ぎっくり腰で仕事を休んだら何日で復帰できる?よくある疑問にも回答

ぎっくり腰を発症すると、激痛で動けなくなることがあります。起き上がるのも困難なくらいの状態であれば、仕事を休むしかありませんが、「何日で復帰できるだろうか」と不安になってしまいますね。 そこで今回は、ぎっくり腰で仕事を休んだ場合の復帰の目安や、ぎっくり腰に関するよくある疑問などについて解説します。


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ぎっくり腰で仕事を休んでしまった……何日で復帰できる?

当初は動けないくらいのぎっくり腰であっても、発症から2~3日で痛みが落ち着いてきたら、少しずつ動けるようになります。仕事の種類にもよりますが、目安として発症から4日ほどで復帰することが多い傾向にあります。

ただし、復帰のタイミングは個人差があり、強い痛みが残っている場合は無理に身体を動かさず、適切な休息を取ることが大切です。

「ぎっくり腰になったらとにかく安静にすべき」と考えている方もいらっしゃいますが、これは誤解です。以前は安静が推奨されていましたが、現在ではぎっくり腰やその他の腰痛に対する予防・改善方法として、長期間の安静は推奨されていません。

安静にしすぎると回復が遅れる場合があるため、無理のない範囲で日常生活を続けることが重要です。

ぎっくり腰にまつわる10の疑問

「ぎっくり腰」という言葉を耳にする機会は多いものです。しかし、ぎっくり腰になる原因や病院に行くべきかなど、詳しいところはわかっていない方も多いのではないでしょうか。そこで、ぎっくり腰に関するよくある疑問と回答を紹介します。

疑問1|ぎっくり腰の原因は?

ぎっくり腰は正式名称を「急性腰痛症」といい、荷物を持ち上げたりくしゃみをしたりしたときに急に起こる腰痛を指します。日常生活で腰への負担が蓄積した結果発症するといわれていますが、明確な原因はわかっていません。

また、ぎっくり腰だと思ったら、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)などの病気が隠れているケースもあります。痛みが激しいなど、何らかの異常を感じた場合は整形外科の受診を検討しましょう。

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疑問2|ぎっくり腰のきっかけになる動きは?

ぎっくり腰が起こりやすいのは、下記のような動作をしたときです。

・くしゃみをした
・急に重たい荷物を持ち上げた
・前かがみの状態で急に身体をひねった など

上記からわかる通り、急に腰に負担がかかったときにぎっくり腰になるケースが多い傾向にあります。

特に気温が低い日や、同じ体勢を続けていて筋肉が凝り固まっているときは注意しましょう。急な動きに筋肉や関節がついていけず、ぎっくり腰を起こす確率が高まります。

ただし、ぎっくり腰が起こるのは、何らかの動作をしたときだけではありません。朝起きてすぐや身体を動かしていないときなど、これといった動作をしていないのにぎっくり腰になるケースもあります。

疑問3|ぎっくり腰の応急処置は?

ぎっくり腰になった直後は、患部に炎症が起きているので安静にしましょう。痛みが強い場合は冷却パックなどを使って患部を冷やします。炎症が治まってきたら今度は患部を温めて血行を促し、筋肉のこわばりをほぐしましょう。

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ぎっくり腰の応急処置とは?再発を防ぐ対策と正しい姿勢について解説

疑問4|ぎっくり腰で病院に行ったほうがいい?

激しい痛みを感じる場合やいつまで経っても症状が改善しない場合は、整形外科を受診することをおすすめします。特に、腰痛以外に他の症状が見られる場合は何らかの病気の可能性もあるので、早めに整形外科で相談しましょう。

・安静にしていても痛い
・鎮痛剤を1か月以上服用しているにもかかわらず頑固な痛みが続いている
・おしりや脚にしびれを感じる
・発熱している
・ダイエットしていないのに体重が減った など

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疑問5|ぎっくり腰になったときストレッチはしてもいい?

ぎっくり腰に対してストレッチが有効なのは、ある程度、症状が落ち着いてきてからです。発症直後で痛みが強い場合は、ひとまず安静にしておきましょう。

とはいえ、発症直後にストレッチをしてもしなくても大きな差はなく、症状が悪化するとは限らないといわれています。気持ち良かったり少し症状が和らいだりするようなら、ストレッチをしてみても良いでしょう。

ただし、ストレッチ中に痛みが出たり、かえって痛みが悪化したりするようなら、ただちに中止しましょう。

疑問6|ぎっくり腰になったときマッサージはしてもいい?

ぎっくり腰発症後にマッサージをしても問題ないかどうかは、そのときの状態によります。

マッサージは、凝り固まった筋肉を緩めて血行を促す効果が期待できるものです。そのため、筋肉がこわばって痛みを感じるときや、背中を動かしにくいときなどに役立ちます。

しかし、ぎっくり腰発症直後で患部が炎症を起こしているときや、椎間板ヘルニアなどの病気が隠れている場合などは、マッサージによって症状が悪化するおそれがあります。自己判断でマッサージするのは避けて、医師に相談してみましょう。

疑問7|ぎっくり腰になったときにやってはいけない動きは?

先述の通り、ぎっくり腰になったときはできる範囲で動くことが推奨されています。しかし、腰を反らせる・ひねる・曲げるなどの動きをすると患部に負担がかかり、症状が悪化する場合があります。

身体を動かしたほうが良いからといって、上記のような動作をするのは避けましょう。

疑問8|ぎっくり腰の楽な寝方は?

ぎっくり腰になると、普段通りの寝方では痛くて耐えられない場合があります。そのようなときは、下記のいずれかの寝方を試してみてください。

【仰向けの場合】
1.膝を90度に曲げて立てる
2.膝下に丸めたタオルやクッションなどを入れ込み、脚を支える

【横向きの場合】
1.膝の間に丸めたタオルやクッションなどを挟む
2.腰と脚が平行になるよう調整する

ぎっくり腰を起こしているときに、通常通り脚を伸ばした状態で仰向けになると、骨盤が脚に引っ張られて痛みを感じやすくなります。また、うつ伏せになると腰が反って負担がかかるので注意しましょう。

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疑問9|ぎっくり腰の予防法は?

ぎっくり腰は、腰の筋肉が硬くなっている状態で急激な負荷がかかったときに発症しやすい傾向にあります。そのため、ぎっくり腰を予防したい場合は日常の動作に気を付けることが重要です。

例えば、椅子に座るときはしっかりと深く腰かけ、正しい姿勢を保つことを心がけましょう。長時間座り続けると腰に負担がかかるので、1時間に1回は立って身体を動かすことも大切です。

また、重いものを持つときに腰を支点にすると、過度に負担がかかってぎっくり腰を起こしやすくなります。膝を曲げて腰を落とし、荷物をなるべく身体に近づけて、全身を使って持ち上げるようにしましょう。

何か拾うときも腰を支点にするのは避けて、しゃがんで拾うようにします。洗面台で顔を洗うなど前かがみで作業するときも、腰への負担を軽減するために少しだけ膝も曲げておくと良いでしょう。

上記のような、ちょっとした日常的な動作を変えるのと並行してストレッチや筋トレを行うと、さらにぎっくり腰を予防しやすくなります。

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疑問10|ぎっくり腰の予兆はある?

ぎっくり腰は突発的に起こるものであり、はっきりした予兆はないといわれています。しかし、下記のような症状がみられるときは、ぎっくり腰になる手前の場合があるため注意しましょう。

・腰に違和感がある
・くしゃみや咳の衝撃が腰に響く
・前かがみになったり腰をひねったりすると痛みを感じる など

特にデスクワークで長時間同じ姿勢をとることが多い方、運動不足の方、身体が冷えている方などが上記の症状を感じた場合、ふとした拍子にぎっくり腰になるかもしれません。

先に紹介したぎっくり腰の予防法を参考に、ぎっくり腰を起こさない生活を心がけましょう。

ぎっくり腰の予兆について詳しく知りたい方はこちら
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まとめ

動けないくらいのぎっくり腰を起こした場合でも、数日経てば徐々に動けるようになり、仕事に復帰できるケースがほとんどです。むしろ安静にし過ぎると回復が遅れる場合があるので、痛みが落ち着いてきたら、できる範囲で身体を動かすことを心がけましょう。

ただし、腰を反らせる・ひねる・曲げるなどの動きをすると、腰に負担がかかって症状が悪化する可能性があります。無理に動かすのは避け、体調を見ながら適切に身体を動かすことが大切です。