夏バテで頭痛になるのはなぜ?原因別の対処法と予防策を解説

夏は気温や湿度が高いため、不快感に加えて夏バテのリスクもあります。夏バテ気味の方の中には、「いつも頭痛がする」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 今回は、夏バテになるとなぜ頭痛がするのか、主な原因や対処法、普段からできる予防策を解説します。


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夏バテによる頭痛、その原因は?

夏バテによって頭痛が引き起こされる原因はさまざまです。ここでは、主な原因を4つ紹介します。

原因1|温度差と冷えすぎ

1つ目の原因は、屋内外の温度差や身体の冷えすぎです。屋内外の温度差が10℃以上になると、出入りするたびに身体に負担がかかります。急激な温度変化を受けた身体は自律神経の機能が低下し、体調を崩しやすくなります。

出入りによる温度差のほか、冷房の効いた室内に長時間いることにも注意が必要です。冷房で身体が冷えすぎると肩や首まわりの筋肉が収縮して、血流が悪くなります。自律神経の乱れによる影響も加わり、緊張型頭痛や片頭痛を引き起こすことがあります。

また、身体の内側からの冷えにも注意しましょう。冷たいものの摂りすぎは、内臓が冷えて頭痛につながるおそれがあります。

原因2|直射日光

直射日光は頭部に熱を持つ要因となり、頭痛につながります。

気温の影響のみならず、強い紫外線も浴びることが原因です。夏場の強い紫外線は肌を焼くうえ、自律神経や脳神経、網膜細胞を刺激して頭痛などの痛みにつながります。

原因3|脱水症状

身体の水分が不足すると血液もドロドロになり、流れが悪くなります。血液が担う重要な役割は、全身に栄養や酸素を運ぶことです。血流が悪くなると脳に十分な栄養や酸素が運ばれなくなり、頭痛の原因となります。

脱水症状の恐ろしい点は、炎天下以外の場所で過ごしていても起こりうることです。室内で過ごしていても、運動や作業で汗をかいた後に十分な水分補給をしなければ、脱水症状になるおそれがあります。

原因4|気候・気圧・湿度

気候、気圧、湿度といった気象の変化が身体に不調をもたらす現象は、近年「気象病」と呼ばれています。気象の変化に伴う頭痛も、気象病に見られる症状のひとつです。

急激な気圧の変化は自律神経の乱れを引き起こし、交感神経を活発化させるため、頭痛につながることがあります。

高い湿度は、発汗によって身体の熱を下げる機能を阻害します。湿度は70%を超えると、汗が蒸発しにくくなります。

汗の重要な役割は、蒸発するときの気化熱で身体の表面を冷やす、体温調節機能です。高い湿度で汗が蒸発しなければ体内に熱がこもり、サウナ状態となります。なんとか熱を逃がそうと脳の血管が拡張した結果、片頭痛となる場合があります。

夏バテによる頭痛の対処法

夏バテを軽視すると、前述のような理由で頭痛を引き起こすおそれがあります。頭痛と一口にいっても、原因が異なれば適切な対処方法もさまざまです。

ここでは、頭痛の原因別におすすめのセルフケア方法を解説します。症状がいつまでも続く場合は、自宅療養で済まさずに医療機関の受診を検討しましょう。

冷えすぎによる頭痛

身体を冷やしすぎて頭痛が起こっている場合は、まず室温を下げすぎない対策が必要です。冷房の設定温度は下げすぎず、除湿器やサーキュレーターを活用して快適性をアップさせましょう。

暑いからといって、身体を冷やし続けるのは適切とはいえません。体調を整えるためには、軽い運動をしたり、入浴時はしっかりと湯船につかったりするなど、身体を適度に温めて基礎代謝と平熱を上げることも大切です。

冷たいものの食べすぎや飲みすぎにも注意が必要です。内臓を冷やしすぎないように、常温や白湯での水分補給もおすすめです。

脱水症状からくる頭痛

身体が脱水症状に陥っている場合は、まず身体を冷やして水分補給しましょう。冷やすときは、首など太い血管のある場所を中心に対処します。

注意点は、水分補給の前に市販の頭痛薬(解熱鎮痛剤)を服用しないことです。脱水状態では血圧が下がっており、水分不足の状態で市販の解熱鎮痛剤を飲むと、必要以上に血圧を下げるおそれがあります。

どうしても解熱鎮痛剤を服用したい場合は、事前にしっかりと水分補給しましょう。

直射日光による頭痛

炎天下でのスポーツや作業など、やむを得ず直射日光の当たる場所で過ごすときは、こまめな水分補給を意識しましょう。

紫外線による影響を緩和するために、太陽の光をブロックできる日傘やサングラスなど対策グッズの活用もおすすめです。

暗い場所で休み、身体を冷やすことも大切です。冷却アイテムで頚動脈を中心に冷やすと効果的です。

市販の薬を使う

片頭痛が原因の場合、軽い症状なら市販の解熱鎮痛剤を使用する方法もあります。解熱鎮痛剤は、片頭痛の原因となる血管周辺の炎症を抑えてくれます。夏場になると頭痛に悩まされやすい方は、日頃から解熱鎮痛剤も携帯しておきましょう。

疲労やだるさが気になるときは、ビタミンB1、B6、B12を意識して摂取します。ビタミン剤を服用するほか、栄養補給用のドリンク剤も手軽でおすすめです。

夏バテの頭痛を防ぐには

夏バテで頭痛に悩まされることが多い方は、予防策を取り入れましょう。

ここでは、夏バテが原因の頭痛に対して、日頃からできる予防策を解説します。

冷房設定を適切にする

頭痛にもつながる身体の冷やしすぎは、冷房設定を改善するだけで予防できます。「暑いから」「早く汗を引かせたいから」と、冷房温度を低く設定しすぎていないでしょうか。冷房を低く設定しすぎると、前述のように身体を冷やして頭痛などの不調につながります。

暑すぎず冷えすぎない、適度な温度での設定が大切です。同じ空間に人がいて、設定温度を自由に調節できない場合は、服装で調整しましょう。

室温が低いときは上着を羽織るほか、長いパンツや靴下で足元を温めると冷えすぎを防げます。

渇く前に水分補給

水分不足は、自覚がないうちに起こっている場合があります。脱水症状になると頭痛・だるさなどの原因となるため、喉が渇く前にこまめな水分補給を心がけましょう。

水分補給するときの注意点は、水分だけを大量に摂取しないことです。塩分を補給できるドリンクやキャンディを活用して、汗で失われた塩分も一緒に摂りましょう。

カフェインやアルコールを含む飲み物は、水分補給としては不十分です。利尿作用や血管の収縮・拡張作用があるため、かえって水分不足を加速させるおそれがあります。

適量を楽しむ程度にして、脱水症状など不調に陥っているときは控えましょう。

適度に運動する

血液の流れは、水分不足のほかに長時間同じ姿勢で過ごすことで悪くなる場合もあります。血流が悪くなれば自律神経に負荷がかかり、さまざまな不調につながります。

1時間に1回程度は、少しでも身体を動かすように心がけましょう。適度な運動は発汗を促し、体温調節機能を働かせます。暑い夏を乗り切るためには、体温調節機能を鍛えることが大切です。

適度な運動で発汗する習慣をつくれば、温度差の激しい屋内外を出入りする機会が多い夏場でも、体温調節機能の乱れを防げます。

栄養バランスのとれた食生活を心がける

栄養バランスのとれた食生活は夏バテ予防に重要です。水分やミネラル、タンパク質、ビタミンをバランスの良く摂取しましょう。

胃腸の不調があるときは、無理に食事を多く摂る必要はありません。刺激の強いものを避けて、消化に良いものを食べられる量のみ摂ります。

ときには食事の量を減らして胃腸を休めることも、夏バテ予防には大切です。

まとめ

夏バテしているとき、頭痛に悩まされる経験のある方も多いのではないでしょうか。頭痛は直射日光や高い湿度など身体に熱がこもったことで起こる場合もあれば、冷やしすぎて自律神経が乱れたことが原因となるケースもあります。

頭痛を防ぐためには、夏場だからといって身体を冷やしすぎるのではなく、温めて基礎代謝や平熱を上げることも大切です。栄養バランスの良い食事や適度な水分補給も意識して、身体を労わりましょう。