ぎっくり腰になったときの対処法!注意事項と予防策も解説

些細なきっかけで突然、腰が痛み出し、動けなくなるぎっくり腰。正式名称は「急性腰痛症」ですが、軽度なら家庭での応急処置で改善が目指せます。正しい対処で、早めに痛みを和らげましょう。今回は、ぎっくり腰になったときの対処法や再発を防ぐポイントを紹介します。病院を受診すべき判断基準も解説しているので、ぜひ参考にしてください。


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ぎっくり腰になった場合の対処法

何気なく身体を動かしたときに突然腰が「ピキッ」として痛み出したら、誰でもあわててしまいますね。ひどいときには強い痛みで身体を動かせなくなるほどですが、落ち着いて次の要領で対処してください。

・まずは安静にする
・寝るときには楽な姿勢で寝る
・お風呂でゆっくり温まる

それぞれのポイントをみていきましょう。

まずは安静にする

ぎっくり腰になったときは、激しい痛みが落ち着くまで安静に過ごすのが一番です。腰の関節や椎間板(軟骨)、腱、靭帯が損傷することにより痛みが強くなるため、極力動かず、自分にとって楽な姿勢で休みましょう。

腰の痛みが強いときは、ゆっくりと深呼吸を繰り返すと落ち着きます。我慢できない場合は、湿布を使っても良いでしょう。

ぎっくり腰の大半は、しばらく安静に過ごせば自然に回復しますが、症状が落ち着いたら整形外科の受診を検討してください。医師の診断や検査を受けて、筋肉や骨格に損傷がないか確認してもらうほうが安心です。

なお、ぎっくり腰になったときの応急処置については、下記の記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
ぎっくり腰の応急処置とは?再発を防ぐ対策と正しい姿勢について解説

寝るときには楽な姿勢で寝る

安静な状態を保つためには、楽な寝姿勢を取る必要があります。しかし、ぎっくり腰になると普通の仰向け寝ができません。骨格や筋肉の構造から、仰向けになると腰に体重が集中して痛みが強くなるからです。

仰向け寝をする場合は膝を立てて90度に曲げ、腰への負担を減らしましょう。立てた膝の隙間にクッションや毛布を丸めて入れると姿勢が安定し、ゆっくり休めます。

仰向け寝が難しいときは、腰が痛む側を上にして横向きで寝るのもおすすめです。重ねた膝の間にクッションを挟むか抱き枕を抱えると寝姿勢が崩れず、眠りやすくなります。

ぎっくり腰になったときの寝方は、下記の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
ぎっくり腰の正しい寝方・NGな寝方|緩和のためにできること

お風呂でゆっくり温まる

腰の痛みが強い場合は、お風呂でゆっくり温まるのも効果的です。入浴によって身体が温まると血流が改善されてリラックスでき、痛みが和らぐ効果が期待できます。また、湯船の浮力で腰の負担が減らせるのもメリットのひとつです。

しかし、身体を温めると痛みが強くなる場合もあるため気を付けてください。腰まわりに腫れや熱感がある場合は無理をせず、湯船に浸かるのを控えましょう。

ぎっくり腰を家庭で対処する際の注意事項

ぎっくり腰は家庭でケアできるものの、対処法を間違えると痛みが長引く可能性があります。次の2点に注意して、早めの回復を目指しましょう。

・なるべく普段通りの生活を心がける
・コルセットに頼りすぎない

それぞれの理由を解説します。

なるべく普段通りの生活を心がける

ぎっくり腰になると、強い痛みで動くのに苦労しますが、大事にし過ぎるのも良くありません。フィンランド労働衛生研究所が行った研究によると、安静にし過ぎず、無理のない範囲で動いたほうが回復は早いと報告されています。

出典:A Malmivaara,et al.N Engl J Med 1995;332(6):351-5.「The treatment of acute low back pain–bed rest, exercises, or ordinary activity?

ある程度痛みが治まり、動けるようになったら、早めに普段通りの生活に戻りましょう。痛いからといっていつまでも寝て生活するのではなく、軽めの家事や運動から始めることを意識してみてください。

コルセットに頼りすぎない

腰の痛みはコルセットを着けると楽になりますが、頼りすぎるのは危険です。コルセットをいつまでも装着していると回復が遅れる可能性があるため、強い痛みが落ち着いたら少しずつ外して過ごしましょう。

また、コルセットを使い続けるよりも、体幹を支える腹筋や背筋を鍛えたほうが回復は早まるといわれています。急性期の痛みが落ち着いたら、適度な運動に取り組んでください。

こんなときは早めに病院へ!

ぎっくり腰の強い痛みの大半は、安静にして過ごせば2~10日前後で自然に回復に向かいます。しかし、重大な病気が影響を与えている可能性もあるため、次に該当するケースは早めに整形外科を受診してください。

・2週間以上経っても痛みがおさまらない
・腰の痛み以外の症状がある

ここからは、病院を受診すべき判断基準をみていきましょう。

2週間以上経っても痛みが治まらない

安静に過ごしても、2週間以上痛みが続く場合は、早めに受診しましょう。痛みが緩和しない場合は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎分離症などを引き起こしている可能性があります。

また、日数が経過するにつれ痛みが強くなっているときも注意してください。骨粗しょう症によって腰まわりに圧迫骨折が起きていたり、内臓の病気が隠れていたりすることがあります。

短期間でぎっくり腰を繰り返す場合も、医師の診断を受けたほうが良いケースです。腰が痛む原因を病院で特定してもらい、早めの治療に繋げましょう。

腰の痛み以外の症状がある

腰の痛み以外の症状があるときは、すぐに受診してください。

例えば、下肢にしびれや痛みがある場合は、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアの可能性が高いと判断できます。腰に大きな神経障害が起きているときは排便や排尿が困難になる、下半身が麻痺するなどの前兆症状が表れます。

痛み以外に発熱や嘔吐、血尿などがある場合も要注意です。化膿性脊椎炎をはじめとする感染症や内臓の病気が隠れている可能性があるため、早めに病院で検査を受けましょう。

ぎっくり腰の再発を防ぐポイント

急激な痛みが和らいでも、ぎっくり腰は繰り返す傾向があります。正しい対処で痛みや違和感を改善した後は、次の再発防止対策に取り組みましょう。

普段の姿勢・動作を見直す

ぎっくり腰を防ぐには、腰に負担をかけないように姿勢や動作を見直す必要があります。特に重い荷物を持つときにぎっくり腰になりやすいため、次の手順で腰にかかる負担を減らしましょう。

<重い荷物を持ち上げる手順>

1.荷物に近寄って片膝をつき、しっかり腰を落とす
2.荷物に両手をかけて引き寄せ、膝の上に乗せる
3.腰を入れてお腹の前で荷物を抱える
4.背筋を伸ばして背中のS字カーブを維持しながら、脚の力を使ってゆっくりと立ち上がる

朝起きたときのように、長時間同じ姿勢を取った後に動き始めるときもぎっくり腰になりやすい傾向があります。

起き上がるときは布団の中で身体を動かし、こわばりをほぐしてから起き上がりましょう。仰向けで起き上がると腰に負担がかかるため、横向きになってからゆっくり起き上がってください。

そのほか、洗面台で顔を洗おうと前屈みになる姿勢も腰に負担をかけます。両脚を前後に軽く開いて膝を曲げれば腰への負担を減らせるため、普段の姿勢も見直しましょう。

ストレッチで筋肉を柔軟に保つ

ぎっくり腰を防ぐには、筋肉の柔軟性を保つことが大切です。座りっぱなしの生活は腰まわりの筋力も失われやすいため、下記のストレッチで再発を防ぎましょう。

キャットキャメル

腰につながる背骨の柔軟性を高めるストレッチです。

1.布団の上で両手両膝をつき、四つん這いになる
2.顔を前に向けて息を吸い込み、肩甲骨を軽く寄せて背中を反らす
3.ゆっくり戻る
4.息を吐きながら肘を軽く曲げ、顔はお腹に向けながら背中を丸める
5.ゆっくり戻る
6.2~5の動作を5回繰り返す

背中を伸ばすストレッチ

背中を伸ばし、柔軟性を高めるストレッチです。

1.布団の上で仰向けに寝る
2.両膝を両手で抱え、胸のほうに引き寄せて背中を丸める
3.呼吸をしながら20秒間キープする
4.ゆっくり戻り、2~3の動作を2回繰り返す

太ももを伸ばすストレッチ

腰につながる、太ももの裏を伸ばすストレッチです。

1.イスに浅く座り背筋を伸ばす
2.右足を前に伸ばしてかかとを床に着け、膝は曲げずにつま先を上に向ける
3.背中のS字カーブを維持しながら、ゆっくりと上半身を前に倒して20秒間キープする
4.ゆっくり戻り、足を入れ替えて左足の太もも裏も同様にストレッチする
5.2~4を2回繰り返す

まとめ

ぎっくり腰になったら腰への負担を減らし、安静に過ごすのが一番です。ただし、安静にし過ぎるとかえって回復が遅れる可能性があるため、無理のない範囲で身体を動かし、早めに日常生活を取り戻しましょう。あわせて、普段の姿勢や動作を見直すことも大切です。腰まわりの筋肉を柔軟に保つストレッチにも取り組んで、腰の痛みの再発を防いでください。