つらい片頭痛を和らげる10つのツボを紹介!押し方のコツも解説

ズキンズキンと脈打つような片頭痛が数時間から数日間続き、痛みを我慢しながら日常生活を送っている方も多いでしょう。そんなときは、片頭痛に効くツボを押すことで症状が軽減することがあります。今回は、片頭痛を和らげる10のツボを部位別に紹介します。ツボ押しの効果を高めるポイントも解説しますので、ぜひ実践してみてください。


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片頭痛を和らげる10のツボ

片頭痛に関連するツボを押すことで筋肉の緊張緩和や血行促進、リラックス効果などが期待でき、痛みの緩和につながります。ここでは、頭のてっぺんから足の裏まで、片頭痛を和らげる10のツボを部位別に紹介します。

なお、ツボの位置はあくまでも目安であり、身体の状態によって位置が変化することもあります。ここで紹介するツボの位置を参考に、気持ち良いと感じる部分を見つけてみましょう。

頭・首筋のツボ

まずは、片頭痛に効果的な頭・首筋のツボを3つ紹介します。

百会(ひゃくえ)

百会(ひゃくえ)は頭頂部のほぼ中央にあるツボです。両耳の上端を結んだ線と顔の真ん中の線が交差する位置にあります。百会を軽く押したり円を描くようにマッサージしたりすると頭部の血行が促進され、緊張緩和やリラックス効果が期待できます。片頭痛をはじめ、鼻づまりや高血圧、低血圧、更年期障害などにも効果的です。

風池(ふうち)

風池(ふうち)は、耳の後ろの骨と髪の生え際の中間あたりにあるツボです。頭の付け根のくぼみを親指で押し込むように刺激すると、頭痛や首こり、肩こりの軽減が期待できます。

天柱(てんちゅう)

天柱(てんちゅう)は首の後ろに位置するツボで、風池のすぐ内側にあります。両手の親指で軽く押しながら円を描くように刺激すると首や肩の筋肉の緊張がほぐれ、頭痛や肩こり、首こりの軽減につながります。

顔のツボ

次に、片頭痛に効果的な顔のツボを2つ紹介します。

攅竹(さんちく)

攅竹(さんちく)は眉頭の少し下にあるくぼみに位置するツボで、片頭痛や目の疲れに効果的とされています。親指でやさしく押し上げるようにマッサージすると頭部の血流が促進され、痛みの緩和が期待できます。

太陽(たいよう)

太陽(たいよう)はこめかみのくぼみにあるツボで、眉尻と目尻を結んだ線の真ん中から指2本分ほど外側にあります。指の腹で軽く押したり、円を描くようにマッサージしたりするとリラックスでき、片頭痛や眼精疲労の緩和につながります。

手・腕のツボ

続いて、片頭痛に効果的な手や腕のツボを2つ紹介します。

合谷(ごうこく)

合谷(ごうこく)は手の甲にあるツボで、親指と人差し指の骨が交差する位置にあります。合谷は万能のツボといわれており、片頭痛や肩こりをはじめ、便秘や歯の不調などさまざまな不調に有効です。反対の手の親指でツボを探し、心地良いと感じる強さで刺激してみましょう。

手三里(てさんり)

手三里(てさんり)は前腕の外側にあるツボで、肘を曲げたときにできる横じわから手首に向かって指3本分くらい下にあります。頭の側面がドクドクするような片頭痛のほか、肩こりや寝違え、テニス肘の痛みにも効果的です。親指を使い、気持ち良いと感じる強さで3~5秒程度押してみましょう。

足のツボ

最後に、片頭痛に効果的な足のツボを3つ紹介します。

足臨泣(あしりんきゅう)

足臨泣(あしりんきゅう)は足の甲にあるツボで、小指と薬指の間を足首方向に2~3cm上がったところにあります。血液の循環が悪くなる瘀血(おけつ)や、余分な水分や脂肪が蓄積する痰湿(たんしつ)などが原因で片頭痛を引き起こしている場合に効果的です。親指の腹を使い、やさしく円を描くようにマッサージしましょう。

湧泉(ゆうせん)

湧泉(ゆうせん)は土踏まずにあるツボで、足の指をぎゅっと曲げたときにできるくぼみの中央部にあります。万能のツボと呼ばれ、全身の疲労や血行を改善することで片頭痛の軽減に役立つと考えられています。親指で優しく円を描くように刺激しましょう。

通谷(つうこく)

通谷(つうこく)は足の小指の側面に位置するツボで、付け根の関節の手前にあります。後頭部の痛みに効果的で、心地良いと感じる力で3~5秒程度刺激すると症状の緩和が期待できます。

ツボ押しの効果を高めるポイント

誤った方法でツボを押すと、効果が弱まったり逆効果になったりするため、注意が必要です。ここでは、ツボ押しの効果を高めるために意識すべきポイントを紹介します。

気持ち良いと感じる強さでゆっくり押す

ツボを押す際は手のひらや親指を使い、気持ち良いと感じる圧力でゆっくり刺激するのがポイントです。強く押しすぎると逆効果になる可能性があるため、数秒かけて少しずつ圧を加えましょう。

呼吸に合わせて押す

ツボを押すときは息を止めず、呼吸と連動させましょう。ツボを押す前に大きく息を吸い込み、息を細く吐きながら約5秒かけて少しずつツボに圧力をかけ、そのまま約2秒キープします。次に、息を吸いながらゆっくり圧力を抜きましょう。この動作を3~5回繰り返すのがおすすめです。

身体が温まっているタイミングで押す

ツボ押しは、入浴後に身体が温まり、血行が良くなっている状態で行うと効果的です。ただし、血行が促進されると片頭痛がひどくなる場合は、痛みが少ないタイミングを選びましょう。なお、下記のような状況ではツボ押しを控えてください。

・高熱がある
・食事の前後1時間
・飲酒後
・入浴の直前・直後
・皮膚に痛みや腫れ、熱感、炎症がある
・妊娠している
・悪性腫瘍がある

体調が優れないときは無理をせず、心身がリラックスしている状態でツボ押しを行いましょう。

ツボ押し以外で片頭痛を和らげる方法

片頭痛を今すぐに和らげたいとき、ツボ押しのほかに自分でできる対処法も紹介します。

光や音の刺激を避けて安静にする

片頭痛は、動作や光、音、匂いなどの刺激によって悪化することがあります。痛みが出たときはできるだけ身体を動かさず、痛みが軽減するまで安静に過ごすことが大切です。明るい光や騒音、香水の匂いなどを避け、静かな暗い部屋で横になりましょう。睡眠不足も片頭痛の引き金になるため、眠れる状況であれば、そのまま眠るのもおすすめです。

冷却シートや氷枕で頭を冷やす

片頭痛は血管の拡張によって発生するため、こめかみの脈打つ部分を冷やすことで痛みが和らぐことがあります。冷却シートや、タオルに包んだ保冷剤、氷枕などで10分程度冷やし、痛みが軽減するのを待ちましょう。なお、入浴直後は肌が敏感になっているため、少し時間を置いてから冷却するのがおすすめです。

カフェインを摂取する

コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには血管を収縮させる作用があり、一時的に片頭痛が和らぐことがあります。ただし、カフェインを摂りすぎると片頭痛が悪化する可能性があるため、適量を守りましょう。コーヒーなら、1日2杯程度が目安です。

片頭痛が長引く・痛みが激しい場合は医療機関を受診しよう

片頭痛が長引く場合や、これまでに感じたことのない激痛が起こった場合は、早めに脳神経内科や脳神経外科、内科、頭痛外来、ペインクリニックを受診しましょう。頭痛の頻度が高くなった場合や、数週間かけてどんどん痛みが増す場合、痛みの性質が変化した場合も医療機関への相談をおすすめします。

なお、突然の激しい頭痛のほか、発熱や吐き気をともなう頭痛、皮膚のしびれやめまい、視野の異常などをともなう頭痛は、脳出血やくも膜下出血、髄膜炎などの重大な病気の前触れの可能性もあるため、緊急外来も検討してください。

まとめ

片頭痛に効果的なツボは全身にあり、デスクワーク中や家事・育児の合間など、いつでも手軽に押せるのが特徴です。ツボ押しの際は強い力を加えず、気持ち良いと感じる程度でゆっくり刺激するのがポイントです。毎日ツボ押しを続けることで不快な症状の軽減が期待できるため、無理のない範囲で継続してみてください。

セルフケアでの改善がみられない場合や、痛みが長引く場合などは、早めに医療機関を受診しましょう。