片頭痛を和らげる飲み物はある?痛みの対処法も解説

繰り返す片頭痛の悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。片頭痛は発作的に起こります。ズキズキと脈打つような強い痛みで動けなくなる前に、正しい対処を心がけましょう。今回は、片頭痛のつらい症状を和らげる飲み物を紹介します。片頭痛を予防するポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。


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片頭痛を和らげるとされる飲み物

片頭痛を和らげる効果があるとされる飲み物は、下記の3つです。

コーヒー・紅茶・緑茶などのカフェインを含む飲み物

片頭痛が起こったときに適量のカフェインを含む飲み物を飲むと、痛みが和らぐことがあります。

片頭痛は、血管が拡張することで痛みが生じると考えられています。カフェインには拡張した血管を収縮させる働きがあるため、片頭痛の発作に対処する頓服薬に使われていることが多いのです。

カフェインが多く含まれる飲み物としては、コーヒーのほか、紅茶や緑茶、ほうじ茶、玄米茶、ウーロン茶などがあります。身近なコンビニや自動販売機でペットボトル・缶入りを購入でき、薬が飲めない状況で片頭痛になったときの一時的な対処に活用できます。

しかし、カフェインの効果は体質にも左右されるため、必ずしも片頭痛に効くとは限りません。また、過度な摂取は頭痛を悪化させるリスクがあるので、カフェインを飲み過ぎるのは危険です。

カナダ保健省では、成人のカフェイン摂取量の上限を1日あたり400 mg、マグカップ3杯程度としています。妊娠中や授乳中の女性はカフェインによる影響を受けやすいため、特に過剰摂取に注意してください。

出典:厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~

マグネシウムを含む硬水

マグネシウムを含む「硬水」も、片頭痛のつらさを和らげる効果が期待できます。マグネシウムにも血管を収縮させる作用があるとされているため、片頭痛の予防薬にも使われることがあります。

また、脱水による水分不足も片頭痛を引き起こす要因となるため、こまめな水分補給を心がけましょう。

マグネシウムは食生活のなかで不足しやすい成分ですが、硬水を飲めば手軽に補充できます。

しかし、日本人は軟水に慣れていて、硬水がやや飲みにくいと感じる傾向があります。体質によって硬水を飲むとお腹が緩くなることもあるため、最初は少量から始めてください。

フィーバーフュー(ナツシロギク)などのハーブティー

欧米では、片頭痛の対処法としてフィーバーフュー(ナツシロギク)のハーブティーが広く飲まれてきました。フィーバーフューには脳の血管を収縮させるセロトニンの放出を抑制する働きがあり、片頭痛のつらさが和らぐとされています。

しかし、体質によってはフィーバーフューが合わず、吐き気や腹部の張りが起こる可能性があります。

また、キク科の植物なので、ブタクサアレルギーの方は注意が必要です。子宮収縮作用もあるため、妊娠中は飲まないように気を付けてください。

そのほか、ペパーミントやラベンダーなどを使ったハーブティーも片頭痛の際によく飲まれています。ハーブティーは頭痛のタイプによって相性があるため、専門店や医師に相談してから飲み始めましょう。

繰り返す片頭痛は受診が必要

片頭痛に効果が期待される飲み物はいくつかありますが、繰り返し痛みの発作が起こる場合は受診が必要です。

頓服薬や予防薬に使われるカフェイン・マグネシウムは、すべての片頭痛に有効とはいえません。同じ成分が含まれていても、飲み物は薬ではないのです。飲み物だけで片頭痛を根本的に改善することは難しいため、あくまでも一時的な対処法と考えて利用しましょう。

頭痛には重大な病気が隠れているケースもあり、放置するのは危険です。下記に該当する場合は飲み物に頼り過ぎずに、早めに病院を受診して検査を受けてください。

・痛みが生じる頻度が高い
・市販の痛み止めが効かない
・だんだんと痛みが強くなっている
・痛みのために生活に支障がでている
・頭痛のほかにめまいやふらつき、吐き気などの別症状がある

片頭痛を引き起こす飲み物や食べ物に注意!

片頭痛を和らげる飲み物がある一方で、痛みを引き起こす可能性のある飲み物や食べ物もあります。片頭痛になりやすい方は、下記の飲み物の摂り方に注意しましょう。

・アルコール
アルコールには血管を拡張させる働きがあり、飲むと片頭痛が起こる可能性があります。特に、赤ワインにはポリフェノールが含まれていて、アルコールとの相乗効果で片頭痛発作につながりやすいとされています。

・柑橘系のジュース
オレンジやレモン、グレープフルーツなどの柑橘類には、片頭痛を引き起こすフラボノイドが含まれます。

・牛乳やヨーグルト飲料
牛乳やヨーグルトを加工した飲料には、チラミンが含まれます。チラミンによって収縮した血管がもとに戻る際に、片頭痛が起こるとされています。

片頭痛の痛みを和らげる対処法

片頭痛が起こったときの正しい対処法は、下記の通りです。

対処法1.頭痛薬を飲む

片頭痛の対処として、解熱鎮痛剤を飲むことがあげられます。医師に処方された治療薬のほか、市販の薬剤も活用できます。

しかし、解熱鎮痛剤の過剰な服用は体調不良を招くおそれがあるため、注意が必要です。頭痛薬は必ず用法・用量を守って使用しましょう。

対処法2.刺激を避けて休む

片頭痛が起きたときは、静かな場所で刺激を避けながら安静にすることが大切です。音や光、強いにおいなどが刺激となり、症状を悪化させることがあります。まぶしい光を避け、落ち着いた環境でリラックスして過ごしましょう。

また、身体を動かすことで血行が促進され、痛みが強くなることがあります。無理せず、楽な姿勢で横になることをおすすめします。

対処法3.こめかみまわりを冷やす

ズキズキと脈打つような片頭痛は、冷やすと楽になります。痛みのあるこめかみまわりを冷タオルやアイスパック、冷却シートなどで冷やしましょう。

逆に、身体が温まると血管が拡大して血流が促進し、片頭痛が悪化する可能性があります。入浴や激しい運動、マッサージは控えてください。

対処法4.ツボ押しする

片頭痛を和らげるには、ツボ押しするのも効果的です。特別な道具も不要でいつでも手軽にできるため、外出先で急に痛み始めたときの対処にも使えます。

片頭痛を和らげる効果が期待できる代表的なツボは、下記の6つです。心地良いと感じる強さで、指でやさしく押し込んで刺激しましょう。

・頷厭(がんえん):こめかみの口を開けたときに動く場所にある
・攅竹(さんちく):眉間の左右、眉頭のやや下にある
・百会(ひゃくえ):頭頂部のやや後頭部よりにある
・天柱(てんちゅう):首の後ろ、髪の生え際よりやや下の左右にある
・合谷(ごうこく):手のひらの人差し指と親指の間にある
・通谷(つうこく):足の側面、小指の関節まわりにある

片頭痛を予防するポイント

繰り返す片頭痛を何とかしたいなら、生活習慣の見直しが必要です。下記の3つを意識して、つらい痛みを防ぎましょう。

ポイント1.適切な睡眠時間を心がける

片頭痛の改善には、適切な睡眠時間を取ることが大切です。睡眠と片頭痛には密接な関係があり、寝不足も寝過ぎも自律神経のバランスを乱し、片頭痛のリスクを高めるとされています。

健康的な生活に必要な睡眠時間は、6~8時間程度です。まずは起床・就寝時間を決めて、生活リズムを整えましょう。睡眠の質が向上し、自律神経のバランスが整いやすくなります。

ポイント2.ストレスはこまめに発散する

生活や仕事で抱えたストレスは溜め込まず、こまめに発散する習慣をつけましょう。過度なストレスも、片頭痛を引き起こす要因のひとつです。

趣味の時間をもつ、適度に身体を動かす、自然に触れ合うなど、ストレス発散の方法は人によってさまざまです。自分なりのストレス解消法を探してください。

ポイント3.刺激をなるべく避ける

片頭痛を防ぐには、日頃からまぶしい光や騒音などの刺激を避けて生活する必要があります。自分のトリガーを理解し、発作を避けるよう工夫してください。

片頭痛を引き起こす原因となる飲み物や食べ物は、控えましょう。特にアルコールは血管を拡張させて片頭痛を引き起こす可能性が高いため、晩酌する習慣のある方は生活を見直しましょう。

まとめ

片頭痛が生じたときは、状況に応じて医療機関での診察や適切な対処が大切です。薬を服用できないときや外出中には、飲み物などを活用して一時的に不快感を和らげる方法もあります。ただし、体質によって合わないものもあるため注意が必要です。日々の生活習慣を見直すことで、片頭痛の頻度や程度が和らぐこともあるため、無理のない範囲で継続的に取り組んでいきましょう。

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