猫背線とは?
猫背線とは、猫背の姿勢で長時間いることが原因で、お腹にできる横ジワのことです。
猫背の姿勢は腹筋をほとんど使わないため、上半身が前かがみになり、お腹の皮膚が折れ曲がった状態が続きます。その結果、圧迫された部分に横ジワ(猫背線)ができてしまうのです。
デスクワークや長時間のスマートフォン使用など、日常生活のなかでつい猫背姿勢になりがちなシーンは数多くあります。
猫背線は、太っている人も痩せている人も関係なくでき、一度できるとなかなか消えにくいのが特徴です。
特に姿勢のクセが定着していると、猫背線が深く刻まれてしまい、見た目年齢が実年齢より老けて見えることもあります。
猫背線を消すなら、腹筋とお腹まわりの体幹(インナーマッスル)を鍛えて、正しい姿勢を保つことが大切です。
猫背の原因は?
本来、背骨は緩やかなS字状のカーブを描くことで、頭や胴体を無理なく支え、衝撃を吸収する構造になっています。しかし、猫背はさまざまな要因が組み合わさることで、背骨のS字カーブが崩れ、背中が丸まった状態になります。
現代人にとって猫背はとても身近な問題であり、その原因はさまざまです。ここでは代表的な原因をみていきましょう。
デスクワークやスマートフォンの使用
デスクワークで長時間座りっぱなしになったり、スマートフォンを操作する際に画面を下向きに見る姿勢が続いたりすると、猫背になりやすくなります。
これは、前かがみの姿勢を続けることで骨盤が後ろに傾き、肩甲骨が前に開いてしまい、胸が縮こまった状態になるからです。
こうした姿勢がクセになると、筋肉がその状態を覚えてしまい、猫背が慢性化してしまいます。
筋力不足
正しい姿勢をキープするためには、背骨を支える筋肉や体幹をしっかり使うことが重要です。しかし、背筋や腹筋、特にお腹まわりの体幹の筋力が不足すると、姿勢を保つのが難しくなり、猫背になりやすくなります。
特に運動不足の方やデスクワーク中心の生活をしている方は、これらの筋肉が衰えやすいため要注意です。
加齢
加齢により筋肉の柔軟性や弾力性が低下すると、正しい姿勢を保つのが難しくなります。また、骨や関節の変形が進むことで背骨のS字カーブが崩れやすくなり、猫背が悪化してしまうこともあります。
猫背線を消す方法
一度できてしまった猫背線は、お腹にくっきりと刻まれ、なかなか消えにくいものです。特に、猫背のクセが長年続いている人ほど、シワが深くなりがちです。しかし、日々のケアと生活習慣の見直しで、猫背線を目立たなくしたり予防したりすることはできます。
ここでは、猫背線を消すために実践したい4つの方法を紹介します。
姿勢を正す
姿勢が悪いと、お腹に猫背線ができるだけでなく、首や腰、肩といった身体のさまざまな場所に負担がかかります。猫背がクセになっている方は、まず日頃の姿勢を正す意識をもちましょう。
特にデスクワークやスマートフォンの操作中は、無意識のうちに頭が前に出て背中が丸まりやすくなります。立っているときだけでなく、座っているときの姿勢も気を付けることが大切です。
こまめに姿勢をチェックするクセをつけると、自然と正しい姿勢が身につく助けになるでしょう。
体幹を鍛える
正しい姿勢をキープするためには、腹筋や背筋、体幹がしっかりしていることが重要です。
猫背姿勢が習慣化している方は、運動不足や筋力低下が原因で体幹が弱っていることが多いため、意識的に体幹トレーニングを取り入れるのがおすすめです。
体幹をしっかり鍛えることで、姿勢が整い、結果的にお腹に横線がつきにくくなる効果が期待できます。
肩甲骨をほぐす
肩甲骨は猫背と深い関わりがあります。猫背の方は肩甲骨が前に開いてしまい、周辺の筋肉が硬くなることで姿勢が悪化しやすくなるのです。
デスクワークやスマートフォン操作で同じ姿勢が続くときは、肩甲骨周辺の筋肉をほぐすストレッチやマッサージを取り入れましょう。肩甲骨を動かすだけでも、背中が伸びて胸が開きやすくなり、自然と猫背が改善されていきます。
肩甲骨まわりのストレッチとしては、腕を大きく回す、壁に手をついて胸を伸ばすなど、簡単にできるものから始めてみましょう。
皮膚の新陳代謝を高める
猫背線を目立たなくするには、肌の新陳代謝を高めて柔らかく保つことも大切です。特に乾燥肌の場合、皮膚が硬くなってシワが深く見えてしまうため、日頃の保湿ケアをしっかり行いましょう。
ベビー用の保湿クリームなどを使って、毎日お腹を保湿することで、肌がしっとりして少しずつ猫背線が目立ちにくくなります。
ただし、保湿だけでは猫背線の改善は困難です。姿勢の改善や筋肉の強化、ストレッチなども組み合わせて、トータルでアプローチすることが大切です。
猫背を改善するストレッチ
猫背線を消すためには、猫背を改善するストレッチを習慣にするのがおすすめです。ストレッチによって肩甲骨の動きを良くし、背骨の柔軟性を高め、筋肉のバランスを整えることで、姿勢の改善が期待できます。
ここでは、自宅で簡単にできて継続しやすい猫背改善ストレッチを3つ紹介します。毎日の生活に取り入れて、美しい姿勢を手に入れましょう。
ソラシックツイスト
巻き肩の改善や肩こりの改善にもつながるストレッチです。寝る前のリラックスタイムに布団の上やマットの上で行ってみましょう。
1.頭を枕やクッションの上にのせて横向きに寝て、両足を軽く曲げて重ねる
2.身体の下側の手で膝を押さえ、上側の手は側頭部に置く
3.目線を後ろに向けながら胸を開くように上側の肩を後ろへねじり、5回ほど深呼吸を繰り返す(膝が浮かないように手で押さえる)
4.側頭部に置いていた手を伸ばし、余裕があれば手の甲を地面につける
5.反対側も同様に行う
最初は胸や背中が固く感じるかもしれませんが、ストレッチを繰り返すことで徐々に可動域が広がり、胸が開きやすくなります。呼吸を止めずに、無理のない範囲で行いましょう。
ロールアップロールダウン
背骨の柔軟性を高めるだけでなく、腹筋を鍛えてお腹まわりを引き締めるのにもおすすめのストレッチです。
1.両足を伸ばして床に座り、手は肩幅の高さで「前へならえ」の姿勢をつくる(肩がすくまないように意識)
2.背骨を1つずつ床につけるイメージで、息を吐きながら上体を少しずつ後ろに倒していく(このとき両手も一緒に上へあげていく)
3.そのまま手をバンザイの形にし、全身を伸ばしながら身体を完全に倒す
4.背骨を1つずつ地面から剥がすように意識して、ゆっくりと身体を起こす(反動はつけない)
5.1~4を5回程度繰り返す
反動を使って起き上がらないように注意し、ゆっくりと動作を行うことが大切です。もしも起き上がるのが難しい場合は、ステップ3までを繰り返すだけでも効果があります。
キャットストレッチ
背骨全体を動かし、柔軟性を高めるのにぴったりのストレッチです。
1.手が肩の真下、両膝を股関節の真下に置き、四つん這いの姿勢になる
2.息を吐きながら背中と腰を丸め、おへそをのぞき込むようにして背骨を引き上げる
3.息を吐き切ったら、その姿勢のままゆっくり息を吸う
4.背中と腰を丸めたまま呼吸を5回ほど繰り返す
背中だけを丸めてしまいがちですが、腰もしっかり丸めるように意識するのがポイントです。腰が丸まることで骨盤の位置が安定し、猫背の改善につながります。
まとめ
猫背姿勢が原因でお腹にできる猫背線は一度できると簡単には消えにくいものですが、日々の習慣を見直すことで目立たなくしたり予防したりすることは可能です。
特に、背中やお腹まわりの筋肉を鍛える体幹トレーニングや、肩甲骨周辺のストレッチを取り入れることで、姿勢が改善され、猫背線ができにくい身体づくりにもつながります。
猫背線が気になる方は、ぜひ今回紹介した方法を試してみてください。