スマホ指とは?
スマホ指とは、スマートフォンの長時間使用によって指や手首に負担がかかり、痛みが生じる状態のことです。スマホ指になると、手首や指の痛みや脱力感、けいれん、腫れなどの症状が見られることがあります。また、指に負荷がかかり過ぎると、指の形に影響を与える可能性も指摘されています。
軽度の場合は、数週間で症状が落ち着くことが一般的です。しかし、違和感が長引く場合や強い痛みがある場合は、早めに専門家に相談することが推奨されます。
スマホ指の症状が気になる場合は、持ち方を変える、使用時間を減らすなどの対処を行いましょう。
スマホ指の原因
ここでは、スマホ指の主な原因を2つ紹介します。
手首や指に負担がかかる持ち方
誤った持ち方でスマートフォンを使用すると手首や指に負担がかかり「指が痛くて画面をスクロールできない」「手首を動かしにくい」などの症状が現れることがあります。
ここでは、スマホ指を引き起こしやすい持ち方についてみていきましょう。
片手で持ち、片手で操作
片手でスマートフォンを持ち、小指で支えながら同じ手の親指で操作している場合は要注意です。この持ち方をするとスマートフォンの重さが小指に集中し、痛みやしびれ、変形を引き起こしかねません。また、片手の親指を使いすぎると腱が突っ張り、親指から手首にかけて痛みが生じる腱鞘炎(けんしょうえん)を発症することもあります。
両手で持ち、手首をねじって操作
両手でしっかりスマートフォンを支えて両手の親指で操作すれば、スマートフォンの重さが分散され、指や手首への負担が軽減されるでしょう。
ただし、手首を曲げた状態で親指を動かすと、両手で持っていても親指や手首に過度な負担がかかり、痛みが出ることがあります。
スマートフォンの長時間使用
使用時間が長いと指や手首に大きな負担がかかり、スマホ指を発症することがあります。株式会社インスレーヴが2024年に行った調査によると、スマートフォンの平均利用時間は平日3.66時間、休日4.36時間です(対象者:20~60代のスマートフォン利用者200名)。
両手でしっかりスマートフォンを持っていても、長時間の使用によって指や手首への負荷が増加し、痛みや炎症を引き起こしてしまうのです。
出典:株式会社インスレーヴ「【平均4時間超え】スマホの利用時間や用途、スマホ依存度など利用状況に関するアンケート調査結果」
スマートフォンの使い過ぎによって起こりうる手首のトラブル
スマートフォンの長時間使用によって手首や指に負担がかかると、不調を引き起こすことがあります。
ここでは、スマートフォンの使い過ぎによって起こる可能性のある手首のトラブルを3つ紹介します。
腱鞘炎(ドケルバン病)
手首を動かしにくい、画面をスクロールすると痛みが出るなどの症状があれば、スマートフォンの使い過ぎが原因で「ドケルバン病」という腱鞘炎を起こしている可能性があります。ドケルバン病は、親指と手首をつないでいる2本の腱と、腱の通り道である腱鞘が炎症を起こし、手首に痛みが生じる病気です。
以前まで、腱鞘炎は手指を酷使する職業の方や、ホルモンバランスが変化する妊娠出産期、更年期の女性によくある疾患でしたが、最近ではスマートフォンの使い過ぎによって発症する方も多くみられます。
痛みを我慢しながら手指を酷使すると炎症が悪化し、腱が断裂したり動かせなくなったりするおそれがあるため、症状が続く場合は整形外科を受診しましょう。
ばね指(弾発指・屈筋腱腱鞘炎)
ばね指は、指の付け根の腱と腱鞘の間で起こる腱鞘炎の一種で、弾発指や屈筋腱腱鞘炎とも呼ばれます。腱鞘や腱が腫れることで、指を曲げ伸ばしする際に腱鞘が腱に引っ掛かり、手の指が曲がったまま伸びにくくなる状態です。「ばね指」と呼ばれるのは、曲がった指を無理に伸ばそうとすると、ばねのように跳ね返るからです。
スマートフォンやPCの長時間使用、スポーツ、楽器演奏などで手に過度な負担がかかると、ばね指のリスクが高まります。また、ドケルバン病と同じく、女性は妊娠前後や更年期にホルモンバランスが変化することで腱鞘が狭くなり、ばね指を発症しやすくなります。
ばね指を放置すると拘縮が進み治りにくくなってしまうため、できるだけ早めに整形外科を受診することが大切です。
変形性関節症
スマホ指が悪化すると、指の変形性関節症を引き起こす可能性もあります。変形性関節症とは、指の酷使によって関節が炎症を起こし、最終的に変形してしまう病気です。変形性関節症を発症すると指の関節に腫れや痛み、こわばり、嚢胞(のうほう:袋状のできもの)が生じることがあります。
指の変形性関節症の原因は、スマートフォンの長時間使用やスポーツでの指の酷使や加齢、事故による外傷などがあげられます。症状が悪化すると、もとに戻らない可能性もあるため、変形性関節症が疑われる場合は早めに整形外科を受診しましょう。
スマホ指を予防する方法
スマートフォンを一切使わずに生活するのは難しいかもしれませんが、持ち方や使用時間を見直すことで、スマホ指の予防が可能です。
ここでは、スマホ指にならないための予防法を3つ紹介しますので、ぜひ実践してみてください。
スマートフォンを正しく持つ
両手でスマートフォンを持ち、両方の指で操作すると重さが分散され、指や手首への負担が軽減します。ただし、映画鑑賞やゲームなど、スマートフォンを横向きで操作する際に手首の関節をひねると、痛みが生じやすくなります。横向きで操作する際は脇を締め、できるだけ手首と腕をまっすぐにするのがポイントです。
片手でスマートフォンを持つ場合は手のひら全体でしっかり支え、もう片方の指で操作しましょう。親指の付け根にある丸いふくらみ(母指球:ぼしきゅう)でスマートフォンを支えると、小指に負担がかかりません。
なお、スマートフォンが重いと感じる場合は机に置いて使ったり、反対の手に持ち替えたりすることでも負荷を軽減できます。スマートフォンの背面にスマホリングをつけると、手の全体に重さが分散し、スマホ指の予防に役立ちます。
スマートフォンの長時間使用を避ける
スマートフォンの使用時間が長いとスマホ指を発症するリスクが高まるため、できるだけ使用時間を短くすることが大切です。1時間に1回は10分程度の休憩を挟み、指や手首をリラックスさせましょう。
休憩中には、次項で紹介するストレッチを行うのもおすすめです。
手首・指のストレッチを行う
日頃から手首や指のストレッチを行い、筋肉の柔軟性を高めておくことが、スマホ指の予防につながります。ここでは、手首や親指まわりのストレッチを紹介します。
手首のストレッチ
1.左手の手首を反らせ、右手で左手の指4本をつかむ
2.この状態で左腕を伸ばし、気持ち良いと感じるところまで左手首を反らせる
3.右手首のストレッチも同様に行う
親指を伸ばすストレッチ
1.左肘を曲げ、右手で左手の親指を軽く握る(右手は左手の甲側から回してくる)
2.左手の親指を外側にひねりながら、気持ち良いと感じるところまで左腕を伸ばす
3.右手の親指も同様に行う
まとめ
SNSや動画視聴、ゲームなどに没頭してスマートフォンの使用時間が長くなると、指や手首への負担が大きくなり、スマホ指を発症することがあります。スマホ指が悪化すると指や手首の動きが制限されて日常生活に支障をきたす可能性があるため、日頃から指や手首をケアしておくことが大切です。
スマートフォンの持ち方や使用時間を見直すとともに、今回紹介したストレッチも取り入れ、スマホ指の予防に努めましょう。