むくみに効く足ツボ5選!むくみのメカニズムや原因、ツボ押し以外の対策も解説

夕方になると靴がきつく感じたり、長時間のデスクワークや立ち仕事で足がパンパンになったりしていませんか。むくみは、多くの方が悩む身近なトラブルのひとつです。そのまま放置すると、疲れやすくなったり、見た目の印象にも影響を与えたりするでしょう。そこでおすすめなのが、手軽にできる「足ツボ押し」です。ツボを刺激することで血流を促し、むくみ改善につながります。 今回は、むくみに効く足ツボ5選とあわせて、原因やそのほかの対策についても詳しく解説します。


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むくみのメカニズムと原因

足のむくみは、体内の水分バランスが乱れることで起こります。特にふくらはぎや足首は、重力の影響で水分がたまりやすく、夕方になるとパンパンに感じることも少なくありません。まずは、むくみのメカニズムと主な原因について詳しく解説します。

むくみのメカニズム

むくみとは、細胞と細胞の間を満たしている「細胞間液」が過剰に溜まった状態を指します。通常、細胞間液は血液やリンパ液を通じて適切に循環していますが、そのバランスが崩れると体内に水分が滞り、むくみが生じます。

この水分バランスの乱れは、血管内の圧力変化やリンパの流れの低下などが影響しています。例えば、長時間同じ姿勢でいると、ふくらはぎの筋肉が十分に動かず、ポンプの役割を果たせなくなり、血液やリンパの流れが悪化するのです。

結果として、足に余分な水分が溜まり、むくみが発生します。こうした現象は、特に心臓から遠い足元で起こりやすいのが特徴です。

むくみの原因

むくみは、さまざまな要因によって引き起こされます。代表的な原因として、塩分の過剰摂取があげられます。これは、塩分(ナトリウム)を多くとると、体内の水分バランスが崩れ、水分が排出されにくくなるからです。

また、筋力の低下もむくみの原因のひとつです。特にふくらはぎの筋肉は、血液を心臓に戻すポンプの役割を果たしますが、運動不足などで筋力が低下すると、血液やリンパの流れが滞りやすくなります。

さらに、アルコールの摂取によって血管が拡張し、血管外に水分が漏れやすくなることも影響します。ホルモンバランスの変化は、特に女性に多く、月経前や妊娠中は体内の水分量が増えやすくなるでしょう。

そのほかにも、血流の低下や特定の病気(心臓や腎臓の疾患)が関係することもあり、慢性的なむくみには注意が必要です。

むくみに足ツボが効く理由

ツボとは、身体のさまざまな器官や内臓とつながっているとされる、末梢神経が集中したポイントです。ツボを刺激すると、その部位に関連する神経が活性化し、血流の促進や筋肉のコリの緩和、鎮痛などの効果が期待できます。

むくみに関連するツボを刺激することで、対応する部位の働きを改善し、体内の余分な水分を流すサポートをしてくれます。

なかでも足は心臓から遠い位置にあり、血流が滞りやすい部位です。そのため、むくみや冷えといった不調が現れやすくなります。足ツボを刺激すると、溜まった老廃物の排出を促し、血液やリンパの流れがスムーズになり、むくみの改善や足の軽さを感じられるのです。

日常的に足ツボを刺激することで、血流やリンパの流れが改善され、むくみが起こりにくい状態を目指せるでしょう。

むくみに効く足ツボ5選

足には、むくみに効果的なツボが複数存在しており、それぞれ異なるアプローチで足のだるさや腫れを和らげてくれます。

ここからは、むくみの改善に役立つ代表的な足ツボを5つ紹介します。ツボの正しい位置や押し方を知り、日常生活に取り入れることで、むくみの悩みを軽減していきましょう。

ツボ1|太衝(たいしょう)

太衝(たいしょう)は、足の甲にあるツボで、気血の巡りをスムーズにする効果が期待できます。血流が改善されることで、足のむくみや冷えの改善に役立つとされています。

ツボの位置は、足の親指と人差し指の間をなぞっていき、骨にあたって止まる場所にあるくぼみです。押してみると、痛みを感じることがありますが、これはツボがしっかりと刺激されている証拠といえます。

押し方のポイントは、痛すぎない程度の力加減で、ゆっくりと垂直に押すことです。強く押しすぎると逆効果になることもあるため、心地良いと感じる程度の圧を意識しましょう。

ツボ2|三陰交(さんいんこう)

三陰交(さんいんこう)は、足の内側、足首から少し上の位置にあるツボです。消化器や内臓の働きを活性化し、血行の改善を促すとされているため、むくみや冷え改善の効果が期待できます。特に、生理痛や生理不順などの女性特有の症状にも有効です。

三陰交の見つけ方は、小指を内くるぶしの最も高い部分に置き、指4本をそろえて足に沿わせたときに、人差し指が当たるラインの骨と筋肉の境目に位置します。痛みを感じる場所を探しましょう。

押し方のコツは、息をゆっくり吐きながら押し、吸いながら指を離すことです。力を入れすぎず、痛みを感じない程度の強さで3回程度押しましょう。

ツボ3|豊隆(ほうりゅう)

豊隆(ほうりゅう)は、ふくらはぎにあるツボで、足のむくみが気になる方におすすめです。刺激すると、余分な水分の排出を促し、むくみを軽減する効果が期待できます。

豊隆の場所は、すねの骨の外側で、ひざと足首のちょうど中間に位置し、筋肉が最も盛り上がっている部分にあります。触れると少しくぼみがあるため、指で押したときにわかりやすいのが特徴です。

親指をツボに軽く当て、肌に沈み込ませるようにゆっくりと垂直に押します。強く押しすぎず、心地良いと感じる程度の圧を意識しましょう。むくみが気になるときや、足がだるいと感じたときに試すと効果を実感しやすくなります。

ツボ4|委中(いちゅう)

委中(いちゅう)は、膝の後ろにあるツボで、足の血流を促進し、むくみの改善に役立つとされています。

委中の位置は、ひざを曲げたときにできるシワのくぼみの真ん中です。座った状態で触ると少しくぼんでいるのがわかるでしょう。

押し方のポイントは、低めの椅子に座り、足を少し前に出してリラックスした状態で行うことです。中指を膝裏の中心に当て、ゆっくりと垂直に押し込むように刺激します。

ツボ5|湧泉(ゆうせん)

湧泉(ゆうせん)は、足の裏にあるツボで、血行の改善や水分代謝の促進に効果が期待されます。

特に、むくみや冷え、倦怠感の改善に役立つとされ、全身の巡りを整える重要なツボのひとつです。また、疲労回復や不眠対策にも有効といわれています。

湧泉の位置は、足の裏の中央よりやや上、足先から1/3ほどの場所です。足の指を曲げた際に、もっともへこんだ部分がこのツボにあたります。

押し方のポイントは、両手の親指をツボに当て、残りの指で足の甲を包み込むように支えながら、足先に向かって押し出すように刺激することです。

気持ち良さを感じられる程度の力加減で行いましょう。さらに、青竹踏みやゴルフボールを使ってツボを刺激する方法も効果的です。

足ツボ以外のむくみ対策

足ツボを刺激することはむくみ改善に効果的ですが、日常生活の中でできる習慣を取り入れることで、より改善しやすくなります。むくみの原因は血流の低下や水分代謝の乱れによるものが多いため、身体を動かすことや食事の工夫、入浴などのセルフケアを意識することも重要です。

ここからは、足ツボとあわせて取り入れたい、むくみ改善のための生活習慣やケア方法を紹介します。

体を意識的に動かす

むくみの予防や改善には、足をこまめに動かすことが重要です。特に、デスクワークや立ち仕事で長時間同じ姿勢を続けると、血流が滞りやすくなり、むくみが悪化しやすくなります。

簡単にできる対策として、足首を回したり、かかとを上げてつま先立ちを繰り返したりする動作が効果的です。これにより、ふくらはぎの筋肉が刺激され、血液やリンパの流れをスムーズにする手助けになります。

また、運動不足が続くと筋力が低下し、血流が悪くなりやすいため、意識的に歩く時間をつくるのもおすすめです。スニーカーなど歩きやすい靴を履き、日常の移動でできるだけ歩く習慣をつけることで、むくみにくい状態を目指せます。

湯船につかり体を温める

むくみの改善には、血流を促進することが重要です。そのため、湯船につかることは、効果的な方法のひとつとされています。身体が温まることで血管が拡張し、全身の巡りが改善されるため、余分な水分の排出がスムーズになり、むくみの軽減につながるのです。

さらに、入浴中にふくらはぎや足裏を軽くマッサージしたり、足首を回したり、ツボを刺激したりすると、より効果が期待できます。

しかし、入浴中は汗をかきやすく、水分不足になりがちです。入浴後はもちろん、日ごろからこまめに水分補給を意識することが大切ですが、利尿作用のあるコーヒーやお茶は水分を排出しやすくするため、入浴前後には避けた方が良いでしょう。

食事に気を配る

食事の内容は、むくみの発生に影響を与えることがあります。特に血液中のタンパク質「アルブミン」は、水分のバランスを保つ働きがあるため、不足するとむくみの原因になることがあります。

ダイエット中に主菜を減らしすぎたり、食事を抜いたりすると、タンパク質が不足しがちになるため、意識的に摂取することが重要です。

また、ビタミンB群は、糖質・脂質・水分代謝をサポートする作用があるとされており、体内のバランスを整えるのに役立つでしょう。特に、生理前などホルモンバランスの乱れが原因でむくみが起こりやすい時期には、ビタミンB6を含む食品を意識して摂ると良いでしょう。

さらに、体内の水分バランスは、ナトリウム(塩分)とカリウムによって調整されています。塩分の多い食事を摂った後や、夜遅くに食事をする場合は、カリウムを多く含む食品を取り入れることで、余分な水分の排出をサポートすることが期待できます。

まとめ

足のむくみは、血流の滞りや水分バランスの乱れによって起こります。今回紹介した足ツボを刺激すると、血流が促され、むくみの軽減につながるでしょう。さらに、運動や入浴、食事の工夫を取り入れることで、むくみにくい身体づくりも可能です。日々の習慣に足ツボマッサージや生活改善を取り入れ、スッキリとした軽い足を目指してみてください。