朝起きると首が痛いのはなぜ?寝違えたときの対処・予防法を解説

「朝起きたときに首が痛い……」このような症状に悩まされている方もいるでしょう。しかしなぜ、ただ寝ていただけなのに、首が痛くなってしまうのでしょうか。今回は、朝起きると首が痛い原因や対処法・予防法などについて解説します。


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朝起きると首が痛いのは「寝違え」ているから

朝起きたときに首に痛みを感じるのは、「寝違え」が原因の可能性が高いでしょう。

寝違えとは、主に首・肩・背中の筋肉や靭帯に起こる急性炎症のことです。睡眠中に何らかの原因で首周辺の筋肉が硬くなり、血管が圧迫されたことで血流が悪くなって発生します。

寝違えはよくある症状であり、多くの人が経験するものです。首を動かしたときに筋肉痛のような痛みを感じるケースが多いですが、下記のような症状が出ることもあります。

・特定の向きに首を回したときだけ痛い
・痛みが強く首を動かせない
・腕がしびれている など

放置していても数時間経てば落ち着くため、あまり心配する必要はありません。ただし、あまりに痛みが強い場合や症状が長引いている場合、頻繁に寝違えを起こしている場合などは整形外科の受診を検討しましょう。

「寝違え」を引き起こす要因

寝違えの原因は明確になっていませんが、要因になっていると考えられていることがいくつかあります。ここでは寝違えの要因を4つ紹介しますので、当てはまるものがないかどうかチェックしてみてください。

睡眠時の姿勢が悪い

寝違えを起こす要因として考えられるのが睡眠時の姿勢の悪さです。人間は睡眠中に寝返りを打ち、身体への負担を軽減しています。

しかし、身体が沈み込みやすいマットレスを使っているなどで適切に寝返りが打てないと、長時間、不自然な体勢が続きます。

すると、首まわりなど一部の筋肉に血流が阻害され、血液の供給が不足して痛みが生じるのです。また、寝返りができないことで特定の筋肉に過剰な負担がかかり、寝違えが起こることもあるといわれています。

寝具が身体に合っていない

身体に合わない寝具の使用も、寝違えの要因になる可能性があります。例えば、身体に合わない枕を使っていると、頭の重さをうまく支えきれず、首周辺の筋肉に負担がかかって血流が阻害され痛みが生じます。

特に寝姿勢になったときに首の骨が真っ直ぐになってしまう枕を使っていると、首の骨の自然なS字カーブが保てず過剰な負担がかかるので注意が必要です。

出張や旅行などで枕が変わると痛みが出やすいのも、宿泊先の枕が自分の身体に合っていないことが原因といわれています。

自律神経の働きが乱れている

下記のような状態にある方は、自律神経の働きが乱れやすい傾向にあります。

・運動不足が続いている
・デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けることが多い
・頭脳労働が多い
・ストレスが溜まっている など

自律神経の働きが乱れると身体が緊張しやすくなるため、睡眠を取ろうと横になっても、なかなか身体がリラックス状態になりません。また、常に肩や首まわりの筋肉に力が入っているため、寝違えが起こりやすいといわれています。

内臓機能が低下している

暴飲暴食などで内臓機能が低下しているときも、寝違えやすいといわれています。内臓機能が低下すると代謝も低下し、血行が悪くなってしまうためです。また、弱った内臓を守ろうとして姿勢が歪み、筋肉に負担がかかる場合もあります。

飲酒後の睡眠も、寝違えを起こしやすい傾向にあります。お酒を飲むと、一時的に血行が良くなったように感じるかもしれません。

しかし、アルコールを分解する際に分泌される物質に血管収縮作用があるため、飲酒から時間が経過すると血行が悪くなります。

さらに酔ったまま寝ると寝返りの回数が減ったり、不自然な体勢で寝てしまったりすることから、筋肉への負担が増加し痛みが出てしまうのです。

「寝違え」の予防法

寝違えを予防するには、どうすれば良いのでしょうか。ここでは、寝違え予防に役立つ方法を4つ紹介します。

生活習慣を見直す

寝違えを予防するには、普段の生活を見直すことが大切です。例えば、身体を冷やしてしまうと筋肉がこり固まり、寝違えやすくなってしまいます。湯船につかる、適度に運動するなど、血行を促進する生活習慣を取り入れましょう。

また、スマートフォンやPCを使うときの姿勢が悪いと、ストレートネックになって寝違えを招く場合があります。使用時の姿勢を良くする、長時間の使用を控える、定期的に休憩するなどして首への負担を減らしましょう。

お酒を飲みすぎない

飲酒して寝ると、血行不良や寝返りの回数の減少、不自然な姿勢での睡眠などが原因で、寝違えが起こりやすくなります。寝違えやすい方はできるだけ飲酒を控えましょう。

また、お酒を飲んだ後は、経口補水液などを飲んでミネラルを補給するのがおすすめです。ミネラルには血行促進の効果があるといわれており、寝違え予防に役立ちます。

ストレッチをする

ストレッチをすることも、寝違え予防に効果的です。ストレッチをすると硬くなった筋肉がほぐれて血行が促進されるため、寝違えにくくなると考えられています。

特に長時間デスクワークをする方、運動不足の方は、こまめにストレッチを行うことをおすすめします。

ただし、すでに寝違えが起きていて痛みを感じている場合は、症状が治まるまでストレッチを控えましょう。無理に動かすと痛みが悪化するおそれがあります。

身体に合った寝具を使う

身体に合わない寝具を使うと、寝返りをしづらくなったり首に負担がかかったりして寝違えやすくなります。

自分の首の形状に合う枕を使用する、適度な硬さがあり身体が沈み込みすぎないマットレスに交換するなどして、身体に合った寝具を使用しましょう。

「寝違え」たときの対処法

寝違えを起こすと首に強い痛みを感じることが多いので、早く何とかしたいと思うことでしょう。そこで、寝違えたときの対処法を3つ紹介します。

安静にする

寝違えを起こした直後は、とにかく安静にしましょう。筋肉に炎症が起きているため、無理矢理動かすと症状が悪化するおそれがあります。

ストレッチは寝違え予防に有効とされていますが、寝違えが起きた後のストレッチはNGです。マッサージなども控え、できるだけ患部を動かさないようにしていれば、少しずつ痛みが落ち着いてくるでしょう。

アイシングする

患部が熱をもっているように感じる場合は、アイシングを行いましょう。氷のうや氷水に浸けて絞ったタオルなどで患部を冷やすと、炎症が落ち着いて痛みが軽減する可能性があります。

消炎鎮痛の効果がある湿布を貼るのも良いでしょう。ただし、湿布を貼って痛みが軽減されたとしても、それは薬剤による一時的な効果です。

症状が落ち着いたからといって無理に動かすと痛みがぶり返す可能性があるので、できるだけ安静にしましょう。

枕の高さを調整する

身体に合わない枕の使用は寝違えを招くだけでなく、症状を悪化させる可能性もあります。枕の高さを変えるなどして、睡眠中に首に負担がかかるのを防ぎましょう。

できれば専門店などで自分の身体に合う枕の高さを測るのがおすすめですが、「そこまで手間をかけられない」という方もいるかもしれません。

そのような場合は、横向きに寝転がったときに首の骨が真っ直ぐな状態を維持できるか、頭が横に傾かないかをチェックしてみましょう。

高さがあっていない場合は枕を買い替えるか、折りたたんだタオルを挟むなどして調節してみてください。

まとめ

朝起きたときに首が痛い主な原因は、寝違えです。寝違えが起こる原因は明確になっていないものの、睡眠時の姿勢の悪さや身体に合わない寝具の使用、自律神経の働きの乱れなどが要因であると考えられています。

まずは日頃の生活を見直したり、寝具を変えたりして寝違えを予防しましょう。すでに寝違えが起きている場合はひとまず安静にする、患部を冷やすなどの対処をしてみてください。

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