デスクワークなどで立つ機会が少なく、身体のむくみが気になっている方もいるのではないでしょうか。むくみ解消のためのストレッチには興味があるものの、ハードなものは難しいので短時間でできる対策があると良いですよね。
今回は、身体のむくみが起こる原因を押さえた上で、スキマ時間でできる簡単ストレッチを紹介します。
むくみの主な原因
まずは、身体のむくみを招く5つの原因を解説します。
長時間の同じ姿勢
デスクワークなどで、長時間同じ姿勢を続けているとむくみが出やすくなります。
人間の身体には「筋ポンプ」というはたらきがあります。筋ポンプとは、身体を動かすことで筋肉が収縮と弛緩を繰り返し、血液の流れを促進する役割のことです。
同じ姿勢のまま身体を動かさないでいると、筋ポンプが適切に働かなくなり、血流が滞ってしまいます。血行が滞ると老廃物や水分の代謝が低下し、むくみにつながるおそれがあるので注意が必要です。
身体の冷え
身体の冷えも、むくみを招く要因のひとつとされています。
身体を動かす機会が少なく、日頃の運動不足から筋肉量が落ちている方は特に要注意です。筋肉量の低下は基礎代謝量の低下を招き、熱を生む力が弱まって体温も下がっていきます。
より冷えを感じやすくなる可能性もあり、むくみが慢性化してしまうこともあります。
ふくらはぎの筋力不足
普段から座っている時間が長い方は、特に下半身の筋肉が働かず、ふくらはぎの筋力が低下している傾向があります。
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれる部位で、筋ポンプのはたらきがある重要な器官として知られています。ふくらはぎの筋力が低下すると、血行不良のリスクが高まり、代謝も低下してむくみにつながる可能性も否定できません。
不規則な生活
不規則な生活が長く続くと、むくみが起きやすくなります。
寝不足やストレスなどが積もり積もって自律神経が乱れ、水分の代謝が落ちることもむくみの原因です。お酒の飲みすぎや無理なダイエット、塩分の摂り過ぎなどもむくみを招くので、人によっては生活習慣の見直しも必要になります。
女性特有の原因
女性のむくみは、女性ならではの体調の変化も関係しています。
特に生理前から生理中にかけての期間は、女性ホルモンのバランスが変化することでよりむくみやすい時期なのです。
妊娠中も子宮が大きくなる影響で、血流の圧迫が起きてむくみやすくなる傾向にあります。
むくみ改善に役立つストレッチ5選
身体のむくみは、日々のストレッチである程度軽減できます。無理のない範囲で取り入れてみましょう。
ここでは、短時間で簡単にできる、むくみ改善に役立つストレッチを45つ紹介します。
ふくらはぎのストレッチを効かせるトレーニング
第二の心臓であるふくらはぎをしっかり鍛えるストレッチです。
1.椅子の背もたれなどに手を置き、かかとを少し上げる。
2.背伸びするようにして3秒数えながら、かかとを浮かせる。
3.3秒数えながら、かかとを床につかないギリギリのところまで下げる。
4.同じ動きを20回繰り返す。
筋トレに近いストレッチですが、椅子の背もたれなどを使って行うので運動初心者でも無理なく行えます。デスクワークの合間でもできるので、休憩時間などに取り入れてみてください。
足首のストレッチ
足首の硬さを和らげるストレッチです。ふくらはぎも一緒に伸ばせるので、足のむくみが気になる方に適しています。
くるぶしの下に位置する「距骨(きょこつ)」を中心に動かしてから始めましょう。
1.足首をつかみ、1秒以上かけてゆっくり大きく回す
2.片方の足につき5回程度回し、足首の動きを良くしておく
3.素足で椅子に座り、足の甲を床に向けて押し付けて伸ばす
4.足首を鋭角に変え、足裏を床に押し付ける
4の動きは、足裏を床に密着させた状態で膝を前に倒しても大丈夫です。少し痛気持ち良い程度に伸ばし、20秒程度キープしましょう。
ふくらはぎのストレッチ
ふくらはぎをケアして、むくみやだるさを軽減する効果が期待できるストレッチです。
1.床に四つん這いになり、下腹部と背中を持ち上げて背骨を伸ばす
2.左足を後ろに真っすぐ伸ばし、足の裏全体が伸びている感覚が出るまで伸ばす
3.左足のかかとを床に近づけるイメージで、さらに後ろに伸ばす
4.反対側も同様に行う
股関節のストレッチ
股関節を回して緩めるストレッチです。ベッドの上でもできるので、寝る前のルーティーンに加えると無理なく続けられます。
1.仰向けに寝て、腰骨・膝・足の人差し指が真っすぐになるラインで左膝を立てる
2.立てた左膝を外側にゆっくり倒す
3.外側に倒した状態から、両足をそろえるようにしてゆっくり伸ばす
4.左膝をもう一度立て、今度は内側に倒してから伸ばす
5.同じ動きを両足で3~5回ずつ行う
股関節をゆっくり回すようなイメージで、流れるように動かすのがコツです。膝を外側に倒すときは、無理のない範囲でゆっくりと倒しましょう。
膝裏を伸ばすストレッチ
寝ながらできる膝裏を伸ばすストレッチです。
1.両手を組み、片方の太ももを抱えるようにして支える
2.足を天井に向けて伸ばす
3.足の指が自分の顔に向くようにして、足首を手前に倒す
4.3秒キープして緩める
5.同じ動作を15セット繰り返し、反対側も同様に行う
足首を手前に倒すときは、かかとを上に突き上げるようにして姿勢をキープします。両手で太ももをしっかり支え、体勢がぐらつかないようにしましょう。
むくみを解消するためにしておきたいコト
ストレッチを毎日継続すること以外にも、むくみを軽くするために日頃から心がけたいポイントもあります。
ここでは、むくみを解消するために押さえておきたい生活習慣を紹介します。
定期的に立ち上がる
座っている時間が長い方は、1時間に1回は立ち上がる習慣をつけましょう。
トイレに行ったり、その場で足踏みをしたりするなど、ふくらはぎのポンプ機能を動かすことを意識するのが大切です。休憩時間に簡単なストレッチを入れてみても良いでしょう。
水分とカリウムを適切に摂取する
食事の摂り方を工夫するのも、むくみの緩和に効果的です。
むくみを軽減させるには、毎日適切に水分を摂取し、きちんと排出しましょう。水分は体重1kgに対して30ml摂取するのが目安です。水分補給には、カフェインやアルコール、糖分が含まれていない飲み物を選んでください。
食材としては、カリウムを多く含む食品は水分排出をサポートできるため、むくみ解消に効果的とされています。カリウムを多く含む食品は、じゃがいも、ほうれん草、納豆などが代表的です。
カリウムは水に溶けやすい性質があるため、茹で汁ごと飲めるスープにすると無駄なく摂れます。水分も一緒に摂れるので、日々の献立に取り入れてみてください。
冷え対策をする
身体の冷えを防ぐことも重要です。夏場でも入浴時はシャワーだけで済ませず、しっかりと湯船につかりましょう。
身体を温めるはたらきが期待できる食べ物を摂るのもおすすめです。寒い地方で栽培される野菜や、冬場に旬を迎える野菜が適しています。具体的にはにんじん、れんこん、ごぼうなどがあげられます。
味噌や納豆などの発酵食品、胚芽米やナッツ類なども、身体を温めるはたらきが期待できるので、献立に加えてみましょう。
靴を履き替える
オフィスワークの方は、足に負担がかかりにくい靴に履き替えるのも効果的です。
通勤時やデスクワーク中はできるだけフラットシューズを履き、必要なときだけハイヒールに履き替えるなどして、足に負担をかけない工夫をしてみてください。
普段履く靴も、足のサイズや厚みに合った靴を選ぶのが基本です。きつすぎて血行不良になったり、逆に大きすぎて靴の中で足が滑ってしまったりするような靴は避けましょう。
まとめ
身体のむくみは、運動不足による筋ポンプ機能の低下や、日々の生活習慣などによって悪化することがあります。ポンプ機能を担うふくらはぎや、むくみが出やすい下半身のストレッチを継続して、むくみの解消を心がけましょう。
水分摂取や食習慣の見直しも効果的です。毎日できることから始めて、むくみにくい健康的な身体を目指してみてください。