「最近なかなか疲れがとれない……」「十分に休息をとっているつもりなのに疲れがとれない……」仕事や家事・育児などで忙しい日々を過ごす中でこのようなお悩みを抱えている方は多いと思います。
疲れをとるためには、食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直すことが大切です。今回は、疲労の種類と簡単に実践できる疲労回復の方法を解説します。
疲労は大きく3種類に分かれる
疲労とは、心身に過度な負担がかかることにより、活動能力が低下した状態のことです。
疲労は、「痛み」や「発熱」と同様に生体における警報のひとつです。これ以上、仕事や運動などをすると身体に害が及ぶサインとして機能しています。
身体が休息を必要としている状態になると脳は疲労を感じ取り、危険信号を出します。この危険信号が疲労感の正体です。疲労感に従って心身を休めることは健康を維持していくために重要です。
疲労は、下記の通り大きく3種類に分かれます。
・末梢性疲労
・中枢性疲労
・病的な疲労
それぞれの疲労について詳しく解説します。
末梢性疲労
末梢性疲労は、肉体的な疲労のことです。
身体を動かすときには筋肉に蓄えられたエネルギーを消費します。末梢性疲労は、過度な運動や重労働などで筋肉や靭帯を酷使した際に、筋肉に蓄えられたエネルギーがなくなり、体内に老廃物や疲労物質が蓄積することで起こります。
末梢性疲労の主な症状は、身体を動かしたあとの倦怠感や筋肉の張り、筋肉痛などです。
末梢性疲労は、筋肉や靭帯を休ませることで回復が望めます。
中枢性疲労
中枢性疲労とは、ストレスや脳の緊張状態が続くことで生じる疲労のことです。精神的なストレスだけでなく、長時間のPC作業なども中枢性疲労の原因のひとつです。
人間関係のストレスが多く、インターネットの普及により常に大量の情報が入ってくる現代では、中枢性疲労を感じている方が多いといわれています。
強いストレスを感じたり、脳の緊張状態が続いたりしているとき脳は活発に活動している状態です。脳が活発に活動すると、大量の活性酸素が発生します。発生した活性酸素が細胞を傷つけることでだるさなどの症状を引き起こします。
中枢性疲労の主な症状は、疲れやだるさです。自律神経が乱れることにより不安感やめまい、熱感など多くの症状が現れる場合もあります。
中枢性疲労には、ドーパミンなどの神経伝達物質や自律神経が関与しており、単に休息をとるだけではなかなか疲れが取れません。
病的な疲労
疲労の背景に、疾患が隠れている場合もあります。これを病的な疲労といいます。
末梢性疲労や中枢性疲労は休息や気分転換によって回復可能な生理的な疲労ですが、病的な疲労の場合、休息をとっても回復しません。
疲労感や倦怠感を引き起こす原因となる疾患として、うつ病や睡眠障害、がんなどがあります。
病的な疲労はいくら休息をとっても、原因となる疾患を治療しなければ疲労を軽減させることは困難といえます。
今日からできる!疲労を取る方法
疲労を取る方法には下記のものがあります。
・栄養バランスの取れた食事を摂る
・適度に運動をする
・マインドフルネス瞑想をする
・しっかり入浴する
・質の良い睡眠を取る
それぞれの方法について詳しく解説します。
栄養バランスの取れた食事を摂る
疲労回復のためには栄養バランスの取れた食事を摂ることが大切です。
一般的に疲労回復に良いとされる栄養成分はありますが、はっきりとした効果は証明されていません。そのため、さまざまな栄養素をバランス良く摂取することが必要です。
身体のエネルギー源となるのは、三大栄養素と呼ばれる炭水化物、タンパク質、脂質です。これらの栄養素は体内に吸収されるとエネルギーを生み出す回路に取り込まれます。
エネルギーを生み出す回路が効率良く機能するためにはビタミンやミネラルが欠かせません。ビタミンやミネラルが不足しているとエネルギーを生み出せず、疲労を感じやすくなります。
また、疲れの原因は活性酸素によるダメージと考えられています。活性酸素によるダメージを軽減するためには、抗酸化作用のある栄養成分を積極的に摂るのがおすすめです。
抗酸化作用のある栄養素として、イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)が知られています。イミダゾールジペプチドは、鶏むね肉やマグロやかつおの尾びれ付近の筋肉に含まれている栄養素です。
1日200~400mgのイミダゾールジペプチドを摂取することで、疲労を軽減できることがいわれています。
適度に運動をする
適度な運動も疲労回復に効果的です。運動不足により、新陳代謝が低下して血流が悪くなると疲労物質をうまく排出できず、疲労を回復できません。
適度な運動は心臓の拡張と収縮の機能を向上させ、血液の循環を改善することで、疲労回復を促します。また、デスクワークなどにより凝り固まった筋肉をリラックスさせる効果もあります。
激しすぎる運動は疲労の原因となる活性酸素を生み出してしまうので、無理なく続けられる強度の運動に取り組んでみましょう。軽く汗をかく程度のウォーキングやジョギングがおすすめです。
マインドフルネス瞑想をする
精神的な疲労の回復には、マインドフルネス瞑想がおすすめです。マインドフルネス瞑想は、今この瞬間に意識を集中させてネガティブな感情を手放し、意識的に脳を休ませるトレーニングです。
マインドフルネス瞑想を習慣的に行うことで、思考や感情に振り回されにくくなり、心身のバランスが整います。
マインドフルネス瞑想の効果は科学的にも実証されており、ストレスや不安の軽減、抑うつなどの効果があることがわかっています。精神的なストレスを感じている方はぜひ習慣にしてみましょう。
しっかり入浴する
お風呂に浸かって身体を温めることで、血行が良くなり疲労回復が期待できます。また、入浴によるリラックス効果で副交感神経が優位に働き、質の良い睡眠を取るための準備も整えられます。
疲労回復のためには、38~40℃くらいのぬるめのお湯にゆったりとつかるのがおすすめです。42℃以上の熱いお湯では、交感神経が優位になり身体が興奮状態になってしまいます。
また、スムーズな入眠のために遅くても就寝の2時間以上前には入浴を済ませておくようにしましょう。
質の良い睡眠を取る
疲労回復のためには質の良い睡眠が欠かせません。睡眠には、心身を休ませて疲労を回復させる効果があります。
理想的な睡眠時間は6~8時間程度といわれていますが、必要な睡眠時間には個人差があります。睡眠時間が足りているかどうかは、日中仕事などに支障をきたすほどの眠気がないかを目安にしましょう。
また、睡眠時間だけでなく、睡眠の質も大切です。睡眠の質を良くするために、就寝前のスマートフォンやテレビの使用は控えましょう。
スマートフォンやテレビの強い光は睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑制し、脳を覚醒させてしまいます。就寝の1時間前からスマホやテレビの使用は控え、睡眠を妨げる強い光を浴びないように注意しましょう。
まとめ
疲労には、身体を酷使することで引き起こされる末梢性疲労とストレスや脳の緊張状態によって引き起こされる中枢性疲労があります。人間関係のストレスが多く、常に多くの情報があふれている現代では、中枢性疲労を感じている方が増えていると言われています。
疲労回復のためには食事や運動、睡眠などの基本的な生活習慣を見直すことはもちろん、入浴やマインドフルネス瞑想を取り入れて心身ともにリラックスすることが大切です。
うつや睡眠障害などの疾患が原因で疲れがとれない可能性もあります。今回紹介した疲労回復法を試しても疲れが取れない場合は医療機関で相談してみましょう。