サーフィンで腰痛になる原因は?予防法と対処法を解説

サーフィンの後で、腰が痛くなったり張ったりして気になっている方もいるのではないでしょうか。腰痛が改善しないとサーフィンが十分に楽しめないので、早めに対処しておきたいですよね。 今回は、サーフィンで腰痛になりやすいシチュエーションや予防法、腰痛になってしまったときの対処法を解説します。


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サーフィンで腰痛が起きやすいシチュエーション

サーフィンにはパドリング、波待ち、テイクオフという3つの動作がありますが、いずれも腰をひねる動作をともないます。

パドリングやテイクオフのときには腰を大きく反らし、波に乗った後で技を決めるときには左右両方に腰をひねることもあります。そのため、腰を中心に身体とサーフボードを動かすタイミングが多く、サーフィン中の姿勢によっては腰痛を起こしやすいのです。

ここでは、特に腰痛につながりやすい3つのシチュエーションについて解説します。

パドリング

パドリング中に腰を傷めやすい原因は、お尻に余計な力が入って腰を反らしすぎていることといえます。上半身を起こしすぎることで腰が過剰に反ってしまい、身体の軸が不安定になっている状態です。

重心が安定しないまま波に揺られている時間が続くので、結果的に腰に大きな負担がかかって腰痛につながるのです。

波待ち

腰が下に下がり、背中が丸まった状態で波待ちしている場合も、腰痛が起こりやすいといえます。

背中が丸まると、腰の筋肉も丸みに引っ張られて必要以上に伸びてしまいます。さらに上半身の重みが腰に加わって筋肉が固くなり、腰の痛みが出やすくなるのです。

一方で、波の上でバランスを取ろうと反り腰になってしまった場合も、腰の後ろ側の筋肉が固くなって腰痛が起こりやすくなります。

テイクオフ

テイクオフは、サーフボードの上にさっと立ち上がる動作のことです。脊柱を伸ばした状態から曲げるときの柔軟性が低いと、腰に過度な負荷がかかって腰痛を発症しやすいとされています。

特に冬場のサーフィンでは、気温と水温がともに低くて身体が冷え、腰の筋肉も硬くなりがちです。そのため、テイクオフ時に身体を一気に起こすと腰痛が起こりやすいのです。

サーフィンで腰痛を引き起こす原因

サーフィンの後に腰痛が起こると、痛みの原因はサーフィン中にあると考えがちですが、実は日ごろの生活習慣が関係していることもあります。

ここでは、腰痛が起こりやすくなる生活習慣を紹介します。

日常から腰に負担がかかっている

デスクワークの方などは、長時間座った状態でいることが多く、慢性的に腰への負担が増しているケースも良く見られます。こうした場合は運動不足で筋力が落ちているほか、体重も増加して身体の関節や筋肉に大きな負荷がかかっている可能性も否定できません。

普段の生活で腰に違和感があるのを放置したままサーフィンをすると、腰の筋肉がさらに固くなって痛みが出やすくなるので注意が必要です。

肩甲骨や股関節が硬い

肩甲骨や股関節が緊張して可動域が狭くなっている状態でサーフィンをすると、本来肩甲骨や股関節が行うはずの動作を腰が代わりに担うことになります。

結果として、腰に余計な負担がかかって腰痛に発展するのです。特にパドリングやテイクオフなど、関節を大きく動かす動作のほとんどが腰で行うことになるため、痛みが強くなるリスクも高まります。

サーフィンで腰痛にならないための予防法

サーフィン中は腰を大きくひねる動きが多く、腰痛を引き起こしやすいのが実情です。しかし、サーフィン中には正しい動作を意識したり、ストレッチしたりすることで腰痛をある程度回避できます。

ここでは、サーフィンによる腰痛を予防するためのセルフケアを紹介します。

正しい姿勢を心がける

サーフィンによる腰痛を予防するには、パドリング、波待ち、テイクオフのそれぞれで正しい姿勢を意識することが大切です。姿勢が崩れたままサーフィンを続けていると、腰に余計な負担がかかって腰痛が起こりやすくなります。

ここでは、各動作での正しい姿勢を解説します。

パドリング

パドリングをするときは、腰を反らしすぎないことが重要です。

腰を大きく反らした姿勢は、脊柱起立筋が緊張し続けている状態で、腰に過度な負担がかかって腰痛になりやすいといえます。上体を起こしすぎていないか確認しながら板を進めていきましょう。

波待ち

波待ちをするときは、背中を丸めずに腰を起こした姿勢で待機するのがおすすめです。

背中が丸まると腰の筋肉が必要以上に引っ張られてしまいます。そこに上半身の重みと波の揺れが加わるので、腰の筋肉が緊張して固くなって腰痛の原因になることもあるのです。

テイクオフ

テイクオフ時にサーフボードの上に立つ際は、安定感を得るために足を適切に開いて立つようにします。具体的には、前に出す足はボード中央辺りに、後ろに出す足はデッキパット上に乗せるイメージで立つのがコツです。

ただし、足の位置を気にしすぎると目線が下がり自然に猫背になってしまいます。足の置き方を確認しつつ、できるだけ前を向いたまま立ち上がれるようにしましょう。

ストレッチをする

サーフィン後に腰痛にならないためには、海に入る前に入念なストレッチをすることをおすすめします。ストレッチで筋肉を伸ばしておくことで、柔軟性が高まるので腰痛防止につながります。

具体的には、腸腰筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、梨状筋を伸ばしておきましょう。ここでは、それぞれの筋肉をほぐすためのストレッチを紹介します。

腸腰筋(ちょうようきん)のストレッチ

腸腰筋は股関節を曲げる筋肉です。腸腰筋を伸ばして柔軟性を高めておくと、波待ちなどで固まりがちな股関節の動きがスムーズになります。

1.床にうつ伏せになる
2.両手を肩幅程度に開いてつき、上体だけを起こす

ゆっくり深呼吸をしながら、無理のない程度で伸ばしましょう。

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のストレッチ

大腿四頭筋は、股関節を曲げる、膝関節を伸ばすといった働きがある筋肉です。海に入る前に伸ばしておくことで、足の関節の動きが良くなって腰の筋肉の負担を軽減できます。

1.床に左膝をつけ、右足は膝を曲げて前に出す
2.左足の甲を左手でつかみ、かかとを右、真ん中、左と方向を変えて動かす
3.ひとつの方向につき、30秒~1分程度かけて伸ばす

かかとを動かす方向を変えることで、太もものさまざまな部分をまんべんなく伸ばせます。下半身をしっかりほぐしておくと、大きな筋肉の柔軟性が高まって腰痛の予防につながるのでおすすめです。

ハムストリングスのストレッチ

ハムストリングスは太ももの裏側にある筋肉です。ハムストリングスを伸ばしてやわらかくしておくと、腰痛予防だけでなく、ボトムターンなどサーフィン中のテクニック向上にもつながります。

1.床に座って左足を前に伸ばし、右足は左膝の下に右足首が入るように曲げる
2.上体を前に倒し、つま先を両手でつかむ
3.つま先を内側や真ん中、外側に倒す
4.ひとつの方向につき、30秒~1分程度かけて伸ばす

膝を軽く曲げた状態で行うことで、ハムストリングスがしっかり伸びます。

梨状筋のストレッチ

梨状筋はお尻の奥にある筋肉で、股関節を外側に向けたり、身体を支える働きがある筋肉です。サーフィン中もよく使う筋肉なので、海に入る前にほぐしておきましょう。

1.椅子に座り、右くるぶしを左足の太ももに乗せる
2.上体を前に倒し、30秒~1分程度伸ばす

スキルに合ったサーフィンエリアを選ぶ

自分のサーフィンに関するスキルを理解し、無理のない範囲でサーフィンができるエリアを選んで行くことも重要です。

大きな波が来るエリアや人気の高いエリアに行きたくなる方も多いと思いますが、無理にやろうとするとより腰に負担かかって痛みが出やすくなります。自分の力量に合ったエリアにすれば、うまく波に乗れて腰への負荷を軽減できるのでおすすめです。

サーフィンで腰痛になったときの対処法

サーフィンをした後に腰痛が出てしまったら、痛みを悪化させないためにも適切なセルフケアを行いましょう。ここでは、腰痛の症状が出たときにやるべき対処法を解説します。

サーフィン後のセルフケア

海から上がった後に痛みがある場合は、ストレッチやアイシングのほか、軽い運動を取り入れるのもおすすめです。

ストレッチ

サーフィンで疲労がたまった筋肉は、ストレッチをしてほぐしておくのが基本です。

前述のストレッチを参考に、時間をかけてしっかりほぐしていきましょう。力を入れて伸ばすのではなく、気持ち良いと感じる程度の刺激で行うのがポイントです。

ただし、ストレッチをして痛みがさらに強くなったら、すぐにストレッチを中止してアイシングを行いましょう。

アイシング

腰の痛みが強い場合や、ストレッチをしただけでも痛みが増してしまう場合は、患部をアイシングして炎症や腫れを抑えます。

痛いと感じる部分に氷や氷のうを当てて冷やしましょう。冷やす時間は、1回あたり15~20分が目安です。

冷湿布を貼って安静にしたり、サポート力があるコルセットを使ったりして腰まわりを安定させるのも効果的です。

温浴

サーフィンをした後は、シャワーで済ませずあたたかいお風呂に入ります。温浴することで血行を促進させ、疲労の回復スピードを向上させるからです。筋肉もリラックスできるので、ゆっくりお風呂に入りましょう。

アイシングした後の温浴も効果的です。冷やした後に温浴することで、身体のポンプ作用がスムーズになって発痛物質などが排出されやすくなります。

適度な運動

サーフィン後に適度な運動を行い、筋肉が固くなるのを防ぐのもひとつの手段です。

軽いウォーキングやヨガなど、強度が低い運動を行います。激しい運動をすると疲労が増し、けがの原因になるので注意が必要です。

痛みが続く場合は整形外科を受診

サーフィン後に痛みが出た後、なかなか症状が治まらない場合は、早めに整形外科を受診しましょう。

単なる疲労で痛くなっているのではなく、筋膜性腰痛症や椎間板ヘルニアのような慢性疾患で痛んでいる可能性も否定できません。腰痛は放置せず、早めに専門家に相談して適切に対処することが大切です。

まとめ

サーフィンで腰痛になる原因は、サーフィン中の姿勢が悪かったり、普段から腰に負担がかかりやすい生活をしていることがあげられます。腰痛を予防するには、サーフィン中の姿勢を整えたり、ストレッチをして筋肉の柔軟性を高めておくことが大切です。

痛みが強い場合は、アイシングや温浴、軽い運動を行い適切にケアすることをおすすめします。今回解説した内容を参考に、サーフィンをより楽しんでみてください。

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