側弯症を放置すると良くない?整形外科と整体はどちらを選ぶべき?

背骨が曲がっていることが気になっていて、すでに側弯症といわれていることを知っている方もいらっしゃるでしょう。そもそも、なぜ側弯症になってしまうのでしょうか。今回は、側弯症になる原因や放置することによるリスク、側弯症は整形外科と整体のどちらを選択するべきかについて解説します。


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側弯症とは

背骨は、首の部分にある7つの頚椎、胸部分の12の胸椎、腰部分の5つの腰椎、腰から下にある仙椎1つと尾椎1つの26の骨で構成されています。背骨の正常な状態とは、正面から見たときにまっすぐ、横から見たときにS字カーブを描いている状態です。

側弯症とは、背骨が左右に弯曲することをいいます。背中を正面から見たときに、右または左に曲がっている状態です。背骨がねじれた状態も側弯症といいます。側弯症は、左右への傾き加減によって診断されるもので、10度以上の傾きがあるものをいいます。

側弯症の原因

なぜ側弯症になるのか、一般的な原因を解説します。

原因がわからないもの

側弯症において、原因がわからないものを特発性側弯症と呼びます。側弯症のなかでも発生頻度が高く、全体の60~70%を占めているといわれています。

子どもの頃に発症する傾向にあり、男子よりも女子に多く見られるが特徴です。これは、骨の成長にともない、背骨の弯曲が進むのが主な理由です。ただし、骨の成長が終わると、急激に弯曲することは少ないとされています。

特発性側弯症は、年齢によって名称が異なり、乳幼児期側弯症、学童期側弯症、思春期側弯症に分けられます。乳幼児期側弯症は3歳以下で発症する側弯症、学童期側弯症は4歳から9歳までに発症する側弯症、思春期側弯症は10歳以降に発症する側弯症です。

先天性のもの

側弯症のうち、生まれながらに骨が曲がっていることを先天性側弯症といいます。

先天性側弯症の原因は明らかになっていません。一部については、化学物質が原因であると指摘されています。また、遺伝子解析の技術が進歩したことにより、先天性側弯症に関連する遺伝子が発見され、遺伝子的な要因も指摘されるようになりました。

先天性側弯症の特徴は、心臓や腎臓などの臓器に影響があらわれるリスクがあることです。弯曲が進行しない場合は症状として現れない可能性もありますが、進行すると外科的手術などが必要になるケースもあります。

病気によるもの

側弯症は、病気を原因として発症することもあります。

例えば、筋肉や神経系の病気です。脳性麻痺や筋ジストロフィーなどが原因となり発症する可能性があります。神経線維腫症(レックリングハウゼン病)も原因のひとつです。マルファン症候群などの血管や結合組織の病気が原因で発症するケースもあります。

そのほかの原因

側弯症は、背骨自体の機能的なものが原因で起こることもあります。習慣づいている姿勢の悪さや骨盤の歪みなどによるものを、機能性側弯症といいます。

機能性以外にも原因はさまざまです。やけどや放射線治療、脊椎の腫瘍などを原因として側弯症を発症するケースもあります。

側弯症を放置することによるリスク

背骨の軽度な傾きだけでは側弯症とは診断されません。一定以上の傾きがあるときに、側弯症の診断がされます。側弯症とわかったときに気になるのが、そのまま様子をみるかどうかです。

発症した年齢によってはほとんど進行しないケースもあります。また、軽度な場合は症状として現れないこともあります。それでは、側弯症を自己判断で放置した場合、どのような問題が生じる可能性があるのでしょうか。側弯症を放置するリスクを5つ解説します。

見た目に変化が生じる

側弯症は、背骨に曲がりが進行しても、特に症状として現れないことがあります。しかし、症状がなくても、見た目には変化として現れやすいのが特徴です。

例えば、骨が左右に歪むことで、肩の高さに差が生じる、ウエストの高さが非対称になるなどの症状がみられます。胸部や肩甲骨などが非対称になったり、肋骨がでっぱったりすることもあり、好きな服装を自由に着るのが心理的に難しくなる可能性もあるでしょう。

痛みを感じる

側弯症は、背骨のゆがみが生じている状態ですが、軽度であれば痛みは生じにくい傾向にあります。不快感を覚えることはあっても、周辺の組織への影響は限定的です。

しかし、弯曲が進んで重症化すると、痛みを生じる可能性があります。背骨が変形することで、内臓の機能などに影響することが原因です。

痛みが常に生じていない場合でも、長時間同じ姿勢でいるときに痛みを感じたり、周辺組織のコリを感じたりすることがあります。

ストレスの原因になる

側弯症は、症状が進行するにつれて見た目にも変化を生じさせます。側弯症により姿勢が悪くなることで、外に出ることが負担になるなど、心的ストレスを生じさせることがあります。

神経系に影響する

側弯症が進行すると、背骨の変形により神経系を圧迫することがあります。

神経系への影響でよくみられるのは、腰痛や背中の痛み、お尻の痛み、足の痛みなどです。しびれとして、症状に現れることもあります。

圧迫されている部分によっては、痛み以上の症状が生じる可能性もあります。例えば、長時間立っていることができなかったり、歩き続けることで力が入らなくなったりするような症状です。

状態が良くない場合は、側弯症だけでなく、後弯症などの背中が後傾する状態が同時に起きる可能性もあります。

息切れしやすくなる

側弯症は、進行すると呼吸器系にも影響を与えることがあります。心臓や肺の周辺にある胸郭が変形することが原因です。

症状としては、息切れ、肺活量の低下、呼吸の増加などがあります。症状が悪化すると、夜間の無呼吸発作や呼吸障害として現れるだけでなく、肺炎も引き起こすため注意が必要です。側弯症がそこまで進んでいない場合でも、風邪を引きやすいなどの変化がみられます。

側弯症の悪化を防ぐための方法

側弯症の悪化を防ぐには、日頃の姿勢を見直すことが大切です。

特に座り姿勢に関しては注意が必要です。正しい姿勢をキープできている場合、頭が背骨の上にしっかり乗っている状態であるため、身体のバランスがとりやすくなります。

しかし、座っている時間が長いと背中が丸くなり、左右の重心に偏りが出てしまうため、側弯症の悪化につながるおそれがあります。デスクワークなどで座り姿勢が多い方は、30分に1回は休憩をはさむようにしましょう。

また、座る際は骨盤を立てるよう意識することで、左右のバランスがとりやすくなり、正しい姿勢をキープできます。

側弯症は整形外科と整体どっち?

側弯症は、自己判断で放置するとさまざまなリスクがあります。側弯症の疑いがある場合、整形外科を受診するか、整体に通うか迷う部分もあるのではないでしょうか。

側弯症については、整形外科を受診しましょう。治療方法は、側弯症の程度や年齢などによって判断されます。

軽度の場合は、すぐには治療せず、経過観察を行うことになります。中等度または重度の場合は、装具着用によって側弯症の進行を防ぐことが可能です。装具で矯正できない場合は、背骨の成長に合わせて骨の間に骨に似た材質を入れる手術が行われることもあります。

まとめ

側弯症とは、背骨が一定の角度以上、左右に曲がった状態のことをいいます。軽度の側弯症であれば、基本的に目立った症状は現れません。

しかし、背骨のゆがみが進行することで、さまざまな症状が生じることがあります。代表的な症状が見た目の変化です。肩の位置が異なったり、胸の位置が異なったりして、姿勢が悪く見えることがあります。また、症状が悪化することで、周辺の組織に悪影響を及ぼす可能性もあります。

側弯症の症状が気になる場合は、整体ではなく、医療機関の受診がおすすめです。装具や外科的な治療により改善できる可能性があります。