首をボキボキ鳴らすのは危険?音の正体や首こりの対処法を解説

長時間同じ姿勢を取り続けた後に頭を動かすと、「ボキボキッ」と首が鳴ることがあります。すっきりするような気がして、疲れたときについ音を鳴らしてしまう方は多いのではないでしょうか。しかし、首には重要な神経が通っているため、無理やり音を鳴らすのは危険です。今回は首を鳴らすことの問題点を解説しながら、音の正体や対処法を紹介します。


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首をボキボキ鳴らすのは悪いこと?

長時間机に向かっていたりうつむいてスマートフォンを見ていたりした後、首を動かすと「ボキボキッ」と音が鳴ることがあります。周りにも聞こえるほど大きな音だと不安になりますが、骨や関節が損傷した音ではありません。

首のボキボキ音は、関節を動かしたときに鳴る生理的な反応です。日常の何気ない動作で音が鳴る程度なら、大きな問題はないとされています。

なかには、首が疲れたときに鳴らすとすっきりすると感じて、あえて音を出す方もいるでしょう。しかし、音を鳴らしても首の疲れや肩こりが解消されるわけではありません。

無理やり鳴らす・過度にボキボキ鳴らすのは要注意

首を動かしたときに自然に音が出る程度なら問題ないとはいえ、過度にボキボキ鳴らしたり、無理やり音を出したりするのは控えましょう。音が鳴るとき、首まわりには瞬間的に大きな負荷がかかります。

繰り返し負荷をかけ続けると首まわりの捻挫や骨の変形を招き、背骨から脳につながる椎骨動脈の機能に支障が出る可能性があります。特に、首を習慣的に鳴らすクセがある方、音だけでなく首・腕・脚に強い痛みやしびれがある方は注意してください。

また、音を鳴らし続けると、首の関節近くの神経が損傷するおそれもあります。下記の疾患につながる可能性も指摘されているため、気になる症状がある場合は、医師に相談して適切な診断を受けましょう。

・頚椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニア
・頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)
・頚椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)
・頚椎後縦靭帯骨化症(けいついこうじゅうじんたいこっかしょう)
首は脳につながる大きな動脈や神経が通る、重要な部位です。首を鳴らしてもコリや痛みが改善されたり、可動域が広がったりするメリットはありません。むしろ、組織や神経に与えるダメージやリスクのほうが大きいといえます。

首の関節をボキボキ鳴らす行為は、医学的にも推奨されていません。首を鳴らすクセは、なるべくなくすよう努力しましょう。

首を動かしたときのボキボキ音の正体

首を動かしたときに鳴るボキボキ音の正式名称は、「クラッキング」です。骨や関節の異常ではなく、首を構成する脊椎骨の関節や関節包、筋膜、靭帯、筋肉などが出している音とされています。

ボキボキ音が鳴る正確なメカニズムは、詳しく解明されていません。しかし、近年は関節内に生じた気泡が弾けたときに出す音であるとの説が有力視されています。

人間の身体は無数の骨で構成され、骨と骨をつないでいるのが関節です。

関節は「関節包」と呼ばれる組織で包まれ、骨を滑らかに動かすために内部は関節液で満たされています。身体を動かした際に関節液内部の気泡が弾けると、ボキボキと音が鳴るわけです。

そのほか、首まわりの靭帯や腱が動いたときにこすれて音が鳴る、首を動かした拍子に関節表面が分離して音が出るとの説もあります。

首を鳴らすのを防ぐ対処法

首をボキボキ鳴らすクセがある方は、意識して音を出さないよう心がける必要があります。首を鳴らしてすっきりしたいときは、別の方法を探しましょう。

首を鳴らすのを防ぐには、次の方法が有効です。

・姿勢を見直す
・マッサージする
・ストレッチする
・専門家に相談する

それぞれを詳しく解説しましょう。

姿勢を見直す

首をボキボキ鳴らすクセがある方は、普段の姿勢を見直してください。無意識のうちに首を鳴らすのは、首が凝っているからです。

特に、長時間机に向かって悪い姿勢で過ごすと首が疲れやすい傾向があります。次の要領で、首に負担をかけない良い姿勢を心がけましょう。

<デスクワークで姿勢を正すポイント>

1.椅子は机に寄せる
2.太ももに圧迫感がない高さに座面を調整する
3.椅子に深く腰掛け、両肩を引いた状態で背筋を伸ばし、骨盤を立てて座る
4.両足を軽く開き、足の裏を床にしっかりつける
5.肘は肩の真下に、手は自然に机に伸ばす
6.あごを引き、首がまっすぐになるように意識する

長時間作業する場合は、背もたれに寄りかかると正しい姿勢をキープできます。背もたれが背中のカーブに合わないなら、腰の隙間にクッションやタオルをはさんで調整してください。台を使ってPCのディスプレイを視線の高さまで上げると、うつむき姿勢を防げます。

デスクワークで長時間の同じ姿勢を続けると首が凝るため、適度な休憩をはさむことも大切です。定期的に身体を動かして、首にかかる負担を減らしましょう。

スマートフォンを見るときも注意が必要です。背骨のS字カーブが崩れてストレートネックになり、首に負担をかけやすいので、スマートフォンを手で顔の高さまで上げて操作しましょう。長時間使う場合は机の上に肘をついて支えると、無理なく姿勢をキープできます。

マッサージする

首が疲れたと感じたら、マッサージしましょう。首のコリは、首の後ろの筋肉が緊張して凝り固まり、血の巡りが悪くなっている状態です。マッサージでこわばりを解きほぐすと血行が良くなり、すっきりします。

ただし、首まわりには重要な神経が通っているため、強くもむのは避け、軽くもみほぐす程度に留めましょう。

<首をマッサージする手順>

1.椅子に骨盤を立てて座る
2.両手を上げ、頭の後ろで組む
3.組んだ手に押し付けるように、頭を後ろに倒す
4.首を反らさず、ゆっくりとした呼吸を3回分し、姿勢をキープする

血行促進には、ホットタオルやホットパックで温めるのもおすすめです。

ストレッチする

首のコリや痛みを和らげるには、ストレッチが有効です。ストレッチで筋肉の柔軟性を高めると首にかかる負担が減り、ボキボキ音を鳴らす必要がなくなります。

首がすっきりして気分もリフレッシュできるため、デスクワーク中の休憩時間に次の手順で取り組んでください。

首まわりのストレッチ

首の後ろの筋肉をほぐすストレッチです。

1.背筋を伸ばして椅子に座り、左手は下ろして座面をつかむ
2.右手を上げて左耳の後ろに当て、ゆっくりと頭を右斜め前に押して10秒キープする
3.ゆっくり戻り、手を入れ替えて反対側も同様にストレッチする
4.2~3を3回程度繰り返す

背骨のストレッチ

うつむき姿勢で凝り固まった、胸の筋肉を伸ばすストレッチです。歪んだ背骨のS字カーブを回復させる効果が期待できます。

1.両足を肩幅程度に開いてまっすぐ立つ
2.両手を背中にまわし、お尻のあたりで手の甲を外側に向けて組む
3.胸を張って肘を伸ばし、両腕をゆっくり持ち上げる
4.上げられる位置まで伸ばし、呼吸をしながら10~15秒キープする
5.力を抜いてゆっくり戻り、3~4を3回程度繰り返す

肩甲骨のストレッチ

首・背中・胸の筋肉を引き伸ばし、首にかかる負担を減らすストレッチです。

1.頭の上に両手を上げ、「O」の形を作る
2.胸を張り、両肘を後ろに引いて肩甲骨を寄せる
3.Oの形を維持しながらゆっくり肩甲骨を下げ、10~15秒キープする
4.力を抜いて手を放し、ゆっくり戻る
5.1~4を3回程度繰り返す

専門家に相談する

音を鳴らすのが習慣になっている場合は、医師や理学療法士に助言を求めましょう。骨格や筋肉を熟知したプロに異常や首のコリの原因を特定してもらえば、より早く問題の解決が目指せます。

首をボキボキ鳴らすクセを改善するには時間がかかるため、医師や理学療法士からの指導には根気良く取り組みましょう。

まとめ

首がボキボキ鳴るのは、脊椎骨の関節まわりで生じる音です。首を動かしたときに鳴る程度なら骨や筋肉の異常ではなく、大きな問題はないとされています。しかし、首を鳴らしたからといってコリが解消されるわけではありません。疲れたときは無理やり首を鳴らすのではなく、マッサージやストレッチなどの別の方法でリフレッシュさせましょう。