膝がカクカクするときの具体的な症状
膝がカクカクするといっても、その感じ方や症状は人それぞれ異なります。違和感の種類によって、考えられる原因や対処法も変わってくるため、まずはどのような症状があるのかを整理してみましょう。
症状1:膝がずれる感じがする
膝が不安定で、ズレるような感覚がある場合、関節のバランスが崩れている可能性があります。
例えば、膝が外側に流れやすい場合は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)がうまく噛み合っていないことが考えられます。特にO脚の方は、このズレを感じやすい傾向があるようです。
また、内ももやお尻の筋肉が弱くなると、膝の支えが不十分になり、安定感を失うこともあります。
症状2:膝が引っかかる感じがする
膝を動かす際に引っかかるような感覚がある場合、関節内部の構造が関係しているかもしれません。
半月板や靭帯にダメージがあると、関節の滑らかな動きが妨げられることがあります。また、関節内の形状によっては特に損傷がなくても引っかかることがあるため、慎重に原因を見極めることが大切です。
症状3:膝が曲げにくい・伸ばしにくい
膝をスムーズに曲げ伸ばしできない場合、筋肉の柔軟性が低下している可能性があります。
膝を曲げる動作には太もも前側の大腿四頭筋、伸ばす動作には太もも裏側のハムストリングスが関わっています。これらの筋肉が硬くなると、膝関節の動きが制限され、スムーズに動かせなくなるのです。
しかし、もしも「引っかかる感じがある」「痛みをともなう」といった症状もある場合は、半月板損傷などのケガの可能性も考えられるでしょう。
症状4:音が鳴る
膝を動かすたびに「パキパキ」「ポキポキ」と音が鳴る場合、関節内の圧力変化によって関節液のなかに溜まった気泡が弾ける音と考えられ、基本的には心配いりません。
しかし、「ミシミシ」「ゴリゴリ」といった音がする場合は注意が必要です。関節の軟骨がすり減り、骨同士がこすれ合っている可能性があるため、違和感や痛みが続く場合は早めに病院を受診しましょう。
膝がカクカクするときに考えられる病気
膝がカクカクする原因には、さまざまな病気が関係している可能性があります。ここでは、膝の違和感を引き起こす代表的な疾患について紹介します。
変形性膝関節症
変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減り、関節内の滑膜(関節を包む薄い膜)が炎症を起こすことで痛みが生じる疾患です。
初期症状としては、膝のこわばりや動かしづらさを感じることが多く、進行すると関節が変形し、歩行や日常生活に支障をきたすこともあります。
半月板損傷
半月板は、膝関節の骨同士がぶつからないようにクッションの役割を果たしている組織です。
スポーツや転倒による強い衝撃で損傷しやすいほか、変形性膝関節症や靭帯損傷の影響で負担がかかり、徐々にダメージを受けることもあります。
急性の損傷では強い痛みをともなうことが多いですが、軽度の損傷では「膝がカクンと抜ける感じ」や「引っかかる感覚」があるだけで、痛みがほとんどない場合もあります。そのため、MRI検査を受けるまで気づかないことも珍しくありません。
靭帯損傷
膝関節には、前十字靭帯・後十字靭帯・内側側副靭帯・外側側副靭帯の4つの靭帯があり、膝の安定性を保つ役割を担っています。
しかし、スポーツ中の急な方向転換やジャンプの着地、事故などで強い負荷がかかると、これらの靭帯が損傷することがあるのです。
損傷の程度によっては、強い痛みだけでなく、膝が不安定になり動かしづらくなることもあります。
膝蓋骨の亜脱臼
膝のお皿(膝蓋骨)が完全にずれてしまうと「脱臼」となり、激しい痛みをともないます。
一方で、完全にはずれずに少しずれる亜脱臼の場合、膝が不安定になったり、「カクン」とした違和感を覚えたりすることがあるので、注意が必要です。
特に10代の女性に多く見られるのが特徴で、ホルモンバランスの変化によって靭帯が緩みやすくなることが影響していると考えられています。
タナ障害
「タナ」とは、膝関節を包む滑膜の一部がひだ状になったものです。
通常は問題になりませんが、膝を曲げ伸ばしする際にタナが関節に挟まると、「コキッ」「ポキッ」といった音が鳴ることがあります。
この刺激が繰り返されるとタナが厚くなり、炎症を起こして痛みが出ることもあります。特に、スポーツをする方に多い疾患のひとつです。
関節リウマチ
関節リウマチは、免疫機能の異常によって複数の関節内で炎症が起こる病気です。
はっきりとした原因は解明されていませんが、ウイルスや細菌の感染、遺伝的要因が関係していると考えられています。
特徴的な症状は、関節の痛み、朝起きた直後~30分ほどの関節のこわばりなどです。多くの場合、左右対称に複数の関節の痛みや腫れが現れます。
椎間板ヘルニアなど腰の疾患
膝の違和感が必ずしも膝に原因があるとは限りません。腰や背中の疾患が影響している場合もあります。
例えば、椎間板ヘルニアは、背骨の間にあるクッション(椎間板)が飛び出し、神経を圧迫することで痛みやしびれを引き起こす病気です。
この影響で、坐骨神経痛の症状が出ることもあり、腰からお尻、膝裏、ふくらはぎにかけてムズムズした違和感や痛み、しびれを感じることがあります。
膝の違和感を改善するためのストレッチ
膝がカクカクする原因のひとつに、膝まわりの筋肉の柔軟性低下があります。そこで、膝の違和感を軽減するのに役立つストレッチを紹介します。無理のない範囲で、ゆっくりと行いましょう。
膝のお皿ストレッチ
膝のお皿(膝蓋骨)の動きをスムーズにするストレッチです。椅子に座ったまま簡単にできるため、膝に負担をかけずに行えます。
1.椅子に座り、膝のお皿の縁に両手の親指、または人差し指を軽く当てる。
2.指を使って、お皿を上下左右にゆっくりと動かす。
3.反対の脚も同じように行う。
膝を伸ばした状態で力を抜き、リラックスして行いましょう。痛みがある場合は無理をせず、軽い力でやさしく動かすのがコツです。
大殿筋と梨状筋のストレッチ
股関節や骨盤まわりの柔軟性を高めるストレッチです。膝の安定性にも関係するため、膝の違和感が気になる方におすすめです。椅子に座ったまま行えます。
1.椅子に座り、片脚を反対の脚の太ももの上に乗せる
2.背筋を伸ばし、骨盤を立てるように意識する
3.そのまま10秒かけてゆっくりと上半身を前に倒す。顔は上げたままで、目線を下げないようにする
4.反対側の脚も同じように行う
無理せずに、気持ち良く伸びる範囲で行いましょう。お尻の筋肉(大殿筋)や股関節まわり(梨状筋)の伸びを感じることが大切です。
太もも前面のストレッチ
膝が曲げにくい、またはカクンと外れるような感覚がある場合におすすめのストレッチです。
1.床に座り、両脚を前方に伸ばす
2.片脚の膝を曲げ、片脚だけ正座をするような姿勢をとる
3.上半身をやや後方に傾け、両手を床につける
4.背筋を伸ばしながら、曲げた脚の太ももの前面(大腿四頭筋)がしっかり伸びていることを意識する
5.余裕があれば、上半身をさらに後方に倒す
6.反対の脚も同じように行う
膝に痛みがある場合は無理をしないようにしましょう。上半身を後ろに倒すほどストレッチ効果は高まりますが、痛みを感じるほど深く倒すのは避けてください。
太もも裏のストレッチ
膝の不安定感や膝がずれるような感覚がある場合に効果的なストレッチです。
1.床に座り、両脚を前方に伸ばす
2.片脚の膝を曲げ、片脚だけあぐらをかくような姿勢をとる
3.背筋を伸ばし、上半身をゆっくりと前に倒す
4.伸ばしている脚の太ももの裏側(ハムストリングス)がしっかり伸びているのを意識する
5.反対の脚も同じように行う
背中を丸めずに、骨盤を立てるようなイメージで上半身を倒しましょう。無理に倒すのではなく、ハムストリングスの伸びを感じながら行うことが大切です。
膝の違和感が気になる場合は医療機関に受診しよう
膝の違和感は単なる筋肉の疲労だけでなく、変形性膝関節症や半月板損傷などの病気が原因となっている可能性もあります。
「痛みが続く」「膝がカクカクする」「違和感が取れない」などの症状がある場合は、無理をせず、早めに医療機関を受診しましょう。早期に適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぐことができます。
まとめ
膝がカクカクする原因には、筋肉の柔軟性低下や関節の不安定性だけでなく、変形性膝関節症や半月板損傷などの病気が関係している可能性があります。
症状を改善するためには、膝まわりの筋肉を柔らかく保つストレッチや適度な運動が効果的です。
しかし、痛みや違和感が続く場合は、無理をせず早めに医療機関を受診しましょう。早期に対処することで、症状の悪化を防ぐことにもつながります。