尾骨(尾てい骨)が痛い5つの原因は?痛みを軽減する方法も解説

椅子に長時間座っていると、尾骨(尾てい骨)が痛くなることはありませんか。座るときだけでなく、仰向けに寝るときも尾骨が当たり、日常生活に支障が出てしまう方もいるでしょう。今回は、尾骨が痛い原因や対処法を詳しく解説します。尾骨の痛みを軽減したい方はぜひ参考にしてください。


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尾骨が痛いときに考えられる主な原因

尾骨が痛いときに考えられる主な原因を5つ紹介します。

打撲・骨折

外傷や運動による打撲や骨折によって、尾骨の痛みが生じている可能性があります。尾骨は背骨の一番下にあるため、尻もちをついたり階段で転倒したりしたときに打撲・骨折しやすいのです。

また、スケートやホッケーなどのスポーツ中にお尻を強打することで、尾骨を骨折することもあります。しっぽの名残である尾骨は少し飛び出しているため、座ったときに体重がかかり、痛みが長引く傾向があります。

なお、尾骨は細い骨で構成されているため、骨折しても強い痛みや腫れが出ないこともあります。尾骨の痛みが長期間続いている場合、打撲ではなく骨折の可能性があるため、医療機関を受診しましょう。

不良姿勢

座っているときの姿勢に問題があり、尾骨の痛みを引き起こすこともあります。

椅子にきちんと腰かけず、前にずり落ちたような座り方をしたり、背中が丸まった猫背の姿勢で座ったりすると、尾骨に過度な体重がかかります。その結果、尾骨が痛くなってしまうのです。

また、長時間同じ姿勢で座ると尾骨の可動域が制限され、尾骨が後ろに出てきてしまうことがあります。尾骨が突き出ると骨や関節に過度な圧力がかかり、痛みを感じることがあります。

妊娠・産後

女性の場合、妊娠中や産後にかけて「リラキシン」というホルモンが分泌され、骨盤周辺の靭帯や関節などが緩くなります。

リラキシンは赤ちゃんが産道を通りやすくするために重要なホルモンですが、このホルモンによって産後は尾骨周辺の組織も柔らかくなります。その結果、関節に過度な負担がかかり、尾骨の痛みが出やすくなるのです。

また、妊娠すると体重が増加し、余分な圧力が尾骨に伝わることも痛みが出る原因です。

病気

あまり頻度は高くありませんが、何らかの病気が原因で尾骨に痛みが出ている可能性もあります。尾骨が痛くなる病気としては、下記のような例があげられます。

尾骨滑液包炎(びこつかつえきほうえん)

尾骨滑液包炎は、尾骨と皮膚の間にある尾骨滑液包に炎症が起こる病気です。長時間座り続けると、尾骨滑液包がズレたり圧迫されたりすることで炎症を起こし、痛みが出ることがあります。

仙骨脊索腫(せんこつせきさくしゅ)

仙骨脊索腫は、尾骨の少し上にある仙骨に発生する悪性腫瘍です。発症することは稀ですが、自覚症状が少なく病気に気づきにくいといわれています。稀ではありますが、仙骨脊索腫を発症すると、お尻の周りや尾骨に痛みやしびれが生じることがあります。

馬尾腫瘍(ばびしゅよう)

馬尾腫瘍とは、脊髄の末梢部分にある馬尾にできる腫瘍のことです。馬尾腫瘍ができると痛みやしびれ、歩行障害、排尿・排便障害などの症状が現れることがあります。横になると症状が強くなり、身体を起こすと痛みが軽減するのが特徴です。

尾骨が痛いときの対処法

尾骨の痛みは日常生活への影響が大きいため、少しでも軽減したいものです。ここでは、尾骨の痛みを和らげるための方法を8つ紹介します。

座り方を工夫する

背もたれに寄りかかり、前にずれたような座り方をすると尾骨に座面が当たり、痛みが悪化してしまいます。

そのため、椅子に座るときは深く腰掛けて背筋を伸ばし、尾骨ではなく坐骨(両方のお尻にある尖った骨)に体重がかかるように意識しましょう。両足をしっかり床につけ、坐骨で上半身を支えるのがポイントです。また、体を少し前に倒し、尾骨が椅子に当たらないように座ることでも痛みを軽減できます。

クッションを活用する

硬い椅子に座ると尾骨の痛みが強くなるため、柔らかいクッションを敷くのもおすすめです。また、真ん中に穴が空いたドーナツ型のクッションも尾骨にかかる負担を軽減でき、座ったときの痛みが緩和しやすくなります。

なお、デスクワークの際は30分に1回程度立ち上がり、座りっぱなしの時間をできるだけ短くしましょう。

正しい姿勢を意識する

不良姿勢が原因で尾骨の痛みが発生していることがあるため、姿勢を正すことも大切です。座っているときはもちろん、立ったり歩いたりする際も正しい姿勢を意識することで重心のバランスが整い、尾骨の痛みが軽減することもあります。

慢性的な痛みは入浴で温める

尾骨の慢性的な痛みがある場合は、入浴で温めるのもおすすめです。40度以下のお湯にゆっくりつかって患部を温めることで、痛みが和らぐことがあります。浴槽内で猫背にならないよう気を付け、背筋を伸ばすのが難しい場合は正座してみましょう。

ただし、尾骨が腫れていたり熱を持っていたりする場合は入浴を控え、シャワーで軽く済ませましょう。

市販の痛み止め・湿布を使用する

尾骨の痛みが強い場合は、市販の痛み止めや湿布を使用するのもひとつの方法です。アセトアミノフェンやロキソプロフェンなどの鎮痛薬を服用することで、痛みの軽減が期待できます。

ストレッチを行う

不良姿勢や長時間の座り姿勢によって尾骨に痛みがある場合は、腰やお尻周辺の筋肉を伸ばすストレッチも効果的です。ここでは、簡単にできるストレッチを2つ紹介しますので、ぜひ実践してみてください。

梨状筋のストレッチ

梨状筋(りじょうきん)とは、お尻の深い部分にある筋肉で、太ももの骨(大腿骨)と骨盤を結んでいます。下記のストレッチをすれば、梨状筋を効率良く伸ばせます。

1.椅子に座り、片方の足のくるぶしを反対側の太ももの上に乗せる
2.骨盤を前方に倒し、姿勢をキープする
3.元の姿勢に戻る
4.1~3を繰り返す

ストレッチの際は、腰が丸まらないように意識するのがポイントです。継続してストレッチを行うことで、尾骨の痛みだけでなく腰痛の改善も期待できます。

腸腰筋のストレッチ

腸腰筋(ちょうようきん)とは、大腰筋(だいようきん)、小腰筋(しょうようきん)、腸骨筋(ちょうこつきん)の総称です。背骨から骨盤、太ももにかけて走っています。骨盤の傾きを調整して姿勢を安定させることで、仙腸関節にかかるストレスを軽減できます。

1.左足を床につけて片膝を立てる
2.骨盤を前にゆっくり傾け、右足に体重をかけながら腰を落とす
3.左足の太ももの前側と股関節の前側が気持ち良く伸びた感覚があればストップし、20秒キープする。これを3回繰り返す
4.右足も同様に伸ばす

無理なく毎日のストレッチを継続し、日頃から柔軟性をキープしておきましょう。

マッサージでお尻の筋肉をもみほぐす

セルフマッサージで尾骨周辺の筋肉をもみほぐすのもおすすめです。

お尻を親指で押し「少し痛いけど気持ち良い」と感じる部分を見つけてみましょう。ポイントが見つかったら10秒ほど押し、ほかにも気持ち良いポイントがないか探してみてください。

痛みが続く場合は病院を受診する

姿勢の改善やストレッチ、マッサージなどのセルフケアを試しても痛みが続く場合は、別の原因が隠れている可能性もあるため、整形外科などの医療機関で相談することをおすすめします。

また、徐々に痛みが悪化している場合や、しびれや歩行障害、排尿障害、排便障害、歩行障害、排尿時の痛みなどの症状がみられる場合も受診が必要です。

まとめ

尾骨(尾てい骨)が痛い原因は打撲や骨折、不良姿勢などがあげられます。また、女性は妊娠の影響で尾骨周辺の組織が柔らかくなり、尾骨の痛みが出やすくなります。

尾骨の痛みは、姿勢の改善や入浴、ストレッチ、マッサージなどのセルフケアで対処することが可能です。ただし、セルフケアで痛みが改善しない場合は、他の原因が考えられるため、早めに整形外科などの医療機関へ受診しましょう。