O脚と膝の痛みの関係
原因がはっきりしない膝の痛みは、O脚が引き起こしている可能性があります。まずは、O脚と膝の痛みの関係をしっかり理解しておきましょう。
O脚とは?
O脚とは、膝が外側を向いた状態です。正式な名称は「内反膝」で、足を閉じたときに両膝に隙間ができ、湾曲してアルファベットの「O」の形に見えます。歩くとガニ股になり、見た目のバランスも悪くなりがちです。
一方、膝が内側に入り込んだX脚もあります。正式な名称は「外反膝」ですが、正面から見たときに足の形がアルファベットの「X」の形になるのが特徴です。O脚やX脚などの骨格の歪みは、膝の痛みにつながることがあります。
膝の痛みはO脚の症状のひとつ
膝の痛みは、O脚の代表的な症状のひとつです。骨格に歪みが生じると膝関節の軟骨がすり減って浮遊し、滑膜炎が引き起こされて痛みが生じます。変形性膝関節症にもつながりやすいため、油断は禁物です。
O脚が進行すると身体のバランスが取りにくくなり、歩くのにも支障が出てしまうおそれがあります。姿勢が崩れると別の部位に余計な負荷がかかり、腰痛や股関節痛を引き起こすこともあるため注意しましょう。
O脚になる原因
大人がO脚になる原因として、日頃の姿勢の悪さや生活習慣があげられます。
なかでも影響が大きいのは、姿勢の悪さです。猫背になっていたり骨盤が後ろに倒れる姿勢を取り続けていたりすると、身体のバランスが悪くなります。無意識のうちにバランスを取ろうとして膝が開き、O脚が進行しやすいのです。
そのほか、外傷や病的な要因、筋肉のバランスの悪さ、足の形に合っていない靴など、O脚を引き起こす原因はさまざまです。しかし、原因を取り除けば足の形を元の状態に近づけられます。自宅でのセルフケアでも対処できるため、前向きに取り組みましょう。
ちなみに、子どもの足は自然に膝が開いた生理的O脚です。生まれたときから両膝が合わず、歩き始める1~2歳でピークを迎え、その後、徐々に膝が揃うようになっていきます。
なかには遺伝的要因や成長過程での病気の可能性もありますが、大半の子どもは年齢があがるにつれて徐々に膝の状態が改善されます。
O脚による膝の痛みを放置するリスク
O脚は見た目の問題だけと思われがちですが、足の歪みが続くと姿勢や筋力のバランスに影響を与え、次のような疾患が現れる可能性があります。
・変形性膝関節症:膝関節の軟骨がすり減り、骨が変形する疾患
・鵞足炎:膝まわりの筋肉が付着する「鵞足(がそく)」と呼ばれる部分に炎症が起こる疾患
・足底腱膜炎:足裏のアーチを支える「足底腱膜」に炎症が起こる疾患
・外反母趾:足の親指が付け根から小指側に曲り、変形する疾患
これらの疾患は膝の痛みをともなうことがあり、症状が悪化すると立ち上がることや歩行が難しくなることがあります。骨の変形が悪化すると手術が必要になることもあるため、膝の痛みが続く場合は早めに専門家へ相談することをおすすめします。
O脚で膝が痛むときの対処法
膝の痛みを和らげるには、O脚を改善するのが早道です。即効性はありませんが、毎日根気よく次の対策に取り組みましょう。
・装具を活用する
・姿勢良く過ごす
・ストレッチで足の筋肉を柔軟に保つ
・筋トレで筋肉を強化する
・バランス感覚を鍛える
ここからは、膝の痛みとO脚を改善する方法を詳しく解説します。
装具を活用する
膝が痛むときは、サポーターやインソールを活用しましょう。サポーターは膝が外側を向くのを抑え、安定性を高めます。
靴に入れて使うインソールは、姿勢の歪みを整えるのに有効です。膝にかかる負担を軽減し、O脚の進行を抑える効果が期待できます。
姿勢良く過ごす
O脚の改善には、日頃から良い姿勢を意識してください。猫背や骨盤の傾きも、足の歪みを引き起こす要因です。デスクワークでは猫背になりやすいため、椅子に座る姿勢から見直しましょう。
ストレッチで足の筋肉を柔軟に保つ
ストレッチをすることで、O脚を改善する効果が見込めます。特に、膝を内側から支える内転筋の柔軟性を高めると、膝が外側に向くのを予防できます。膝まわりの筋肉を強化するはたらきも期待できるため、次の手順で取り組んでください。
<内転筋ストレッチの手順>
1.床に座り、両足の裏を身体の前で合わせる
2.両膝をそれぞれ外側に広げ、両手で足首をつかむ
3.ゆっくりと上半身を前に倒し、ももの内側を伸ばして20~30秒キープする
4.上半身をゆっくり戻す
筋トレで筋肉を強化する
筋力不足もO脚を引き起こす要因なので、筋トレにも取り組みましょう。O脚の改善には、ハムストリングや内転筋、大殿筋を鍛えるのが効果的です。
それぞれ、次の手順で取り組んでください。
ハムストリングを鍛えるスクワット
太ももの前に付いている、ハムストリングを強化するトレーニングです。
<スクワットの手順>
1.両足を肩幅に広げてまっすぐ立ち、つま先を外側に向ける
2.背筋を伸ばした状態で、つま先より前に出ないようにゆっくり膝を曲げる
3.太ももと床が平行になるまで腰を下げたら、ゆっくりと元の状態まで戻る
4.2~3を10〜15回程度繰り返す
ハムストリングは、膝を伸ばすのに欠かせない筋肉です。スクワットは比較的負荷が強いため、膝に痛みがあるときは無理をせず、壁やイスの背もたれなどにつかまりながら行ってください。
内転筋を鍛えるトレーニング
太もも内側の内転筋は、足を閉じる動作で強化できます。ボールを使う次の手順で、ピンポイントに鍛えましょう。
<内転筋トレーニングの手順>
1.布団の上に仰向けで寝る
2.太ももの間にボールをはさむ
3.両足に力を入れてゆっくりボールを押しつぶし、20~30秒キープする
4.ゆっくり脱力し、再び力を入れるのを3セット以上繰り返す
ボールがない場合は、クッションや丸めたバスタオルでも代用できます。
大殿筋を鍛えるトレーニング
大殿筋はお尻の表層にあり、足を後ろに引くのに欠かせない筋肉です。足を内側に閉める動作をサポートするはたらきがあるため、次の手順で強化しましょう。
<大殿筋トレーニングの手順>
1.布団の上で仰向けに寝て、足裏を布団に付けて両膝を立てる
2.両手は身体の横に自然に伸ばし、手のひらを下に向ける
3.足の裏・手・背中を支えにゆっくりお尻をあげ、3秒キープしてからゆっくり下げる
4.3を20回繰り返す
バランス感覚を鍛える
O脚になり膝が外側を向くと、歩くのが難しくなります。バランス感覚を鍛えるトレーニングにも取り組んで、歩行の安定性を向上させましょう。歩行が安定すると、膝への過剰な負担を減らせます。
バランス感覚を鍛えるには、お尻の横にある中殿筋のトレーニングが有効です。歩行や姿勢保持に関与する筋肉なので、次の手順で強化しましょう。
<バランス感覚を鍛えるトレーニング>
1.壁に向かって立ち、両足を肩幅程度に広げる
2.肩の高さで両手を壁に付き、身体をまっすぐ支える
3.身体が傾かないように意識しながら、ゆっくり右足を横に広げて片足立ちをする
4.ゆっくり戻り、再び広げるのを10~15回程度繰り返す
5.足を入れ替えて左足も横に広げ、同様に片足立ちをする
6.3~5を3セット繰り返す
まとめ
膝の痛みは、O脚の症状のひとつです。O脚になると両膝が外側に開いて見た目が悪くなるだけでなく、歩行しにくくなることもあるため、早めの改善を目指しましょう。大人のO脚は生活習慣に起因して進行するものが多く、原因を取り除けば改善に期待がもてます。姿勢の見直しや筋トレ、ストレッチにも取り組んで、つらい痛みを和らげてください。