ストレートネックの改善が期待できるストレッチ・筋トレを紹介

長時間のPC作業やスマートフォンの使用などにより、ストレートネックに悩む方が増えています。特に、デスクワーク中心の生活をしている方の中には、慢性的な首こりや肩こりに悩む方も多いのではないでしょうか。 ストレートネックは、仕事のパフォーマンスを低下させる要因にもなりかねないため、早めの対処が大切です。今回は、ストレートネックの改善が期待できる、簡単なストレッチや筋トレを紹介します。


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ストレートネックの原因

本来、頚椎(首の骨)は前方に緩やかなカーブを描いていますが、何らかの原因でこのカーブが真っ直ぐになってしまうことがあります。この状態がストレートネックです。

ストレートネックになると、首や頭が身体の軸よりも前に突き出る姿勢になりやすいといわれています。まずは、ストレートネックの原因を詳しくみていきましょう。

長時間のパソコン・スマホ使用

PCやスマートフォンを長時間使うことで、ストレートネックのリスクが高まる可能性があります。ストレートネックは、スマートフォンの操作と関連性が高く、「スマホ首」と呼ばれることもあります。

また、画面に集中しながら作業や操作をすると、無意識のうちに首が前傾してしまう方も少なくありません。作業や操作に没頭しているときなどは、首が前に出た姿勢のまま長時間過ごすこともあるでしょう。

そのため、普段からPCやスマートフォンを長時間使う方は、ストレートネックのリスクに注意が必要です。

猫背姿勢

姿勢が崩れて背中が丸まりがちになると、自然と首が前に突き出るような状態になります。これが習慣化すると、ストレートネックを助長してしまうのです。

さらに、猫背の根本的な原因としては、スマートフォンなどの画面を見る際の前かがみの姿勢や背筋が弱くなることがあげられます。これらは猫背を悪化させる要因につながるため、意識的に背筋を伸ばすことが大切です。

日常生活の習慣やクセ

私たちが普段何気なく行っている動作の中にも、ストレートネックの原因があります。例えば、歩きながらスマートフォンを操作したり、考えごとをしながら下を向いていたりする習慣があると、首に負担がかかります。

また、睡眠時に枕の高さが合わず、首が不自然に曲がった状態で長時間過ごすことも、ストレートネックを招く原因となるのです。これらの些細な習慣やクセを長期間続けることで、首が前方に突出するストレートネックへと進行する可能性があります。

ストレートネックのセルフチェック法

ストレートネックになっているか、自分では気づかないことがあります。次の姿勢をとった際、つらいと感じるのであれば、身体のバランスが崩れている兆候かもしれません。注意深く、自分の姿勢を確認してみましょう。自分で試せるストレートネックのチェック法は、下記の通りです。

1.壁を背にして立ち、かかとを少し(5㎝ほど)壁から離す
2.膝を伸ばしたまま、骨盤を前に傾けて壁にお尻をつける
3.胸を開き、肩甲骨を中央に寄せるように意識して背中を壁につける
4.壁に寄りかからないように注意しながら、あごを引いて後頭部を壁にあてる

上記のチェック法を実施してストレートネックに気付いた場合、早めに対処することが大切です。頚椎の歪みをそのままにしていると、重症化する可能性もあるため注意しましょう。

筋トレをする前にやるべきストレッチ

ストレッチは、首まわりの筋肉の血流を促進し、関節の可動域を広げる効果が期待できます。ここでは、ストレートネックの改善が期待できるストレッチを紹介します。

首の前側にアプローチするストレッチ

首の前側から側面にかけての筋肉と、喉仏まわりの筋肉を心地良く伸ばすストレッチです。

1.正面を向き、胸とあごの間を広げるように意識しながら首の前側を伸ばして30秒キープする
2.右斜め上、左斜め上も同様に行い、首の前側を伸ばして30秒キープする

上記のストレッチは、1日3セットを目安に行いましょう。異なる方向からストレッチをすることで、バランス良く筋肉をほぐすことができます。

胸筋のストレッチ

長時間スマートフォンを使用すると巻き肩になりやすく、大胸筋や小胸筋などの胸の筋肉が硬くなる原因となります。日常生活に胸筋ストレッチを取り入れて、硬くなりがちな筋肉をほぐしていきましょう。

1.右側面を壁側に向け、壁と身体が直角になるように立つ
2.右腕(肘から指先まで)を壁につける
3.肘の位置を固定したまま、体幹をゆっくりと左方向へ捻り、胸の筋肉が伸びるのを感じる
4.3の状態のまま30秒キープする

肘から胸にかけてカーブを描くようにストレッチするのがポイントです。無理のない範囲で、3回程度を目安に行ってみてください。

広背筋を伸ばすストレッチ

広背筋が硬くなると巻き肩を引き起こし、猫背の原因となります。広背筋を伸ばし、猫背を予防しましょう。

1.両手を高く上げ、両肘を曲げて右手で左肘を頭の後ろでつかむ
2.1の状態で正面を向いたまま、上半身を右方向に傾ける
3.そのまま15~30秒キープする
4.反対側も同様に行う

斜角筋と僧帽筋のストレッチ

ストレートネックになると、首の横の筋肉と肩の上の筋肉が凝りやすくなり、肩甲骨まわりの筋肉がうまく働かなくなります。斜角筋と僧帽筋のストレッチを行うことで、硬くなった筋肉がほぐれやすくなります。

1.左手を上に上げ、そのまま右側頭部に軽く添える
2.手の重さだけを利用して、頭をゆっくりと左側に傾ける
3.呼吸を整えながら15~30秒キープする
4.ゆっくりと頭を左斜め前に倒し、15~30秒キープする
5.手を右手にもち替えて、同様の動作を行う

頭を傾ける際は、無理に力を加えないようにしましょう。

ストレートネックにおすすめの筋トレ

運動不足や加齢で筋肉が低下すると、ストレートネックを引き起こす要因となります。ここでは、簡単にできるおすすめの筋トレを紹介します。無理なく続けられる筋トレを、普段の生活にぜひ取り入れてみてください。

頚部深層屈筋群の筋トレ

ストレートネック改善に重要な、首の前面にある筋肉を刺激できる筋トレです。

1.床に仰向けになり、両手の指先を軽くあごの下にあてる
2.あごをゆっくりと喉元に引き寄せるようにして、指先から離す
3.あごを引く動作と元の位置に戻す動作を繰り返す

頭の下に丸めたタオルなどを置き、あごを引く動きに合わせてタオルを押すようにすると、正しい動きをサポートできます。また、あごが上を向いたり、首が左右に曲がったりしないように注意しましょう。

僧帽筋下部の筋トレ

肩の後ろにつく筋肉を効率良く刺激する筋トレです。僧帽筋が弱いと背筋が伸びにくく姿勢が悪くなりがちですが、鍛えることで猫背改善や姿勢維持につながります。

1.床にうつ伏せになり、片方の腕を肩の高さで前に伸ばす
2.伸ばした腕をできる限り高く上げる
3.上げた腕をゆっくりと元の位置に戻す
4.この動作を数回繰り返す

腕を上げる際、肘が曲がらないようにしましょう。

背筋の筋トレ

首を支えている肩甲骨まわりの筋肉を鍛える筋トレです。

1.床に仰向けになり、膝を曲げる
2.腕を頭の上でまっすぐ伸ばす
3.あごを引き、身体の横に引きつけるように肘を曲げて、肩甲骨を寄せる
4.3のまま3秒キープし、元の位置に戻す
5.1~4の動作を10回行う

肘を曲げる際は、なるべく床から離れないように意識しましょう。背中の筋肉を使いながら肩甲骨を動かすことがポイントです。

腹筋の筋トレ

腹筋を鍛えることで、姿勢をキープしやすくなり、ストレートネック改善に役立ちます。

1.床に仰向けになり、手のひらを下にして身体の側面に置く
2.膝を90度に曲げ、持ち上げる
3.2の状態からゆっくりと足を下ろし、かかとを床につける
4.2~3の動作を繰り返す

お腹に力を入れて、腰が反らないように注意しましょう。

まとめ

ストレートネックの原因には、PCやスマートフォンの長時間使用や猫背、生活習慣や首に負荷がかかる動作クセがあげられます。ストレートネックが気になる方は、セルフチェックで現在の状態を確認することをおすすめします。ストレートネックを改善したい方は、簡単なストレッチや筋トレを普段の生活に取り入れていきましょう。