整体とカイロプラクティックの違いは?利用シーンについても紹介

病気ではない身体の不調を何とか解決できないか悩んでいませんか。整体に関連して、カイロプラクティックという言葉を目にしたこともあるかもしれません。整体とカイロプラクティックは何が異なるのでしょうか。今回は、整体とカイロプラクティックの違いや利用シーン、それぞれを利用する際の注意点について紹介します。


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整体とは

整体とは、身体のバランスを整えることです。具体的には、骨格の歪みやズレを整えることをいいます。身体全体のバランスを整える手法で、主に整体院などで施術が行われます。

骨格のバランスが整うことで、全身の血流やリンパの流れが促されるのが特徴です。結果として、身体の痛みや違和感を改善できることもあります。

また、痛みが生じている患部に直接アプローチするのではなく、痛みの原因を探すことにも特徴があります。直接的な施術ではなく、痛みのもととなる間接的な部分へのアプローチも行うのが整体です。

ただし、整体といってもさまざまな手法が存在しています。整体師による独自の手法や、整体師を育成する団体も複数あるため、これが整体という明確な手法や療法はありません。

カイロプラクティックとは

カイロプラクティックとは、脊椎矯正手技療法のことです。身体の不調は脊椎骨の歪みによる神経の圧迫と考え、脊椎を矯正することで不調の緩和を図る手法です。

カイロプラクティックにも、手技療法や体操療法などさまざまな施術や療法が存在します。日本では医学的効果に対する科学的評価が定まっておらず、あくまで施術として提供されているのが特徴です。

海外では政府主導で研究が行われていたり、国家資格制度が設けられていたりする国もあります。カイロプラクティックを国家資格にしている国では、医療専門職としての地位も確立されています。

整体とカイロプラクティックの違い

整体とカイロプラクティックは、身体のバランスを整えることを目的とする点で共通しています。それでは、整体とカイロプラクティックにはどのような違いがあるのでしょうか。歴史的な背景とアプローチの2つの観点から解説します。

歴史的な背景の違い

整体とカイロプラクティックには、まず歴史的な背景の違いがあります。

整体は、現代の日本で発展した手技療法で、古代中国の「推拿(すいな)」などの施術に影響を受けています。骨格や筋肉の調整を行い、身体のバランスを整えることを目的にしています。主に東洋医学を基礎としているのが特徴です。

一方、カイロプラクティックは、骨格系の調整を通じて身体の自然治癒力を高めることを目的とした独自の療法であり、19世紀末のアメリカで確立されました。西洋の解剖学や生理学を基盤にしているものの、医学的な枠組みとは異なる理論を展開しています。

日本でカイロプラクティックが伝わったのは、1916年(大正5年)です。カイロプラクティックは、人体に関わる施術であることから、当初は法的に認められない部分がありました。

しかし、1960年に法的資格制度のない医業類似行為が認められるようになり、日本でも自由に開業できるようになりました。

カイロプラクティックが医療専門資格としても認められているのは、世界の約50ヶ国です。各国でその位置づけや認定制度には違いがあるものの、特にアメリカやカナダなどでは医療資格として正式に認められています。

アプローチの違い

整体とカイロプラクティックは、それぞれのアプローチも異なります。

整体は、さまざまな骨格のバランスにアプローチするのが特徴です。肩甲骨や骨盤、四肢などの骨格のバランスを整えることを目的として施術が行われます。バランスを整えることで、血液やリンパの流れが促されると考えられています。

また、整体では身体をリフレッシュさせる目的や痛みが生じる前の予防、むくみやたるみを緩和する目的もあります。施術もそれぞれの目的に合わせてカスタマイズされていることが多いのも特徴です。

一方、カイロプラクティックは、脊椎や神経系にアプローチする施術が特徴です。脊椎やその他の身体のバランスを整えることで、身体の機能をサポートすることを目的としています。

カイロプラクティックでは、脊椎のバランスが崩れると神経に影響を与え、不調につながると考えられています。そのため、脊椎に重点を置いた施術が行われているのです。

整体やカイロプラクティックに資格はある?

整体やカイロプラクティックは、いずれも資格が必須の職業ではありません。

まず、「整体師」という国家資格は日本には存在せず、整体師は特定の資格がなくても名乗ることができます。ただし、人体に直接触れて施術を行うことから、整体院や接骨院によっては、民間資格や国家資格の取得を求めているケースもあります。

カイロプラクティックについても、日本には法的な資格制度がないため、資格がなくても施術を行うことが可能です。

カイロプラクティックの専門家であることを証明する方法として、日本以外の資格制度がある国で専門の資格を取得するケースがあります。

また、WHOガイドラインの基準を満たした登録制度を活用するのも方法のひとつです。医師や医療関連の資格を持つ方がカイロプラクティックを取り入れる場合は、認定登録が推奨されています。

なお、整体やカイロプラクティックの領域であっても、医療資格が必要な行為は法的に制限されています。

例えば、骨折や捻挫などの施術、あん摩、マッサージ指圧、鍼、灸は、国家資格がなければ行うことはできません。柔道整復師やあんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師などの国家資格の取得が必要です。

整体やカイロプラクティックの利用シーン

整体やカイロプラクティックの利用場面として、身体の不調や原因不明の痛みが軽減されないケースが考えられます。明確な病名がなく、筋肉や関節の痛み、筋肉のこり、神経系の不調などが生じている場合です。

また、整体はリラクゼーションやリフレッシュなどを目的とした施術もあります。特に不調がない場合でも、身体のバランスを整えることでしっかり疲れを取りたいときにも活用できます。

ただし、病気が原因で身体の不調を抱えている場合は、整体やカイロプラクティックで不調を軽減するのは困難です。不調が緩和されない場合は、医療機関の受診も検討しましょう。

整体やカイロプラクティックを利用する場合の注意点

整体もカイロプラクティックも医療行為ではありません。医療類似行為であって、医師とは異なるアプローチになります。また、医療機関で受けられる医療行為は受けられないため注意が必要です。

例えば、整形外科などの医療機関で受けられるレントゲン検査や外科的治療などは、整体やカイロプラクティックをメインにしている施設では受けられません。

痛みの原因を画像診断で特定したい場合や、手技療法などでは症状を改善できない場合は、医療機関の受診が適しています。

また、整体やカイロプラクティックは基本的に保険が適用されない問題もあります。医療機関で受けられる保険適用の医療行為とは異なり、基本的に施術料金が全額自己負担になることに注意しましょう。

整体やカイロプラクティックを利用する際は、自己負担の部分も考慮して、事前にホームページなどで料金形態を確認しておくことをおすすめします。

まとめ

整体と比較されることもあるカイロプラクティックは、歴史的な背景やアプローチの部分が異なります。整体は東洋医学をベースにした手法です。背骨や骨盤などの骨格のバランスを整えることによって、身体の不調の緩和などを試みます。

カイロプラクティックは、西洋医学の解剖学や生理学がベースにした手法です。脊椎のバランスを調整することで、神経系の圧迫などの不調の改善を図ります。

整体とカイロプラクティックはいずれも医療行為ではないため、病気が原因と疑われる場合などは、医療機関を受診することをおすすめします。