打撲の適切な対処法とは?部位別の応急処置も紹介

打撲はよくあるケガですが、部位や重症度によっては重い症状が現れる場合があります。そのため「たかが打撲」と軽視せず、適切に対処することが大切です。そこで今回は、打撲の主な症状や基本的な対処法、部位別の応急処置方法などを紹介します。


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打撲の症状

打撲の症状は重症度によって異なります。軽度の打撲の場合、激しい痛みや腫れなどはなく、患部を押すと痛みを感じるくらいです。症状も1週間以内には落ち着いてきます。

中等度以上の打撲の場合は、患部に強い痛みや熱感、腫れなどの症状が現れるのが一般的です。時間の経過とともに痛みが強くなっていき、症状が治まるまでに1~2週間ほどかかるでしょう。重度の場合は2週間以上痛みや腫れが続く場合があります。

また、ぶつけたときの衝撃で皮下組織や筋肉、血管などが傷ついて内出血を起こし、患部に青あざができることもあります。

打撲の主な要因

打撲の主な原因は、棚や机にぶつかったり転んだりして身体に大きな衝撃が加わることです。格闘技やサッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツ(相手と激しい接触があるスポーツ)が原因になることも少なくありません。

いずれにしても身体を強く打ち付けることで発生するため、打ち身と呼ばれることもあります。

打撲の基本的な対処法

打撲したときは、基本的に「PRICE(プライス)処置」で対処します。PRICE処置とは、下記の4つの頭文字から名付けられた基本の応急処置の方法です。

・Protection:保護
・Rest:安静
・Ice:冷却
・Compression:圧迫
・Elevation:挙上

上記の5項目の内容を詳しく解説します。

Protection(保護)

打撲をした際は、まず患部を保護するようにしましょう。患部がさらに悪化すると炎症が長引くおそれがあるため、打撲直後は活動を中止し、安全な場所に移動することが大切です。

Rest(安静)

安全な場所へ移動したら、安静にすることが重要です。患部を無理に動かすと、すでに傷ついている皮下組織や筋肉、血管などが、さらに傷つくおそれがあるためです。

安静といわれると身体を寝かせるイメージをもつ方もいると思いますが、「患部を動かさない」ことが目的なので寝かせるとは限りません。打撲が発生した部位に体重がかからない体勢を取って、むやみに動かさないようにします。

Ice(冷却)

続いて、打撲した患部を氷のうやビニール袋に入れた氷などを使って冷やします。患部の代謝を低下させ、腫れや炎症を抑えるのが目的です。冷やすことで痛みを感じにくくするという目的もあります。

冷却時間の目安は1回20~30分程度で、痛みが落ち着いたらいったんストップ、痛みがぶり返したら再度冷却を繰り返します。

凍傷になってしまうおそれがあるので、冷やし過ぎには注意しましょう。また、患部に直接氷のうや氷入りのビニール袋を当てるのは避けて、ハンカチやタオルの上から当ててください。

Compression(圧迫)

次に患部の腫れや内出血を抑制するために、患部を圧迫します。テーピングパッドやスポンジを患部に当てたら、その上からテープや弾性包帯を少し強めに巻いて押さえましょう。

このとき強く圧迫すると血流障害や神経障害を起こすおそれがあります。患部周辺が変色したり、しびれを感じたり、感覚が鈍くなったりしていたら少しテープを緩めましょう。

Elevation(挙上)

圧迫の処置を終えたら椅子やテーブル、クッション、丸めた毛布などを活用して、患部が心臓よりも高い位置に来るようにしましょう。

打撲した後に腫れるのは、患部に血液やリンパ液が溜まるためです。患部を心臓より高い位置にもってくると血流が減るので、血液やリンパ液による膨張を予防できます。

【部位別】打撲の応急処置・対処法

打撲の症状は、打撲した部位によって異なります。場合によっては重い症状が出ることもあるので、部位別の主な症状と応急処置、対処法を知っておきましょう。

手足の打撲

棚にぶつかったり転んだり、スポーツをしたりして手足の打撲が発生した場合、患部に痛みや腫れなどの症状が出ます。皮下組織や血管などが損傷して出血が起き、青あざができることもあるでしょう。

手足に打撲が発生したら、患部を無理に動かさないようにすることが重要です。手足は日常生活で頻繁に動かす部位なので、テーピングで固定しておくと良いでしょう。また、痛みや腫れが強い場合は、氷のうやビニール袋に入れた氷などで患部を冷やしてもかまいません。

痛みがかなり強い場合、少しずつ症状が酷くなっている場合は捻挫や脱臼、骨折をしている可能性があるため医療機関の受診を検討しましょう。

頭部の打撲

頭部の打撲は非常にリスクが高いため、慎重な対応が求められます。棚にぶつかったり転倒したり、事故に遭ったりして頭をぶつけると、腫れや痛み以外にも下記のような症状が出ることがあります。

・頭痛
・めまい
・ふらつき
・吐き気
・頭蓋内出血
・脳震盪
・意識障害 など

頭をぶつけた後も意識がはっきりしていて、上記のような症状が現れていなければ、頭を少し高くした状態で安静にしましょう。患部が腫れたり痛みがあったりするようなら、様子をみつつ冷却します。

ただし、意識が回復した後もぼんやりしていたり、すぐに眠ってしまったり、手足に力が入らなかったりする場合は速やかに医療機関を受診してください。頭蓋内出血を起こしている可能性があるので、身体をゆすったり動かしたりせず救急車を呼びましょう。

注意したいのが、頭をぶつけたときは時間が経ってから症状が出る場合があることです。頭をぶつけた直後は何ともなくても、6~24時間ほど経過した後に症状が現れることがあります。人によっては数日後に症状が出るケースもあるので、2~3日は様子をみてください。

首や背中の打撲

首や背中の打撲も注意が必要です。棚の角にぶつかって少し痛みがあるくらいなら、通常の打撲の応急処置で問題ないでしょう。

しかし、息苦しさを感じたり、吐き気を催したり、手足がしびれたりした場合は首や背中を通る神経を痛めた可能性があります。

場合によっては後遺症が残るリスクもあるので、まずは落ち着いて呼吸や手足の感覚をチェックしてみましょう。異常がある場合は早めに医療機関を受診し、医師の診察を受けてください。

また、徐々に腫れや痛みが強くなったり、患部周辺の皮膚が変色したりしている場合は骨折している可能性があります。

無理に動くと症状が悪化するため、まずは硬く平らなところで仰向けになって安静にしましょう。その後必要に応じて医療機関を受診します。

胸部の打撲

胸部をぶつけた場合も、軽い痛みや腫れ程度なら通常の応急処置で問題ありません。強い痛みを感じたり、息苦しさや吐き気などの症状が出たりした場合は、ベルトや服の襟元を緩めて楽な体勢で安静にします。患部が腫れたり痛みを感じたりするなら、冷却してみるのも良いでしょう。

寝返りを打ったりくしゃみをしたりしたときに痛みが悪化したり、呼吸困難になったりした場合は骨折しているおそれがあります。できるだけ早く医療機関を受診し、医師の診断を受けましょう。

打撲の痛みが引かない場合は病院への受診も検討しよう

通常、打撲は1~2週間程度経つと症状が落ち着いてきますが、いつまで経っても症状が治まらないことがあります。そのまま放置すると合併症を起こすリスクもあるため、特に下記のような場合は病院の受診も検討しましょう。

・痛みが4週間以上継続している
・内出血がないのに痛みが残っている
・骨が突き出るような痛みを感じる

上記には該当していなくても、症状が長引いている場合や違和感を覚える場合は早めに病院に行き、医師に相談してみましょう。

まとめ

家具にぶつかる、転倒するなどして身体を強く打ち付けると、腫れや痛みなどの症状が現れます。症状が悪化しないように、速やかにRICE処置を行いましょう。そうすれば1~2週間ほどで症状が落ち着いてくるはずです。

ただし、重度の打撲の場合は症状が長引きます。また、頭や首、胸部などをぶつけた場合は意識障害や呼吸困難など重篤な症状が出るリスクもあります。捻挫や骨折をしている場合もあり、合併症を起こすおそれもあるので早めに医療機関を受診しましょう。