疲れているのに眠れない!原因とスムーズに眠るコツを解説

疲れているのに眠れないと、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。睡眠はダメージ修復や翌日元気に活動するために欠かせません。眠れない原因を探って、熟睡を目指しましょう。今回は、疲れているのに眠れない原因や困ったときの対処法を紹介します。寝つきを良くするポイントも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。


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疲れているのに眠れない原因4つ

疲れているのに眠れない原因には、主に下記の4つがあげられます。それぞれを詳しくみていきましょう。

原因1.心にストレスを抱えている

人間の身体は強いストレスにさらされるとなかなか寝つけなくなり、眠ってもすぐに目が覚めることがあります。不安や緊張、仕事のプレッシャー、人間関係の悩みなどの精神的なストレスは、睡眠の質を低下させる要因です。

ストレスが睡眠の質を低下させるのは、身体が緊張して交感神経が活発になり、脳を覚醒させるからです。眠れない悩みもストレスになり、寝つきを悪くさせることがあります。

原因2.生活リズムが乱れている

夜更かしや長時間の労働、週末の昼夜逆転、食事抜きなどで生活リズムが乱れると、寝つきが悪くなります。

人間の身体には「体内時計」が備わっており、朝明るくなると目が覚め、夜暗くなると自然に眠くなります。しかし、生活リズムが乱れると体内時計が正常に働かなくなり、夜眠くならずに目が冴えてしまうのです。

原因3.睡眠環境に問題がある

眠りに適さない環境が原因で、寝つけないケースもあります。室温・湿度・明るさ・騒音・寝具などが刺激となり、寝つきや睡眠の深さに影響を与えるためです。

そのほか、激しい運動や熱い湯温での入浴、ブルーライトの浴びすぎなど、寝る前の行動が刺激となり、眠りを妨げているケースもあります。ニコチンやカフェイン、アルコールの過剰摂取も寝つきを悪くするため、喫煙習慣や晩酌する方は注意してください。

原因4.加齢による変化や病気の影響

加齢による身体の変化や病気が原因で、寝つきにくくなっている可能性もあります。人間の身体は年齢を重ねるほど睡眠を促すメラトニンの分泌量が低下して、寝つきが悪くなります。また加齢によるライフスタイルの変化が生活リズムを乱すのも、眠りにくくなる一因です。

眠りを妨げる病気には、かゆみや痛みをともなう下記の疾患があります。

・関節リウマチ
・アトピー性皮膚炎
・心不全
・気管支喘息
・レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)

不眠に病気が隠れている場合は、病院で治療するのが解決の早道です。

疲れているのに眠れないときは受診を検討する

眠れない原因の大半は、生活習慣の見直しで改善が期待できます。しかし、なかには病気に起因するものや不眠症・うつ病などに進行している可能性もあり、放置するのは危険です。

疲れているのに眠れない状態が1週間以上続く場合は、病院への受診を検討しましょう。眠れない原因は多岐にわたり、悪化するとセルフケアでの改善が難しくなります。些細な症状と安易に捉えずに、内科やかかりつけ医に相談して治療を受けてください。

日中の眠気や気分の落ち込みなどで日常生活に支障が出ている場合は、早期の受診が必要です。投薬で不眠を改善できるほか、カウンセリングでは良いアドバイスがもらえます。悩みを話すだけでも心が落ち着き、解決の道が見えてくるので、前向きに受診を検討しましょう。

疲れているのに眠れないときの対処法

疲れているのに眠れないときには、下記の対処法が有効です。ここからは、寝つきやすくなる方法を詳しく解説します。

対処法1.深呼吸を繰り返す

眠れないときは、下記の要領で深呼吸を繰り返しましょう。深い呼吸は副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせて寝つきを促します。

1.仰向けになり、身体を自然に伸ばす
2.丹田に空気をためるイメージで、ゆっくりと息を吸う
3.次に、息を吸うときよりも時間をかけて、ゆっくり口から息を吐き出す
4.2~3を10~20回繰り返す

対処法2.ホットドリンクで気分転換する

なかなか寝つけないときは、温かい飲み物を飲んで気分転換するのも良い方法です。身体が温まるとリラックスでき、体温が下がるタイミングで眠りやすくなります。

特に、ホットミルクは神経を落ち着かせて穏やかな眠りを誘うため、困ったときにおすすめです。カフェインを含む飲み物は覚醒作用があるので控えて、ハーブティーのようなカフェインレスのお茶を選びましょう。

対処法3.軽めのストレッチで体を動かす

眠れないときは、軽くストレッチするのもおすすめです。じっくり筋肉を伸ばすと血圧や心拍数が下がり、副交感神経を優位にする効果が期待できます。

下記の要領で、背中の筋肉をほぐすストレッチに取り組みましょう。

1.両手でタオルを持ち、両足を肩幅に開いてまっすぐ立つ
2.両腕を頭の上にあげて、タオルをピンと張る
3.タオルを引っ張った状態で、身体をゆっくり右に倒す
4.ゆっくり戻り、今度は身体を左に倒す
5.ゆっくり戻り、両腕を身体の前におろして背中を丸める
6.再び腕を頭の上にあげて、胸を開くようにゆっくり後ろに伸ばす
7.ゆっくりと腕をおろす

夜中に激しくトレーニングすると交感神経が優位になり逆に目が覚めるため、反動をつけたりやりすぎたりするのは控えてください。

対処法4.眠りを促すツボを押す

特定のツボには、深い眠りや心の落ち着きをサポートする働きがあるとされています。

下記のツボ押しで、熟睡を目指しましょう。指の腹を使い、「気持ち良い」と感じる程度の強さで優しく押すのがポイントです。

・百会:頭頂部にあるツボ
・安眠:耳の後ろ、骨の出っ張りから指1本分下にあるツボ
・労宮:手のひらの中央、親指寄りにあるツボ
・神門:手首の内側、小指の下にあるツボ

対処法5.思い切って起きあがる

眠れないときは無理をせずに、起きあがって好きなことをして過ごすのもおすすめです。リラックスできて自然に眠くなるため、読書をしたり音楽を聴いたりしてゆったり過ごしましょう。

ラベンダー・カモミール・スイートオレンジ・ヒノキ など安眠作用が期待できるアロマを活用するのも効果的です。

逆に、ゲームをしたり激しい音楽で踊ったりするのは目が覚めるため、控えてください。

眠れない日々を改善するポイント

疲れているのに眠れない状況が続く場合は、生活習慣や環境を見直す必要があります。下記の要領で、眠れない日々の改善を目指しましょう。

ポイント1.ストレスを溜め込まない

ストレスは眠りを妨げるため、溜め込まないことが大切です。ミスや嫌なことを重く捉えすぎずに、自分なりのストレス発散法を見つけましょう。

不安や嫌な気持ちは、人に話すとすっきりします。悩みを抱え込まずに、周囲の人に相談することを心がけてください。

ポイント2.生活リズムを整える

起床と就寝時間を決めて生活リズムを整えると、体内時計が正常に働き、夜自然に眠くなります。体内時計のリセットには、朝起きたら太陽の光を浴びる習慣をつけることをおすすめします。昼寝はなるべく控えて、どうしても眠い場合は15時までに、20分以内の睡眠を取りましょう。

就寝1~2時間前にゆっくり入浴すると、寝つきが良くなる効果が期待できます。熱いお湯や長湯は避けて、ぬるめのお湯を張った湯船につかりましょう。副交感神経が優位になり、入浴後に体温が下がるタイミングで寝つきやすくなります。

ポイント3.食生活を改善する

1日3食、栄養バランス良く摂ることも大切です。睡眠に必要とされる下記の栄養を、積極的に摂りましょう。

・ビタミンB6:レバー、玄米、マグロ、ししとう、バナナ
・グリシン:豚肉、エビ、ホタテ、大豆
・トリプトファン:牛乳、ナッツ類、鶏肉、卵、大豆

満腹は眠りを妨げるため、食事は寝る2~3時間前までに済ませる必要があります。空腹で眠れない場合は、ホットドリンクや温かいスープでやり過ごしましょう。快眠のためにも、就寝前のアルコールやタバコ、カフェイン摂取は控えてください。

ポイント4.軽めの運動を習慣にする

軽めの運動を習慣にすると睡眠の質が向上し、ほどよく疲れて寝つきが良くなります。起きてから5~6時間以内に、30分程度身体を動かすことを習慣にしましょう。

ウォーキングやジョギング、縄跳び、ダンス、踏み台昇降などがおすすめです。しかし、就寝直前の激しい運動は交感神経を優位にするため、控えてください。

ポイント5.睡眠環境を整える

寝つきを良くするには、睡眠環境を整える必要があります。室温は暑すぎず寒すぎない温度に調整し、暗くして静かな環境を作りましょう。直接肌に触れる寝具やパジャマも眠りの質を左右します。心地良い重さや肌触りで選んでください。

ブルーライトを浴びるのは、寝る1時間前までが原則です。寝る前にスマートフォンから手を離して、布団に入りましょう。

まとめ

疲れているほうが眠れるイメージがあるものの、ストレスを抱えていたり生活リズムが崩れたりすると、寝つきが悪くなることがあります。そんなときは、無理は禁物です。深呼吸や気分転換で心身をリラックスさせて、ゆったりと眠くなるのを待ちましょう。頻繁に眠れない場合は医師の受診を検討するとともに、生活習慣や就寝環境も見直してください。