も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。


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股関節を柔らかくするメリットとは?

股関節は足を動かすだけでなく、体重を支える重要な部位です。全身のバランスに重要な役割を果たしていて、柔軟性を高めると次のメリットが期待できます。

・身体機能が向上する
・身体の調子が良くなる
・ダイエット効果がある

それぞれを詳しく解説します。

身体機能が向上する

股関節が柔らかくなると足の可動域が広がり、身体の動きが良くなります。日常的な動作がスムーズになるのは、大きなメリットです。

例えば、歩行時の歩幅が広がれば、より効率的に動けて余計な力を使わずに済みます。階段の上り下りや座る、立つなどの動作が楽になり、スポーツではパフォーマンスの向上に期待がもてるでしょう。

股関節は、姿勢を支えるはたらきも担っています。関節の柔軟性が高まると全身のバランスを取りやすくなるため、転倒事故のリスクを減らせます。

身体の調子が良くなる

関節まわりの筋肉がほぐれると血液が流れやすくなるのも、メリットのひとつです。血行が改善されて細胞に酸素や栄養が行き届き、冷え性などの不調緩和が期待できます。

また、血流が促進されると身体に不要な物質の排出も進み、疲労回復が早まるでしょう。股関節にはリンパの流れがあり、むくみの改善にも役立ちます。

そのほか、血行が改善されると睡眠の質の向上、自律神経のバランスが整うなど、さまざまなメリットが期待できます。

ダイエット効果がある

股関節が柔らかくなり足の可動域が広がると、自然に運動量が増えダイエットにも良い影響が出ます。また、血行が良くなると基礎代謝が向上して脂肪の燃焼効果が高まるほか、脂肪の蓄積も防げるため、痩せやすく太りにくい身体作りが目指せるでしょう。

股関節の柔軟性が高まると骨盤まわりの筋肉が強化され、姿勢の改善が見込めます。姿勢を正すと新陳代謝が活性化し、消費カロリーが増えるので、より効率良くダイエットに取り組めます。

股関節が硬いとどうなる?

逆に、股関節が硬いままだと、将来的に次のような問題が出る可能性があります。

・腰痛や膝痛の原因になる
・スタイルが悪くなる
・怪我のリスクが上がる

それぞれを詳しく解説します。

腰痛や膝痛の原因になる

股関節が硬くなると腰椎にかかる負担が増え、腰痛を引き起こすことがあります。骨盤に歪みが生じて腰まわりの筋肉が緊張するのも、腰痛につながる要因です。特に、長時間座り続けると腰にかかる圧迫が増大します。

さらに、痛む腰をかばって動く代償動作によって膝の関節に過度なストレスがかかり、膝痛を引き起こすリスクもあります。股関節の可動域が狭くなると歩行時の衝撃吸収機能も低下し、下肢に負担がかかりがちです。

スタイルが悪くなる

股関節の動きが悪くなると骨盤が倒れて、猫背になりやすいのも問題です。姿勢が崩れると骨盤が歪み、お尻が垂れさがって見えることがあります。また、筋肉にかかる負荷に不均衡が生じて太ももの前側が張り出し、脚が太くなりがちです。

股関節の可動域が狭くなると歩くバランスが乱れて下半身に負荷がかかり、O脚やX脚などの脚の変形が起こりやすいのにも注意が必要です。身体の歪みは脂肪の付き方にも影響を与え、ぽっこりお腹が目立つようになります。

怪我のリスクが上がる

股関節が硬くなると身体の動きが悪くなり、筋肉や下肢にかかる負担に偏りが生じて肉離れが起こりやすい傾向があります。歩くバランスが乱れて、転倒や捻挫しやすくなるのも問題です。関節が硬くなると受け身も取りにくくなり、怪我のリスクが増大します。

また、思うように身体が動かせなくなると疲労が蓄積しやすく、慢性的な痛みにもつながるため注意が必要です。

簡単股関節ストレッチメニュー

股関節の動きが悪くなるのは、関節につながる筋肉や腱が硬くなっているからです。ストレッチで筋肉の柔軟性を高めて、可動域を広げましょう。

ここからは、家庭で取り組める股関節のストレッチ法を紹介します。

片足開脚ストレッチ

身体が硬い方でも無理なく取り組める、開脚ストレッチです。気持ち良いと感じる範囲で、じっくり筋肉を引き伸ばしましょう。余裕があれば、1日2~3セットを目安に行ってください。

1.床にあぐらをかいて座り、背筋を伸ばす
2.右足をできる範囲で横に伸ばして広げて、右手を足の上に置く
3.左手をまっすぐ上にあげ、ゆっくり上半身ごと右側に倒す
4.気持ち良く伸びたところで止まり、20~30秒キープする
5.次に、お尻が浮かない範囲で息を吐きながら、左手ごと上半身を身体の前に倒す
6.今度は息を吸いながら、左手を身体の後ろに伸ばす
7.5~6を3回繰り返し、最後に上半身を前に倒した状態で左腕を右に3回、左に3回まわす
8.ゆっくり上半身を起こし、足と腕を入れ替えて左側も同様にストレッチする

座って行う股関節ストレッチ

股関節と上半身をつなぐ、腸腰筋を引き伸ばすストレッチです。椅子に座ったままできるため、オフィスでも取り組めます。

1.椅子に対して身体を右向きにして座る
2.右手を手もたれにつき、身体を支えながら右足を90度に曲げて体重を乗せる
3.左足を椅子から降ろし、膝が床を向くように意識しながら後ろに伸ばして20~30秒キープする
4.ゆっくり左足を戻し、身体の位置を入れ替えて右側も同様にストレッチする

腸腰筋ストレッチ

椅子を使わずに腸腰筋を引き伸ばすストレッチ法です。足の動きをなめらかにし、体幹を安定させる効果が期待できます。

1.右膝を立てて腰を下ろし、左足を後ろに伸ばして片膝立ちの姿勢になる
2.両手を右膝につき、右足に体重を乗せて、左足の付け根を伸ばした状態で20~30秒キープする
3.ゆっくり戻り、足を入れ替えて右足の付け根も同様にストレッチする

あぐらストレッチ

あぐらの姿勢から始める股関節のストレッチです。背中が丸まらないように注意して、関節を気持ち良く伸ばしましょう。

1.床にあぐらをかいて座る
2.両方の足裏を合わせて身体に引き寄せる
3.両手をそれぞれの膝につき、床に向けて押し付けるようにして股関節を伸ばす

股関節ストレッチを行う際の注意点

ストレッチには、いくつかの注意事項があります。間違ったやり方をすると筋肉や腱にダメージを与え、痛みが悪化するリスクがあるため、注意事項を遵守して可動域を広げましょう。

股関節のストレッチでは、無理は禁物です。無理に引き伸ばすと、股関節につながる筋肉・靭帯・腱を傷付ける可能性があるため、痛みを感じた場合は中止しましょう。付け根を引き伸ばす際は痛みのない範囲から始めて、焦らずに徐々に可動域を広げてください。

筋肉は急激に負荷がかかると逆に収縮するはたらきがあり、ダメージが大きくなります。また、ストレッチ中に呼吸を止めると身体が緊張して筋肉が硬くなるので、ゆっくりと呼吸しながら、じわじわ引き伸ばしましょう。

ストレッチは、継続すると良い効果が得られます。間を開けるとほぐれた筋肉や腱が元の状態に戻るため、ストレッチは毎日、短い時間でもコンスタントに取り組むことが大切です。

忙しさから忘れがちなら、軽い運動をした後や入浴後などのタイミングを決めて習慣化しましょう。身体が温まった状態でストレッチすると筋肉が柔らかく伸びて、効果が高まります。

まとめ

股関節を柔らかくすると身体機能が向上し、体調が良くなるなどさまざまなメリットがあります。基礎代謝も向上してダイエットにも良い効果が期待できるので、ぜひ前向きに取り組んでください。関節の柔軟性を保つには、ストレッチが有効です。ストレッチは継続すると良い効果を得られるため、毎日の習慣に取り入れましょう。

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