【重症度別】肉離れの見分け方!肉離れの基礎知識も解説

スポーツや日常生活の場面で、突如として、脚に激しい痛みが生じた場合、肉離れが起きているかもしれません。肉離れは適切に対処しないと、回復に時間がかかる場合があります。今回は、肉離れの症状や原因、重症度の見分け方について解説します。


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肉離れとは?

肉離れとは、筋肉に急激な負荷がかかる動きをした瞬間に、筋膜(筋肉を包みこんでいる膜)や筋繊維が損傷・断裂することをいいます。正確には「筋挫傷(きんざしょう)」といい、「肉離れ」というのは俗称です。

損傷や断裂とは、筋肉が裂けたり破れたりする状態を指し、中でも部分的に限られた範囲で起こるものが一般的に肉離れといわれています。

ここでは、肉離れの症状や起こりやすい部位、原因などを解説します。

肉離れの症状

まるで筋肉がちぎれたような激しい痛みが走る感覚に襲われるのが、肉離れの特徴的な症状です。痛みは患部を動かしたときや、安静にしているときでも感じます。

断裂の瞬間に「プチッ」「バチッ」といった音がする場合もあり、驚く方もいるでしょう。症状は痛みだけにとどまらず、下記のようなものもあります。

・断裂により損傷部位がくぼむ
・炎症により腫れ上がり熱を帯びる
・内出血によって損傷部周囲が変色する
・損傷部付近の関節(膝や足首など)が動かしにくくなる

重症度によっては患部に力が入らなくなり、足を引きずって歩いたり、ほとんど歩けなくなったりすることもあります。肉離れの具体的な症状は重症度により異なるため、後で詳しくみていきましょう。

肉離れが起こりやすい部位

肉離れは、特に太ももとふくらはぎに集中して起こりやすいといわれています。

太ももでは、膝を伸ばす働きをする「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」や、膝を曲げる役割をもつ「ハムストリングス」と呼ばれる筋肉が損傷を受けやすい部位です。

ふくらはぎでは、つま先立ちをするときに使う「下腿三頭筋(かたいさんとうきん)」が損傷を受けやすく、特にアキレス腱に近い部分で多く起こります。

肉離れが起こる原因

肉離れは、筋肉が強く縮んだ瞬間に急激に引っ張られる力が加わると発生します。具体的な動作は下記の通りです。

・急激な方向転換
・ジャンプ後の着地
・全力でのキック動作
・急なダッシュや急停止

これらの動作は、サッカーやバスケットボール、テニスなどの瞬発的に動くスポーツで多くみられます。

一方で、日常生活で行う動作のなかにも肉離れのリスクはあるため、注意が必要です。

例えば重い物を持ったり、うっかり階段から足を踏み外したりした際に起こる場合もあります。何気ない動作でも肉離れになる可能性があることを知っておきましょう。

また、下記のような要因も肉離れを起こす場合があります。

・筋肉に疲労が溜まっている
・加齢によって筋肉の柔軟性が低下している
・ウォーミングアップが不十分なままスポーツをしている

肉離れを予防するためには、日頃から十分に休養をとって筋肉を休めたり、準備運動やストレッチをしたりすることが大切です。

筋肉痛やこむら返りとの違い

脚に痛みを感じたとき、それが何によるものなのか、不安になる方もいるのではないでしょうか。特に単なる筋肉痛なのか、こむら返りなのかは、初めて痛みを感じた方は判断に迷うことでしょう。

下記では、肉離れと混同しやすい筋肉痛やこむら返りの違いについて、詳しく解説します。これらの症状を見極め、肉離れが疑われる場合は早めに医療機関を受診しましょう。

肉離れと筋肉痛の違い

肉離れは筋繊維の断裂を指しますが、筋肉痛は運動による微細な損傷にとどまり、裂けているわけではありません。

また、痛みが発生するタイミングにも大きな違いがあります。

肉離れは受傷した瞬間に激しい痛みを生じますが、筋肉痛は運動後に数時間~1日ほど経過してから、徐々に痛みが出始めます。なかには2日たってから痛くなる方もいるでしょう。

痛みの質にも違いがあり、肉離れは動かせないくらいの激しい痛みを生じる場合もあります。筋肉痛は動かすと痛いものの、日常生活に支障が出るほどではありません。

また、筋肉痛は2~3日程度で自然に改善しますが、肉離れは適切に治療しないと数か月以上痛みが続く場合もあります。

肉離れとこむら返りの違い

こむら返りは、ふくらはぎの筋肉が急激に強く痙攣して痛みが生じるもので、「足がつった」といわれる状態です。

原因はさまざまですが、主には脱水によるミネラルの低下や筋肉の疲労によるもので、運動中だけでなく睡眠中に突然発生することもあります。

こむら返りは筋肉が強く引っ張られるような痛みを感じますが、その場でゆっくりとストレッチすれば、数分程度で症状は軽くなります。

一方で筋繊維が断裂している肉離れでは、患部に触れるだけでも強い痛みを感じ、短時間で痛みがなくなることはありません。ストレッチするとさらに悪化する危険性もあるため、痛みが生じた直後は急に伸ばさないようにしましょう。

肉離れの重症度の簡単な見分け方

肉離れは3段階の重症度に分けられます。

・軽度
・中度
・重度

重症度によって症状や対処法、回復までの期間が大きく異なります。筋肉の機能低下が後遺症として現れる可能性があるため、適切な判断と対処が重要です。

なお、どの重症度であっても早期に整形外科を受診し、専門医による適切な診断と治療を受けましょう。

ここからは、家庭で簡単に確認できる、肉離れの見分け方について重症度別に解説します。

軽度の場合

軽度の場合、患部に触れると痛みがありますが、自力での歩行はできます。

【部位別の症状】

部位 症状
大腿四頭筋 うつぶせの状態で90度以上膝を曲げられる

歩行時に軽い痛みを感じる

ハムストリングス あおむけで70度以上脚を上げられる

うつぶせで90度以上膝を曲げられる

下腿三頭筋 アキレス腱をストレッチすると軽い痛みを感じる

筋肉内に出血が起こる

軽度の場合は、ストレッチや関節を動かす練習を少しずつ始めましょう。適切に対処すれば、2週間程度でスポーツができるくらいに回復します。

中度の場合

皮下出血が起きる場合が多く、黒っぽく変色することもありますが、歩行はなんとか行えます。

【部位別の症状】

部位 症状
大腿四頭筋 うつぶせで45~90度程度膝を曲げられる
ハムストリングス あおむけで30~70度程度脚を上げられる

うつぶせで45~90度程度膝を曲げられる

下腿三頭筋 部分的な腱の損傷をともなう

アキレス腱を伸ばすと強い痛みを感じる

中度の場合、筋肉を伸ばせるくらいに痛みが楽になってきたら、ストレッチを始めていきましょう。

しかし、損傷した腱の修復が確認できるまで運動を控えるように、医師から指示される場合もあります。

MRIによる画像診断で、腱の状態を確認しながら慎重に対処する必要があるため、必ず医師の指示をあおぎましょう。回復には4週間~2か月程度はかかります。

重度の場合

筋肉が完全に断裂した状態です。患部にはへこみや腫れ、内出血などが顕著に見られます。激しい痛みにより歩行はほぼできません。

【部位別の症状】

部位 症状
大腿四頭筋 うつぶせで45度程度しか膝を曲げられない
ハムストリングス あおむけで30度程度しか脚を上げられない

うつぶせで45度程度しか膝を曲げられない

下腿三頭筋 つま先立ちができない

広範囲の内出血が見られる

膝を軽く曲げただけでも強い痛みを感じる

重度の場合は回復までに4~6か月程度かかります。手術が必要なケースもあるため、長期的になることを押さえておきましょう。

まとめ

肉離れは筋肉痛やこむら返りとは異なり、筋繊維の損傷や断裂のことを指します。激しい痛みや腫れ、内出血などが起こり、動きにくさも生じるのが特徴です。

また、肉離れには重症度に応じて症状や対処法が異なります。もし肉離れが疑われる場合は、早期に整形外科を受診して適切な診断と治療を受けましょう。