冷えると膝が痛くなる原因|痛みを防ぐ対処法を解説

身体が冷えたときに、膝が痛いと悩んでいませんか?冷えと膝の痛みには、密接な関係があります。膝痛を引き起こす原因を理解して、つらい痛みを和らげましょう。今回は、冷えがもたらす膝の痛みの原因を解説しながら、痛みを防ぐ対処法を紹介します。


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冷えると膝が痛いのはなぜ?

身体が冷えると膝が痛くなることがあります。これは、寒さによって血行が悪くなることや、膝まわりの筋肉や靭帯が硬直しやすくなることが影響していると考えられます。

人間の身体は気温が下がると血管を収縮させて、体温を逃がさないよう働きかけます。これは、体温を一定に保ち、命を守るための生理的な反応です。

しかし、血管が収縮すると血液が流れにくくなり、体内の不要な物質の排出が滞ります。発痛物質も発現して、冬の寒い季節は膝に痛みが出やすいのです。

また、痛みから足を動かさなくなると、筋肉や靭帯が凝り固まります。さらに血の巡りが悪くなり、強い関節痛に発展する悪循環が生まれます。

冷えによる膝の痛みをもたらす原因

冷えによる膝の痛みの原因には、次の疾患や症状があげられます。

・変形性膝関節症
・関節リウマチ
・痛風
・ケガやスポーツによる障害

それぞれを詳しくみていきましょう。

変形性膝関節症

変形性膝関節症とは、膝関節のクッションとなる軟骨がすり減って浮遊し 、軟骨の破片が滑膜(かつまく:関節の内側を覆う薄い膜)に取り込まれて炎症が起きる 疾患です。 変形性関節症は身体のさまざまな部位で起こりますが、膝関節には常に体重の負荷がかかっており、そのぶん軟骨が早く摩耗し発症しやすい傾向があります。

また、変形性膝関節症になると、膝まわりの筋肉や靭帯の柔軟性が低下し、血液が流れにくくなることがあります。そのため、身体が冷えると特に膝まわりに痛みが出やすいのです。

変形性膝関節症は、加齢や筋肉量の低下などの原因によって引き起こされます。女性に多い疾患で、進行すると膝関節が変形したり関節内に水が溜まり腫れあがったりします。

悪化すると膝の曲げ伸ばしがしにくくなり、痛みで歩けなくなるため、変形性膝関節症は早めの治療が肝心です。はっきりした原因がないのに1週間以上膝が傷む場合は、整形外科を受診して検査を受けましょう。

関節リウマチ

関節リウマチは、自己免疫の異常で全身のさまざまな部位の関節に炎症が生じる疾患です。悪化すると軟骨や骨が損傷して関節が変形するリスクがあり、関節の腫れ、こわばり、慢性的な痛みをともないます。

関節リウマチの原因ははっきり解明されていませんが、30~50代の女性に多い 疾患です。身体の左右対称の部位の関節に痛みが出る、朝に関節がこわばるなどの特徴に該当する場合は、早めに専門医を受診してください。

痛風

痛風は関節内に尿酸の結晶が生じ、炎症を引き起こす疾患です。関節の腫れ、こわばり、慢性的な痛みをともないます。血中の尿酸値が高い状態が続くと足の指に症状が出るほか、膝の腫れや発作的な強い痛みをともなうことがあります。

痛風は30~50代の男性に多い疾患 です。腎機能障害や尿路結石、生活習慣病にもつながりやすいため、原因が特定できない関節の痛みが続く場合は、病院を受診してください。治療によって体内の尿酸値を下げれば、つらい痛みを改善できます。

ケガやスポーツによる障害

半月板の損傷や膝まわりの靭帯の損傷など、怪我が原因で冷えたときに膝の痛みが出るケースもあります。特に、スポーツ中に過度な衝撃を受けたりねじったりすると、膝関節の腫れや痛みをともなう怪我に発展します。

運動時は膝に大きな負荷がかかるため、痛みを感じたときに無理するのは禁物です。すぐに運動を中止して、関節の変形や痛みの慢性化を防ぎましょう。

冷えによる膝の痛みを防ぐ対策

膝の痛みを放置すると、重症化するリスクがあります。膝の痛みは我慢せず、悪化させないよう工夫しましょう。

冷えて膝が痛いときは、次の対策が有効です。

・身体を温める
・適正体重を維持する
・歩く姿勢を見直す
・適度な運動を心がける
・ストレッチを習慣にする
・栄養をバランス良く摂る

それぞれを詳しく解説します。

身体を温める

冷えて膝が痛むときは、身体を温めましょう。血行が促進して発痛物質の排出が進み、痛みが和らぎます。

冷え対策には、入浴がおすすめです。湯船でゆっくり身体を温めると血流が改善され、膝の痛みの緩和につながります。

また、寒い季節は膝用の保温サポーターを活用するのもひとつの手です。しかし、締め付けすぎると血行が悪くなるため、適正なサイズを選んでください。

適正体重を維持する

体重が増えると、膝への負担が増えます。暴飲暴食を避けて、適正な体重を維持しましょう。標準体重を超えている方は、前向きに減量に取り組む必要があります。

歩く姿勢を見直す

膝が痛むときは、普段の姿勢も見直してください。歩く姿勢が崩れていると膝に過剰な負荷がかかり、変形性膝関節症になりやすいとされています。膝が外側を向くO脚や、膝が内側に入り込むX脚に注意しましょう。

歩くときは膝を伸ばし、かかとから着地してつま先を使ってしっかり後ろに押し出すと膝への負担を減らせます。

適度な運動を心がける

膝が痛いからといって安静にしすぎると筋力が低下し、逆に痛みが悪化する可能性があります。姿勢の崩れは、筋力不足も影響を与えています。痛みがある程度治まったら日常の生活に戻り、身体を動かしましょう。

運動で膝まわりや足腰の筋肉を強化するには、筋トレや軽めのウォーキングがおすすめです。しかし、負荷をかけ過ぎると悪化しやすいため、痛みに合わせて無理のない範囲で運動に取り組んでください。

身体を動かすときはクッション性の良い靴を選ぶと、膝への負担を減らせます。普段履いている靴の買い換えも検討しましょう。

ストレッチを習慣にする

膝の痛みの改善には、ストレッチが有効です。筋肉を引き伸ばすと血行が促され、痛みが和らぎます。また、膝の可動域が広がり筋力アップにも働きかけるため、膝まわりを強化して負担を減らすのにうってつけです。

膝が痛むときにおすすめのストレッチは、次の3つです。入浴後に行うのが効果的なので、毎日の習慣に取り組みましょう。

膝のお皿の動きを良くするストレッチ

運動不足で固まった膝の動きを改善し、スムーズな曲げ伸ばしを促すストレッチです。

1.椅子に座り、両足を自然に伸ばす
2.右足の膝に両手の親指または人差し指を当て、お皿のフチ抑える
3.指でお皿を上下、左右に動かす
4.左足の膝のお皿も同様にストレッチする

膝の動きを良くするストレッチ

膝の可動域を広げるストレッチです。

1.バスタオル1本を用意し、布団の上で仰向けになる
2.右足を上にあげて曲げる
3.右足の脛あたりにバスタオルをかけ、両手を使って引き寄せる
4.右足のかかとをお尻に近づけ、5~10秒間キープする
5.ゆっくり戻り、足を入れ替えて左足も同様にストレッチする
6.2~5を5~10回程度繰り返す

膝の曲げ伸ばしをスムーズにするストレッチ

膝の曲げ伸ばしに関与する、ハムストリングスを引き伸ばすストレッチです。

1.椅子に浅く腰掛けて背筋を伸ばす
2.右足を前に伸ばし、かかとを床に着けてつま先を上にあげる
3.背中を曲げずにゆっくり上半身を倒し、右太もも裏を伸ばして20~40秒間キープする
4.ゆっくり戻り、3を2~3回繰り返す
5.足を入れ替えて、左太もも裏も同様にストレッチする

栄養をバランス良く摂る

膝の痛みが気になるときは、食生活も見直してください。身体をつくるもととなる栄養を、幅広い食材からバランス良く摂りましょう。

特に、筋肉のもととなるタンパク質は重要です。タンパク質をしっかり摂って関節を支える筋肉が強化されれば、膝への負担も軽減されます。筋肉疲労を回復するビタミンB類、血行不良の改善が期待できるビタミンEを含む食材も、意識して献立に取り入れましょう。

食事で十分補えない場合は、サプリも上手に活用してください。ただし、サプリメントは用法用量を守り、医師や薬剤師に相談の上で使用するようにしましょう。

まとめ

身体が冷えると血行が悪くなり、膝に痛みが出やすくなります。変形性膝関節症や関節リウマチ、怪我による障害が影響を与えている可能性もあるため、膝が痛い状態が1週間以上続く場合は整形外科を受診してください。軽度な膝の痛みなら、セルフケアで改善が目指せます。身体を温めたり適度な運動に取り組んだりして、痛みを和らげましょう。