ストレートネックは枕なしで寝ると良いって本当?おすすめの寝姿勢やストレッチを紹介

デスクワークやスマートフォンの長時間使用による首や肩の違和感から「ストレートネックかも」と不安を感じていませんか。実際に診断を受けた方の中には、「枕なしで寝ると楽になる」といった情報を見て試したものの、効果が感じられず悩んでいる方も多いようです。 今回は、ストレートネックと枕の関係や、正しい寝姿勢・おすすめのストレッチまでをわかりやすく解説します。


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「ストレートネックは枕なしで寝ると良い」って本当?

ストレートネックとは、本来ゆるやかなカーブを描いている首の骨(頚椎)がまっすぐになってしまう状態です。この特徴から、枕を使わなければ首の負担が減るのでは?と考える方もいます。

しかし、実際には、枕なしで寝るとあごが上がりすぎて首が反り、逆に頚椎に強い負担をかけてしまうのです。また、首や肩にも余計な緊張がかかるため、症状が悪化するおそれがあります。

このことから、ストレートネックの方が、枕なしで眠るのはおすすめできません。

ストレートネックにおすすめの枕の選び方

ストレートネックを少しでも楽にするには、首にかかる負担を減らせる枕選びが重要です。高さ・素材・サイズなど、いくつかのポイントを押さえることで、睡眠中の姿勢が安定し、首や肩のこりを軽減しやすくなります。

ここでは、ストレートネックによる違和感を和らげる枕の選び方を紹介します。

適切な高さの枕を選ぶ

ストレートネックの方にとって、枕の高さは、首や肩への負担を左右する重要なポイントです。高すぎる枕は頭が前に出た姿勢になりやすく、首まわりの筋肉が緊張して痛みやこりを悪化させる原因になります。

一方で、低すぎる枕は首が反りすぎてしまい、頚椎に過剰な圧力がかかります。適切な高さは、仰向けに寝たときに頭と身体が水平に近くなり、あごが5度程度下がるのが理想です。

自分に合った高さを見極めることで、首の自然なカーブを維持しやすくなります。

硬めの素材を選ぶ

枕の素材は、睡眠中の首の安定性に大きく関わります。羽毛や低反発ウレタンのような柔らかい素材は、頭が沈み込みすぎて高さを一定に保ちにくく、ストレートネックには不向きです。

ストレートネックの方には、高反発ウレタンフォームやパイプ素材など、硬めの枕をおすすめします。硬めの枕は、頭を乗せたときに沈み込みが少なく、寝返りをしても枕の高さが変わりにくいため、理想の姿勢を維持しやすくなります。

首への負担を減らすために、しっかりと頭を支えてくれる硬めの素材を選びましょう。

適切なサイズのものを選ぶ

ストレートネック対策には、枕のサイズにも気を配ることが大切です。小さい枕では、寝返りが制限され、首や肩に余計な負担がかかってしまいます。

寝返りは、血流を促し、同じ部位に圧がかかるのを防ぐために重要で、多い方では一晩に20~30回行うといわれています。

そのため、頭3つ分が入る程度の幅、少なくとも60cm以上の枕を選びましょう。体格がしっかりしている方であれば、70cm以上が理想的です。広さに余裕があれば、自然に寝返りしやすくなり、快適な睡眠につながります。

ストレートネックを改善する寝姿勢

ストレートネックの症状をやわらげるには、寝ているときの姿勢も大切です。ストレートネックの方には、仰向けの姿勢がおすすめです。仰向けの姿勢は、立っているときと同じように背骨が自然なS字カーブを描きやすく、頚椎への負担が少なくなるからです。

また、全身の筋肉を余計に緊張させずに済むため、血流を妨げにくく、深い眠りにつながりやすいという利点もあります。

快適に仰向けで眠れているか確認するには、首が不自然に曲がったり反ったりしていないか、肩や首に圧迫感や違和感がないか、呼吸がスムーズにできているかがポイントです。自分にとって無理のない、自然な姿勢でリラックスして眠れているかを意識してみましょう。

ストレートネックで避けるべき寝姿勢

ストレートネックの方が、特に避けたいのが横向き寝と、うつ伏せ寝です。

横向き寝は身体の片側に重心が偏るため、下になった肩に体重が集中し血行が悪くなります。その結果、肩こりや首こりを引き起こしやすくなるのです。また、横向きで寝ると肩が内側に入りやすく、猫背や巻き肩の原因にもつながります。

一方、うつ伏せ寝は首を左右どちらかにひねるか、無理に上を向くことになるため、首に不自然なねじれが生じます。どちらの姿勢も頚椎に負担をかけるため、ストレートネックの悪化につながりかねません。

寝る前におすすめ!ストレートネックを改善するストレッチ7選

ストレートネックの改善には、寝る前に首や背中まわりの緊張をゆるめておくことが大切です。軽いストレッチを取り入れることで、筋肉のこわばりをほぐし、睡眠中の姿勢も安定しやすくなります。ここでは、就寝前におすすめのストレッチを7つご紹介します。

ストレートネックにおすすめのストレッチや筋トレをもっと知りたい場合はこちらの記事をご覧ください。
ストレートネックの改善が期待できるストレッチ・筋トレを紹介

背骨を柔らかくするストレッチ

1. 床に手と膝をついて、四つん這いの姿勢になる。その際、手は肩の真下、膝は腰の真下にくるように調整する
2.肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せるようにして背中を反らせ、胸を前へ開くように動かす
3.次に、肩甲骨を広げるように背中を丸め、おへそをのぞき込むような姿勢をとる
4.背中を反らす→丸めるという流れを、呼吸を合わせながらゆっくりと繰り返す

動作中は肘が曲がらないよう注意し、首や肩に余計な力が入らないようリラックスした状態で行いましょう。

背中をほぐすストレッチ

1.両腕を頭の上まで持ち上げたら、片方の手で反対側の肘をつかむ。このとき、腕は頭の後ろにくるように意識する
2.そのままゆっくりと身体を横に倒して、脇の下から背中にかけて伸びを感じる
3.背中の筋肉がじんわりと伸びているのを感じながら、15~30秒ほどその姿勢をキープする
4.終わったら、反対側も同じように行う

無理に倒そうとせず、呼吸を止めないで自然なペースで行うのがポイントです。

首の位置を整えるストレッチ

1.床に手と膝をついて四つん這いの姿勢になる。背中が反ったり丸まったりしないよう、背筋はまっすぐキープする
2.あごを軽く引きながら、後頭部をゆっくりと真後ろに押し出すように動かす。うなずくようなイメージで首を動かすのがポイント
3.この前後の動きを繰り返しながら、首の位置を整えていく

首の前側にある筋肉をしっかり使うことで、頭の位置が正しいラインに戻りやすくなります。背中が丸くならないように注意し、肩に力が入らないようリラックスして行いましょう。

首の筋肉を動かすストレッチ

1.背筋をまっすぐにして座る、あるいは立ち、視線は正面に向ける
2.頭をゆっくり右へ傾ける。その際、首の左側がじんわりと伸びる感覚を意識する
3.ゆっくりと元の位置に戻したら反対側も同様に行う

首の側面にある筋肉をゆるやかに動かすことで、首全体の可動域が広がりやすくなります。また、頭の重さを利用して自然に倒すことがポイントです。呼吸を意識しながら、ゆっくり行いましょう。

頭の位置を整えるストレッチ

1.壁に背を向けて座り、あぐらをかいた状態で後頭部・肩・お尻を壁にぴったりつける
2.両手で棒(またはタオルなどでも代用可)を持ち、ゆっくりと頭の上まで持ち上げる
3.肩甲骨を寄せるように意識しながら、棒を頭の高さあたりまで下ろす。このとき、胸が開き、背中の筋肉が使われている感覚を意識する
4.そのまま数秒キープし、ゆっくりと棒を頭上へ戻す

このストレッチでは、胸の上部をしっかり動かして頭の位置を整えていきます。後頭部・肩・お尻を壁につけたまま行うことで、首の自然なカーブを意識しやすくなります。また、動作中は、背中が壁から離れないように注意し、反動を使わずにゆっくり行うことが大切です。

首と頭の付け根をほぐすストレッチ

1.フェイスタオルの両端を持ち、中央部分が鼻の真裏にくるように後頭部へあてる
2.両手でタオルを斜め上へ引っ張りながら、頭をほんの少しだけ前に傾けるように動かす
3.首全体を動かすのではなく、あくまで鼻先だけが軽くうなずくイメージで、頭蓋骨を動かすような感覚で行う

首の一番上にある骨と頭蓋骨のつなぎ目付近は、日常的な姿勢のクセによって詰まりやすい部分です。このストレッチでは、その境目をやさしくゆるめていきます。

首に力を入れすぎず、心地良く感じる範囲で止めてください。タオルを引き上げる方向を意識すると、付け根の奥がじんわりゆるんできます。

胸と肩を伸ばすストレッチ

1.足を腰幅に開いて立ち、背中側で両手を組む
2.胸を大きく開くようにしながら、組んだ手の肘を伸ばして下へ引く
3.肩がすくまないように意識しながら、組んだ両手を少しずつ上へ持ち上げる
4.胸の前側がしっかり伸びている感覚があれば、15〜30秒キープしてゆっくり元の姿勢に戻す

姿勢の乱れや巻き肩の原因となりやすい胸まわりや肩の前側をしっかり伸ばすストレッチです。呼吸を止めず、肩甲骨を寄せる意識を持つことで、より効果的に胸と肩をストレッチできます。

まとめ

ストレートネックを改善するには、枕や寝姿勢の見直しが欠かせません。特に、自分に合った枕選びや仰向けで眠ること、就寝前のストレッチが重要です。しかし、枕なしで寝るのは逆効果になる可能性があるため注意しましょう。