男性における冷え性とは
男性でも女性でも、冷えは血行の悪化による血流不足が原因で起こります。男性は手足の冷たさよりも、肩こりや腰痛、頻尿といった症状から冷えに気づくケースが多くみられます。寒い日に肩こりや腰痛になりやすく、身体を温めると症状が軽減する場合は、冷えが影響している可能性が高いでしょう。
男性の冷えの原因
ここでは、男性の冷えにみられる特徴的な原因を3つ解説します。
加齢による筋肉量・基礎代謝の低下
筋肉には体内で熱を生み出す働きがありますが、運動や筋トレなどをしなければ加齢によって筋肉量が減少し、基礎代謝も下がっていきます。基礎代謝が落ちると体温を維持しにくくなり、冷えやすくなるのです。加齢のほか、運動不足や偏った食事、不規則な生活なども基礎代謝の低下を招きます。
喫煙
喫煙習慣があると血管が急激に収縮しやすくなり、冷えを感じやすくなります。これは、タバコに含まれるニコチンが血流を悪化させるだけでなく、自律神経の乱れも引き起こすためです。
動脈硬化
注意したいのが、動脈硬化によって血流が滞っているケースです。糖尿病が原因の動脈硬化は膝下に発症するケースが多く、足先の冷えや感覚の鈍さが症状として現れることがあります。「たかが冷え」と軽く考えず、気になる症状がみられる場合はすみやかに医療機関に相談しましょう。
冷えを緩和するストレッチ7選
じっとしている時間が続くと筋肉がこわばり、手足の末端まで血液が届きにくくなります。ここでは、通勤電車や仕事中でもできるストレッチ、お風呂でできるストレッチ、寝る前のストレッチを紹介します。ぜひ日常生活の中に取り入れてみてください。
【足全体】座ったままストレッチ
太ももとふくらはぎの筋肉には、足先の血液を心臓に送り戻すポンプのような働きがあります。太もも・ふくらはぎの筋肉を意識的に動かすことで血流が良くなり、足全体の冷え軽減につながります。座ったままできる簡単なストレッチを紹介しますので、デスクワークの合間に実践してみましょう。
1.椅子に座ったまま片足をまっすぐ前に伸ばす
2.つま先を手前に引き、かかとを奥に突き出す
3.ふくらはぎが伸びていることを意識し、そのまま15秒キープする
4.つま先を奥へ伸ばし、15秒キープする
5.2~4を左右交互に繰り返す
【足もと】立ったままストレッチ
続いて、立ったままできるふくらはぎのストレッチを紹介します。歯磨きをしているとき、電車で立っているとき、複合機の出力を待っているときなど、1日のすきま時間に実践することで冷えの緩和が期待できます。
1.つま先で立ち、ふくらはぎにしっかり負荷がかかる位置で約15秒キープする
2.かかとを地面に下ろし、しばらく休憩する
3.1~2を繰り返す
【手の指先】ひざの上でグーパー
手の指先が冷えてつらいときは、グーパー運動で筋肉を収縮させることで血流を促進できます。繰り返すうちに手の指先が徐々にポカポカ温まってきますので、まずは10回程度行ってみましょう。
1.親指を内側に入れ、ギュッと握りこむ
2.指先を反らせるようにしっかり開く
3.1~2を何度も繰り返す
【足全体】足こぎストレッチ
続いて、入浴中にできる足のストレッチを紹介します。湯船の中で身体を温めながらストレッチすることで血行促進の効果が高まるだけでなく、副交感神経が活性化されて心身ともにリラックスできます。
1.湯船の中で膝を立てて座り、両足の親指を軽く重ねる(足がハの字にならないよう、できるだけ真っ直ぐにする)
2.足を交互にゆっくり曲げ伸ばす(両足の先が揃うたびに親指を軽く重ねる)
3.左右それぞれ5回ずつ行う
【全身の血の巡り】東京タワーストレッチ
寝る前には、身体のゆがみを整えるストレッチを行うのがおすすめです。1日の終わりに身体のゆがみを整えることで手足の先まで血の巡りが良くなり、冷えの緩和が期待できます。末端がポカポカ温かくなると、スムーズな入眠にもつながります。
1.足を前後に開いて両ひざを軽く曲げ、アキレス腱を伸ばす
2.両手を頭の上で組み、人差し指を立てて天井に向かってグッと伸ばす(腕と上半身が一直線になるように意識する)
3.前に出した足のほうに身体を傾け、そのまま10秒キープする
4.左右それぞれ交互に行う
【足~骨盤周り】ワイパーストレッチ
身体のゆがみを整えたら、足元を重点的に温めるストレッチを行いましょう。このストレッチによって、足だけでなく骨盤周りの血流も良くなり、自律神経が整う効果が期待できます。
1.仰向けになり、両足を肩幅より広めに開く
2.足の力を抜き、足先を車のワイパーのように左右に動かす(10秒間続ける)
【足~骨盤周り】足裏つっぱりストレッチ
上記と同じく、足元から骨盤周りの血行を促進するストレッチをもうひとつ紹介します。
1.仰向けになり、両足を肩幅より広めに開く
2.足先を天井に向け、みぞおちから足を押し出すイメージで交互に足を突っ張る(10秒間繰り返す)
冷え予防の筋トレ6選
活動時において、体内の熱の約6割は筋肉で作られているといわれています。筋肉が落ちると動くのがおっくうになり、さらに筋肉量が低下して血行が滞り、冷えの悪化を招きがちです。ここでは、冷え予防に効果的な筋トレを部位別に紹介します。毎日少しずつでも運動し、筋力アップと血行改善を目指しましょう。
運動で筋肉量を増やそう
冷え症を予防するためには、運動で筋肉量を増やすことが大切です。筋肉量が増えると基礎代謝も上がり、体温が高くなる傾向があります。忙しくて運動する時間がない方は、エスカレーターではなく階段を使うのもおすすめです。階段の上り下りによって下半身の筋力が強化され、基礎代謝の向上につながります。
腹筋|空中自転車こぎ
1.仰向けになり背中を床につけ、手は頭の後ろに組む
2.自転車を漕ぐように足を10~20回動かす
慣れてきたら回数を増やす、頭を少し上げて膝を見ながら足を動かす、など強度を上げてみましょう。
背筋|手足交互上げ
1.四つ這いになり、両手と両膝は肩幅に開く
2.左足と右腕を床と平行に伸ばし、ゆっくり戻す
3.2を左右交互に10~20回繰り返す
足の筋肉|スクワット
1.両足を肩幅に開いて立ち、つま先は膝と同じ向きにする
2.胸の前で手を真っすぐ伸ばし、椅子に座るようなイメージでしゃがむ
3.膝が45度くらいになるまで曲げたら少しキープし、ゆっくりもとに戻す
4.2~3を10~20回繰り返す
慣れてきたら、床と太ももが平行になる位置までしゃがみましょう。
お尻|ヒップアップトレーニング
1.四つん這いになり、肩の真下に手、腰の真下に膝を置く(目線は真っ直ぐ下に置く)
2.肩の高さをキープしたまま、片方ずつ足を上げ下げする(各10回)
足を上げる高さは、無理なく上げられる範囲で構いません。
斜腹筋|斜腹筋トレーニング
1.床に座り、両手を斜め後ろに大きく広げてつき、肘を伸ばす
2.膝を揃え、膝から下が床と平行になる高さまで両足を持ち上げる
3.このまま息を吸い、お腹をへこませるイメージで息を吐きながら足を右側に倒す(膝を揃え、できるだけ深く倒す)
4.息を吸いながら足をもとの位置に戻し、お腹をへこませるイメージで息を吐きながら2~3足を左側に倒す
5.3~4の動きを4セットから8セット行う
まとめ
男性の冷えの主な原因には、加齢による筋肉量・基礎代謝の低下や喫煙、動脈硬化などがあげられます。冷えを予防するためには、ストレッチや筋トレを取り入れ、基礎代謝を上げることが大切です。運動を継続することで冷えの予防につながるため、まずは短時間でも毎日続けてみましょう。
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