横向きで寝ることと顎関節症の関係は?原因や適切な寝方、予防法を紹介

横向きの姿勢で寝ると、リラックスして眠れるという方は多いでしょう。しかし横向きで寝ると、顎関節症(がくかんせつしょう)を発症するリスクがあると考えられています。 今回は、横向き寝が顎関節症になりやすい理由や、顎関節症を予防するための適切な寝方を解説します。口が開けにくい、あごに痛みがあるなどの症状に悩まされている方は、ぜひ参考にしてください。


この記事は約6分で読み終わります。

横向き寝は顎関節症になりやすい?その理由は

ここからは、横向きで寝るのが顎関節症の原因になる理由を解説します。

顎関節に負担がかかるため

横向きで寝ると顎関節がちょうど真下の位置になるため、頭の重みが顎関節にかかることになり、顎関節症を発症するリスクが高まります。

顎関節症の主な症状は、痛みがあって口が開けにくい、口を開閉するたびにカクカクと音がするなどです。

また、横向きで寝ていて歯並びが悪くなったことが原因で、顎関節症になってしまうこともあります。

あごの関節は複雑な動きをする関節で、回転運動のほか、前後左右にも動きます。普段から横向きで寝る習慣がある方は、あごの関節を守るためにも、なるべく横向きで寝る習慣を改善することが大切です。

顎関節がずれやすいため

横向きで寝たときに、頭や顔の重みがのしかかった顎関節は、徐々にずれていくことがあります。

普段から横向きで寝ている方は、顎関節が何となくはまっていないような感覚を覚える場合が少なくありません。

顎関節症が進行すると、筋肉が硬くなったり、痙攣を起こしたりすることであごの動きが制限される場合もあります。

顎関節症の症状が進行し、慢性的な痛みや不快感が続くと、睡眠障害や精神的なストレスを感じるケースもあります。そのため、顎関節症の症状が現れたときは早めに医師の診断を受けることが重要です。

横向きで寝ること以外に顎関節症のリスクを高める要因

ここからは、横向きで寝ること以外の、顎関節症のリスクを高める要因をみていきましょう。

座っている時間が長い

普段からデスクワークが多いなど座っている時間が長い方は、頭が前に出て前かがみの姿勢になりやすい傾向にあります。

前かがみの姿勢は頭や首、顎関節周囲の筋肉に負担がかかるため、顎関節症を発症するリスクが高まるといわれています。

そのほか、座っているときは下記のような姿勢にならないように注意が必要です。

・足を組む
・猫背になる
・頬杖をつく

座っているときに足を組むと、姿勢の崩れや骨盤のゆがみを引き起こすため、身体のバランスが崩れて顎関節症を発症しやすくなります。

猫背は、背中が丸くなっているうえに顔を前に突き出している姿勢です。この状態では口をうまく開くことができず、必然的にあごの可動域が狭くなってしまいます。

口腔内に問題を抱えている

虫歯や知覚過敏、歯並びが悪いなど、口腔内に何らかの問題を抱えている場合、食事中に片側だけの咀嚼になりやすい傾向があります。

片側だけの咀嚼は、咀嚼時に使用される「咬筋」と呼ばれる筋肉に負担をかけるため、顎関節症の発症を高めるおそれがあります。

ストレスが溜まっている

人間はストレスが脳に伝わると、無意識のうちにストレスを発散しようとして歯ぎしりをしたり、歯を食いしばったりします。

すると顎関節や周辺の筋肉の緊張や疲労につながる上に、血液や関節液の流れも悪くなってしまいます。その結果、スムーズに口の開け閉めができなくなったり、顎関節に痛みが生じたりするのです。

顎関節症を予防するための適切な寝方

ここからは、顎関節症を予防するための適切な寝方を紹介します。

仰向けの体勢で寝る

あごへの負担が少なく、顎関節を予防できる寝方は、まっすぐ上を向いて寝る「仰向け寝」です。

仰向け寝には下記のようなメリットがあります。

・身体に負担がかかりにくい
・血流を妨げにくい
・寝返りを打ちやすい
・鼻呼吸がしやすく、口の乾きを防げる
・咬合への影響が少ない

また、歯やあごに負担の少ない寝姿勢をキープするには、寝返りを打ちやすいマットレスを選ぶといった工夫も必要です。

吸湿性・放湿性に優れ、体型にぴったりと合う敷き布団を選びましょう。また寝返りを打ちやすいように、掛け布団は軽いものを選ぶことも重要です。

毎日決まった時間に寝る

毎日決まった時間に就寝することで、顎関節症の予防につながります。昼夜逆転の生活、毎日寝る時間がバラバラなど、睡眠のリズムが不規則だと睡眠の質が低下し、顎関節症のリスクが高まるため注意が必要です。

睡眠の質を良くするための方法は、下記の通りです。

・起床後に朝日を浴びる
・午後3時以降や長時間の昼寝はしない
・適度に運動する
・睡眠の質を高める食べ物を摂る
・寝室の環境を良くする
・眠りにつきやすくなるルーティンを取り入れる
・寝床に入ったら入眠を妨げる行動を避ける

就寝前に深部体温が下がっていない場合、寝つきが悪くなることがあります。人には、身体の深部体温が下がると眠くなり、入眠しやすくなるという性質があるためです。

そのためには、就寝の1~2時間前にぬるめのお風呂につかり、深部体温が効率良く下がるようにしましょう。

就寝直前に熱いお湯につかる、運動するといった行動をとると、深部体温が上がって睡眠の質が下がるおそれがあるので、控えてください。

自分に合う枕を使用する

枕が高すぎたり、硬すぎたりすると、あごに負担がかかりやすくなります。睡眠の質を上げるためにも、自分の身体に合った枕を使用することが重要です。枕を選ぶ際は、下記のポイントを意識しましょう。

・枕の位置が仰向けで寝た際に高すぎないもの
・大きいサイズのもの
・反発力が高いもの

枕の役割は、敷き布団やマットレス、後頭部から首にかけてのすき間を埋めることで、立ち姿勢に近く自然な体勢を保つことです。

このすき間の大きさには個人差があり、それに適した枕も人によって異なります。そのため、自分に合った枕の高さを知り、安定感のあるものを選ぶのがおすすめです。

また、小さい枕は就寝中に頭が枕の下に落ちて、あごに負担がかかるおそれがあります。大きい枕であれば頭をしっかり乗せられる分、寝返りが打ちやすくなります。加えて、反発力の高い枕なら、頭や肩を支えられるので、あごの痛みを予防することにもつながるでしょう。

日常でできる顎関節症を予防する方法

日常でできる顎関節症を予防する方法として、下記があげられます。

・マッサージをする
・生活習慣を改善する
・正しい姿勢を心がける
・ストレスを発散する

マッサージをする場合は、下記の方法を試してみてください。

1.人差し指を、食いしばったときに膨らむ咬筋にあてる
2.クルクルと円を描くように優しくなぞる
3.このマッサージを朝晩5~10分ずつ行う

また顎関節症を予防するためには、日常生活での何気ない癖を自覚することも必要です。特に、食いしばる癖や上下の歯を接触させる癖(TCH)は、顎関節症の発症や悪化に大きく関わっています。

TCHに気づいた際には、口を開けて上の歯と下の歯のすき間を開ける、軽く口を閉じるときも、上下の歯が当たらないようなポジションを確認する、といったことを意識しましょう。

上記を実践しても改善されない場合は、症状が悪化する前に歯科医院に相談することが大切です。

まとめ

横向きで寝ると、顎関節に頭の重みが加わり、顎関節症を発症するリスクを高めるといわれています。顎関節症を予防するためには、なるべく仰向けの体勢で寝ることを意識しましょう。

また、生活習慣の改善や日常で正しい姿勢を心がけることも、顎関節症の予防につながります。セルフケアを行っても症状が改善しない場合は、早めに歯科医院での治療や外科的治療を受けましょう。