ぎっくり腰にはっきりした予兆はない
結論から述べると、ぎっくり腰にはっきりした予兆はないとされています。ここでは、そもそもぎっくり腰とはどのような状態なのか、はっきりとした予兆はなくてもなりかけの状態はわかるのか、解説します。
ぎっくり腰とはどういう状態なのか
ぎっくり腰とは、突発的に発生した腰痛のことです。一般的に使われる名称であって、正式な病名ではありません。
腰痛は、特異的腰痛と非特異的腰痛に分類できます。特異的腰痛とは、原因が特定できる腰痛のことです。特異的腰痛には、基本的に腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの病名があります。
非特異的腰痛とは、原因を明確にできない腰痛のことです。画像所見で異常が見られない場合や、異常があっても原因として確定できない場合が該当します。
ぎっくり腰は、非特異的腰痛に含まれる症状です。背骨を支える椎間板や腰回りの筋肉組織などのケガではあるものの、厳密に原因を特定できないため、腰のねんざのような扱いになります。
ぎっくり腰になりかけの状態とは
ぎっくり腰は急性的な症状です。そのため、ぎっくり腰とわかるような明確な予兆はないとされています。ただし、下記のような症状が見られる場合は、ぎっくり腰の予兆の可能性もあります。
・腰に違和感がある(普段と異なる感覚がある)
・咳が腰に響く
・特定の動作で腰が痛む
また、予兆のようなものがある場合もない場合も、ある動作がぎっくり腰の引き金になることがあります。ぎっくり腰を起こす可能性が高いのは、下記の動作です。
・重いものを持ち上げる
・咳やくしゃみが激しい
・長時間同じ姿勢でいる(立ちっぱなし、座りっぱなし)
など
腰に何らかの違和感を覚えるときは、ぎっくり腰を起こしそうな動作はできるだけ控えましょう。
ぎっくり腰になりやすい方の特徴
ぎっくり腰になりやすい方には、いくつかの特徴があります。
まず、日常的に運動の習慣がない方です。自動車移動がメインで歩く習慣がない方、運動の習慣がない方、座った姿勢で過ごすことが多い方など、日頃から運動不足気味の方は、腰に急な負荷がかかることでぎっくり腰になりやすい傾向があります。
身体を動かしていても、日常的に腰に負担がかかりやすい状況にあるという方も注意しましょう。
重いものを持つことが多い方、運動量が多い方、激しい運動をしている方、仕事で腰に負荷がかかる作業をする方、立ちっぱなしの姿勢が多い方は腰を痛めるリスクがあります。腰への継続的な負担が疲労として蓄積し、ぎっくり腰になることもあるためです。
生活習慣もぎっくり腰に関係しています。例えば、ストレス過多は筋肉の緊張や血流の悪化につながり、ぎっくり腰を誘発する可能性があります。また、睡眠不足は身体的な不調の原因になり、腰回りの筋肉組織の柔軟性の低下などを招くリスクがあります。
ほかにも、腰周辺の内臓組織などに関連した病気が引き金になり、ぎっくり腰を発症することもあります。
ぎっくり腰の対処法
ぎっくり腰を発症すると、動くたびに腰に衝撃が走るなどして、つらいと感じることもあるでしょう。ぎっくり腰になったときは、どのように対処すると良いのでしょうか。自分でもできる対処法を3つ取り上げます。
無理に動かない
ぎっくり腰になったら、無理に身体を動かさないようにします。腰への負担がかからない範囲で行動するようにしましょう。特に、動きすぎなど、腰への負担が原因でぎっくり腰を発症したと推測される場合は、無理をしないことが重要です。
なお、原因を特定できる場合や痛みが強い場合を除いて、長期の安静は必要ないとされています。長期的にからだを動かさないようにしていると、かえって経過を悪くする可能性もあるためです。
腰の痛みがある程度和らいできたら、無理のない範囲で、仕事などの日常生活を取り戻していきましょう。
湿布を利用する
腰の痛みが強い場合は、湿布も利用できます。
ぎっくり腰の痛みの緩和には、消炎鎮痛剤が含まれている湿布を使用するのが一般的です。具体的な成分として、ロキソプロフェンナトリウム水和物やフェルビナク、ジクロフェナクなどがあげられます。ぎっくり腰の炎症を抑える効果が期待できる成分です。
市販薬以外にも、医療機関で鎮痛剤を処方してもらったり、ブロック注射を打ってもらったりする方法もあります。
いずれも痛みの軽減が期待できますが、治癒が目的でないことに注意しましょう。痛みをあまり感じなくなったからといって無理に身体を動かすことで、余計に状態を悪化させる可能性もあります。
コルセットを装着する
腰の痛みが強い場合は、コルセットを装着する方法もあります。
コルセットは、腰回りの筋肉を補助する器具です。腰を固定することにより、安静を保ちやすくなります。コルセットは、医師が治療に必要と判断して処方する場合は、健康保険の適用がある医療器具です。
ぎっくり腰の予防のためにできること
ぎっくり腰になる要因として、動作要因、環境要因、個人的要因、心理・社会的要因があるとされています。
動作要因は、姿勢や動きによるものです。環境要因は、職場での特定の作業や温度などの環境によるものをいいます。個人的要因は、加齢や勤務形態などによるものです。心理・社会的要因とは、人間関係やストレスによるものをいいます。
上記の要因の中には、簡単に見直すことができないものもあるでしょう。仕事以外の自分で見直せる部分に注目して、3つの予防法を紹介します。
日常の急な動きに注意する
まず、ぎっくり腰の引き金になるような急な動きを控えることです。例えば、下記のような動作が急な動きとしてあげられます。
・起床時に急に身体を起こす
・腰から曲げるようにしゃがむ
・イスに浅く腰掛ける
・咳やくしゃみをする
など
急な動きを控えることで、動作要因によるぎっくり腰を予防できます。
ぎっくり腰を予防する起床時の起き上がり方については、下記の記事を参照ください。
「ぎっくり腰でも小さな痛みで起き上がる方法とは?腰痛対策も解説」
ストレッチをする
筋肉の柔軟性が落ちると、ぎっくり腰になることがあります。日常的にストレッチを取り入れ、腰回りの柔軟性を保つようにしましょう。
簡単な動作で腰痛のズレを防止してぎっくり腰を防ぐストレッチは、下記の手順で行います。
1.肩幅よりも広めに足を開いて立つ
2.両手を腰に当てる
3.息を吐きながら3秒間骨盤を前に押し込む
4.3を1~2回行う
両肘はできるだけ近づけて、胸を開くように骨盤を押し込むのがポイントです。かかとは浮かさずに、ひざは曲げないように意識して腰を伸ばします。
筋力をつける
日頃から運動が不足している場合は、筋力をつけるようにします。背筋と腹筋を鍛えて、ぎっくり腰を予防しましょう。簡単に取り組める背筋のトレーニングと腹筋のトレーニングをそれぞれ紹介します。
背筋のトレーニング
簡単にできる背筋のトレーニングを紹介します。背筋を鍛えることで、姿勢を良くして腰への負担を軽減させます。手順は下記の通りです。
1.椅子に腰掛ける
2.胸の前で両手を合わせる
3.胸を開いて肘を身体の外側に回転させ、背中を反らすようにする
4.背中をしっかり伸ばした状態で10数える
5.2~4を3回繰り返す
腹筋のトレーニング
簡単にできる腹筋のトレーニングを紹介します。腹部の筋力を強化することで、腰痛を予防します。手順は下記の通りです。
1.仰向けに寝る
2.ひざを立てる(45度程度)
3.ひざに向かって手を伸ばす
4.手をすべらせるように頭を持ち上げる
5.3~4を10回、2セット行う
トレーニングでは、頭を大きく上げる必要はありません。肩甲骨を持ち上げることを意識して繰り返します。
まとめ
ぎっくり腰にはっきりとした予兆はありません。腰に違和感を覚えたら、ぎっくり腰を誘発するような動きを避けるようにしましょう。なお、ぎっくり腰にならないためには、日頃からストレッチや筋力トレーニングを行うなど、予防策をとっておくことも大切です。