腹直筋をほぐすメリットとは?ほぐすための簡単ストレッチを紹介

以前からぽっこりお腹が気になっており、すっきりとしたボディラインを目指したいと考えている方もいるのではないでしょうか。ぽっこりお腹は腹直筋という筋肉が硬く、姿勢が悪いことが原因であるケースも多く見られます。 今回は、腹直筋の役割やほぐすことのメリットを解説し、おすすめのストレッチも紹介します。


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腹直筋の役割とは?

腹直筋はお腹の前面に広がる筋肉のことで、いわゆる腹筋です。平たく縦長の筋肉で、左右に伸びる腱画(けんかく)という組織によって複数の区画に分かれます。

しっかり鍛えると6つや8つの区画に分かれ、シックスパックなどといった呼び名でも知られる筋肉です。

腹直筋には、体幹を前方に曲げる働きがあります。この動きは、横になった状態から起き上がる、前にかがむ、身体を横に倒したり回したりするといった動作をスムーズに行うために重要です。

そのほかにも、腹直筋には腹圧を上げて重い物を持ち上げたり、排便時に力を入れたりする役割もあります。さらに、体幹を安定させて姿勢をキープすることもできます。

腹直筋が硬いとどうなる?

腹直筋を適切に動かしていないと筋肉が緊張して硬くなってしまいます。では、腹直筋が硬いとどのようなことが起こるのでしょうか。

腰痛につながる

腹直筋が硬くなると、腰痛を起こすリスクが高まります。

腰痛に関係する筋肉は多数あり、腹直筋に加え、腸腰筋や腰方形筋、脊柱起立筋といった筋肉も関係しています。これらは腹筋や背筋といった名称でも広く知られている筋肉です。

腹筋や背筋が硬くなったり衰えたりすると、身体をしっかり支えられなくなって腰にかかる負荷が増していきます。腰に過剰な負担がかかり続けた結果として、痛みが出て腰痛として現れてくるのです。

人によっては身体が動かしにくいと感じることもあるため、日常生活に支障が出る可能性も否定できません。

腰痛を予防するには、腹直筋以外にも、身体の深部にあるインナーマッスルを鍛えて体幹の安定性を向上させることも大切といえます。

姿勢が悪くなる

腹直筋がうまく機能しないと、姿勢が悪くなるおそれもあります。

腹直筋の柔軟性が低下し、筋力そのものが落ちてしまうことで背筋とのバランスが取れなくなると、骨盤が前に倒れて反り腰の姿勢が習慣化してしまいます。反り腰の姿勢は内臓が前方に出てしまい、お腹が前に出て太っているように見えてしまうので注意が必要です。

反り腰の方は腹直筋に力が入りにくいという特徴もあるため、より腹直筋が衰えやすく悪循環になる可能性もあります。

また、姿勢が悪くなること自体が腰痛の原因になり、より痛みが強くなるケースも見られます。腹直筋が硬くなって伸びにくくなることで姿勢が崩れ、猫背になることもあるのです。

姿勢が悪いと、見た目が悪くなるだけでなく、肩こりや頭痛といったさまざまなトラブルの原因になることもあります。

腹直筋をほぐすメリット

ここでは、腹直筋をほぐすメリットについて解説します。

腰痛の予防や改善につながる

腹直筋をしっかりほぐすと、腰痛を予防したり、痛みを軽減できたりする可能性があります。

腹直筋が柔らかい状態をキープできれば、体幹が安定し、筋肉の柔軟性が増して腰椎にかかる負担が少なくなります。前にかがむ動作もスムーズに行え、日常のさまざまな動作をしても腰に負担がかかりにくくなるのです。

また、腹直筋が安定すると骨盤の位置が本来の位置に戻り、S字を描くとされる腰椎のカーブも正常化します。腰椎の配置が整うと、体幹の筋肉が適切なバランスで機能するようになり、腰痛が起こりにくい身体づくりに役立ちます。

姿勢が良くなる

腹直筋をほぐすと、胸郭の可動域が広がって背筋がしっかり伸びるようになります。骨盤も適切な位置に戻るため、身体を真っすぐ立てた状態でキープできるようになるのもポイントです。

腰回りだけでなく、頭の位置も本来の場所に戻ることから、首や肩にかかる負担が減る効果も期待できます。このように、腹直筋の柔軟性が増すと身体全体の姿勢が改善されるので、スタイルが良く見えるようになるのも大きなメリットです。

腹直筋をほぐすストレッチ

腹直筋は、生活の中にストレッチを取り入れて少しずつほぐしていくのがおすすめです。ストレッチは寝る前ではなく、本格的に活動する前の、朝の時間帯に行ってみてください。

ここでは、腹直筋を伸ばすストレッチを4つ紹介します。

そって伸ばすストレッチ

立った状態で行うストレッチです。

1.足を腰幅に開いて立ち、両手を足の付け根に添えて骨盤を押さながら、両足の指を上に反らす
2.かかとに重心を乗せたまま、両手を頭の後ろで組んで後頭部を持ち上げ、ゆっくり息を吐く
3.息を吸いながら、目線を上に向け、首を引き抜くイメージで頭を後ろに傾けて上体を反らし、呼吸2回分キープする
4.息を吐きながら元の姿勢に戻し、5回繰り返す

1日に何度やっても良いので、家事や仕事の合間に取り入れるのもおすすめです。

立った状態でやると身体が安定しない場合は、椅子に座った状態で行っても構いません。いずれの場合も、胸を大きく開くような感覚でやってみてください。

左右の腹直筋を伸ばすストレッチ

ゆったりとした動きで腹直筋をほぐすストレッチです。

1.片足を曲げた状態で床につき、もう片方の足は後ろ方向に伸ばす。両手は肩の下あたりにつく
2.ゆっくりと上体を反らし、30秒キープする
3.左右の足を入れ替えて、同じ動きを繰り返す

足を伸ばしているとき、呼吸が止まらないようにしましょう。後ろに伸ばしたほうの腹直筋が伸びるストレッチです。

オットセイのポーズ

床にうつ伏せになった状態から行うストレッチです。

1.うつ伏せになり、足を肩幅よりも広く開く
2.両手を床について上体を起こしながら、できるだけ後ろに体を反らす
3.反らしたまま20秒キープし、元の姿勢に戻る

前の項目で紹介した「左右の腹直筋を伸ばすストレッチ」と動きが似ていますが、オットセイのポーズは背中や腰をより大きく動かします。反動をつけて一気に動かすとかえって筋肉を傷めてしまうので、ゆっくりと無理のない範囲で行いましょう。

中級者向け腹直筋ストレッチ

身体を大きく動かしながら腹直筋を伸ばすストレッチです。運動習慣がない方、ストレッチを始めて間もない方にはやや難しいため、中級者向けのストレッチとしています。

1.床に正座した状態から、両手を床について肘が伸びるまでゆっくり前に伸ばし、身体を倒していく
2.肘が伸びた地点で手をつき、膝を床について四つん這いになる。足裏を天井に向けて持ち上げる
3.重心をゆっくりと前に傾け、恥骨を床に近づけるようにして、腹部を縦に引き伸ばす
4.ゆっくり呼吸をしながら、5回程度重心を前後に動かす

重心を動かすときは、勢いをつけずにゆっくり行うのがコツです。また、身体を起こした後は、目線を斜め上方向に向けるイメージで姿勢を取ります。

膝や腰に痛みが出る場合は、無理せず中止してやりやすいストレッチに切り替えてください。動きに慣れてきてスムーズにできるようになったら、徐々に回数を増やしていくと腹直筋がしっかり伸びるようになります。

まとめ

腹直筋は日常生活の中で行うさまざまな動きに関係しており、硬くなると腰痛や姿勢の悪化の原因になります。ストレッチで腹直筋をしてほぐしておくと柔軟性が増すため、日々の生活に上手に取り入れてみてください。

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