身体の歪みからくる症状とは?歪みの原因と解決策を徹底解説

肩こりや腰痛が続き、「もしかして身体が歪んでいるのかも……」と感じていませんか?足を組むクセや姿勢の悪さなど、日常のちょっとした習慣が身体の歪みを引き起こし、さまざまな不調につながります。今回は、身体の歪みがもたらす症状や原因、セルフチェック方法、そして改善策までをわかりやすく解説します。


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身体の歪みからくる症状

身体の歪みは、筋肉や骨格のバランスを崩し、血流や神経にも影響を及ぼすことがあります。その結果、肩こり、腰痛、膝痛だけでなく、内臓の不調や自律神経の乱れを引き起こすこともあるのです。

肩こりや腰痛が起きる

身体の歪みは、背骨の自然なS字カーブを崩し、筋肉や関節に過剰な負担をかけます。本来、背骨は、首から腰にかけて緩やかなカーブを描きながら身体を支えています。

しかし、長時間の不良姿勢や足を組むクセなどが続くと、身体のバランスが崩れ、僧帽筋や背筋などの筋肉が常に緊張した状態になるのです。

筋肉の緊張が続くと、血液やリンパの流れが滞り、酸素や栄養が行き届きにくくなります。その影響で肩こりや腰痛が起こるだけでなく、頭痛、むくみ、冷え、倦怠感など、さまざまな不調を引き起こすのです。

さらに、筋肉のこわばりが慢性化すると、発痛物質が蓄積され、痛みが長引きやすくなります。

内臓機能が低下する

骨格が正常なバランスを保っている場合、内臓は正しい位置で支えられ、スムーズに機能しています。しかし、骨盤や背骨が歪むと、内臓が本来の位置からずれてしまい、必要な働きが十分に行えなくなるのです。

特に、骨盤の傾きによって胃や腸が圧迫されると、消化機能の低下につながります。その結果、胃もたれや消化不良、便秘などの不調にもつながるのです。

また、内臓が正しい位置に収まっていないと、血液やリンパの流れにも悪影響がおよび、代謝が落ちて疲れやすくなるケースも少なくありません。

自律神経が乱れる

筋肉、骨格、神経は互いに密接に関係しており、身体のバランスが崩れると、呼吸が浅くなったり、血流が悪くなったりします。これは、自律神経の働きが乱れやすくなる状態です。

自律神経が乱れると、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなり、身体が常に緊張した状態が続きます。その結果、イライラや不安感、集中力の低下、睡眠の質の悪化といった精神的な不調につながるのです。

さらに、長期間この状態が続くと、疲労感が抜けにくくなり、頭痛や倦怠感といった身体的な不調につながる場合もあるでしょう。

身体に歪みが生じるのはなぜ?

身体の歪みは、日常のちょっとした習慣や生活環境が原因で起こることが多いです。運動不足や姿勢の乱れ、片方に偏ったクセなどが積み重なり、筋肉や骨格のバランスが崩れ、歪みが生じます。ここからは、主な原因について詳しくみていきましょう。

運動不足

運動不足は、身体の歪みを引き起こす大きな原因のひとつです。日常的に身体を動かす機会が少ないと、筋肉量が減少し、骨格を支える力が弱くなります。

特に、姿勢を維持するために重要なインナーマッスルが衰えると、骨盤や背骨の位置が安定せず、身体のバランスが崩れやすくなります。

不良姿勢

不良姿勢は、身体の歪みを招く代表的な原因のひとつです。猫背や反り腰など、正しい姿勢を保てていない状態が続くと、背骨や骨盤に傾きが生じます。

本来、背骨はS字カーブを描きながら身体を支えていますが、猫背ではこのカーブが極端に丸まり、反り腰では腰椎が過度に反った状態になり、骨格にかかる負担が特定の部位に集中することで筋肉のバランスが崩れるため、身体の土台となる骨盤まで傾いてしまうのです。

日常生活におけるクセ

日常生活で無意識にしている動作やクセが、身体の歪みを引き起こす原因になるかもしれません。

例えば、足を組んで座る、左右どちらかの足に体重をかけて立つ、バッグを片方の肩だけにかけるなどの行動が、身体の歪みに影響します。

身体の歪みをセルフチェックする方法

身体の歪みは自覚しにくいため、気付かないうちに不調が発生していることもあります。自分で簡単にチェックできる方法を知っておけば、歪みの早期発見や予防につながるでしょう。ここからは、セルフチェックの具体的な方法を紹介します。

肩の高さでチェックする方法

鏡の前に自然な姿勢で立ち、肩の高さを比べるだけの簡単なセルフチェック方法です。鏡に映った肩の高さを観察し、左右どちらかが高くなっていたり、傾いていたりする場合、骨盤や背骨のバランスが崩れている可能性があります。

仰向けでチェックする方法

仰向けで手軽にできるセルフチェックもあります。まず、床に仰向けになり、両膝を立ててリラックスした状態を作ります。その後、両膝を揃えたまま、ゆっくり左右に倒してみましょう。

このとき、左右どちらかに倒しにくさを感じたり、痛みや違和感があったりした場合は、骨盤の傾きや歪みが生じている可能性があります。

骨盤の傾き具合をチェックする方法

骨盤の傾き具合は、壁を使った簡単なセルフチェックで確認できます。まず、壁に後頭部、お尻、かかとをつけて立ち、自然な姿勢をとります。このとき、腰と壁の間にできる隙間に手を入れ、隙間の広さを確認しましょう。

隙間が広すぎる場合は、骨盤が前に傾いている「前傾」の可能性があります。前傾していると、腰椎が反った状態になり、腰痛や反り腰の原因になるでしょう。一方、隙間がほとんどなく、腰が壁に密着している場合は、骨盤が後ろに傾いている「後傾」の状態です。後傾していると、猫背になりやすく、腰や背中の筋肉に過剰な負担がかかります。

さらに、左右どちらかに重心が傾いている場合は、骨盤の左右のバランスが崩れているサインです。

身体の歪みを改善するための解決策

身体の歪みは、日々のストレッチや姿勢の見直しで改善が見込めます。特に、骨盤や背骨のバランスを整えるストレッチは、無理なく続けやすく、効果が期待できます。ここからは、気軽に取り組めるストレッチや姿勢改善の方法を紹介します。

ストレッチをする

ストレッチは、身体の歪みを改善するために手軽に始められる方法です。凝り固まった筋肉をほぐし、血行を促進することで、骨格のバランスを整えやすくなります。ここからは、立ったまま行うストレッチや座りながらできる方法など、状況に合わせたストレッチを紹介します。

立ち姿勢で行うストレッチ

立ったままできるストレッチは、日常の隙間時間に手軽に取り入れられるため、忙しい方にもおすすめです。骨盤の歪みを整え、腰や股関節まわりの筋肉をほぐす効果が期待できます。下記の手順で行いましょう。

1.自然な状態で、真っ直ぐ立つ
2.片方の足首を手で持ち、かかとをお尻に近づける
3.お腹に軽く力を入れて、体幹を安定させる
4.太ももの前側が伸びているのを意識しながら、ゆっくりと膝を後ろに引いていく
5.この姿勢のまま15~30秒キープする
6.反対側の足も同様に行う

座り姿勢で行うストレッチ

座った状態で行うストレッチは、デスクワークの合間やテレビを見ながらでも手軽にできます。骨盤まわりの筋肉を柔軟にし、歪みを整える効果が期待できるでしょう。下記の手順で行ってみましょう。

1.床に座り、片方の膝を立てて、足裏を床につける
2.立てた膝に反対側の肘を当て、上半身を軽くひねる
3.背筋を伸ばすことを意識しながら、肘で膝を軽く押してストレッチを深める
4.その状態で15~30秒キープする
5.反対側も同様に行う

姿勢を整えるストレッチ

姿勢を整えるストレッチは、骨盤の位置を正しく保ち、全身のバランスを改善するのに役立ちます。特に、猫背や反り腰などの不良姿勢をリセットする効果が期待できるので、日常的に取り組みましょう。下記の手順で行ってみてください。

1.足を肩幅に開き、両手をまっすぐ上に伸ばす。このとき、上半身は天井に向かって引き上げ、下半身は床を押すようなイメージで力を入れる
2.かかとをしっかりと持ち上げつま先でバランスを取りながら、1の姿勢よりもさらに上下に身体を引き伸ばす
3.かかとを下ろし、手のひらを合わせる
4.右脚を90度に曲げて、足裏を左脚の膝の横につけた状態で5秒間キープする
5.反対の脚も同様に行う

バランスを取るのが難しく、転びそうになる場合は、1と2のみを繰り返すだけでも効果があります。無理をせず、自分のペースで続けてください。

普段の姿勢を見直す

普段の姿勢を見直すことは、身体の歪みを防ぐために欠かせません。立ち姿勢や座り姿勢が乱れると、骨盤や背骨に余計な負担がかかり、歪みの悪化につながります。ここでは、正しい立ち姿勢と座り姿勢のポイントを紹介します。

正しい立ち姿勢

理想的な姿勢は、横から見たときに耳・肩・腰・くるぶしが一直線上に並んでいる状態です。このとき、肩の力を抜いてリラックスし、余計な緊張を避けます。

さらに、お腹に軽く力を入れることで体幹が安定し、骨盤が正しい位置に保たれます。これらのポイントを意識することで、立ち姿勢のバランスが整うでしょう。長時間立っている場合でも、定期的に姿勢を見直す習慣を身に付けてください。

正しい座り姿勢

理想的な座り方は、耳・肩・腰の中心が一直線になり、骨盤がまっすぐ立った状態です。さらに、足裏全体を床につけると重心が安定し、腰や膝への負担も軽減されます。

正しい座り姿勢を日常的に意識することで、長時間のデスクワークでも疲れにくい身体を維持できるでしょう。

正しい座り方については、下記の記事で詳しく紹介しています。
椅子の正しい座り方と姿勢をキープするためのコツを解説

まとめ

身体の歪みは、肩こりや腰痛、内臓機能の低下、自律神経の乱れなど、さまざまな不調を引き起こします。しかし、日常の姿勢を見直し、簡単なストレッチを続けることで、歪みの改善と予防が可能です。今回紹介したセルフチェックやストレッチを取り入れ、身体のバランスを整える習慣を身に付けましょう。

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