ぎっくり腰とは
ぎっくり腰とは、一般的に、急に発生した強い腰の痛みをいいます。急性的な腰の症状全般を表す言葉で、正式な病名ではありません。
ぎっくり腰は、背骨の間にある椎間板に負荷がかかってケガをしたり、腰まわりの筋肉や筋を損傷したりすることで起こります。腰痛の特徴としては、若年者は急性的な症状が多い一方で、老年者は慢性的な症状が多い傾向にあります。
ぎっくり腰は、捻挫のような状態であれば、数週間で回復するのが通常です。自然回復が見込めない場合は、椎間板ヘルニアなどの病名が付く症状のケースもあります。病気の可能性がある場合は、整形外科で正しい診断を受けることをおすすめします。
ぎっくり腰は整骨院・整体院で保険適用される?
ぎっくり腰の症状を緩和するために、整骨院や整体院を検討することもあるでしょう。整骨院や整体院において、ぎっくり腰の保険適用があるかどうかは負傷の原因によります。
保険適用のぎっくり腰
基本的に、ぎっくり腰は急性的な症状として表れます。急なぎっくり腰はケガとして扱われることから、整骨院や整体院でも健康保険の適用があります。
保険適用外のぎっくり腰
急性的なぎっくり腰であっても、原因によっては健康保険の対象になりません。
例えば、仕事中のケガなどが原因でぎっくり腰になった場合です。仕事中のケガや病気は労災保険の適用対象となるため、健康保険は適用されません。労災保険の対象となるときは、職場に相談して、労災保険の手続きを行うことになります。
事故や傷害を原因としたぎっくり腰も健康保険は適用されません。ケガの治療や施術に関わる費用は、加害者に支払い義務が生じるためです。健康保険は適用されず、加入している自動車保険などの保険会社に相談して、加害者に請求することになります。
治療場所や治療用具の健康保険の適用について
ぎっくり腰の治療場所や治療費・医薬品以外の保険の適用について解説します。
整形外科と整骨院での扱いの違い
ぎっくり腰の症状を緩和させる方法として、整形外科の受診または整骨院の利用が考えられるでしょう。しかし、整形外科と整骨院には、さまざまな違いがあります。
整形外科は、医師が診察や治療を行う場所です。レントゲンなどによる画像診断や機械を使用した物理的な治療、医薬品の処方などが行われます。
整骨院は、医師による医療行為が行われない場所です。整形外科での治療とは異なり、柔道整復師などによる施術が行われます。ケガの整復や固定などが主な施術内容です。
職場でのケガや事故以外の急性的なぎっくり腰は、整形外科、整骨院のいずれでも健康保険の適用対象です。
一方、慢性的な腰の症状については、整形外科と整骨院で扱いが異なります。整形外科では治療が行われることから、慢性的な症状も含めて保険の適用があります。しかし、整骨院では治療は行われないため、慢性的な腰痛に対して保険の適用はありません。
コルセットにも健康保険の適用はある?
ぎっくり腰のサポートのために、コルセットを着用することもあるでしょう。整形外科の受診で、医師が治療に必要と装着を指示した場合には、治療用装具は保険の適用対象になります。
治療用装具とは、疾病や負傷の治療上、医師が患者に装着が必要と認めた装具のことです。ぎっくり腰の治療に使われるコルセットやサポーターは、治療用装具に含まれます。
治療用装具については、全額が保険の対象になるのではなく、治療用装具支給基準額の範囲内での支給になることに注意しましょう。
また、医療費の支払いとは異なり、患者側に一時的な全額負担が生じます。補装具の製作事業者から受領した領収書を添えて治療用装具の療養費の申請の手続きを行い、確認後に療養費が現金で支給される仕組みです。
ぎっくり腰の民間の保険適用について
ここまで、ぎっくり腰と公的な健康保険の関係について解説してきました。それでは、医療保険や傷害保険などの民間保険についてはどのような扱いになるのでしょうか。民間保険の保険適用について簡単に解説します。
ぎっくり腰に医療保険の適用はある?
民間の医療保険は、病気やケガで入院した際などに、契約した保険金額を保障する保険です。ぎっくり腰の治療で医療保険の適用はあるのか、複数のケースについて解説します。
通院だけの治療について
医療保険では、通院のみの場合、基本的に保険金は支払われません。
なお、医療保険によっては、通院保障を付加できるものもあります。通院保障は、通院による負担をカバーするものであり、入院治療が前提です。入院後の通院治療を保障する内容であるため、入院を必要としないぎっくり腰の治療は、医療保険の保険金の支給対象にはなりません。
ぎっくり腰で手術を受けた場合について
ぎっくり腰の状態によっては、椎間板の修復を行うなど手術が行われるケースも考えられます。ぎっくり腰で手術を受けた場合は、基本的に医療保険の適用対象となり、保険金が支払われます。
ただし、契約している医療保険の内容によることにも注意しましょう。手術の有無にかかわらず特定の治療を受けた場合に保障される医療保険などでは、手術をしても保障の対象にならない場合もあります。
入院する場合は期間に注意する
ぎっくり腰を原因とした入院は、基本的に医療保険の対象になります。
ただし、入院期間によっては保障されないことにも注意しましょう。加入する医療保険によっては、入院日数が条件になっているケースもあるためです。入院をともなう治療については、加入する保険によって保障の有無が異なり、短期間の入院が対象とならない可能性もあります。
医療保険の加入にぎっくり腰は影響する?
医療保険とぎっくり腰の関係について、医療保険加入時にも留意する必要があるでしょう。医療保険に加入する際には、保険会社に対して健康状態の告知をしなければならないためです。ぎっくり腰の治療期間や後遺症の有無などによっては、医療保険の加入に影響する可能性があります。
※医療保険については、個別の契約で内容が異なる可能性があります。詳しくは契約書などで詳細を確認するか、保険会社に直接確認しましょう。
ぎっくり腰に傷害保険の適用はある?
傷害保険は、日常の偶然かつ急激な事故、またはケガを保障する保険です。ケガが原因で後遺障害が生じた場合に、契約している保険金が支払われます。障害入院保障や傷害手術保障のある保険では、ケガによる入院や手術も保険金の支給対象になります。
傷害保険がカバーしているのは、歩行中の転倒によるケガや予期しない物との衝突によるケガなどです。ぎっくり腰も腰のケガの一種ではありますが、基本的に傷害保険の対象にはなりません。医学的他覚所見(検査などで認められる異常所見)がないことなどが理由です。
ただし、事故により腰を骨折した場合などは、傷害保険の支給対象になることがあります。個別のケースに関しては、保険会社に直接確認されることをおすすめします。
まとめ
整骨院や整体院で施術を受ける場合でも、事故や傷害などを原因としないぎっくり腰であれば、基本的に健康保険の対象になります。ただし、急に生じたぎっくり腰であることが前提です。
整骨院や整体院では医療行為は行われないため、慢性的な腰の痛みについては保険の対象になりません。整形外科と扱いが異なることに注意しましょう。また、整形外科と整骨院では治療や施術の内容も異なります。腰の状態やニーズに応じて利用を検討しましょう。
民間の医療保険の適用については、入院や手術の有無、個別の契約で異なります。ぎっくり腰の治療で医療保険を利用したい場合は、契約内容などを確認しておくことをおすすめします。
ぎっくり腰の対処については、下記の記事も参考にしてみてください。
「ぎっくり腰になったときの対処法!注意事項と予防策も解説」