首を上に向けると痛い原因
首を上に向けると痛みを感じる原因はさまざまで、複数の要因が関係しているケースもあります。ここでは首を上に向けると痛みを感じる主な原因を4つ紹介しますので、当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
首への強い衝撃
首を上に向けると痛みを感じる原因のひとつが、首への強い衝撃です。交通事故で頭が大きく揺らされた、スポーツ中に他選手とぶつかったなど首に大きな衝撃が加わると、首の筋肉や靭帯が傷つくことがあります。
すると首を上に向けるなどして動かしたときに、痛みを感じる場合があるのです。特にスポーツ中は、夢中になっていたりアドレナリンが分泌されていて痛みを感じなかったりして、首を負傷したことに気づかないケースもあります。
ちなみに首に大きな衝撃が加わった結果、痛みが生じる症状を「むち打ち」といいます。首の筋肉に炎症が起きているので、あまり首を動かさないようにすることが大切です。
悪い姿勢
姿勢の悪さが原因で、首を上に向けたときに痛みが出る場合もあります。例えば、長時間悪い姿勢でPCやスマートフォンを使っていると、徐々に頭が画面に近づき、首が前に出てしまいます。
その状態が長く続くと、「ストレートネック」と呼ばれる状態になり、上を向いたときに痛みを感じることがあるのです。
ストレートネックとは、本来ややカーブしている首の骨が真っ直ぐになってしまった状態です。ストレートネックになると、頭の重さを支えたり衝撃を受け止めたりしにくくなって首の筋肉に負担がかかるため、痛みが出る場合があります。
近年はストレートネックになっている方が増えているため、心当たりがある方は下記の手順でセルフチェックしてみましょう。
1.壁を背にして立つ
2.両肩・おしり・かかとを壁につける
3.あごを軽く引く
これで後頭部が壁に触れない場合は、ストレートネックになっている可能性が高いと判断できます。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れが首の痛みにつながるケースもあります。疲労が蓄積していたり睡眠不足に陥っていたりすると、身体が緊張して首まわりの血行が悪くなるためです。食生活の乱れやお酒の飲み過ぎなどが原因になる場合もあります。
また、首まわりの血行が悪くなると上を向いたときに痛むだけでなく、「寝違え」を起こすことがあります。寝違えとは睡眠中に不自然な姿勢が長く続き、筋肉内部の血液が不足して痛みが出た状態です。
寝違えを起こすと起床時に首に強い痛みを感じたり、動かしにくくなったりといった症状が出ます。スポーツや長時間のデスクワークなどで首まわりに疲労が蓄積すると寝違えを起こしやすいといわれていますが、過度の飲酒などが原因になる場合もあります。
寝違えについて詳しく知りたい方はこちら
「寝違えを悪化させないためには?対処法と痛みの予防法を解説」
加齢による首の骨の変形
首の骨(頚椎)が変形してしまって、上を向いたときに痛みを感じる場合もあります。首の骨が変形する代表的な病気が「頚椎症(変形性頚椎症)」です。加齢や姿勢の悪さによって椎間板が変形し、骨棘(骨の棘のようなもの)ができて神経を圧迫するため痛みを感じます。
初期段階では無症状のケースもありますが、進行すると首に痛みを感じたり、首を動かしにくくなったり、腕にしびれが出たりします。
上を向いたときに首の痛みを感じるだけでなく、首が動かしにくかったり手がしびれたりしている場合は頚椎症の可能性があるため、医療機関の受診を検討しましょう。ちなみに頚椎症による手のしびれは両手に出ることもあれば、左右どちらかの腕のみの場合もあります。
首の痛みを放置するリスク
痛いとはいっても、首を上に向けたときだけだからと放置してしまう方もいるかもしれません。しかし、何も対処せず放置すると、徐々に痛みが強くなっていくおそれがあります。
さらに上を向いたときだけでなく、左右にひねったり下を向いたりしたときにも痛みを感じたり、腕がしびれたり、肩が痛くなったりする場合もあります。
首の痛みが改善する目安
首の痛みが改善する期間の目安は、何が原因で痛みが出ているかで変わってきます。軽度の炎症なら1週間前後で落ち着くケースが多いですが、重度の炎症の場合は1か月ほどかかることも少なくありません。首の骨が変形している場合は、3~6か月ほどかかる可能性があります。
日常生活に影響するほど痛みが強いとき、いつまで経っても痛みが治まらないときなどは何らかの病気の可能性もあるので、できるだけ早めに整形外科に行きましょう。
首を上に向けたときの痛みを改善する方法
首の痛みを放置すると悪化するリスクがあるので、早めに対処することが大切です。ここでは、首を上に向けたときの痛みを改善する方法を6つ紹介しますので、できるものから取り入れていきましょう。
ストレッチをする
首まわりの筋肉が硬いと痛みが出やすくなるので、しっかりストレッチをして柔軟性を保ちましょう。首まわりの筋肉を伸ばすのにおすすめのストレッチは下記の2つです。
頚部伸展筋(けいぶしんてんきん)のストレッチ
頚部伸展筋は頭の重さを支え、頭が前に出るのを防ぐ役割をもつ筋肉です。硬くなってしまわないように、下記の流れでストレッチしましょう。
1.両手を頭の後ろで組む
2.頭を前に倒す
3.首の後ろの伸びを感じたら、そのまま10秒ほどキープする
ストレッチ中は、無理に手で頭を押さえつけないようにしましょう。
胸椎伸展(きょうついしんてん)のストレッチ
左右に首をひねるときは、胸椎も連動して動いています。胸椎の動きが悪いと頚椎だけが動いて負担がかかるので、下記の流れで胸椎もストレッチしましょう。
1.壁に向かって椅子に座る
2.左右の前腕を壁につけ、重ねた手の甲に額を当てる
3.ゆっくりと背中を反らせ、元の位置に戻る動作を繰り返す
背中を反らせたときに、腰まで反らないよう注意しましょう。
優しくセルフマッサージをする
首まわりの筋肉を自分で揉みほぐすのもおすすめです。ただし、痛みがある部分を直接揉みほぐすと炎症が悪化し、さらに痛みが強くなるおそれがあります。痛みを感じる周辺を揉みほぐすこと、強く押すのは避けてやさしく触れることを意識しましょう。
首を上に向けると痛いときに効くツボ
セルフマッサージをするときは、「天柱(てんちゅう)」と「風池(ふうち)」というツボを押してみましょう。
・天柱:後頭部の髪の生え際、中心から左右それぞれ親指2本分くらい外側にずらしたところにあるツボ
・風池:後頭部の髪の生え際、中心から左右それぞれ親指4本分くらい外側にずらしたところにあるツボ
天柱や風池を押すと、肩首まわりの血行を促進する効果が期待できます。
正しい姿勢を心がける
首の痛みを改善したいなら、日頃から正しい姿勢で過ごすことも大切です。PCやスマートフォンを使うときは椅子に深く腰かけ、胸を張ってあごを引き、背中が丸くならないようにしましょう。画面の高さは目線と同じくらいに合わせてください。
また、1時間に1回、10~15分ほど休憩し、同じ姿勢を取り続けないようにすることも重要です。
身体を温める
身体を温めて血行を促進させるのも、首の痛み軽減に有効です。湯船につかるのがおすすめですが、手軽に済ませたい場合は湯たんぽや温湿布、加熱パッドなどを使うのも良いでしょう。湯たんぽを使う場合は、低温やけどしないように注意してください。
患部を冷やす
むち打ちになっているなど首の筋肉が炎症を起こしている場合は、保冷剤や氷のう、冷湿布などで患部を冷やすと痛みが落ち着くことがあります。患部が熱をもっている場合は、炎症が起きている可能性が高いので冷却することが重要です。
保冷剤や氷のうを使う場合は、冷やし過ぎ防止のためにタオルで包み、こまめに皮膚の状態をチェックしましょう。
生活習慣を整える
睡眠不足や疲労の蓄積などは首の痛みの原因になるので、生活習慣を整えましょう。乱れた食生活やお酒の飲み過ぎも改善する必要があります。
また、身体に合わない枕の使用によって首の痛みが出ている場合もあるので、自分に合う枕を選ぶことも大切です。
仰向けで寝たときに、首が5~15度程度の角度になるよう調節すると痛みが軽減されるといわれているので、今の枕の高さが問題ないかチェックしましょう。
まとめ
首を上に向けると痛いのは、むち打ちやストレートネック、生活習慣の乱れなどさまざまな要因が考えられます。今回紹介した内容を参考に思い当たることはないかを考えてみて、早めに対処しましょう。